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【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない(3)】現状の立ち位置を知ろうーケース別復縁難易度

2025.05.19更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。

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【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない】


私がご相談を受けておりますと、このようにおっしゃられる奥様は相当数いらっしゃいます。

それでは、どのような心境で、このようにおっしゃられるのでしょうか。私が直接お話を聞いている中でお聞きした内容は以下のようなものです。

 

①子供にとって両親が揃っていた方が良いに決まっている

②親の事情で片親というのは子供が不憫

③子供が成長した時に、友達から揶揄されたりいじめられたりと不利益が生じそう

④シングルマザーだと、私が体調を崩したときなどに大変

⑤片親だと将来の選択肢が狭まる(幼稚園入園や私立小学校への入学等)

⑥私の収入は少ないので、夫の収入なしでの生活は経済的に厳しい

⑦子供が生まれた途端に離婚なんて、夫は無責任

⑧子供のことを第1に考えられるなら簡単に「離婚」なんて言えないはず

⑨世間体、周囲の目が気になる

 

 

このようなご意見は、全てが法律上そのまま正しいというわけでもないのですが、「ご心情はお察しして余りある」というのが実情です。

 以下では、①お子様が乳幼児(概ね0歳から3歳)で、②あなたが奥様(旦那様側ではない)というケースを前提として、以下の通り解説していきます。

 

 

1.ケース別復縁難易度って?


 私は、離婚回避・夫婦関係修復のご相談を受けることも多いのですが、ご相談を受けた時点で、どこまで状況が悪化しているのか、一定のケース分けができることに気付きました。

 もちろん、以下は、ケースごとの難易度を目安としてお示しするものであって、「このケースであれば夫婦関係修復確実」などと保障するものではありませんので、この点はご留意の上ご覧いただければと思います。

 

 

2.ケース分け


 あなたが起こっている事態に応じて、離婚に向けての深刻度を類型化することができますので、具体的には以下のようにケース分けして解説していきます。

 

①夫から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)

②夫から離婚の提案があった(まだ別居はしていない)

③夫から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中

④夫から別居の提案があって、話し合いが決裂、夫が突如別居を開始した

⑤夫から何の提案もなく突如別居を開始した

⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(夫は弁護士を付けていない)

⑦別居中の夫の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた

⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(夫は弁護士を付けている)

 

 なお、これら①から⑧は夫側が順を追ってこのような手続きを踏むというわけではなく、いきなり⑤と⑧から手続が進むと言うこともあります。そのため、現在あなたが置かれている状況が①から⑧のどの状況なのかを確認して、該当の解説をご覧下さい。

 

 

3.【ケース①または②】夫から、別居または離婚の提案があった


上記のケース分けで①または②に該当するケースです。実際に相手が別居を開始していない段階ですので、上記のケース分けの中では深刻度が一番低い類型になります。

 上記の③から⑧にまで発展していない段階ですので、あなたが対応を誤らなければ十分夫婦関係の修復も期待できる段階と言えます。

 

 ただ、この段階でも、真剣に相手が離婚を切り出してきている場合や、両親等も交えた話し合いを提案してきているような場合には、あなたも空いての声に真剣に耳を傾けないと、別居を実行されてしまうリスクもありますので、その意味では慎重な対応が必要になります。

 また、ここでのあなたの対応が夫側を更に傷つけてしまいますと、別居や離婚を決断させる引き金になってしまう可能性もありますので、その点に注意する必要があります。

 

 なお、夫側から別居の提案が出されただけというケース(①のケース)と、更に踏み込んで離婚の提案までなされたケース(②のケース)とでは、②の方が多少深刻度が高いということになります。

 また、夫側からこのような提案がなされるのが今回が初めてではない、という場合には、深刻度は増しますので、この点にも注意が必要です。

 

 

4.【ケース③】相手から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中


 何か別居の引き金になるような出来事が起こって、お互いに冷却期間を置いた方が良いということで、あなたも承諾して別居を開始したというケースです。

 例えば、夫婦喧嘩が白熱してしまい、ご近所さんが警察に通報してしまったというときに、お互いに話し合いをして、一時的に奥様が実家で暮らすことにしたというようなケースとか、旦那様があまりに仕事が忙しく、そのストレスで家庭内でもイライラすることが多いので、話し合って、一旦、旦那様だけ社員寮で暮らすことにしたといったケースがこれに当たります。

 いわゆる「ほとぼりが冷めるまで別居する」という内容ですので、あなたが対応を誤らなければ夫婦関係修復も期待できる段階と言えます。

 

 このようなケースでは先ほども解説しましたとおり、別居の引き金になるような出来事が起きていることが多いので、あなた自身もそのような出来事を振り返り、そのこととしっかりと向き合って対応する必要があります。

