【弁護士が本音で話す!】本人で離婚を切り出す3つのポイント
2017.02.06更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。
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1.なんで弁護士が「離婚の切り出し方」を知っているの?
このブログのタイトルを見た瞬間、「なんで弁護士が『離婚の切り出し方』を知っているの?」と疑問に思った方も多いかもしれません。
しかし、離婚問題を多く取り扱っておりますと、離婚の切り出し方についてご相談を受ける機会も多くあります。
特にDVやモラハラで苦しんでいる奥様からのご相談の場合、夫に直接離婚を切り出すとどのような仕打ちを受けるか分からないため、離婚を切り出すことができないというご相談も多いのです。
また、離婚のご相談をお受けする際には、ご自身で離婚を切り出したのか、そのときにどのような話し合いになったのかについては、私の方から質問致しますので、そのあたりの事情についても自然と精通していく訳です。
2.離婚を切り出す前に
離婚の切り出し方については後述しますが、離婚を切り出す前に以下の点は十分に考えた上で、実行に移す方が良いと思います。
①一時的な感情で離婚を切り出さない
②相手の言動や態度が許せないとしても、本当に相手のことが嫌いなのか、今後一生愛することができないのかと言うことをしっかりと考える
③お子様がいる場合、離婚することでお子様を不幸にしないか考える
④真剣に離婚したいという場合、離婚後の住まい、収入面から不安がないかを再点検する
私がお話を聞いておりますと、ついカッとなって離婚を切り出してしまい、相手も離婚に応じたため、すんなりと離婚できたけれども、冷静になって振り返ると離婚すべきではなかったという方もいらっしゃいます。また、離婚を切り出した後話し合ってヨリを戻したものの、離婚を切り出したことが原因で夫婦関係がぎくしゃくしてしまったという方もいます。
そのため、離婚を切り出す場合、それなりの覚悟を持って臨む必要があると思いますので、上記の①から④を参考にしながらじっくりとお考え下さい。
なお、離婚を切り出すことに迷いがある場合には、ご実家の両親や親友に相談して客観的な意見をもらうことが有益なこともあります。
3.【離婚を切り出すポイント1】お互いが冷静な状況・環境で離婚を切り出す
夫婦を長年続けておりますとどうしてもカッとなってしまうこと、喧嘩をしてしまうこともあると思います。
そんなときに、つい「離婚してやる」とか「離婚して欲しい」と口走ってしまうこともあるかもしれませんが、これではお互いに冷静な話し合いは期待できません。
また、酔った勢いで離婚を申し入れても相手は真剣に受け取らないでしょうし、相手が酔った状況で話をしても、話は進展しないと思います。
そのため、お互いが冷静な状況・環境で話をすると言うことは当たり前のことのようでも重要なことだと思います。
4.【離婚を切り出すポイント2】具体的なエピソードを思い出す
離婚のご相談を受けておりますと、抽象的な理由ばかりで具体的に相手のどのようなところが悪いのか、合わないのかがはっきりしないということがあります。
例えば、「頻繁に暴言を浴びせてくる」とか、「相手はモラハラ旦那なんです」と訴えてくる方もいらっしゃいますが、具体的にどのくらいの頻度で(ほぼ毎日なのか、1週間に1回程度なのか等)どのようなことを言ってくるのかが分かりませんと、対応ができません。
ただ、相手の嫌いなところを列挙して欲しいと依頼しますと、まとまりがなくなってしまうと言うこともあります。
そのため、まずは、自分が相手とやっていけないと思う「一番の理由」を考えてみて下さい。それは、相手の異性関係かもしれませんし、相手の暴力かもしれません。飲酒がひどい、浪費がひどいという理由かもしれませんし、生活費を渡さない、頻繁にモラハラがあるという理由かもしれません。
まずは、自分が一番イヤだと思う理由を選び出して下さい。
その理由を選び出したら、婚姻中、具体的にどのような行動や言動があったのか重要なことだけでも良いので良く思い出して列挙してみて下さい。
例えば、暴言という場合、先月上旬に旦那から「お前のように家事ができない女は要らないから今すぐ出て行け」と言われた。そのときも私が準備した料理に対して旦那は不満を持って、箸を一切付けずに外出して食事していた等々。
このように離婚の理由を整理しておりますと、自分が離婚すべきなのか、離婚すべきではないのかという気持ちの整理にもなります。
いずれにしましても、具体的な事情を話さないと、相手がこちらの気持ちを理解することはできませんので、キチンと「自分が離婚したい理由」について、具体的事情も踏まえて準備する必要があります。
5.【離婚を切り出すポイント3】こちらが本気だと分かってもらう工夫をする
相手によっては、こちらから離婚を切り出しても、本気だと思ってくれない、冗談を言っている程度に思われてしまうと言うこともあります。
特にこちら側が専業主婦という場合には、現状収入を得ていないと言うこともあって、旦那の側は本気にしてくれないと言うことも往々にしてあります。
(1)実家の両親などに間に入ってもらう
こちらが真剣に離婚したいと思っていることをアピールするため、ご実家の両親や親戚なども交えて離婚の話をするという方法が考えられます。
この場合には、相手の両親も一堂に会して家族会議のような形で話をしてみるのがよいと思います。
ご夫婦同士の直接の話し合いだと、相手が真剣に受けとめないという場合には、このような方法は有効打となることがあります。
(2)どうしても真剣に捉えてくれない場合「別居する」というのも選択肢の一つ
身内が入って話をしても相手が真剣に受けとめないとか、自分に都合の良い捉え方しかしないため話が進まないという場合、別居という手段を取ることも検討してみて下さい。
この場合は、一時的に実家に戻るという形が多いと思います。
なお、相手に無断で別居を強行してしまいますと、相手がこちらの実家まで乗り込んでくるなど、話が複雑になりがちなので、別居については相手に相談をした上で進めて下さい。
(3)家庭裁判所に調停の申立をする
ご夫婦が直接話し合うだけでは話が進展しないという場合、家庭裁判所に調停を申し立てるという方法もあります。
ただ、調停の申立が必要かもしれないと迷われているという場合には、まずは、弁護士に相談してみることを検討してもよいかもしれません。
6.特にDVやモラハラのケースでは十分な準備が必要
特にDVやモラハラのケースでは、離婚を切り出すと、旦那からのDVやモラハラが強まってしまうという場合もあります。さらには、奥様が勝手に家を出ない様に自宅に閉じこめる様にする旦那もいますので、そのようなことがないか細心の注意を払う必要があります。
そのため、DVやモラハラがひどいケースでは、ご本人から直接旦那に離婚を切り出さずに、弁護士を通じて離婚を切り出す方がよいことも多くあります。いずれにしましても、DVやモラハラのケースでは、ご本人様だけで離婚の問題を解決することは難しいと思いますので、早めに弁護士にご相談されることをおすすめします。
また、DVやモラハラのケースにて現在旦那と同居しているという場合、いずれ別居した方がよいと思いますので、別居の時期等についても慎重に検討する必要があります。
7.まとめ
・ お互いが冷静な状況・環境で離婚を切り出す。
・ 具体的なエピソードを元に離婚の理由を話す。
・ こちらが本気だと分かってもらう工夫をする。
・ DVやモラハラのケースでは、ご本人から離婚を切り出すのがよいか慎重に検討した方がよい。
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