【こんな小さい子がいるから絶対に離婚できない(34)】どうして夫は急に「モラハラ」なんて言い始めたのでしょうか?
2025.10.27更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。
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【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない】
私がご相談を受けておりますと、このようにおっしゃられる奥様は相当数いらっしゃいます。
それでは、どのような心境で、このようにおっしゃられるのでしょうか。私が直接お話を聞いている中でお聞きした内容は以下のようなものです。
①子供にとって両親が揃っていた方が良いに決まっている
②親の事情で片親というのは子供が不憫
③子供が成長した時に、友達から揶揄されたりいじめられたりと不利益が生じそう
④シングルマザーだと、私が体調を崩したときなどに大変
⑤片親だと将来の選択肢が狭まる(幼稚園入園や私立小学校への入学等)
⑥私の収入は少ないので、夫の収入なしでの生活は経済的に厳しい
⑦子供が生まれた途端に離婚なんて、夫は無責任
⑧子供のことを第1に考えられるなら簡単に「離婚」なんて言えないはず
⑨世間体、周囲の目が気になる
このようなご意見は、全てが法律上そのまま正しいというわけでもないのですが、「ご心情はお察しして余りある」というのが実情です。
以下では、①お子様が乳幼児(概ね0歳から3歳)で、②あなたが奥様(旦那様側ではない)というケースを前提として、以下の通り解説していきます。
1.突如突き付けられた離婚理由
離婚理由を突き付けられる場面としては、夫から直接突きつけられる場合と、その弁護士から突き付けられる場合とがあります。
いずれであろうと、離婚したい理由が、「あなたのモラハラ発言に耐えられなくなったから」というものである場合、あなたとしては、「モラハラってどういうこと?」と困惑してしまうと思います。
あなたとしては、普段通りの夫婦の関係で、他愛ない会話しかしていないと考えてきたわけなので、突如「モラハラ」と言われても驚いてしまうのです。
これまで何年も夫婦として一緒にやってきたのに、急に「あなたの発言はモラハラだった」と言われても納得できないのは当然のことだと思います。
以下では、相手ががどうして「モラハラ」などという言葉を使い始めたのか、そのきっかけ等について、実際に私が担当したケースなどを元に解説していきます。
2.そもそもモラハラって何だ?
「モラハラ」、最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。
モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含め得る概念です。
3.夫がモラハラという言葉を使い始めたきっかけ
夫が急に「モラハラ」という言葉を使い始めている以上、そのことにはきっかけがあります。
そもそも、前述のように、モラハラの概念は非常に広いため、「何でもかんでもモラハラと言ってしまえば該当してしまう」という側面があるのも事実です。
以下では、どのようなものがきっかけとされることが多いのかを解説していきます。
(1)友人や知人から聞いて知った
ママ友やパパ友、または、友人・知人等と雑談をしていた際に、ふとしたことから、このような用語が出たということがきっかけの場合があります。
特に、離婚経験があるママ友やパパ友の場合、自らの離婚経験から、「モラハラ」といったことを身をもって知っているという方も多いため、そのような友人経由で話を聞いた、自分が相手から受けてきた発言が「正にモラハラ発言だと気付いた」と言い始めるケースも多いです。
(2)テレビなどから情報を得た
モラハラという用語も以前よりはテレビなどでも取り上げられるようになりました。
その関係で、ニュースやドラマ、情報バラエティーなどで、「モラハラ」という概念や、それがどのようなものなのかについて見聞きすることも増えてしまっています。
そのような経緯で一度「モラハラ」という言葉を知ると、後はインターネットで検索すると、情報はいくらでも出てきますので、自分がモラハラ被害者だったんだと誤解してしまう人も多くいます。
(3)行政機関への相談
今では行政機関でも「モラハラ」や「DV」についての周知活動を行っています。
そのため、違和感を感じた際に、行政機関(身近なところで言うと区役所など)に相談すると、「それはモラハラなので、すぐに逃げたほうが良い」とか「モラハラは治らないから、改善を期待しない方が良い」といった回答をするケースが非常に多いです。
一方の話だけを聞いて、このようにアドバイスすることもどうかと思いますが、行政機関からこのように言われると、「やっぱり自分はモラハラ被害者だったんだ」と誤解してしまう人も多いです。
4.熟年離婚の場合
熟年離婚の場合には、「これまでずっと相手からのモラハラに耐え続けてきましたが、やっと子供も成人したので、離婚したいです」とか「子供が大学を卒業したので、離婚したいです」というように、お子様の成長を待って、離婚を切り出してくるというケースも多くあります。
5.今後の手続きの中で重要になってくるものは何か?
モラハラの問題は、言った言わないの水掛け論になるケースが非常に多いです。夫側は離婚するために、あなたから「このように言われた」といったことを主張してくることが多いのですが、ニュアンスが大きく異なっていたり、経緯が全く違っているといったことも多いです。
いずれにせよ、相手が「こういわれた」、あなたが「そうは言っていない」と言い合っていても議論は錯綜するばかりで、問題の決着は遠のくばかりです。
少なくとも、離婚調停の段階では、モラハラについてどういう証拠があるのか?といったことを細かく突き詰めていくというケースはほとんどないのですが、少なくとも、離婚裁判になった場合には、どのような証拠がどの程度あるのかという点が非常に重要な意味を持ってきます。
そのため、夫側が「モラハラ」を主張してきた場合には、夫側がどのような証拠を持っているのかを推測しながら対応していく必要があります。
6.夫は不倫している?
これはよく出る話題なのですが、私の経験上、不倫の証拠は出てこないケースの方が多いです。
あなたとしては、夫側から突如離婚を突き付けられ、また、身に覚えのないモラハラが理由なので、夫の不倫を疑う(他の人のことが好きになったので、私を捨てようとしていると疑う)ことも、心情的に理解できなくはないですが、その証明ができないことの方が多いのが実情です。
もちろん、夫が突然家を出る前から明らかに外泊の頻度が増えていたなど、不倫を疑う合理的理由があるような場合には、別居後も不倫をしているかを調査会社に頼んで突き止めるというパターンもあり得ますが、このような合理的な理由がない限り、不倫の調査をしても証拠を得られないというケースも多いです。
7.まとめ
・夫がモラハラを言い始めるきっかけとしては、友人や知人から知識を得たというケースも多い。
・他にも、テレビから情報を得たという人もいる。
・「モラハラ」ということで行政機関に相談すると、別居や離婚を勧めるケースも多い。
・熟年離婚の場合、お子様の成人等を待ったというケースもある。
・今後の手続きの進め方の検討に当たっては、相手がどのような証拠を持っているのかがカギになる。
・夫の不倫を疑う気持ちは分からなくもないが、証拠をつかめないケースが大半である。
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