 ちなみに、相手のことを疑い始めてしまいますとキリがないのですが、残念ながら、冷却期間のための別居だと言いつつ、実際には、そのまま戻ってこないというケースもあります。そのような場合には、相手が別居したいということは伝わってくるものの、別居したい理由があいまいだというケースが多いので、そのような場合には、「別居前にじっくりと話し合おう」ということで、最初から別居に応じない方が望ましいと言えます。

 

 

5.【ケース④】夫から別居の提案があって、話し合いが決裂、夫が突如別居を開始した


このケースは、夫から別居の提案があったという点ではケース③と同じですが、話し合いが上手く行かず、夫が別居を独断で実行したケースになります。

 このような夫側の行動心理としては、「話をしていても埒があかないので、最終的には承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース①から③よりも慎重な対応が必要になります。

 

 このようなケースでは、あなたが直接相手と話をすることが相手を刺激する危険性もありますので、相手のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。

 もちろん、別居後も相手から連絡があり、あなたからの連絡に対して相手からの返答もあるようでしたら、相手との直接の話し合いを模索してみても良いかもしれません。それが逆効果になりそうな場合や、相手との直接の話し合いを模索してみたけれども、なかなか難しいという段階で他の方を間に入れることを検討してみて下さい。

 

 

6.【ケース⑤】夫が何の提案もなく突如別居を開始した


このケースは、夫が突如別居を始めたという点はケース④と同じですが、夫が事前に別居の提案をしてこなかったケースになります。

 このような夫の行動心理としては、「直接話をしていても埒があかないので、承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース④よりも慎重な対応が必要になることが多いと思います。

 

 ただ、ケース④よりも深刻度が高いかというと、事前に話し合いをするかは、夫の性格やこれまでのご夫婦での話し合いや夫婦関係等による影響もありますので、あまり深刻度はケース④と変わらないというケースもあります。

 このケースでも、あなたが直接相手と話をすることが相手を刺激する危険性もありますので、相手のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。

 

 なお、あなたとしては、相手が何の相談もなく勝手に出ていったことに対する怒りの感情を持つかもしれませんが、そのような怒りの感情に支配されて行動してしまいますと、夫婦関係修復の道は遠のいてしまうと思いますので、冷静な対応が必要かと思われます。

 

 

7.【ケース⑥】家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けていない)


このケースは、あなたが普段通りに生活していたところ、突如離婚調停の通知が郵便で届いてしまったというケースになります。

 このケースは更に、①夫が別居した上で、暫くしてから裁判所の書類が届いたケースと、②夫が同居しながら(家庭内別居のまま)裁判所の書類が届くケースに分けることができます。このケース⑥-①の方が、⑥―②よりも深刻度が高いことの方が多いのですが、相手としては色々な事情があってケース⑥-②を選ばざるを得なかったということもあります。例えば、自宅が夫の持ち家なので、心情的にマイホームに暮らし続けたいとか、別居するとお子様との接点が減ってしまうので、それを避けたいといった事情が考えられます。そのような事情がある場合には、ケース⑥-①もケース⑥-②も深刻度はあまり変わらないと思います。

 

 このケースでは夫が弁護士を立てていないものの、裁判所での話し合いを希望している段階ですので、離婚意思が強いケースが多いと思います。

 この段階にまで発展してしまっていますと夫婦関係修復の難易度はかなり高いと思いますので、夫婦関係修復を希望するのであれば、誠意をもって調停に臨むことをオススメします。

 

 

8.【ケース⑦または⑧】夫が弁護士を付けた


夫が弁護士を付けて離婚を要求してきたケースです。弁護士が手紙を送ってくるケース(ケース⑦)と、弁護士の判子が押された調停書類が裁判所から届くケース(ケース⑧)とがあります。

 ケース⑦とケース⑧どちらの深刻度が高いのかという点ですが、一般的にはケース⑧の方が深刻度が高いのですが、事件の方針として交渉から着手するか調停から着手するかは弁護士の普段の事件処理方法によるところも大きいので、必ずしも深刻度に差があるとは限りません(より分かりやすく言いますと、弁護士によっては「離婚事件は常に離婚調停の申立からスタートする」という事件処理をしている弁護士もいるということです)。

 

 このケース⑦または⑧になりますと、夫側は弁護士にお金を払ってでも離婚したいという決意を持っているわけですから、離婚の覚悟は相当固いと考えた方が良いと思います。

 また、この段階にまで発展してしまっていますと、奥様が専門家である弁護士を付けているので、あなたとしてもミスが起きないよう弁護士を立てることを考えた方が良いと思います。

