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【夫が被害者のケース】弁護士は、DV妻とどのように敵対し、向き合っているか。

2019.09.16更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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>【弁護士が解説】逆DV離婚)解決までにかかる期間はどのくらい?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(2)】そもそもこちらが家を出ないといけないのか?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(7)】子供のことはどうすれば良いか

>逆DVの被害者が陥りがちな5つの落とし穴

>【弁護士が解説】DV妻のよくある言い分と、弁護士の対応方法

>【逆DV】DV保護命令を申し立てた方が良いかの6個のチェックポイント

 

 

1.DV妻との向き合い方


 私はDV離婚のケースを取り扱うことが多いものですから、DV妻と生で話をしながら、どのようにすれば早期離婚を獲得できるのかという観点から試行錯誤を繰り返してきました(もちろん、これからも試行錯誤を繰り返さなければならないと考えています)。

 

 DV被害を受けた方がご相談に来られる際、よくおっしゃるのは「妻は一度言ったことは絶対に変えないから、弁護士さんが間に入っても、離婚届にサインはしてくれないのではないかと思います」という話です。

 確かに、私が出会ったDV妻の方は独自の価値観をお持ちで、それを頑固に曲げないという方が非常に多いように感じます。

 

 ただ、他方で、弁護士の心がけ次第で早期離婚を勝ち取ることができたケースもあり、私自身も当初の想定よりも早く離婚にこぎ着けたケースを担当しています。

 

 そこで、ここでは、弁護士がDV妻とどのように向き合って手続を進めていくのかについてご説明します。

 なお、弁護士はそれぞれ自分が最も適切だと思う弁護方針で活動していますので、私のやり方が正しいと言うことではありません。以下は、イチ弁護士のDV妻との向き合い方という意味で捉えて頂ければ幸いです。

  また、今回の解説にて「DV妻」とは「旦那様に対して殴る、蹴ると言った直接の身体的暴力を振るった妻」と限定した上でお話しさせていただきます。

 

 

2.【DV妻との向き合い方1】メリハリを付ける


 

 DV妻との向き合い方の一つが、まずは、メリハリを付けると言うことです。

 

 これは弁護士としての弁護方針にもよりますので、どの方法がよいとは言えませんが、弁護士によっては徹底的に相手と対立する、喧嘩するというやり方の先生もいらっしゃいます。しかし、私はその様な方法は取っていません。もちろん、こちらの要望として伝えなければならない点はしっかりと伝えますが、相手の言い分全てに対立していては、早期離婚の道を閉ざしてしまう恐れがあります。

 

 そこで、私は相手の言い分全てに対立するのではなくメリハリを付けて対応するようにしています。

 例えば、DV妻から旦那様の住所を尋ねられた際には絶対に回答しません。これに対して、旦那様が離婚を決意した原因を聞かれた際には丁寧にご説明します。このように相手の質問や言い分に応じて臨機応変に対応するようにしています。

 

 

3.【DV妻との向き合い方2】弁護士の牽制力を適度に使う


 

 通常、DV離婚の依頼を弁護士が受けた場合、DV妻に対して通知を郵送するところから事件に着手します。

 DV妻からすると、突如旦那様との連絡が取れなくなったと思ったら、突如旦那様の代理人を名乗る弁護士から手紙がやってくるということになります。

 

 DV妻も弁護士から手紙が来ると多少は危機感を持つことが多いので、そのことによる牽制力を私は上手く利用するようにしています。

 弁護士なので様々な法的な手段を執れるということを誇示してしまいますと、相手は反発し「それならこちらも弁護士を立てて徹底的にやってやりますよ」というように言われてしまう虞がありますので、「適度に」牽制力を活用するようにしています。

 

 

4.【DV妻との向き合い方3】できる限りこまめに相手と連絡を取る


 

 DV妻が私のところにどの程度の頻度で電話をしてくるかは、そのDV妻の性格等によるところが大きいのですが、比率で言いますと、弁護士に対してはあまり頻繁に連絡を取ってこない方の方が多いように感じます。

 

 ただ、頻繁に連絡をしてくる人は頻繁に連絡をしてきますので、そのような方に対しては極力頻繁にこちらも電話応対するようにしています。

 

 DV妻によっては1日に2,3回電話をかけてくる方もいて、その都度対応しているとかなりの時間を取られてしまうのですが、粘り強く相手に同じ回答を繰り返すことで、相手の理解が多少深まると言うこともありますので、極力頻繁に話をするように努めています。

 逆に、頻繁に連絡を取ってこないDV妻のケースですと、むしろ、こちらから連絡を取ろうとしても、連絡が取れないというケースも多く、そのような場合には、早期に協議離婚は断念して調停離婚を申し立てるというケースもあります。 

 

 

5.【DV妻との向き合い方4】相手の話も丁寧に聞く


 

 これは、相手の話に共感するという意味ではありません。

 DV妻は、自己の暴力を正当化するため、このような経緯があったから暴力をふるったんだとか、このような原因がなければ暴力などふるわなかったという話を必ずしてきます。

 

 暴力は絶対的悪ですので、どのような事情があっても許されるものではないのですが、相手が言い分を述べている際には、聞くだけは聞くようにしています。あまり簡単に話を打ち切ってしまいますと、DV妻が感情的になる危険性がありますし、何より、その様な事情を聴いていますと今後の準備にも役立つからです。

 即ち、今DV妻が言い分として述べている事情は、今後離婚調停、離婚裁判になっても必ず似通った主張を展開してきますので、これに対抗するための十分な準備ができるのです。

 

 メールやラインなど、相手とのやり取りが証拠になることもありますので、相手の言い分に対する反論証拠の準備も進めていくことになります。

 

 

6.【DV妻との向き合い方5】早めに調停離婚への切替を判断する


 

 交渉をしているとDV妻が非常に意固地で交渉をしていても協議離婚の見込みが非常に低いというケースもあります。

 その場合、あまり協議離婚に時間を費やしてしまいますと、調停離婚のスタートが遅れる結果、最終的な離婚が遅くなってしまうと言うことにもなりかねません。

 

 そのため、基本的には相手と粘り強く交渉して早期協議離婚を目指しますが、離婚届にサインする可能性が低いという場合には、早めに調停手続に切り替えるようにしています。

 

 

7.まとめ


○DV妻と話をする際にはメリハリを付けて話をしている。

○弁護士の牽制力を適度に利用して話を有利に進めるようにしている。

○DV妻とはこまめに連絡を取って話をするように努める。

○DV妻の話も丁寧に聞き、こちらの反論準備に役立てる。

○交渉決裂の可能性が高い場合には、早めに調停に切り替える。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【夫が被害者のケース】DV妻との別居を決意!別居にあたっての8つの手順

2019.09.16更新

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>【弁護士が解説】DV妻のよくある言い分と、弁護士の対応方法

>【逆DV】DV保護命令を申し立てた方が良いかの6個のチェックポイント

 

 

1.事前にDV妻に相談した方が良いか?


