【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない(4)】相手が出て行って精神的にしんどいのですが、皆さんどうなさっているのでしょうか?
2025.05.26更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避のために尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※
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【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない】
私がご相談を受けておりますと、このようにおっしゃられる奥様は相当数いらっしゃいます。
それでは、どのような心境で、このようにおっしゃられるのでしょうか。私が直接お話を聞いている中でお聞きした内容は以下のようなものです。
①子供にとって両親が揃っていた方が良いに決まっている
②親の事情で片親というのは子供が不憫
③子供が成長した時に、友達から揶揄されたりいじめられたりと不利益が生じそう
④シングルマザーだと、私が体調を崩したときなどに大変
⑤片親だと将来の選択肢が狭まる(幼稚園入園や私立小学校への入学等)
⑥私の収入は少ないので、夫の収入なしでの生活は経済的に厳しい
⑦子供が生まれた途端に離婚なんて、夫は無責任
⑧子供のことを第1に考えられるなら簡単に「離婚」なんて言えないはず
⑨世間体、周囲の目が気になる
このようなご意見は、全てが法律上そのまま正しいというわけでもないのですが、「ご心情はお察しして余りある」というのが実情です。
以下では、①お子様が乳幼児(概ね0歳から3歳)で、②あなたが奥様(旦那様側ではない)というケースを前提として、以下の通り解説していきます。
1.別居や離婚は人生の中で精神的ストレスが特にかかりやすい出来事とされている
一般的に、別居や離婚は、人生の中でも特に精神的ストレスがかかりやすい出来事されています。
そのため、夫が突如別居してしまい、そのことで大きな精神的ストレスを感じることは、通常の反応と言えます。
私は精神科医などではありませんので、心理学的にあなたの大きな精神的負荷を軽減する方法を知っているわけではありません。
ただ、私が担当してきた事件の中でも、このように大きな精神的ストレスを抱えてしまうご依頼者様は多いものですから、その方々が実際にどのように対処なさっているのかをご紹介致しますので、参考にして頂ければ幸いです。
2.【対処方法1】まず、弁護士抜きで話ができるようならば、弁護士抜きでの話をチャレンジする
まだ夫側が弁護士を立てていないとか、弁護士を立てる予定だとしても、少し時間がかかりそうな場合、弁護士抜きでの話をトライしてみると良いです(逆に、夫側が正式に弁護士を立てた場合、弁護士抜きで話をすることは非常にリスクが高いので、基本的には避けるべきです)。
ただ、夫側があなたと直接話をすることに抵抗感が強い場合には、無理に奥様に会おうとしたり、電話をかけるなどして話そうとすると逆効果のことが多いです。
そのような場合には、夫側のご両親や兄弟姉妹など、間に入ってくれそうな人を介して話をするということが考えられます。
このようにして、夫側と直接話ができるようでしたら(もしくは、夫側の親族を介して話ができるようでしたら)、あなたの今の反省の気持ちと同居中の夫の(家事・育児への)協力への感謝の気持ちをしっかりと伝えるようにして下さい。
なお、夫が弁護士を立てる前に話をしなければならないと考えて焦ってしまうと逆効果のことが多いので、夫側の抵抗が強いようでしたら、無理に直接の話し合いにこだわらない方が良いと思います。
3.【対処方法2】親族や友人など信頼できる人物に話をする
比較的容易な手段としては、親族や友人など信頼できる人物に話をする・相談するという方法があります(自分の悩み事を聞いてもらってストレス発散する、という意味です)。
たまに、「夫に見捨てられたなんて話を友人にしたら自分が一層みじめになる」といったことで、全く他の方に相談なさっていないという方もいます。
ただ、別居や離婚というテーマは一人で抱えるにしては重た過ぎるテーマなので、私の方からは、「極力信頼できる人物に話をした方が良いですよ」とアドバイスさせて頂くことが多いです。そのことが多少なりともストレス発散につながることが多いです。
3.【対処方法3】カウンセリングなどを受ける