 

 

9.まとめ


・夫婦関係の悪化の状況に応じて復縁難易度には差が生じる。

・一般的には以下の数字が大きくなるほど復縁難易度は上がる傾向がある。

①夫から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)

②夫から離婚の提案があった(まだ別居はしていない)

③夫から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中

④夫から別居の提案があって、話し合いが決裂、相手が突如別居を開始した

⑤夫から何の提案もなく突如別居を開始した

⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(夫は弁護士を付けていない)

⑦別居中の夫の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた

⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(夫は弁護士を付けている)

・上記の①から⑧はあくまで目安なので、ご家庭の状況によっては復縁難易度に差が生じ得る。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない(2)】夫婦修復の秘訣とは?<まだ同居中のケース>

2025.05.12更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避のために尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※
神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない】


私がご相談を受けておりますと、このようにおっしゃられる奥様は相当数いらっしゃいます。

それでは、どのような心境で、このようにおっしゃられるのでしょうか。私が直接お話を聞いている中でお聞きした内容は以下のようなものです。

 

①子供にとって両親が揃っていた方が良いに決まっている

②親の事情で片親というのは子供が不憫

③子供が成長した時に、友達から揶揄されたりいじめられたりと不利益が生じそう

④シングルマザーだと、私が体調を崩したときなどに大変

⑤片親だと将来の選択肢が狭まる(幼稚園入園や私立小学校への入学等)

⑥私の収入は少ないので、夫の収入なしでの生活は経済的に厳しい

⑦子供が生まれた途端に離婚なんて、夫は無責任

⑧子供のことを第1に考えられるなら簡単に「離婚」なんて言えないはず

⑨世間体、周囲の目が気になる

 

 

このようなご意見は、全てが法律上そのまま正しいというわけでもないのですが、「ご心情はお察しして余りある」というのが実情です。

 以下では、①お子様が乳幼児(概ね0歳から3歳)で、②あなたが奥様(旦那様側ではない)というケースを前提として、以下の通り解説していきます。

 

 

1.離婚回避・夫婦修復の秘訣とは?


 私も、夫婦関係の問題を多数取り扱っておりますと、「あの時こうしていれば良かったのでは?」と感じてしまうケースも多くあります。
 そのため、修復の秘訣となるようなことを本ブログでは書いてみようと思います。
 なお、本ブログは、ご夫婦がまだ同居中というケースを想定しておりますので、この点は予めご留意下さい。
 また、夫婦の関係性は、型にはまったものではないと思いますので、以下の解説も一つの参考と思ってお読みいただければと思います。

 

 

2.【ポイント1】必殺技や奥の手はない


 私のところに夫婦円満を目指してご相談に来られる方の中には、私が夫婦円満のための必殺技や奥の手を知っていると誤解されていらっしゃる方もいます。
 そのため、最初にお話しておきますが、私の経験上、夫婦円満のための必殺技や奥の手はありません。
 ご相談に来られた方には、奥の手はないので、地道に信頼回復に努めていきましょうというお話をすることが多いです。

 

3.【ポイント2】険悪な状況を長期化させない


 私のところにご相談に来られる方は、既に相手が別居を始めてしまっているケースや、相手が弁護士を立ててしまっているケースが大半です。
 ただ、よくよく話を聞いてみますと、①実はこの4,5年、相手とはほとんど口を聞いていないんですとか、②この何か月間は、休日も含めて食事は別々に摂るようになっていましたとか、③相手がこちらを無視するので、こっちも無視していたら冷戦のような状況が2,3年続いています、といった話をなさる方もいます。

 要するに、別居を開始する前から、夫婦の関係性が「形だけのもの」になってしまっているのです。
 もし、あなたが、まだ相手と一緒に生活しているという場合には、険悪な状況が長引くほど、別居や離婚のリスクは高まってしまいますので、「険悪になっている」とか「険悪になり始めている」と感じた場合には、その状況を改善するように対応することが大事です。

 

 

4.【ポイント3】家族のイベントをただのルーティーンで終わらせない


 これも、私が相談に乗っていると聞くことが多いのですが、相手が別居してしまったけれども、数か月前には家族旅行に行ったとか、相手も旅行を楽しんでいた、というお話をなさる方もいます。ただ、より詳しく話を聞いてみますと、勤め先の保養所を利用する旅行で、実は相手はそれほど行きたいと思っていなかったとか、旅行に行くには行ったけれども、普段の夫婦の会話がほとんどなくなっていたので、旅行中夫婦の会話はほとんどなかったということも多いです。