 

DV離婚のケースで一番悩まれるのは、離婚することや別居することを事前に相手に伝えるべきかという問題だと思います。

 何も言わずに別居してしまうと、後から何を言われるか分からないし、他方で、事前に話してしまうとその際にどのような暴力を受けるか分からないと言うことで、悩まれている方も多くいます。

 

 基本的に、これまでこちらが怪我をするような暴力被害を受けたことがあるというケースでは、事前に離婚や別居を切り出さずに別居を開始した方が良いことが多いと思います。事前に話をすると重大な被害につながりかねないため、自分の身の安全を守るためにも、事前に話をしないのです。

 

 他方で、暴力被害を受けたことがあるけれども怪我をするほどのことではなかったとか、暴言のみという場合には、事前に離婚や別居を切り出した方が良いケースの方が多いかと思います。ただ、この場合にも、相手がどのような行動に出るか予測できないという場合には、事前に別居話や離婚話をするか慎重に検討する必要があります。

 

 事前に何も相談せずに別居を開始してしまうと「悪意の遺棄」になってしまい、後から離婚しづらくなるのではないかと考えている方もいます。しかし、今後DV被害を受けることを防ぐというきちんとした理由がある場合、事前に相談せず別居したからと言って離婚にあたって不利になることはほとんどありません。ただ、DV妻や子供達があなたの収入に頼って生活してきたという場合には、別居したからといって急に生活費を渡さないという対応は避けるべきかと思います。正式に離婚が成立するまでは、裁判所の算定表の金額などを参考に生活費(婚姻費用)を支払っておくべきでしょう。

 

 DVのケースでは、別居後も親族・友人等どなたかの支援を受けながら生活していくことになると思いますので、事前にDV妻に別居や離婚を切り出しておくべきかは、その親族や友人とも予め相談しておくと良いと思います。

 

 

2.絶対にこちらの動きを察知されないこと


 

 事前にDV妻に別居を切り出さずに別居しようとする場合、別居の準備をしていることを相手に察知されないようにすることが非常に重要になります。これを察知されてしまうと、別居を妨害されたり、別居準備を進めていることを厳しく批難されることになりかねません。

 私が担当したケースでも、別居準備中にDV妻に察知されてしまい、なかなか別居できなかったというケースもありますので、細心の注意が必要です。

 

 DV妻に別居準備のことを知られてしまった原因としては、①妻が旦那様の携帯電話をこっそり盗み見ており、その中で発覚してしまったケース、②別居準備のために子どもの小学校転校の話等を現在の通学先小学校に相談していたところ、妻が小学校に問い合わせて発覚したケース、③区役所に児童手当や保険切替の相談をしていたところ、妻が区役所に問い合わせて発覚したケース等があります。

 

 別居準備中は別居先住所等の情報は最大限外部に知られないようにし、自身の携帯電話も妻が勝手に見られないようにする等の注意を払って準備を進めていく必要があります。

 

 

3.親族・友人等の支援体制を整えること


 

 DVのケースですと別居に成功しても、DV妻が別居先を突き止めてしまうのではないかと言うことで多かれ少なかれ不安を抱えながら生活していかなければならないというケースも多くあります。

 

 このようなことを考えますと、別居後に支援をしてくれる親族や友人を見付けておき、別居後に支援を受けつつ日々の生活を送っていければ安心感が非常に増すと思います。

 

 支援の輪が広ければ心強いとは思いますが、情報が拡散しますと、どこかでDV妻が別居の情報を察知してしまう危険性が増して行くことになります。そのため、まずは、親身に相談に乗ってくれそうな両親その他の親族等に絞って支援を依頼することが現実的かもしれません。

 また、DV妻からの暴力が極端にエスカレートしてきたため、あまり準備期間がないまま別居せざるを得ないというケースもありますので、その場合には、友人等の支援体制を築くよりも前にまず別居して安全を確保すべきケースもあります。

 

 

4.置き手紙の活用


 

 別居の際には、自宅に置き手紙を残すことを私は推奨しています。古典的ですが、あなたが事故や事件に巻き込まれたわけではないことを伝えておく必要がありますし、執拗に居場所を探されないようする必要があるからです。

 

 置き手紙の内容は、DV妻と一緒にやっていくことができないと考えたので別居を決断したこと、元気にしているので探さないで欲しい、といったことを簡単に記載しておけば構いません。

 

 私の依頼者の方からは「LINEやメールで伝えるのではダメですか?」と質問されることが多いのですが、置き手紙の方が無難なことが多いです。といいますのは、LINEやメールで伝えると、相手に対して「LINEやメールが連絡手段として生きている」と伝えるようなものなので、その後DV妻からしつこくLINEやメールが来る危険性が増すからです。

 

 

5.捜索拒否願の提出


 

 DVのケースですと、DV妻からの暴力について地元の警察に相談をしていることが多いと思いますので、事前に別居日を警察にも伝えておいて下さい。

 

 そして、突如別居を開始すると、DV妻は警察署に捜索願を提出するケースもありますので、予めあなたの方から警察に対して「捜索拒否願」を提出しておくことも検討してみて下さい。

 

 捜索拒否願を提出しておけば、警察が捜索願を受理することはありませんし、DV妻が警察に相談しに来た際に「旦那さんがどこにいるかは教えられないが無事だから探すようなことはしないように」と伝えてくれますので、安心です。

 

 

6.住民票の移動は慎重に


 

 別居先に転居した際には、住民票を移動すべきかという問題があります。各種行政サービスを受けるにあたっては住民票を移動していた方が手続は円滑なことが多いですが、安易に移動してしまいますとDV妻に居場所を知られる危険性が生じます。

 

 DV被害者として役所に申請を提出しておけば、DV妻があなたの住民票を入手することはできなくなりますが、役所のミスで住所が発覚してしまうというケースも実際にはあります(ただ、最近はこのようなミスはほとんどなくなっていると聞きます)。

 そのため、行政サービスを受けるため等、その他現実の必要性が生じてから住民票は移動した方が安全だと思います。

 

 

7.早めに弁護士に依頼する


 

 DVで別居を開始し、相手にあなたの所在地を明かさずに離婚の交渉をするという場合、弁護士に依頼をして手続きを取るというのが最も現実的かと思います。

 

 もちろん、ご両親など間に入ってくれる人物がいて、旦那も目上の人には丁寧に応対するという場合には、ご両親等に間に入ってもらうことを依頼する方法もあります。

 ただ、相手がDV妻の場合、あなたの居場所を執拗に尋ねてきたり、あなたと一目でも良いから会わないと離婚の協議には応じないという奥様も多くいます。

 

 その様なケースでは早めに弁護士に依頼して手続きを取った方が円滑に離婚できるケースが多いと思います。 

 

 

8.別居時の持ち物


 DVのケースでは、急いで別居を開始しなければいけないとか、そうでなくとも別居後の不安から気持ちを落ち着かせて荷物の整理ができないという方も多いと思います。

 しかし、DVのケースですと、別居後、程なくして妻が旦那様やお子様の荷物の大半を勝手に捨ててしまったというケースもありますので、必要な荷物のとりまとめは不可欠です。

 

 貴重品を忘れるケースは少ないと思いますが、健康保険証や年金手帳は忘れがちなので注意して下さい。また、繰り越し前の通帳が必要になってくることもありますので、必要に応じてご準備下さい。さらに、お子様の写真データなどは、後々相手が渡さないと言うことで交渉材料に遣ってくるケースもありますので、データコピーが可能であれば、コピーデータを忘れずにお持ち下さい。

 今後の離婚や財産分与に向けてまとめた資料等があれば忘れずにお持ち下さい(特に家族兼用PCでデータ作成していたという場合には、忘れずにデータをお持ち下さい)。

 

 

9.まとめ


○事前にDV妻に別居する旨を相談した方が良いかはケースによる。

○別居準備は絶対にDV妻に察知されないように進める。

○別居にあたっては、親族・友人等の支援体制を整えた方が良いが、緊急を要する場合は安全性を優先すべきである。

○別居の際は自宅に置き手紙を残す方が良い。

○警察には捜索拒否願を提出する。

○住民票の移動は時期を含めて慎重に検討した方が良い。

○DVのケースでは早めに弁護士に依頼した方が良い。

○別居の際には持って出る荷物についても検討しておく必要がある。

 

