DV夫から慰謝料は取れるか?
2017.07.31更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>モラハラ・DV情報盛りだくさんの総合サイトはこちら<<になります。
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1.DVを何らかの形で償わせたい
DV被害を受けた場合、そのことに対してDV加害者に何のお咎めもないということになると、やりきれないという思いを持たれる方も多いと思います。
DV加害者に謝罪させるという方法も考えられますが、法律上謝罪を強制させる仕組みがないため、この点を強く言うことは難しい面があります。また、DV旦那は、自己の暴力を正当化している人が多いため、謝罪に断固として応じないという人も多いです。
そのため、DV被害を受けたことに対して相手に何らかの償いをさせるという場合には、慰謝料を支払わせるという方法が現実的な選択肢になります。
2.DVの証拠
前述の通り、離婚手続の枠組みの中で、DVに関して相手に償いをさせるという場合、慰謝料をもらうというのが現実的な手段になりますが、その第一歩になるのが、DVの証拠になります。
最も有力な証拠となるのが医師の診断書になります。また、目立った外傷が残ったという場合には、外傷の写真も証拠になります。あとは、室内の壁や家具を破壊した場合、壊れた壁や家具の様子などを写真撮影しておけば、暴れたことの証拠になり得ます。
また、広義のDVといった場合、暴言も含みますので、相手の暴言の様子を録音したICレコーダーのデータ等も証拠になります。
いずれにしましても、上記のような客観的な証拠がありませんと、慰謝料を請求することは難しいのが現状ですので、今後慰謝料請求を考えているという場合には、診断書等の証拠を残しておいた方が良いと言えます。
3.慰謝料の相場観
それでは、慰謝料という場合、どの程度の金額をもらえるのでしょうか。
原則としてお話しさせて頂きますと、ケースによって千差万別ですので、「相場」というものは存在しません。ただ、敢えて私が取り扱った事件の平均値といいますと、200万円程度に落ち着くと思われます。
繰り返しになりますが、DVは、ケースによって内容に大きな違いがありますので、自分は200万円を確実にもらえるのだと誤解しないようにして下さい。
実際にどの程度の慰謝料をもらえそうかという点は弁護士に相談してみると、ある程度の目安をお教えできることもあります。
4.慰謝料をどのように請求して行くのか
それでは、慰謝料はどのようにして請求して行くのでしょうか。
通常は、DV旦那との離婚を決意されていることと思いますので、離婚の条件の一つとして慰謝料も要求して行くことになります。
DVの問題は、離婚を決意した直接のきっかけになっていることが多いと思いますので、離婚で話し合う問題の一つとして解決するのです。
5.DV旦那の支払能力
DVのきちんとした証拠がある場合、DV旦那から慰謝料を獲得して行くことになりますが、その際に注意しなければならないのは、DV旦那の支払能力になります。
いくら慰謝料を請求しても、DV旦那が無職であったり、ほとんど蓄えがないというケースも多くあります。その場合には、実際に慰謝料を獲得することが難しいという場合もありうると思います。
このようにDV旦那自身は十分な支払能力がないとしても、その両親や親族は資産家というケースもあります。その場合でも、あくまで慰謝料を請求できるのはDV旦那本人と言うことになりますので、直ちにDV旦那の支払能力の問題が解決されるわけではありません。
6.離婚と慰謝料どちらを優先するかの選択
私が相談を受けたケースでは、DV旦那が自己中心的にお金を使うため、ほとんど蓄えが残っていないとか、転職族のため、勤め先を特定することが難しいというケースが多いです。
そのため、残念ながら慰謝料を払う払わないという議論をしていることで離婚に時間がかかるのであれば、慰謝料を諦めて離婚を選択するという方もいらっしゃるのが現実です。
もちろん、今後DV旦那が再婚等して同じことを繰り返さないために、こちらが受けた被害の何十分の一かでも取り返したいという気持ちから慰謝料を請求すべきケースが多いと言えます。そのため、簡単に慰謝料請求を諦めて欲しくないのですが、手続が進む内に離婚と慰謝料とで優先順位を付けて検討しなければならない場面に遭遇することもありますので、そのことは頭の片隅置いておいた方が良いと思います。
7.まとめ
・DVの慰謝料請求にあたっては、DV被害の証拠が重要な意味を持つ。
・慰謝料の金額はケースによるため一概にいくらとは言いにくい。
・慰謝料の問題は離婚の話し合いと一緒に話をするのが一般的である。
・慰謝料を請求するにあたっては、DV旦那の支払能力の問題を無視できない。
・ケースによっては離婚と慰謝料どちらかに優先順位を付けた方が良いケースもある。
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