 これでは、折角の家族旅行等も夫婦関係修復には役立ちません。
 また、家族旅行等が毎年の恒例行事になっているというのはよい側面もありますが、逆に、そのことがマンネリ化してしまうということもあると思いますので、それがルーティーン化してしまい、家族の絆を深める場になっていないようでしたら、行先や旅行計画等を工夫するなどして、少しでも家族の絆を深めるような努力をした方が良いと思います。

 

 

5.【ポイント4】 子供への叱責・しつけの限度を超えない


 これも、私がご相談を受けているとよく話題に出る事項なのですが、あなたのお子様への叱責や躾が限度を超えていると感じられてしまうということがあります。
 あなたとしては、お子様の将来のために一生懸命しつけている、叱っているとお考えなのかもしれませんが、熱が入り過ぎてしまい行き過ぎてしまうということも多々あります。
 ただ、行き過ぎた言葉や、特に「手が出る」ということになってしまいますと、厳密には児童虐待と呼ばれても仕方がない状況とも言えます。
 このような様子を見て、相手が「もう一緒にやっていけない」と感じてしまうという話を耳にすることも多いものですから、十分注意すべきかと思います。

 

 

6.【ポイント5】「昔はこうだった」という考えは通用しないことが増えている


 特にご年配の方がご相談に来られる際に、このようなお話をなさる方が多い印象ですが「私が小さい頃はこうやって育った」とか「私が小さい頃、父はこうしていた」、「昔は今みたいにパワハラだとかDVだとか騒がれなかった」といったお話をなさる方もいます。
 ただ、そのような考え方で相手と接してしまいますと、相手は時代錯誤だと感じてしまい、一層あなたへの気持ちが離れて行ってしまいます。
 特に、今は、インターネットで何でも検索できる時代ですから、今どきの夫婦像なども簡単に検索出来てしまいます。相手がそのことで違和感を感じてしまいますと、離婚や別居を切り出すという原因になりかねませんので、くれぐれも「昔はこうだったから、今も許される」といった発想は禁物です。

 

 

7.【ポイント6】謝るべきところは謝る


 あなた自身が悪かったという点については、謝罪するということも重要なことです。
 もちろん、相手の話の中で、相手が誤解しているというものについては、冷静に説明をして、誤解を解く必要がありますが、実際に、あなた自身の行動や言動で行き過ぎたと感じるものがあった場合には、(そのことだけは)素直に謝罪することも重要なのです。

 なお、このようなお話をすると、「自分はお互い様だと思うんですが、こっちだけ謝らないといけないなんておかしくないですか?」とか「この件は、自分よりも相手の方が絶対に悪いと思うんですが、それなのになんでこっちが謝るんですか?」とおっしゃる方もいます。
 ただ、「お互い様」「相手の方が悪い」という姿勢が続きますと、夫婦修復の道は閉ざされてしまうと思います。
 そのため、一旦は謝って「ただ、そっちの言い方も良く無かったよね」といった形で指摘することも考えてみてください。

 

8.【ポイント7】感謝の気持ちを伝える


 前述の謝る姿勢と合わせて、普段の相手の仕事ぶり、家事・育児への協力に対して感謝の気持ちを示すことも、同様に大切なことになります。
 夫婦喧嘩中ですと、感謝の気持ちを示すことに抵抗感を持つ方も多いのですが、意固地になってしまいますと状況は悪化していく一方というケースも多いので、感謝の気持ちは早めに示しておいた方が良いケースが多いです。
 特に、相手が別居をスタートさせてしまったり、弁護士を立ててしまったりしますと、感謝の気持ちを直接伝えることすら難しくなるということも多いので、感謝の気持ちも「伝えられるうちに伝える」ということが大切だと思います。

 

9.【ポイント8】間に誰かをはさむ


 夫婦が直接話をすると冷静な話し合いができない、余計にこじれそうだというような場合には、あなたのご両親や身内の方、仲人の方その他友人・知人の方などに間に入ってもらって話をするということが有益です。
 なお、間に入ってくれそうな適任者がいないというときには、弁護士に間に入ってほしいとおっしゃる方も多いのですが、夫婦円満を目指す場合には、安易に弁護士に依頼せず、極力身内の方を間に挟んだ話し合いを強くオススメすることが多いです。

 

10.【ポイント9】簡単に諦めない


 私のところにご相談に来られる方は、「夫婦関係はできれば修復したいですけど、難しいですよね。それだったらどうしようか悩んでいます。」とか「友人とかに相談すると、それなら離婚した方がいいんじゃない、という意見が多くて迷っています」というお話を聞くことも多いです。
 そのような場合に、私の方からお話するのは、「今後絶対に後悔しない、というくらいに覚悟が決まるまでは、離婚を口にすべきではないですよ」ということです。