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DV夫から子供を守る方法

2019.09.09更新

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1.DV夫から子供を守りたい


 

 DV夫があなたに対しても暴言を吐くけれども、子供に対する暴言の方がひどい、ときには暴力を振るうというような場合には、あなた自身というよりも、まずは、お子様の身の安全を最優先に確保したいと考えるのは当然のことです。

 なお、奥様によっては、自分は暴力を受けても耐えられるけれども、子供が暴力を受けるのは不憫でならないという方もいらっしゃいます。もちろん、お子様への暴力を防止する必要もありますが、あなた自身の身の安全もとても大切ですので、あなた自身の身の安全という視点も必ず忘れずにお考え下さい。

 

 

2.同居したままお子様の身の安全を確保する


 

(1)警察への通報が最も現実的な手段

 別居に踏み切ってもその後の生活力に不安があるとか、今すぐ離婚したいというところまでは気持ちが固まっていない等の理由で、早急な別居を躊躇っている場合、DV夫と同居しながらお子様の身の安全を図っていく必要があります。

 その場合には、DV夫がお子様に暴力を振るうようなケースですと、躊躇せずに警察に通報するということが重要ではないかと思います。

 

 警察に通報すると、DV夫を刺激してしまうと不安に思われたり、仕返しが怖いという方も多いと思いますが、その場その場で対処しておきませんと、DV夫からの暴力はエスカレートする一方ですから、躊躇せずに通報するということは大事なことではないかと思います。具体的な相談方法ですが、DV夫がお子様に直接暴力を振るっているタイミングや暴力を振るい終わったばかりのタイミングであれば、警察に110番通報をして臨場してもらう形を取ることになると思いますし、110番通報をしようとしても夫に妨害されるような場合ですと、暴力の翌日などにあなたとお子様とで警察署に出向いて相談するという形を取ることになると思います。

 なお、あなた自身が身を呈してお子様を守るという方もいらっしゃると思いますが、お子様への直接の暴力は防止できたとしても、お子様に対して、お母さんであるあなたが暴力を受けているという場面を見せる形になってしまいますから、お子様にとっても精神的負担が大きいと思います。また、あなた自身の身の安全の問題もあります。

 

 ちなみに、警察に相談すると、被害届を提出するか質問されることが多いです。しっかりと処罰してもらって懲りさせるという観点から被害届を提出する場合もありますし、逮捕等になると職を失うリスクもあることから、一旦は被害届は出さないという場合もあると思います。

 

 ただ、いずれにしましても、DV夫と同居したままですと、警察に通報して対処することにも限界がありますから、DV夫からの暴力の頻度が増してきたような場合には、速やかに別居を考えるということの方が現実的ではないかと思います。

 

(2)児童相談所の一時保護について

 警察に対して夫のお子様に対するDVを通報すると、警察の方から児童相談所に対して通告が行われます。

 そうすると、児童相談所の方からも事情を聴かれ、児童相談所の方で一時保護(要するに一時的にお子様を預かる)という事態に陥る危険性があります。

 

 児童相談所で保護されている分には、お子様の身の安全は確保されるのですが、他方で、①一時保護中は、現在通学している小学校に通うことができなくなる、②面会交流の頻度も限定されることが多く、あなた自身自由にお子様に会えなくなるリスクが高い、③一時保護の後、児童養護施設等での保護に移行した場合、離婚等の解決まで保護が解除されないリスクがあるといった難点もあります。

 

 特に、別居や離婚等について夫婦の意見の対立が深く、そのことが夫婦ケンカやお子様への暴力の原因になっているような場合には、児童相談所側も簡単には一度預かったお子様を帰してくれないというケースもありますので、児童相談所への対応という点では十分注意が必要になります。「一時保護」の「一時」という言葉で、「数日保護してくれるのかな?」と想像するかもしれませんが、一度一時保護されますと、(数日どころではなく)なかなか戻してもらえないというケースも多いので注意して下さい。

 

 

3.別居した上でお子様の身の安全を確保する


 

 前述しましたとおり、DV夫のお子様への暴力の頻度が増してきているような場合には、あまり期間を置かずに別居するという形の方が現実的な選択肢と言えます。

 

(1)別居先の安全性確保

 簡単に言いますと、相手方にこちらの住所を知られないということです。

 最も安全性が高いのはシェルターということになりますが、お子様の年齢が高い場合にはシェルターには入れないということもありますので、詳しくは最寄りの市役所や区役所に相談してみて下さい。

 

 なお、一時シェルターに避難できたとしても、シェルターにいられる期間は限定されていますので、シェルターを出た後の住居について検討しなければいけません。

 いずれにせよ、相手に知られないような住所に移り住むことが非常に重要になります。

 お子様の身の安全を最大限に優先するのであれば、学校を転校することはもちろんのこと、習い事等も一旦やめた上で、別居先近くの習い事に通わせるという形にする必要があります。

 

 ちなみに、実家が遠隔地の場合、実家に避難するということも考えてよいかもしれませんが、DV夫からの暴力がひどいような場合には、全くDV夫が知らない場所の方が安全性が高いです。

 

(2)保護命令の申立

 DV夫がお子様のみならずあなたにも暴力を振るって来るという場合には、あなた自身の保護命令を申し立てるのと同時にお子様への接近も禁止する旨の保護命令を同時に発令してもらうという方法が考えられます。

 この場合には、あなた自身が暴力被害を受けた診断書や写真等の客観的証拠と共に、お子様も同様に被害を受けた証拠が必要になりますので、保護命令の審理に耐えられるだけの証拠の準備ができるのかということが重要な鍵になります。

 なお、お子様への接近禁止の命令のみを申し立てることはできませんので、必ず、あなた自身への接近禁止等の命令と一緒で申立をする必要があります。

 

 

4.お子様の心理的ケア


 DV夫が全く知らない新天地に転居して新しい生活をスタートすれば、一定の身の安全は確保できますが、お子様の心理的ケアも大事です。

 転居して暫くの間は、お子様も、DV夫が追いかけて来るのではないか?こちらの居場所がバレてしまったらどうしようという不安を抱くことも多いと思います。新天地での慣れない環境でのストレスと、DV夫に居場所がバレるかもしれないというストレスを抱えながらの生活はお子様にとっても大変だと思いますので、その心理的ケアのために児童精神科等を受診する必要があることもあります。

 なお、前述のような警察の通報等を通じて児童相談所にも相談できる体制が整っている場合には、児童相談所に在籍する児童心理士のアドバイスなどを受けると、より的確にお子様の心理状態を把握し得る場合もあります。前述の通り、一時保護ということになるとデメリットも多いのですが、一時保護に至らず、児童相談所と上手に付き合っていけるようでしたら、色々と相談しながらお子様の心理的ケアなどを図れると思います。

 

 

5.まとめ


・同居しながらお子様の身の安全を守るためには、警察への通報が重要である。

・ただ、警察に通報すると、警察経由で児童相談所に情報が共有されるリスクがあるため、注意が必要である。

・同居しながらお子様の身の安全を確保することには限界もあるので、暴力が頻繁な場合には速やかに別居した方が良い。

・別居後は、別居先をDV夫に知られないということが再重要である。

・あなた自身が保護命令を申し立てた上で、合わせてお子様への接近禁止等の命令を申し立てる方法もある

・別居後は、お子様の心理的ケアも大事である。

 

 

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DV保護命令にDV夫は従うか?

2019.08.23更新

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1.DV保護命令とは?


 

 DV保護命令とは、DV夫があなたに接触すべく付きまといや徘徊することを禁止したり(接近禁止命令と言ったりします)、一定期間DV夫に自宅から退去させる(退去命令と言ったりします)裁判所からの命令になります。

 DV保護命令を発令させるためには、保護命令の申立書を提出し、裁判所はDV夫からも事情を聴く必要があります。

 

 

2.そもそもDV保護命令の効力は?