(1)精神的に辛いようであればカウンセリングは積極的に利用した方が良い
前述のように親族などに相談してもあまりに気分の落ち込みがひどいとか、全く夜眠れないというようなときには、カウンセリングを受けることをアドバイスさせて頂くこともあります。
前述の通り、私は心理学の専門家ではありませんから、私がお話を聞くことにも限界がありますから、カウンセリングを受けることで心理的ストレスを少しでも軽減してもらうのです。
カウンセリングのことでご質問を受けることが多いのは、「カウンセリングを受けると余計に離婚にとって不利にならないでしょうか?」とか「親権獲得にあたって不利にならないでしょうか?」という点です。あなたがカウンセリングを受けると、自ら精神的に不安定だと認めるようなものなので、相手は余計に離婚を強く主張してくるのではないか?育児の面でも悪影響があると主張されるのではないか?という観点からのご質問です。
結論から申しますと、カウンセリングを受け始めたからと言って、離婚や親権の点で大きく不利になることはほとんどありません。
もちろん、精神的負荷が大きく、仕事(パートなど)もろくにできなくなってしまったというような場合には、一定程度の影響は避けられませんが、これまで通りに仕事ができているというようなことであれば、離婚や親権への影響はほとんどないのです。
そのため、精神的に辛いと感じるようであれば、私の方からは「あまり我慢して本当に体調を崩してしまうと元も子もないですよ」とアドバイスさせて頂くことが多いです。
(2)モラハラ講習やDV講習は全く別
なお、カウンセリングと似たようなものとして、モラハラ講習やDV講習(プログラム)といったものがあります。
相手があなたのモラハラやDVを強く主張してくるので、自発的にモラハラ講習やDV講習(プログラム)を受けようと考える方もいますが、当該講習等を受けることは慎重に検討した方が良いです。
なぜなら、そのような講習やプログラムを受けることは、あなた自身モラハラやDVをしてきたという前提で、それを改善するために受講するという色彩が強いので、今後の交渉等に悪影響を及ぼす恐れがあるからです。
相手が主張する離婚理由がほぼ正確なもので、あなた自身もそれを全て認めて、改善したいということであれば別ですが、実際には、相手が実際の出来事よりも誇張してきたり虚偽を述べてくることが多いため、それを認めるような行動は避けた方が良いのです。
4.【対処方法4】面会交流を実施してストレス軽減を図る
この対処方法は、夫側の対処方法であることが多いのですが(妻が子供達と出て行ってしまったので、夫側から面会交流を要請するというパターンです)、妻側の対処方法として活用しているケースもあります。
本件のようにお子さんが乳幼児という場合には、お子さんの成長の様子をしっかりと夫側にも見ておいて欲しいとか、面会交流の場にあなたが立ち会うことで、多少なりとも夫側との接点を持つことができるとか、面会交流をすることで安心感を得られるというケースもあります。
なお、面会交流の話題を出すタイミングを慎重に検討すべき事案も多くありますので、この点は注意が必要です。あまり早期の段階から「子供に会って欲しい」ということを強く主張し過ぎると、夫側は、「夫婦関係修復のためのダシに子供を使っている」と感じることも多いからです。
そのため、最初のうちは夫婦関係修復の話をし、少し後に面会交流の話をしていくという進め方をすることが多いです。
5.【対処方法5】信頼できる弁護士を雇う
相手がまだ弁護士を立ててきていない場合には、こちらから先に弁護士を立てることはオススメしません。こちらから先に弁護士を立てると相手を不用意に刺激してしまう虞があるからです。
他方で、相手が既に弁護士を立てていたり、既に離婚調停を申し立てられたりしている場合には、こちらも弁護士を立てることを検討した方が良いです。
その場合には、離婚だけではなく夫婦関係修復にも力を入れている弁護士に依頼することをオススメします。
そのようにして弁護士を雇うと、その弁護士があなたの話をじっくりと聞いてくれますし、今後の手続きの安心感も増すことが多いです。
6.まとめ
・相手が出て行って精神的にしんどい時の対処法としては以下のようなものがある。
1)弁護士抜きで話ができるようであれば、弁護士抜きでの話をチャレンジする
2)親族や友人に話をする・相談する
3)カウンセリングを受ける
4)子供との面会交流を実施する
5)信頼できる弁護士に依頼する
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