 今後の夫婦関係の問題は、あなたの人生に関わるとても大事な話ですから、私としては後悔する選択はして欲しくないと考えています。
 また、現実的にも、あなたが「離婚で構いませんよ」と言ってしまいますと、離婚一直線で話が進んでしまいます。
 そのため、「悩んでいるうちは離婚を口にしない方が良い」とアドバイスすることが多いのです。

 

 

11.まとめ


・【離婚回避のためのポイント1】必殺技や奥の手はない

・【離婚回避のためのポイント2】険悪な状況を長期化させない

・【離婚回避のためのポイント3】家族のイベントをただのルーティーンで終わらせない

・【離婚回避のためのポイント4】子供へのしつけ・叱責の限度を超えない

・【離婚回避のためのポイント5】「昔はこうだった」という考えは通用しないことが増えている

・【離婚回避のためのポイント6】謝るべきところは謝る

・【離婚回避のためのポイント7】感謝の気持ちを伝える

・【離婚回避のためのポイント8】間に誰かを挟む

・【離婚回避のためのポイント9】簡単に復縁を諦めない

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【こんな小さい子がいるから、絶対離婚できない(1)】修復のために「すべきこと」「やってはいけないこと」21選

2025.05.05更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。まだあきらめるのは早い、最後の最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から解説していきます。※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※
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【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない】


私がご相談を受けておりますと、このようにおっしゃられる奥様は相当数いらっしゃいます。

それでは、どのような心境で、このようにおっしゃられるのでしょうか。私が直接お話を聞いている中でお聞きした内容は以下のようなものです。

 

①子供にとって両親が揃っていた方が良いに決まっている

②親の事情で片親というのは子供が不憫

③子供が成長した時に、友達から揶揄されたりいじめられたりと不利益が生じそう

④シングルマザーだと、私が体調を崩したときなどに大変

⑤片親だと将来の選択肢が狭まる(幼稚園入園や私立小学校への入学等)

⑥私の収入は少ないので、夫の収入なしでの生活は経済的に厳しい

⑦子供が生まれた途端に離婚なんて、夫は無責任

⑧子供のことを第1に考えられるなら簡単に「離婚」なんて言えないはず

⑨世間体、周囲の目が気になる

 

 

このようなご意見は、全てが法律上そのまま正しいというわけでもないのですが、「ご心情はお察しして余りある」というのが実情です。

 以下では、①お子様が乳幼児(概ね0歳から3歳)で、②あなたが奥様(旦那様側ではない)というケースを前提として、以下の通り解説していきます。

 

 

1.大まかに場合分けが必要


一口に離婚回避のために「すべきこと」「やってはいけないこと」と言いましても、あなたが置かれている状況によって、対応方法も異なってきますので、⑴別居前・⑵別居後・⑶相手が弁護士を立ててきたという3つに分けて、解説していきます。

 

 

2.【ケース1】まだ夫側が別居を開始する前の段階


 「まだ相手が別居を開始する前の段階」というのは、実際のケースとしては、まだ夫側が別居をスタートしてはいないけれども、別居や離婚の希望を直接伝えてきたとか、様子を見ていると別居の準備をしている様子があるといったケースです。
 この場合に「すべきこと」「やってはいけないこと」を8個に絞って解説します。

(1)【心得1】反発しないこと
 私が夫婦修復のケースを担当していて、まず注意して欲しいと考える点が「反発しないこと」です。
 夫側が別居希望や離婚希望をこちらに伝えて来る際には、当然ながら、あなたに対する不満をぶつけてくることが多いと思いますが、あなたの認識と異なる事実、誤解している事実が含まれることも多いと思います。
 そのため、夫の言い分をさえぎって、あなたの言い分や認識を伝えたくなるのも当然のことだと思います。

 もちろん、あなたの考えを伝えることで夫婦の誤解が解けて関係が修復するということもあるので、あなたの考えを伝えてはいけないということではありません。
 気を付けて欲しいのは、「売られた喧嘩を買う」ということにならないようにして欲しいということです。
 これでは、夫婦喧嘩にしかなりませんので、関係修復が遠のいてしまいます。
 夫側の口から離婚や別居というワードが出たということは、真剣に悩んでいる可能性が高いと思いますので、反発しないで冷静に話し合いができた方が良いと思います。