 

 あなたは、DV夫と共に生活し、夫からの理不尽な要求や非難等を浴びせられ、とてもではないが、裁判所の保護命令に従うとは思えないという方もいらっしゃると思います。

 私のところに相談に来られる方も、「夫は自分の考えを絶対曲げないので」とか「夫は自分が一番だと考えているので、とても保護命令に従うとは思えない」ということをおっしゃる方は多いです。

 

 それでは、保護命令の実効性を検討する前提として、保護命令にどのような効力が認められるのかについて解説します。

 

(1)罰則の存在

 DV保護命令に違反した場合、1年以下の懲役、100万円以下の罰金という罰則が設けられています。

 要するに保護命令に違反した場合、刑事罰を科すことができるということです(刑事裁判を経る必要がありますが)。

 

 もちろん、DV夫があなたに対して暴力を振るったり脅迫をした場合には、暴行罪や脅迫罪として処罰の対象になるのですが、このような暴行や脅迫に至らなくとも、保護命令に違反した場合、要するに、あなたの新しい住まいの周りを徘徊しただけで、上記のような保護命令違反の処罰が可能になっているのです。

 このことは、保護命令の実効性を確保する手段としてはかなり強力なものと言えます。

 

(2)警察との連携

 上記の通り、保護命令に違反した場合、それだけで刑事罰の対象になりますから、保護命令の制度には警察も密接に連携して対応してくれます。

 通常は、保護命令が発令されると、その日の当日に警察官がDV夫に対して直接電話連絡をし、保護命令を遵守するよう伝えてくれますし、近日中に(または当日)警察署に来るように指示され、呼び出される形でDV夫は警察署で話をすることになります。

 

 当然、DV夫が接近してきていると疑われる事情が発生した場合には、警察は親身に対応してくれます。

 このような警察との密接な連携は、DV夫に対する牽制の効果としては大きいです。

 

 

3.結局DV夫に知られない場所に引っ越す必要があることがほとんど


 

 上記の通り、保護命令の効力は強いのですが、限界もありますので、いずれにせよ、DV夫に知られない場所に引っ越す必要が出てくるケースがほとんどです。

 まず、保護命令を申し立てた際、裁判所は必ず夫側からも事情を聴く必要があります。保護命令は上記の通り強力な手段なのですが、他方で、夫側の行動の自由を制限するものになりますので、必ず夫側の言い分を確認する必要があるからです。

 

 その前提として、裁判所は夫側に、こちら側が提出した保護命令申立書や証拠類を事前に送っておく必要があります。こちらの言い分が分からないと夫側も十分な反論ができないからです。

 そのため、少なくとも、夫側に保護命令申立書が送られてきてから保護命令が発令されるまでの期間は、あなたは夫に知られないような場所に避難しておく必要が出てきます。夫が保護命令申立のことを知った場合、間違いなく、あなたに対して強く立腹するでしょうから、身を隠して身の安全を確保する必要があるからです。

 

 また、保護命令が発令したとしても、接近禁止命令についていいますと有効期間は6か月ですので、有効期間経過後、DV夫があなたに対してコンタクトを図る危険性があります。

 そのため、いずれにせよ、保護命令があったとしても、あなたとしては、夫側に所在を知られないような場所に転居する必要があるのがほとんどです。

 

 

4.DV夫はDV保護命令に従うか?


 私が担当した事件を見ておりますと、DV夫は、保護命令に従っています。DV夫も、警察に逮捕されてしまうと、非常に不便な生活を強いられますし、場合によっては仕事を辞めざるを得なくなってしまいますので、渋々保護命令に従わざるを得ないと考えるようです。

 また、前述のように、保護命令が出るようなケースですと、奥様の方も、DV夫が知らない場所に避難することがほとんどですから、DV夫がコンタクトを取ろうとしても、「居場所が分からないから接触できない」というのが実態だというケースも多いです。

 

 

5.まとめ


・保護命令に違反した場合には刑事罰があり、効果は強い。

・保護命令が発令した場合、警察と密接に連携して対応できる。

・保護命令が発令された場合でもあなたのみの安全を守るためには、結局、DV夫に知られない場所に転居する必要性が生じる。

・保護命令が出ると、DV夫側も渋々従うことが多い。

 

 

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DV保護命令を申し立てた方が良いかの5個のチェックポイント

2019.08.23更新

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1.DV保護命令とは?


 

 DV保護命令とは、DV夫があなたに接触するために付きまといや徘徊することを禁止したり(接近禁止命令と言ったりします)、一定期間DV夫に自宅から退去させる(退去命令と言ったりします)裁判所からの命令になります。

 

 DV保護命令を発令させるためには、保護命令の申立書を提出し、裁判所はDV夫からも事情を聴く必要があります。

 DV保護命令が発令されますと、警察も連携して対応してくれますので、実効性の高い手段になります。

 

 

2.DV保護命令を申請した方が良いかの検討ポイント


 

 DV保護命令を申請した方が良いかの検討ポイントは主に以下の5個のポイントがあります。

 

①DV夫の危険性の程度

 まず、一番検討しなければならないのは、保護命令の対象になる夫の危険性の程度ではないかと思います。

 普段から手や足が出ることが多かったという場合には、これまで怪我することが少なかったとしても危険性は高いと思いますし、他方で、これまでの長期間の婚姻生活の中で暴力を振るってきたのは1回だけという場合には、保護命令を申し立てるほどではないかもしれません。

 

 このような危険性の程度は、以下のような要素を総合的に検討して判断して下さい。
・暴力の頻度や回数
・暴力を振るってきた期間
・暴力の内容・程度
・凶器使用の有無
・あなたが負った怪我の程度
・暴力を振るうシチュエーション(飲酒すると暴力してくるとか)
・DV夫の気質や疾患の有無(特に、精神疾患等を抱えていないか)

 

 なお、たまに豹変するけれども普段は優しい旦那なので大丈夫という発想は危険ですので、前述のような要素を慎重に検討して、危険性を判断して下さい。

 また、保護命令の申立まではしなくとも、警察署から警告してもらえば十分であるというケースもあります。そのような場合には、あなたの方で自宅の最寄りの警察署に相談に行ってもらい、警察官の方からDV夫を警察署まで呼び出してもらい、直接注意してもらったり、DV夫から誓約書を提出させるという方法で済ませて一旦は様子を見ることもあります。

 

 
②現住居の安全性

 例えば、あなたが現在シェルターに居住しているというような場合には、現住居の安全性は非常に高いということになりますので、敢えて保護命令の申立までする必要性に乏しいということになる可能性もあります。

 他方、実家という場合、相手にこちらの所在は分かってしまっているのですが、ご実家のご両親等もいるため、実家で暴力まで振るう危険性は高くないというケースもあると思います。

 ただ、相手にこちらの住所が知られてしまっている場合には、裏を返すと相手がこちらの現住居付近を訪れることはできてしまうことになりますから、現住居を知られているか否かが、現住居の安全性の判断にあたって一番のポイントではないかと思います。

 

③弁護士費用の負担

 DV保護命令の申立をする場合、ご本人だけで申立をすることは難しいため、通常は、弁護士を立てて申請することになります(あなた自身の身の安全のためにもそうすべきかと思います。)

 そして、通常は、保護命令の申立事件は、離婚事件等とは別の事件として別途弁護士費用が発生することが多いため、あなた自身の負担が増えます。

 そのため、弁護士費用の負担についても保護命令申立の一つの判断材料にすべきかと思います。

 

