不倫夫が親権者になるってどういうこと?
2017.12.07更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。
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最近、不倫夫が離婚の際に親権者を取得するとの報道がありましたが、この報道をご覧になって、「どうして不倫夫が親権者になるの?」「親権者になれるの?」と疑問に思われた方も多くいらっしゃると思いますので、今回は、不倫夫が離婚の際に親権を取得することをテーマとしてご説明したいと思います。
1.そもそも親権者ってどう決まるの?
結論から申しますと、夫婦がきちんと話し合いをして、どちらを親権者にするか合意できれば、その合意が最優先されます。
仮に、夫が不倫していたとしても、奥様が「自分で子供を育てていくことに自信がない」とか「子供が希望していない」と考える等して、夫に親権を譲りたいと考えた場合には、夫を親権者にすることができます。
奥様の両親や親族が大反対したとしても、奥様の意思が優先されますので、奥様がそのように決定してしまうと、夫が親権を獲得することになるのです。
最近報道されたケースを拝見しますと、奥様の側から不倫夫に親権を譲ることに承諾したようですので、法律上は、奥様の意思が尊重されることになります。
2.そもそも不倫をしたことは親権獲得に影響するのか?
上記の通り、ご夫婦が納得してどちらに親権を譲ると決めた場合には問題にならないのですが、逆に、夫婦で親権の獲得を争った場合、「不倫をしたこと」というのは親権獲得に影響があるのでしょうか。
詳しくは、こちらのブログをご覧下さい。
結論から申しますと、不倫をしたことそのものは親権獲得にあまり影響しません。
3.それでは夫が仕事が忙しいことは影響するのか?
一般的に夫は仕事をしていることが多く、育児をする時間があるのかという疑問が生じます。最近報道された不倫夫も仕事で忙しそうに見受けられます。
上記の通り、夫婦が納得した場合は別として、夫婦が親権の問題で対立した場合、夫の仕事が忙しいことは親権獲得に影響するのでしょうか。
詳しくはこちらのブログをご覧下さい。
結論を申しますと、仕事が忙しいということよりも、忙しい中で現状お子様とどのように、どの程度接しているのかが非常に重要だと思います。また、離婚した後仕事が忙しくほとんどお子様と接することができないようですと、親権獲得にあたっては強い不安材料になると思います。
4.夫の不倫で精神的に傷ついている妻はどうすればいいのか?
夫の不倫で深く傷つき、とてもお子様を育てていく気力・自信がないという場合、どうすればよいのでしょうか。
そのような場合には、精神的にはきつい選択になるとは思いますが、体調が整うまでは、離婚をしないというのがベストな選択肢ではないかと思います。もちろん、待つと言うことそのものがメンタル面に大きなダメージを与えるという場合には、このような選択肢は難しいかもしれませんが、現状を踏まえると、「急いで離婚しない」というのが正解のように思われます。
離婚をせずに、ある程度の期間あなた自身のメンタル面の回復を待って(ときには心療内科の医師やカウンセラーの手助けを借りた上で)、お子様を育てていける様な状況になった後に離婚の条件を交渉していくのが良い様に思われます。仮に、夫が、「いったんは私が親権者になるけれど、君の体調が戻ったら親権を変更するので、早めに離婚したい」と切り出されても、口頭での約束は反故にされる危険性があります。そのため、離婚するのであれば、あなた自身が親権を獲得して離婚する道を選択すべきかと思います。
5.まとめ
・親権者は夫婦が合意すれば、その合意が優先される。
・不倫をしたことそのものはあまり親権獲得に影響しない。
・仕事が忙しいことよりも、お子様との接し方、その程度が親権獲得にあたっては重視される。
・夫の不倫で精神的ダメージが大きい場合には、離婚の問題を一定期間猶予する方がよい。
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