(2)【心得2】夫側の話を軽視しないこと
 「そんなこと言ったって、夫の収入なしでは生活できないに決まっているから、流石に本気ではないでしょう」とか「夫が急に私のことを嫌いになるということもないだろう」といった形で、夫の話をまともに取り合わないという方もいます。特にお子様が乳幼児の場合には、お子様のお世話で手一杯で、じっくりと夫の話を聞くような時間的余裕・心理的余裕がないというケースも多いです
 しかし、私が夫婦修復の件でお話を聞いておりますと、「同居中に夫がそんなことを言ってたんですが、本気だとは思わなくてそのままにしていたんですが、そうしたら急に何も言わずに出て行ってしまったんです。どうすればいいですか?」とご相談を受けることも多いです。
 そのため、「今回は本気かもしれない」と思って話を聞いた方が良いと思います。

(3)【心得3】理解できるところ、すべきところは、理解・共感する
 前述のように、夫は、あなたに対する不満をぶつけてくると思います。その中でも、理解できるところや、夫がこだわっていて、そこを妥協しないと夫婦修復の糸口がつかめないような部分については、理解・共感するという姿勢が大切なことが多いです。
 ただ、このような話をすると「要するに、相手の話に相槌だけ打っておけばいいんですよね?」とおっしゃる方もいますが、このような姿勢ですと、相手に見透かされてしまうことが多いので、実際にあなた自身理解・共感できる範囲で妥協するということの方が良いと思います。

 逆に、夫からの理不尽な要求などがあった際に「なんでも夫の言いなりにならないといけないのですか?」とご質問を受けることもあります。当然、あまりに理不尽な要求に応じる必要はありませんが、あまりストレートに反対すると夫婦喧嘩にしかなりませんので、伝え方・伝えるタイミングなどを慎重に見極めたほうが良いかと思います。

(4)【心得4】謝るべきところは謝る
 前述の理解・共感に加え、あなた自身が悪かったという点については、謝罪するということも重要なことです。
 もちろん、夫の話の中で、夫が誤解しているというものについては、冷静に説明をして、誤解を解く必要がありますが、実際に、あなた自身の行動や言動で行き過ぎたと感じるものがあった場合には、(そのことだけは)素直に謝罪することも重要なのです。

 なお、このようなお話をすると、「自分はお互い様だと思うんですが、こっちだけ謝らないといけないなんておかしくないですか?」とか「この件は、自分よりも相手の方が絶対に悪いと思うんですが、それなのになんでこっちが謝るんですか?」とおっしゃる方もいます。
 ただ、「お互い様」「相手の方が悪い」という姿勢が続きますと、夫婦修復の道は閉ざされてしまうと思います。
 そのため、一旦は謝って「ただ、そっちの言い方も良く無かったよね」といった形で指摘することも考えてみてください。

(5)【心得5】気持ちを切り替えるイベントのセッティング
 夫側から別居や離婚の話が出ているので、この険悪な状況が続くことは避けた方が良いと思います。
 そのため、家族の絆を深められるようなイベント(旅行や外食、記念日のお祝い等)をセッティングできるようであればセッティングして、それが、夫婦修復の試金石になることもあります。
 家族行事だと、険悪ムードを引きずりそうだという場合には、友人等を招いたパーティーのようにするとか、お互いの親族も呼んで旅行に行くなど、バリエーションを工夫してみても良いかもしれません。

(6)【心得6】状況を客観視する
 これは、夫婦修復の糸口をつかむために、場合によってはやってみても良いかもしれないという方法なのですが、親しい友人等に相談して、その意見を聞くこともあります。
 と言いますのは、あなた自身が一人で抱え込んでいても、なかなか解決の糸口がつかめないという場合でも、親友等に相談すると、客観的に状況を把握できるとともに、解決の糸口をつかむことができることもあります。
 なお、この場合に注意して欲しいのは、あまり沢山の人に相談しない方が良いということです。相談相手が複数に上りますと、様々な意見が出て意見集約が難しくなりますし、情報が拡散するリスクが高まるからです。職場の先輩何人かに相談したら、いつの間にか職場の同僚等全員が知るところとなってしまったというケースもありますので、情報管理には気をつけたいところです。

(7)【心得7】極力別居は回避する
 夫側が別居を始めてしまいますと、より一層夫婦修復が難しくなるのは事実なので、極力別居は回避した方が良いです。
 最悪、離婚裁判になることも視野に入れますと、別居開始が早いほどこちらに不利に働くことも事実です。
 他方で、①夫側が精神的に不調を抱えていて、一定期間冷却期間を置いた方が望ましいと言えるケースで、かつ、②別居先も夫の実家とし、実家が夫婦修復を強く希望しているという場合には、別居回避にこだわり過ぎないことが、結果的に良い方向に結び付くこともあります。
 そのため、別居回避を基本としつつ、状況に応じて、ある程度柔軟に対応することも検討してみてください。