④手持ち証拠の確認

 DV保護命令は申立をすれば簡単に認められるというものではなく、あなたが暴力を受けたことの証明をする必要があります。診断書や怪我をしたときの怪我の写真等の客観的な証拠が一切ない場合、保護命令が認められる可能性は残念ながら低いと言わざるを得ません。

 なお、暴言のみと言う場合にも、保護命令が認められることがありますが、あなたの生命や身体に危害を加えるような暴言がなされる必要がありますし、その暴言について録音データが複数存在しないと難しいことが多いかと思います。

 いずれにせよ、保護命令事件の審理に耐えられるような証拠の有無はしっかりと検討する必要があります。

 

⑤有効期限

 保護命令は、一度認められると半永久的に効力が認められるというものではありません。

 接近禁止命令は6か月、退去命令についても2か月が有効期間とされています。

 接近禁止命令、退去命令いずれについても再度申立をすることはできますが、当初の保護命令の有効期間中に相手方に何も問題行動がないという場合には、認められないことも多いです。

 そのため、上記のように有効期間が限定されるということは認識した上で、保護命令を申し立てる必要があります。

 

 

3.保護命令を申し立てるかは慎重に検討する必要がある


 事実としてあなたがDV夫から頻繁に暴力被害を受け続けてきたような場合、保護命令を申し立てて身の安全を確保したいと思うでしょう。しかし、前述のように、証拠が不十分ですと、折角保護命令を申し立てても、保護命令が認められないということもあります。

 そのため、申立をする前に、しっかりと保護命令発令という結論を得られるかを慎重に見極める必要があります。

 なお、前述の接近禁止命令が認められるとしても、退去命令までは認められないというケースもあります。

 そのあたりも、事前にしっかりと見極めた上で、申立を行うかどうかを慎重に検討する必要があります。

 保護命令が認められるかどうかは、専門的な検討が必要になりますので、弁護士に相談して見極めるようにして下さい。

 

 

4.まとめ


・DV保護命令を申し立てた方が良いかどうかは以下の点を考慮して判断すべきである。

 ①DV夫の危険性の程度

 ②現住居の安全性

 ③弁護士費用の負担

 ④手持ち証拠の確認

 ⑤保護命令の有効期間

 

 

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モラハラ夫との別居準備(1)―別居先は近場が良いか遠くが良いか?

2019.07.29更新

弁護士秦

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1.別居先選び


 

 モラハラ夫との生活に強い恐怖感・不快感や倦怠感を持つようになった場合、別居や離婚が頭によぎるようになると思います。

 夫側に改善を要求したものの、一時的にしか改善されない、もしくは、改善すらされない、酷いケースですと、改善しないばかりか、これまでの被害が余計に悪化していくというケースすらあります。

 このような状況ですと、あなたは夫との生活を断念し、離婚の前提として別居を真剣に考えていくことになると思います。別居先の検討要素等について、以下の通り詳しく解説していきます。

 

 

2.別居先は近くがよいのか遠くがよいのか?


 

 別居といった場合にまず考えなければならないのは、別居先の問題だと思います。

 具体的な細かい場所はともかく、別居先選びにあたって大きな視点で、今の自宅の近くが良いのか、遠い場所の方が良いのかという点を検討する必要があります。

 

 別居先を近場とするのがよいのか遠隔地にするのがよいのかは、詳しくは、以下のような要素を総合して検討してみてください。

 

①同居中の夫の行動や言動等

 もちろん、同居中の夫からの暴力が日常的であったような場合には、できる限り遠隔地に転居した方が安全でしょうし、他方、夫のモラハラは無視が主体的であったという場合には、さほど遠隔地にまで転居しなくて良いかもしれません。

 夫の危険性とも言えますが、危険度の高低によって、別居先選択は大きく影響すると思います。

 また、モラハラ夫があなたにどのくらい執着しそうなのかによっても別居先選択の方向性は大きく影響します。この点は、同居中のあなたに対する監視や行動制限がどの程度のものだったのかによって見極めることができます。

 

②経済的問題

 仮に、夫の側から婚姻費用として生活費をもらうことを意図していたとしても、残念ながら、DV・モラハラ夫から生活費を回収するためには時間がかかってしまうこともあります。

 そのため、あなた自身の現在の収入に不安がある場合には、まずは実家に避難して、経済的な不利をカバーするというケースも多くあります。

 いずれにしましても、経済面は、今後のあなたの生活にとって非常に重要な要素なので、今後のあなたの生活が経済的に立ちゆかなくならないよう慎重に別居先を選ぶ必要があります。

 

③お子様の意見や教育面

 お子様が小学校高学年以上になると、小学校での友人が重要な存在になるというケースも多くあります。また、離婚や別居でただでさえお子様に心理的影響を与えるので、せめて教育環境は変化させたくないと考えることは、あり得ることかと思います。同じ学区内で引っ越すとなるとどうしても近場に引っ越す形になってしまうと思います。

 そのため、お子様の意見や教育面も、別居先選びの検討要素になります。

 ただ、最初は転校を嫌がっていたけれども、実際転校してみるとスムーズに馴染むことができたということも多いようです。

 

 

3.実際皆さんは近場と遠隔地どっちに転居したのか?


 

 私が担当している事件を見ておりますと、比較的自宅近くに別居した方もいれば遠隔地に別居した方もいます。別居先をどのように決めたのかについては、色々なご意見がありましたので、以下で説明を交えながら、詳しくご紹介いたします。

 

(1)夫が暴力を振るうので、シェルターに避難した。

 夫がモラハラにとどまらず、直接あなたに対して暴力を振るうようなケースですと、あなたの居場所が知られることそのものが身の危険を生じさせることになります。

 シェルターに避難することができれば、あなたが住んでいる場所を知られるリスクはほとんどなくなりますので、夫が暴力を振るうようなケースでは、シェルターに避難するケースも多いです。なお、シェルターにいられる期間は限られていますので、その方は、シェルター退所後は母子寮に転居して暮らしています。

 

(2)夫が暴力を振るうので、遠隔地を別居先にした。

 様々な事情からシェルターでの生活を選択しなかった場合や、一時はシェルターに避難した場合でも、通常シェルターにいられる期間は限られていますので、その後に、全く夫が知らない場所に引っ越す(前述の母子寮だけでなく、都営住宅等に転居なさる方などもいます)というケースなどです。

 夫が暴力を振るうようなケースでは、前述同様相手にこちらの居場所を知られないようにする必要がありますので、夫が居場所を探っても分からない場所に別居するのです。

 夫に居場所を推測されないようにする必要がありますので、あなたの実家や親戚の家の近く等は避けることが多いです。

 

(3)夫が暴力を振るうので、遠くの親戚の家に仮住まいさせてもらうことにした。

 これまでの説明同様夫が暴力を振るうため、どこか遠くに別居する必要があるけれども、通常の借家だと家賃が高いという場合などに、遠くの親戚の家に住まわせてもらうということもあります。

 ただ、親戚の家の所在を夫が知っていては避難の意味がありませんので、例えば、親戚名義の建物だけれども、親戚本人は住んでいないし、夫にも所在が発覚していない場所に避難するケースなどです。

 

(4)経済的な問題もあって実家に戻ることにした。

 別居を決断したけれどもすぐにしっかりとした収入を得ていくことが難しいとか、小さいお子さんがいらっしゃって実家の協力が必要だということで、実家に避難するケースです。これらの事情がある場合には、実家への避難が最有力候補になることも多いと思います。

 

