【夫が被害者のケース】弁護士は、DV妻とどのように敵対し、向き合っているか。
2019.09.16更新
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1.DV妻との向き合い方
私はDV離婚のケースを取り扱うことが多いものですから、DV妻と生で話をしながら、どのようにすれば早期離婚を獲得できるのかという観点から試行錯誤を繰り返してきました(もちろん、これからも試行錯誤を繰り返さなければならないと考えています)。
DV被害を受けた方がご相談に来られる際、よくおっしゃるのは「妻は一度言ったことは絶対に変えないから、弁護士さんが間に入っても、離婚届にサインはしてくれないのではないかと思います」という話です。
確かに、私が出会ったDV妻の方は独自の価値観をお持ちで、それを頑固に曲げないという方が非常に多いように感じます。
ただ、他方で、弁護士の心がけ次第で早期離婚を勝ち取ることができたケースもあり、私自身も当初の想定よりも早く離婚にこぎ着けたケースを担当しています。
そこで、ここでは、弁護士がDV妻とどのように向き合って手続を進めていくのかについてご説明します。
なお、弁護士はそれぞれ自分が最も適切だと思う弁護方針で活動していますので、私のやり方が正しいと言うことではありません。以下は、イチ弁護士のDV妻との向き合い方という意味で捉えて頂ければ幸いです。
また、今回の解説にて「DV妻」とは「旦那様に対して殴る、蹴ると言った直接の身体的暴力を振るった妻」と限定した上でお話しさせていただきます。
2.【DV妻との向き合い方1】メリハリを付ける
DV妻との向き合い方の一つが、まずは、メリハリを付けると言うことです。
これは弁護士としての弁護方針にもよりますので、どの方法がよいとは言えませんが、弁護士によっては徹底的に相手と対立する、喧嘩するというやり方の先生もいらっしゃいます。しかし、私はその様な方法は取っていません。もちろん、こちらの要望として伝えなければならない点はしっかりと伝えますが、相手の言い分全てに対立していては、早期離婚の道を閉ざしてしまう恐れがあります。
そこで、私は相手の言い分全てに対立するのではなくメリハリを付けて対応するようにしています。
例えば、DV妻から旦那様の住所を尋ねられた際には絶対に回答しません。これに対して、旦那様が離婚を決意した原因を聞かれた際には丁寧にご説明します。このように相手の質問や言い分に応じて臨機応変に対応するようにしています。
3.【DV妻との向き合い方2】弁護士の牽制力を適度に使う
通常、DV離婚の依頼を弁護士が受けた場合、DV妻に対して通知を郵送するところから事件に着手します。
DV妻からすると、突如旦那様との連絡が取れなくなったと思ったら、突如旦那様の代理人を名乗る弁護士から手紙がやってくるということになります。
DV妻も弁護士から手紙が来ると多少は危機感を持つことが多いので、そのことによる牽制力を私は上手く利用するようにしています。
弁護士なので様々な法的な手段を執れるということを誇示してしまいますと、相手は反発し「それならこちらも弁護士を立てて徹底的にやってやりますよ」というように言われてしまう虞がありますので、「適度に」牽制力を活用するようにしています。
4.【DV妻との向き合い方3】できる限りこまめに相手と連絡を取る
DV妻が私のところにどの程度の頻度で電話をしてくるかは、そのDV妻の性格等によるところが大きいのですが、比率で言いますと、弁護士に対してはあまり頻繁に連絡を取ってこない方の方が多いように感じます。
ただ、頻繁に連絡をしてくる人は頻繁に連絡をしてきますので、そのような方に対しては極力頻繁にこちらも電話応対するようにしています。
DV妻によっては1日に2,3回電話をかけてくる方もいて、その都度対応しているとかなりの時間を取られてしまうのですが、粘り強く相手に同じ回答を繰り返すことで、相手の理解が多少深まると言うこともありますので、極力頻繁に話をするように努めています。
逆に、頻繁に連絡を取ってこないDV妻のケースですと、むしろ、こちらから連絡を取ろうとしても、連絡が取れないというケースも多く、そのような場合には、早期に協議離婚は断念して調停離婚を申し立てるというケースもあります。
5.【DV妻との向き合い方4】相手の話も丁寧に聞く
これは、相手の話に共感するという意味ではありません。
DV妻は、自己の暴力を正当化するため、このような経緯があったから暴力をふるったんだとか、このような原因がなければ暴力などふるわなかったという話を必ずしてきます。
暴力は絶対的悪ですので、どのような事情があっても許されるものではないのですが、相手が言い分を述べている際には、聞くだけは聞くようにしています。あまり簡単に話を打ち切ってしまいますと、DV妻が感情的になる危険性がありますし、何より、その様な事情を聴いていますと今後の準備にも役立つからです。
即ち、今DV妻が言い分として述べている事情は、今後離婚調停、離婚裁判になっても必ず似通った主張を展開してきますので、これに対抗するための十分な準備ができるのです。
メールやラインなど、相手とのやり取りが証拠になることもありますので、相手の言い分に対する反論証拠の準備も進めていくことになります。
6.【DV妻との向き合い方5】早めに調停離婚への切替を判断する
交渉をしているとDV妻が非常に意固地で交渉をしていても協議離婚の見込みが非常に低いというケースもあります。
その場合、あまり協議離婚に時間を費やしてしまいますと、調停離婚のスタートが遅れる結果、最終的な離婚が遅くなってしまうと言うことにもなりかねません。
そのため、基本的には相手と粘り強く交渉して早期協議離婚を目指しますが、離婚届にサインする可能性が低いという場合には、早めに調停手続に切り替えるようにしています。
7.まとめ
○DV妻と話をする際にはメリハリを付けて話をしている。
○弁護士の牽制力を適度に利用して話を有利に進めるようにしている。
○DV妻とはこまめに連絡を取って話をするように努める。
○DV妻の話も丁寧に聞き、こちらの反論準備に役立てる。
○交渉決裂の可能性が高い場合には、早めに調停に切り替える。
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