(8)【心得8】離婚届不受理申請
 私がご相談を受けておりますと、夫側がこちらの署名と押印を偽造してまで離婚届けを提出するケースは少ないという印象ですが、少なからず勝手に離婚届を提出しようとする人もいます。
 特に同居しておりますと、夫側もこちらの印鑑の在処を知っているケースも多いので、勝手に押印されるリスクは捨てきれません。
 そのため、夫が勝手に離婚届を提出しそうであれば、予めこちらから離婚届不受理申請を出しておいた方が安全です。

 

 

3.【ケース2】相手が別居を開始してしまった後の段階


 一口に、相手が別居を開始してしまった後のケースと言っても、①こちらも同意した上で別居しているケース、②こちらは同意していないけれども、強く反対したわけではないケース、③反対している中で別居されたケース、④反対以前に何も相談がなく勝手に出て行かれたケースなど複数のケースが想定されるのですが、これらのケースをひとまとめにして、別居後のケースとして以下解説していきます。

(1)【心得1】夫側の姿勢に合わせた対応を心がける
 私が相談を受けていて一番感じる点なのですが、別居後に「より険悪」になってしまっているケースをよく見かけます。
 それは、別居後も、夫側が自身の悩みなどを真剣に相談等しているのに、こちらが、寄り添おうとせず、自ら夫婦修復の糸口をなくしてしまっているといったケースです。
 そのため、私が良くお勧めしますのは、「相手の姿勢に合わせた対応」というところです。

 例えば、別居したものの相手がこちらと接点を持ちたいがために必要なものを持ってきて欲しいといった形でサインを送ってきた場合には、それを送り届け、その際に少し顔を見て冷静に話をするといった対応が望ましいと言えます。他方で、一旦は話もしたくないという場合には、しばらく敢えて連絡を取らないという対応が望ましい時もあります。
 このように相手の姿勢に合わせて対応するのです。
 くれぐれも、「別居なんて勝手なことをして、断じて許せない」という姿勢は避けた方が良いかと思います。

(2)【心得2】夫側を見守ってくれる人の言うことを真摯に受け止める
 相手の別居が一時的な場合には、実家に身を寄せるというケース、社員寮で寝泊まりする、友人のところに居候するなどいくつかのケースがあると思いますが、誰かしら身近な同居者、つながりのある人物がいることが多いと思います。
 このように相手のことを見守ってくれる人物が言うことは、客観的に相手の様子や心境を言い表していることが多いと思いますので、その話は真摯に受け止めた方が、夫婦修復につながるケースが多いです。

(3)【心得3】別居解消を急かさない
 法律的な戦略という観点からは、別居期間を短期間に収めたほうが望ましいです。
 ただ、焦って対応すると、夫側は、一層態度を頑なにしてしまうリスクが高いので、既に別居がスタートしてしまっているという現状を踏まえ、焦らない方が結果的に夫婦修復につながることが多いような気がします。
 もちろん、夫が別居を始めたものの、内心では、早く迎えに来て欲しいと思っているような場合には、早く迎えに行った方が良いのですが、慎重な対応を心掛けた方が良いと思います。

(4)【心得4】長期間の断絶にはしないこと
 前述の通り、夫の姿勢に合わせて対応することが肝要なのですが、あまり期間が空き過ぎてしまいますと、逆に夫婦修復のきっかけがなくなってしまうということもあります。
 そのため、少なくとも1か月に一度も連絡しないままになってしまうとか、あまり夫との連絡不通が長期間になり過ぎないよう配慮した方が良いと思います。もちろん、夫と直接連絡を取ることが憚られる場合には、前述のように相手のことを見守っている夫の両親等とコンタクトを取るなど、連絡の相手についても慎重な検討が必要です。

(5)【心得5】お子さんのことばかりにならないこと
 夫の別居に納得していないため、夫に積極的に連絡したいとは思わない、けれども、子供のことは溺愛していたので子供のことは積極的に話をしたい、という方も多いと思います。
 ただ、相手との連絡がお子さん一色ということになりますと、相手は、自分のことを軽視されていると誤解してしまいます。
 そのため、①相手との連絡が、お子さんの様子の連絡ばかりにならないこと、②相手との接点が、お子さんとの面会交流の「ついで」のようにならない等の配慮が必要です。

(6)【心得6】夫の隠し録音には要注意
 既に夫が別居を開始していますので、本格的に離婚に向けて動き出す予兆という場合も多いです。
 その場合、自身に有利な言質を取るために、あなたとの会話の内容を隠し録音してくるケースも多いです。
 そのため、別居後、夫と直接会話する際などには、夫側に録音されているリスクも考慮しながら話をする必要があります。