 ただ、実家に避難する場合、モラハラ・DV夫に居場所を把握されるリスクが非常に高いので、以下のような要素を総合的に検討して判断するのがよいと思います。

(メリット1)家賃負担を軽減でき、経済的負担を抑えることができる。

(メリット2)お子様がいる場合など実家の協力が期待できる。

(メリット3)モラハラ・DV夫も、こちらの実家には頭が上がらないので、実家にいることで安全性が増す。

(デメリット1)居場所がバレやすく、玄関先で騒がれるケースなどもある。

(デメリット2)元々実家との折り合いがあまり良くないと、家庭内がぎくしゃくするリスクがある。

(デメリット3)お子様の通学先や通園先の当たりがつけやすくなるため、通学途中や通園途中の連れ去りのリスクが生じる。

 

(5)子どもを夫に会わせる手間等も考え、それほど遠くない場所に引っ越した。

 夫が直接の暴力を振るうわけではなく、また普段はほとんど暴言等を発しないというような場合には、自宅近くに引っ越すというケースもあります。

 夫が子どもを可愛がっており、子どもも懐いているという場合、無理に引き離すことはあまり望ましくありませんし、夫と子どもとの関係が良好であれば、円満な離婚につながる可能性もあるので、自宅近くに転居するのです。

 このような場合、引っ越し先が近距離なため、夫が頻繁に引っ越し先まで来て入り浸ると言ったケースが生じやすいため、こちらの離婚意思や別居意思をしっかり伝えておくなどして、半同居状態のような格好にならないよう注意が必要です。

 

 また、夫が普段から暴言ばかりではないとしても、感情的になるとどのような行動に出るか分からないという場合には、例えば、①まずは、2週間程度実家に転居して様子を見て、②ほとぼりが冷めた頃に自宅近くの別居先に避難し、そこで生活を落ち着かせるという方法を取ることもあります。このような場合には、①の別居開始の時点で早めに弁護士から夫宛に通知を送り、夫が感情的な行動に出ないよう予め牽制しておくという方法を取ることも多くあります。

 

(6)子どもの学校を転校したくなかったので自宅近くに住むことにした。

 このケースも、夫が直接の暴力を振るうわけではなく、また普段はほとんど暴言等を発しないというような場合が想定されます。

 特にお子さんが小学校高学年で、ほとんどの同級生が同じ公立中学校に進学するといった環境ですと、お子さんの教育環境に配慮して、学区が変わらない範囲で転居すると言うことです。

 なお、学校と習い事いずれが重要なのかを見極めて検討する必要があるケースもあります。何を言っているのかと言いますと、例えば、学校に馴染んでいるというよりも、実際には、同じサッカークラブの友人と仲が良いという場合、①そのサッカークラブに通い続ける前提で近場に転居するという選択肢もありますが、他方で、②サッカークラブ等ですと、モラハラ夫が見学や観戦に来てしまうリスクが高いということを考慮して、敢えて遠隔地に転居するという選択肢もあるのです。

 

 もちろん、お子さんの教育環境は重要ですが、お子さん自身は夫との接触を強く嫌がっているといった場合には、あまり住居が近いと、夫から面会交流を頻繁に求められるリスクも高くなりますので、そのようなリスクも考慮しながら引っ越し先を検討する必要があります。

 

 

4.まとめ


・別居先選びの検討要素として重要なものは①夫の同居中のDVやモラハラの状況・程度、②あなたの今後の経済面、③お子様の意見や教育面といった点になる。

・モラハラ・DVの案件では、別居先として以下のようなところが選ばれている。

 ①シェルター

 ②遠隔地の親戚の家(夫に居場所が全く判明していない場所)

 ③実家

 ④自宅近くの賃貸マンションを借りた

 

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突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック6】手紙の有効性

2019.07.22更新

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1.なぜ手紙?


 

 このブログのタイトルを見た方の中には、「なぜ手紙?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

 どうして直接会って話が出来ないのか?仮に直接会って話が出来ないとしても、メールやメッセンジャー、LINEなどメッセージを伝える方法はいくらでもあると思うのも当然のことかと思います。

 

 まず、直接会って話をすることについては、もちろん、奥様があなたと会って話をしても良いと言うことでしたら、会って直接あなたの言葉を伝えた方が良いと思います。

 ただ、奥様が調停を起こしているという事態を考慮すると、直接会うことは難しいかもしれません。

 そのため、会って話をするという形にこだわり過ぎてしまいますと、あなたの方から何も伝えられずに時間だけが過ぎていくということになりかねません。

 

 それでは、メール等はどうでしょうか。

 メールはすぐにメッセージを伝えることが出来るのですが、スマートフォンのメール等ですと、「あなたの本気度」は伝わりにくいように感じます。メール等はどうしても気軽に送るイメージが強いからです。

 そのため、あなたの本気度を伝えるためにも手紙というやや古典的な方法が考えられるのです。

 

 

2.手紙の有効性


 

 端的に申しますと、残念ながら、私が携わった事件で、手紙が決定的な役割を果たしたことはありません。

 私が代理人に立つケースでは、奥様の側も弁護士を付けており、離婚の覚悟が強いケースばかりだからなのかもしれませんが、上記のような傾向にあります。

 ただ、奥様と直接会えないという状況下では、手紙は有効策となり得ますので、あなたが何かメッセージを伝えたいと強く願っているのでしたら、手紙を書く方法というのもあり得るかと思います。

 

3.手紙の内容


 

 私が事件を担当しておりますと、「手紙を書きたいので添削して欲しい」との依頼を受けることもあります。その場合、多少の問題となる表現等は削除等しますが、あまりそれ以上の修正等はしないようにしています。

 そうしないと、その手紙は、「あなたが書いた手紙」ではなく「弁護士が書いた手紙」になりかねないからです。

 

 内容としては、このように夫婦がすれ違ってしまった経緯についてのあなたなりの考え方、反省や今後の改善等について記載することが多いと思います。家族での楽しかった思い出や夫婦の馴れ初め等について記載することもあります。

 手紙の内容は人それぞれなのですが、①あなたは悪くないとか、奥様を批判するような内容、②思い出話についても、奥様が不機嫌になったエピソードを含む内容を書いてしまう方もいます。このような内容は、更に奥様を感情的にしてしまうリスクがありますので、避けるべきかと思います。

 

 

3.渡すタイミングと相手


 

 手紙を渡すのであれば早いタイミングがよいと思います。

 そのため、奥様と直接会って話が出来ない場合でも、例えば義両親とは会えるという場合には、義両親に託すという方法を考えても良いかもしれません。

 また、奥様が弁護士を立てている場合、弁護士に渡すという方法もあります。ただ、弁護士によっては、この手の手紙は一切渡さないようにしているという信条の先生もいますので、そのリスクを回避するためには、調停の席で調停委員から奥様に直接意見を聴いてもらうという方法の方が良いときもあります。

 

 

4.奥様は手紙を読んでくれるのか


 私の経験上、奥様が手紙を読んでくれるかは確率的に半々という印象です。

 そのため、手紙を書いても読んでもらえないかもしれないという気持ちを持ちつつ、手紙を書いた方が良いと思います(奥様が読んでくれるという期待が大きすぎると、読んでくれなかったときのショックが大きいため)。

 

 

5.まとめ


・メールよりも手紙の方が、真剣度が伝わりやすい。

・手紙の内容は、あなた自身が思い悩んで書くしかない。

・手紙は早めに渡した方が良い。

・奥様が手紙を読んでくれないこともある。

 

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突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック5】調停への臨み方

2019.07.08更新

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1.調停なんて初めて


 

 突如離婚調停の書類が届き、そこには、裁判所に行かなければならない日時が指定されている。あなたは「調停なんて初めて」「裁判所に行くことも初めて」といった方が多いのではないでしょうか。

