【こんな小さい子がいるから絶対に離婚できない(33)】夫からの離婚調停(8)ーいきなり調停をしてきた思惑とは
2025.10.27更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。
※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※
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【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない】
私がご相談を受けておりますと、このようにおっしゃられる奥様は相当数いらっしゃいます。
それでは、どのような心境で、このようにおっしゃられるのでしょうか。私が直接お話を聞いている中でお聞きした内容は以下のようなものです。
①子供にとって両親が揃っていた方が良いに決まっている
②親の事情で片親というのは子供が不憫
③子供が成長した時に、友達から揶揄されたりいじめられたりと不利益が生じそう
④シングルマザーだと、私が体調を崩したときなどに大変
⑤片親だと将来の選択肢が狭まる(幼稚園入園や私立小学校への入学等)
⑥私の収入は少ないので、夫の収入なしでの生活は経済的に厳しい
⑦子供が生まれた途端に離婚なんて、夫は無責任
⑧子供のことを第1に考えられるなら簡単に「離婚」なんて言えないはず
⑨世間体、周囲の目が気になる
このようなご意見は、全てが法律上そのまま正しいというわけでもないのですが、「ご心情はお察しして余りある」というのが実情です。
以下では、①お子様が乳幼児(概ね0歳から3歳)で、②あなたが奥様(旦那様側ではない)というケースを前提として、以下の通り解説していきます。
1.相手弁護士がいきなり調停を起こしてきた!!
今回のブログは、相手弁護士が、あなたに対して、事前に何らの連絡等をせずに、いきなり調停を起こしてきたケースを想定して解説します。
即ち、事前に相手弁護士からあなたに対して手紙での連絡や電話での連絡等が一切なく、いきなり、裁判所から調停の書類が送られてきたというケースについて解説するものです。
2.【相手弁護士の思惑①】自身の言い分にかなり自信を持っているのか?
上記の通り、あなたのもとにはいきなり裁判所からの書類が届いてしまいますので、びっくりしてしまうという方が大半ではないかと思います。
私のところにも、このように驚いて、ともかく事態を把握したいので相談にいらっしゃるという方も多くいます。
このようにご相談に来られた方がよく口にするのが「これは、よほど自信があるからいきなり調停を起こしてきたんですよね」というご質問です。
要するに、相手が自身の言い分にかなり自信があるから、離婚協議等を経ずにいきなり調停を起こしても大丈夫だと考えた、という発想のようです。
しかし、離婚調停手続きは、裁判所を利用しますが、あくまで話し合いの手続です。
そのため、自身の主張に自信があるかどうかとはあまり関係がないというケースの方が多いと思います(要するに、裁判の手続でしたら、普通はかなり自信がないといきなり裁判は起こしてこないと思いますが、裁判と調停は別の手続ですから、同じようには考えられないということです)。
3.【相手弁護士の思惑②】相手弁護士の普段のスタイルなだけ
上記の通り、いきなり裁判所から封書が届くとあなたはかなり驚くと思いますし、それは当然の反応だと思います。
ただ、実際相手弁護士の様子を見ていると、何か特別な思惑があってやっているというよりも、相手弁護士の普段のスタイルなだけであるということがかなり多い印象です。
つまり、弁護士には、それぞれ自分なりの仕事の進め方がありますが、今回相手が雇った弁護士は、離婚事件を処理する際には、離婚協議等はせずにいきなり調停を起こすという進め方をしているということです。
そのため、相手弁護士としてみれば、特に特別な進め方をしているという認識はないのです。
私がご相談を受けている印象ですと、最近は、このようにいきなり調停を起こすという進め方をする弁護士がかなり増えてきているよう印象です。
そのため、いきなり調停を起こされたからと言って、それほど不安に感じなくても良いと思います。
4.【相手弁護士の思惑③】相手の言い分がDV等の場合
前述のように、相手弁護士が普段からいきなり調停を起こすというスタイルではなかったとしても、今回については理由があって、いきなり調停を起こしてきているというケースもあります。
このような理由としてよく挙がるのが、DVのケースです。
要するに、相手の言い分だと、「妻はヒステリックで暴れ始めると手が付けられない」というものなので、弁護士も、話し合いによる解決は難しいだろうと判断して、いきなり調停を起こしてきているのです。
もちろん、離婚協議が順調に進んで、協議離婚によって解決できれば、その方が時間の短縮になるというメリットがあります。しかし、話し合いの可能性が低い場合、協議離婚にかけている時間は、かえって早期解決の妨げになることもあるのです。
また、調停という裁判所の手続中であれば、こちら側の行動を一定程度牽制できると、相手が考えているケースもあります。
5.【たまにある誤解】裁判所は妻側の言い分を全てそのまま認めてしまっている
たまに、私のところに相談に来られる方の中に、「裁判所が調停を認めたということは、裁判所も相手の言い分を認めているんですよね」と考えている方もいますが、それは完全なる誤解です。
裁判所は調停申請を受け付ける際に、書類に不備がないかの確認しかしませんので、申立人の言い分が正しいかどうかについて一切審査していません。また、調停を起こす際に、申立人側は自分の言い分の裏付けを通常提出しませんから、裁判所側は、申立人側の言い分が正しいかどうか判断する余地もありません。
いずれにしましても、前述の通り、調停手続きは話し合いの手続ですから、調停委員や裁判官が予断や先入観をもって調停期日に臨むということはありません。
6.怯む必要はないし「あなた自身の人生」という視点で方向性を検討すること
前述のようにいきなり調停の書類が届いてしまいますと、あなたもかなり不安になってしまうと思います。
しかし、ここまででご説明してきました通り、いきなり調停を起こされたからと言って怯む必要は全くありません。
法律上は、離婚が成立してしまいますと、夫婦は他人になってしまいます。それだけ離婚は重大な効果を持つものなのです。
そのため、今後のあなたの人生のことも考え、後から後悔しないような選択をした方が良いと思います(復縁を諦めきれないのでしたら「離婚したくない」とはっきり言うべきだと思います)。
7.まとめ
・妻側弁護士が特に自信があるから調停を起こしているというわけではないことも多い。
・いきなり調停を起こすことが普段のスタイルだという弁護士もかなり増えてきている。
・妻側の言い分がDVというような場合には、いきなり調停を起こすケースも多い。
・調停申請の際に、詳しい審査はしないので、裁判所が妻側の言い分を認めたわけではない。
・怯む必要はないし「あなた自身の人生」という視点で方向性を検討すべきである
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