(7)【心得7】記念日対策等
 あなたが別居に納得していないような場合には、相手の誕生日や結婚記念日を祝いたい気持ちにはなれないかもしれません。
 ただ、私が見ておりますと、記念日のプレゼント等が夫婦修復の後押しになったケースもあります。
 もちろん、状況によっては、このようなプレゼントが逆効果になることもありますので、慎重に検討した方が良いと思いますが、相手が受け取りそうな雰囲気があるのでしたら、プレゼント等を提案してみることも一考に値します。

(8)【心得8】離婚届不受理申請
 別居後は、相手もこちらの印鑑を勝手に押印するリスクは減りますが、①別居前に勝手に離婚届にあなたの判子を押してしまっているケース(その離婚届を持ち出しているケースです)や②別居後に判子を購入して、あなたの判子と偽って離婚届を提出するケースもあります。
 そのため、まだ離婚届不受理申請をしていない場合には、早めに申請しておいた方が良いと思います。

 

 

4.【ケース3】夫側が弁護士を立てた後の段階


 夫側が弁護士を雇ってしまった場合、通常は、離婚意思は固いことが多いと思いますので、そのような前提で対応する必要があります。
 以下では、夫が弁護士を立てた後の段階というシチュエーションでの心得を5個に絞って解説します。

(1)【心得1】夫との直接の連絡は控えること
 夫が弁護士を立てた場合には、その弁護士が窓口になりますので、夫との直接の連絡は控えた方が良いです。
 なお、このような説明をしますと、「相手の弁護士に連絡を取れなきゃいけない法律はあるんですか?」と質問されることも多いです。結論から言いますと、相手の弁護士に連絡することを直接義務付ける法律はありません。
 ただ、相手は、あなたと直接やり取りをしたくなくて、弁護士を立てていることが多いので、相手と直接連絡を取ることが逆効果になることが多いということは認識しておいた方が良いと思います。
 また、あまり相手に執拗に連絡してしまいますと、夫婦であってもストーカー規制法違反の問題が生じてしまうこともありますので、この点は注意する必要があります。

(2)【心得2】(禁止されていないのであれば)夫の両親等への連絡を試みる
 夫側の弁護士の対応によるのですが、夫本人への連絡は禁止しても、相手の両親への連絡は、これまでのあなたとの関係性等から禁止等しないケースもあります。
 もちろん、夫側の弁護士から禁止された場合には、夫の両親等への連絡も控えた方が良いのですが、禁止されていないのでしたら、夫婦修復のために、相手の両親等に連絡を取ることも一考に値します。

(3)【心得3】面会交流の場の活用
 今回のようにお子様が幼い年齢の場合、面会交流時に夫婦が顔を合わせるというケースも多くあります。
 もちろん、そのような場合に、あからさまに今後の夫婦関係のこと等を話すことは避けるべきですが、面会交流についての感謝の気持ちを伝えるなど、多少でも夫婦修復につながる対応ができるケースもあります。

(4)【心得4】手紙の活用
 夫が弁護士を立てた場合、あなたの気持ちを夫に伝える手段としては手紙が最も有力な手段となります。
 夫の弁護士の方針によっては、手紙を渡してくれないとか、弁護士が受け取っても夫本人が読んでくれないというケースもあるのですが、手紙の存在が相手に一定の影響を与えることもありますので、極力手紙を書くことをおススメすることが多いです。

(5)【心得5】こちらも弁護士を立てることを検討する
 相手が弁護士を立てた場合、こちらも、不備なく対応するには、弁護士を立てた方が望ましいケースも多いです。
 そのため、弁護士を立てること、その場合、どの弁護士に依頼するのかといったことは検討し始めても良いかもしれません。

 

 

5.まとめ


(1)まだ別居前の場合の8個の心得
①相手に反発しない
②相手の話を軽視しない
③相手の話に理解・共感する
④謝るべきところは謝る
⑤気持ちを切り替えるイベントのセッティング等をする
⑥身近な人に相談して客観的意見をもらう
⑦極力別居を回避する
⑧離婚届不受理申請をする

(2)別居開始後の8個の心得
①相手の姿勢に合わせた対応を心がける
②相手を見守ってくれる人の言うことを真摯に受け止める
③極力別居解消を急かさない
④長期間の断絶にはならないよう配慮する
⑤お子さんのことばかりにならないよう注意する
⑥相手が隠し録音している可能性を考慮して会話する
⑦記念日対策等をする
⑧離婚届不受理申請をする

(3)相手が弁護士を立てた後の5個の心得
①相手への直接の連絡は控える
②(禁止されていないのであれば)相手両親等へのコンタクトを試みる
③面会交流の場の活用を考える
④手紙を書く
⑤こちらも弁護士に相談してみる

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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