 離婚調停は人生で何度も経験するものではありませんから、調停が人生初という方が大半でしょう。

 そんなあなたの緊張を少しでも和らげるべく、調停の席での振る舞い方等について以下の通り解説致します。

 

 

2.「とりあえず話を聞きに行ってみよう」という姿勢は厳禁


 率直に言いますと、奥様が提出した調停申立書を読んでも、奥様がなぜ離婚したいのかの理由等はほとんど分かりません。そのため、まずは「調停に出席して家内が何を言っているのか確認してみよう」と考える方も多いかと思います。

 しかし、これでは、対応が後手に回ってしまいますので、このような姿勢は厳禁です。

 奥様と一緒に生活している中で、奥様が不満に思っている点等は、ある程度察しがつくと思いますので、奥様が離婚したい理由をある程度想像した上で対応を検討しておく必要があります。

 

 

3.まずは、別れたいのか、別れたくないのかを予め決めておく


 

 離婚調停申立書が届いている以上、奥様は離婚の意思が固いと考えてよいと思います。

 そこで、あなたとしても奥様が離婚理由として言ってきそうなところを想像しながら、あなた自身も別れたいのか、別れたくないのかについては事前に決めておいた方が良いです。

 多くの方にとって調停は初めての体験でしょうから、ただでさえ緊張してしまい、調停委員に伝えたいこともきちんと伝えきれないということも多いと思います。

 そのため、少なくとも離婚したいのか離婚したくないのかという一番重要な点だけはしっかりとあなたの気持ちを固めておくべきだと思います。

 

 

4.色々と悩み過ぎない


 心配だから色々なサイトを見てしまうというのはある程度仕方ないのですが、各サイトによって書きぶりが違うなどして、あまり色々なサイトを見てしまいますと、余計に悩んでしまうという事態に陥りかねません。

 調停の臨み方について詳しく書いてあるサイトを2,3個見れば、おおよそのところは分かりますので、それ以上のサイトを見るのはオススメしません。

 また、サイトによっては、今後の見込み等について書いてあるサイトもありますが、あなたの事件は世界で一つしかないあなただけの事件なので、そのようなサイトの記事に影響されすぎないようにして下さい。

 

 

5.確認したいことは予めメモしておく


 例えば、奥様が突如別居し、離婚調停の書類だけが届いたといったケースの場合、何が何だか分からないまま調停に出席するというケースもあると思います。

 そのような場合に、「とりあえず調停に行ってみよう」という姿勢では、あなたに不利に手続が進んでしまうリスクがあります。

 

 離婚調停なので離婚するかどうかが大きな問題であることは間違いないのですが、あなたなりに確認したい点、気になる点があると思いますので、その様な点は予め箇条書きでメモをしておくのがよいと思います。

 ただ、調停の時間は限られていますので、確認したい点が沢山ありますと確認しきれずに終わってしまうということになりかねません。

 

 そのため、確認したい点は多少絞り込んだ方が良いですし、その中でも優先順位に応じて聞く順番は予め決めておいて下さい。

 例えば、①子どもといつ会えるのか、②子どもは新しい学校になじめているのか、③子どもの習い事はどうしていくつもりなのか、④そちらの生活費はいくら払えばいいのか……というように、確認したい事項を箇条書きにして、優先順位を付けてみて下さい。

 このような準備をすることで、あなた自身の頭の整理にもつながると思います。

 

 

6.当日の臨み方


 

 調停委員は、あなたの表情や口調をよく見ています。

あなたがあまり感情的になってしまいますと、それが「あなたの普段の姿」と誤解されてしまう虞があります。

 そのため、調停委員の誤解を受けないように、冷静に話をするようにして下さい。

 少なくとも調停委員に対して喧嘩腰になることは厳禁です。

 

 もちろん調停の席ではあなたの気分を害するような内容の話も出てきますので、そのときに常に冷静でいることは難しいと思いますので、多少声が大きくなってしまうことは仕方がないと思います。その際にも、すぐに切替えて冷静に戻る姿勢が重要だと思います。

 また、調停委員は随所で大事な話をしますので、必要に応じてメモを取るようにして下さい。もちろんメモばかり取っていては話が進まなくなってしまうため避けるべきですが、何もメモを取っておりませんと肝心なことを聞き逃してしまうと言うことになりかねません。

 

 

7.当日の服装


 

 特にラフすぎる服装でなければ、普段の服装で構いません。スーツでなければならないということもありません。

 

 

8.まとめ


・調停なんて初めてという方の方が多い。

・とりあえず調停に行ってみようと言う姿勢は厳禁である。

・まずは、別れたいのか別れたくないのかは最低限事前に決めておく。

・色々なサイトを見すぎて悩みすぎないように注意。

・確認したい点等は予めメモにまとめておく。

・調停当日は冷静に話をし、大事な内容はメモを取る。

・当日の服装はラフすぎなければ普段着で構わない。

 

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2019.06.24更新

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1.まずは復縁難易度のチェック


 

 実は、一口に奥様から調停を起こされたと言っても、状況に応じて復縁の難易度は変わってきます。具体的には以下の事情は特に大きな要素と言えます。

(1)まだ夫婦が同居中かどうか

(2)奥様が弁護士を雇っているか

 

 まず、奥様が調停を起こしてきたけれども、まだ同居して生活しており、近い将来別居する様子がないという場合、調停を起こされたと言ってもまだ復縁の可能性は多少なりとも上がると思います。

 

 逆に、奥様が弁護士を立てているという場合、弁護士費用を支払ってでも別れたいということですから、一般的に復縁の可能性は下がると言えます。

 まずは、上記の二つの事情をもとに、あなたの復縁難易度が上がるのか下がるのか検討してみて下さい。

 

 

2.そもそも奥様が調停を起こしてきたことの意味合いとは


 

 奥様が調停を申し立ててきたと言うことは、一般的には「真剣に離婚について話をしたい」という意味合いに捉えるべきだと思います。

 なお、あくまで調停は話し合いの手続ですから、判決で無理矢理別れさせられてしまうという誤解はしないで下さい。調停の席で判決が言い渡されることはありません。

 

 上記の様に奥様は離婚に真剣に向き合って調停という手続を利用しているはずですので、「安易に手続きを取った」という可能性は低いと思います。

 そのため、上記の様にまだ同居中であって、奥様が弁護士を雇っていなかったとしても、奥様は真剣に離婚の話し合いをしたい意向だという認識は持つ必要があります。

 

 

3.復縁を諦めるべきか


 

 奥様が真剣に離婚したいという気持ちなので、あなたとしても、「喧嘩別れの様な形にしたくない」という考えが頭をよぎることもあるかもしれません。

 もちろん、あなた自身も夫婦の関係が上手く行っておらず、逆に自分の方から離婚を持ちかけようと思っていた、と言う様な場合でしたら、特に離婚を争う必要はないと思います。

 

 しかし、あなた自身今離婚してよいのか迷いがあるということなら、簡単に復縁を諦めない方が良いと思います。今は奥様が感情的になって「離婚!」「離婚!」と言っているけれども、ほとぼりが冷めれば、ヨリを戻したいと言ってくる可能性も皆無ではありませんし、夫婦の間にお子様がいる場合、お子様の気持ちも考慮する必要があります。

 そのため、私の方からは、「離婚するのは簡単にできるけれども、一旦『離婚』と言ってしまうと、話を元に戻すことはできなくなりますよ」とアドバイスさせていただくことが多いです。もし離婚するにしても、3年後や5年後後悔する様な形の離婚だけはしたくないものです。

 

 

4.調停委員がやたらと離婚を勧めてくるのだが?


 

 あなたの方から見ていると、調停委員がやたらと離婚を勧めてくる様に見えてしまい、調停委員が中立な立場ではなく、「奥様の味方」になっているのではないかと感じる場面もあると思います。

 しかし、実際、調停委員は、お互いの話をまとめるために、奥様に対しては全く逆のことを話していることもありますので、安易に「調停委員が奥様の味方になっている」と考えない方が良いと思います。調停委員が、お互いの言い分をただ相手に伝えるだけのメッセンジャーの役割しか果たさなければ、話し合いがまとまるはずもありません。そのため、調停委員の役割として、あなたに多少厳しめのことを言うのも致し方ない面があります。

 

 また、離婚調停の大半は、夫婦円満ではなく、離婚の調停成立という形で解決されていますので、調停委員も自分でも強く意識しないうちに、離婚を勧めているというケースは多くあります。

 

 

5.まとめ


・調停手続に突入してしまったとしても、①同居中なのか、②奥様が弁護士を立てているのかによって復縁難易度は異なる。

・奥様が調停を申し立ててきたことは『真剣に離婚の話し合いをしたい』というメッセージと受けとめる必要がある。

・離婚するかどうかは、将来後悔しない様慎重に検討する必要がある

・調停委員が離婚を勧めてくるのは、立場上致し方ない面がある。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック3】調停の場は白黒つける場所ではない

2019.06.17更新

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1.調停は裁判じゃない


 

 突如裁判所から調停の通知が来てしまいますと、「自分が裁かれてしまうのか?」という不安に陥る方も多いと思います。

 しかし、調停は、裁判とは根本的に違います。

 

 離婚調停とは、一般的には、ご夫婦間で直接のお話し合いが難しい時に、家庭裁判所の調停委員を間に入れてご夫婦間の話し合いを円滑に行いお互いの合意を目指す手続などと言われたりします。

 要するに、裁判所という場所で手続を行うけれども、あくまで当人同士の話し合いを基本にした手続だと言うことです。

 

 一般的な裁判は、証拠を提出して、原告と被告のどちらの言い分が正しいかを裁判官に決めてもらう手続ですので、この点で調停と裁判とは大きな違いがあります。

 

 

2.要するに、調停の場は白黒つける場所ではないということ


 

 前述の様に、調停は、裁判とは異なりますので、その場で白黒つける場所ではありません。旦那様の側の代理人をしておりますと、以下の様に誤解されている方もいらっしゃいますので、具体的に解説していきます。

 

(1)【よくある誤解1】家内を完膚無きまでに打ち負かせたい

 例えば、奥様がこちらに無断で別居した上で、弁護士を立ててきたとなると、こちらも臨戦態勢に入ってしまい、「相手をぎゃふんと言わせたい」と考える方もいます。

 もちろん、奥様が好き勝手の主張をしている場合、それをなすがままにしておくべきではないのですが、相手を「やっつける」ような体制で臨むのは危険です。

 

 まず、あなたが奥様との復縁を望んでいるという場合、奥様を徹底的に批判する態度で臨んでしまいますと、奥様は余計あなたへの気持ちが離れてしまいかねません。

 逆に、あなたも奥様との離婚を希望していた場合、奥様もあなたも離婚を希望しているため、この点を大きな争点とする必要性がなくなります(要するに、調停は話し合いの手続ですから、離婚については「お互いの話し合いが済んでいる」という扱いになりますので、敢えて奥様を徹底的に非難して、奥様の気持ちを逆なでする必要がないのです)

 

(2)【よくある誤解2】家内に落ち度があることの証拠を徹底的に集める

 例えば、奥様から送られてきたメールやSNSのメッセージにて、奥様が感情的になっている発言等を事細かに集めてくる方もいます。

 しかし、前述の通り、調停は話し合いの手続ですので、細かな証拠を収集しても、ほとんど調停委員は目を通してくれません(「お話しだけ伺わせて下さい」と言って引き取ってしまうと思います)。

 

 もちろん、証拠集めは、離婚裁判を視野に入れた場合には有効な手段なのですが、裁判にならずに調停で解決するケースも数多くありますから、今から「裁判ありき」で準備をしておくのではなく、目の前の調停に全力で挑む方が良いと思います(要するにまだ調停のステップなので、裁判ありきで準備を進めるのは「気が早過ぎる」ということです)。

 

(3)【よくある誤解3】調停委員に分かってもらうために長文の事実経過を準備しなくちゃ

 調停の手続は、調停委員が進行の指揮をしますので、もちろん、調停委員に、こちらの言い分を理解しておいてもらう必要がありますし、間違っても調停委員を敵に回す様な態度や言動は避けた方が良いです。

 

 ただ、あまりに長文の言い分を準備しても、調停委員は多数の事件を抱えておりますので消化不良を起こしてしまうだけです。

 また、長文の書類を準備してしまうと勢い奥様への非難の文言も増えかねません。そうしますと、奥様との感情的対立を招きかねません。

 そのため、あまり長文の経過説明等は避けた方が良いです。

 

(4)【よくある誤解4】調停委員が正解を出してくれる

 調停委員は、あなたと奥様の話の架け橋をしてくれる人物ですが、あくまで公正中立な立場に立ちますので、基本的に夫婦のどちらか一方の味方をする様な発言はしません。

 よく調停委員が、夫婦どちらの言い分が正しいか正解を出してくれると誤解している方もいますが、調停委員は、正解は出してくれません。

 

 よく使う調停委員のフレーズとしては「旦那さんの言うことは分からないでもないんですが、調停は過去の事実がこうだったと判断する場所じゃないんです」とか「旦那さんのおっしゃることを奥さんにも伝えましたが、奥さんはあくまで離婚を強く希望しているようです」といったものになります。

 従って、調停委員であったら分かってくれる、こちらが正しいと調停委員が分かってくれれば、調停委員は家内を説得してくれる、という考え方は間違いです。

 

(5)【よくある誤解5】家内が言ってきたことに対しては逐一反論する必要がある

 最近は減ってきているのですが、こちら側の方で、奥様が離婚したい理由が不明確であると主張した場合に、調停委員の要請で、奥様側から離婚したい理由を書き連ねた書類を提出してくるケースがあります。

 このような書面を受け取りますと、一語一句に至るまで、全て反論し尽くしたいと考える方もいますが、それをやってしまいますと、反論合戦になってしまいまして、冷静に話し合いをする環境が失われてしまいます。

 そのため、奥様の言い分全てに逐一反論する、事実を突きつけるという対応は避けた方が良いです。

 

 

3.調停では「正しさ」ばかりを追求すべきではない。


 

 もちろん、悪いことをしてもよい、婚姻中悪いことをしたとしても許される、という意味ではありません。ただ「正しさ」ばかりを追求しても、奥様からすると「窮屈」に感じてしまうと思います。

 

 そもそも、あなたは、奥様が「正しい」から結婚したのですか?奥様は、あなたが「正しい人」だから結婚したのですか?それは違うと思います。

 男女の関係なので、お互いの長所・短所も見つめながら、一緒に生活していきたいと考えたから結婚したのです。

 

 離婚のときの話し合いもそうです。

 「俺は間違っていない」「お前が間違っている」という姿勢では、奥様への非難に終始してしまい、結局仲直りの道は閉ざされてしまいます。

 あなたが離婚を考えていたとしても、奥様と「喧嘩別れ」の様に離婚するよりは、少しでも、しこりが少ない形で離婚できた方が良いと思います。

 その意味では、調停では「正しさ」ばかりを追求すべきではないと思います。

 

 

4.まとめ


・調停は裁判とは異なる。

・調停は白黒つける場所ではない。

・調停では「正しさ」ばかりを追求する姿勢は望ましくない。

 

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