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【こんな小さい子がいるから絶対離婚できない(18)】夫が浮気している可能性が高いが、どうすれば良いか?

2025.08.18更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。

※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※

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【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない】


私がご相談を受けておりますと、このようにおっしゃられる奥様は相当数いらっしゃいます。

それでは、どのような心境で、このようにおっしゃられるのでしょうか。私が直接お話を聞いている中でお聞きした内容は以下のようなものです。

 

①子供にとって両親が揃っていた方が良いに決まっている

②親の事情で片親というのは子供が不憫

③子供が成長した時に、友達から揶揄されたりいじめられたりと不利益が生じそう

④シングルマザーだと、私が体調を崩したときなどに大変

⑤片親だと将来の選択肢が狭まる(幼稚園入園や私立小学校への入学等)

⑥私の収入は少ないので、夫の収入なしでの生活は経済的に厳しい

⑦子供が生まれた途端に離婚なんて、夫は無責任

⑧子供のことを第1に考えられるなら簡単に「離婚」なんて言えないはず

⑨世間体、周囲の目が気になる

 

このようなご意見は、全てが法律上そのまま正しいというわけでもないのですが、「ご心情はお察しして余りある」というのが実情です。

 以下では、①お子様が乳幼児(概ね0歳から3歳)で、②あなたが奥様(旦那様側ではない)というケースを前提として、以下の通り解説していきます。

 

 

1.相手の浮気の話題が出ることは多い。


 弁護士にご相談されるケースでは、夫が突如家を出てしまったというケースが多いので、浮気を疑っている方も多いと思います。何も事情がなければ、あなたと直接話し合いをするはずなので、そのような話し合いを何もせずに出て行ったところから、「浮気しているんじゃないか?」と疑ってしまうのです。
 ただ、私が相談を受けたり、実際に担当したケースでは、相手が浮気している確たる証拠が得られないケースの方が大半です。
 パートナーが突然出て行ってしまったのですから、浮気を疑う気持ちもやむを得ないとは思いますが、実際に浮気しているケースは、皆様が思っているよりも少ないのではないかと感じることが多いです。

 

 

2.まずは浮気の証拠集め


 浮気の疑いがある場合、まずは、その証拠集めが非常に重要になります。
 なお、「浮気の証拠」というのは、俗な言い方になってしまいますが、パートナーが第三者と性交渉を持ったことの証拠でして、例えば、「第三者と二人で食事に行った」といった証拠ですと不十分ということになります。
 調査会社に依頼して調査してもらうという方法もありますが、かなりコストがかかってしまいますので、費用との相談ということになろうかと思います。

 また、夫側の了解を得た上で、携帯電話やクレジットカードの明細書などを見ることができれば、そこから、浮気の証拠を得られる場合もあります。
 更に、夫との会話を録音し、その中で浮気、すなわち第三者との性交渉を明確に自白した場合には、それも立派な証拠になります。
 このような証拠集めが重要になってくるのは、裁判などになった場合、夫や不倫相手が浮気の事実を否認してくるケースが多いからです。そうなった場合、こちらからしっかりとした証拠を突き付けないと、裁判所で浮気の事実を認めてもらうことができません。

 

 

3.浮気の証拠を掴んだらどうするべきか


 浮気の証拠をつかんだ後は、あなた自身今後夫婦関係を修復したいのか、離婚したいのかについてじっくりと考えて下さい。
 浮気が疑惑の段階では、夫婦関係を修復しようと考えていたとしても、証拠を通じて、パートナーが他の女性・男性と仲睦まじくしている様子を見て、「修復の気持ちがなくなってしまった」とか「修復しようとしていた自分が馬鹿らしく思えてきた」という方もいます。
 まずは、今後の生活、将来のことも見据えながら、あなたにとって離婚する方が良いのか、夫婦関係を修復する方が良いのかをじっくりと考えてみてください。

 

また、このような検討にあたっては、夫の考えも聞きたいということも多いと思います。

そのような場合には、夫側に直接不貞のことを追及して、どう思っているのかを確認していくことになります。

もちろん、その際の夫の口ぶりなども、今後あなたがどうしていった方が良いのかを考えるにあたって重要な判断要素になると思います。

 

なお、このように追及する際に、不貞の証拠を突き付けるのが良いのか?と質問されることが多いのですが、弁護士としては「なるべく証拠は見せないで話をして下さい」とアドバイスすることが多いです。理由としては、①証拠を見せてしまうと、夫側がそれに対して対策する危険性がある、②証拠収集ルートによっては、夫側から「そこまでするなんて信じられない」という言いがかりを受けるリスクがある(例えば、「調査会社の調査報告書で浮気してることは分かってるんだよ」と伝えたところ、夫側から「探偵雇うなんて信じられない。」とか「はなから疑っているから探偵を使ったんじゃないか。そんな人は信用できない」などと言い始めるリスクがあるという意味です)

 

 

4.夫婦関係の修復を希望する場合どうすべきか


(1)夫も修復を希望する場合
 夫婦関係の修復を希望する場合、夫に浮気の話を直接伝えて、夫の意見を聞くことから始めましょう。
 夫も関係修復を希望する場合、誓約書を作成するなどして、一旦は矛を収めるケースが多いと思います。その場合でも、夫側から慰謝料をもらい、一つのけじめとすることもあります。
 不倫誓約書にどのような内容を盛り込むべきなのかについては、以下のブログも参考にしてみてください。

※【素人でも作れる!】弁護士が教える不倫誓約書作成完全ガイド

 

(2)夫側が離婚を希望する場合
 夫側が離婚を希望する場合、誓約書にサインを求めることは難しいと思いますので、夫の出方を見ながら、対応を検討していくことになります。

 この場合の対応方法については、①夫との関係での対応方法、②不倫相手との関係での対応方法に分けて考える必要がありますので、項を改めて解説します。

 

 

5.夫との関係での対応方法


(1)夫からの理不尽な離婚要求は拒否できる

 私が相談に乗っていますと、浮気の証拠があると夫側から慰謝料をもらえるという話は知っていても、夫からの離婚請求が認められにくくなる、ということについてはあまりご存じではない方もいらっしゃいます。
 しかし、夫が浮気をしている場合、夫は有責配偶者という扱いになりますので、その離婚請求の難易度は非常に高くなります。
 このように浮気の証拠は、夫からの離婚請求を封じ込めるという役割も果たすのです。

 不倫をするような夫は、残念ながら身勝手な要求をしてくる人も多く、開き直った上で、あなたに対して、「離婚してくれ」などと言ってくることもあります。

 しかし、前述の通り、あなたは法律的に離婚を明確に拒否する権利がありますので、離婚に応じたくなければ、胸を張って「離婚には応じられない」と答えていくことになります。

 

(2)夫の親などから諭してもらう

 あなたが強く離婚を拒否しても、夫側はなお強く離婚を迫ってきたり、勝手に別居を始めてしまうケースもあります。

 あなたが直接夫と話をしていても事態が好転しない場合には、夫の両親や兄弟姉妹に相談をして、夫に諭してもらうという方法をとることもあります。夫が浮気をしているのですから、その両親等もあなたに協力してくれることが多く、そのことで夫にも頭を冷やしてもらうことが期待できます。

 

 

6.不倫相手との関係での対応方法


(1)「何でもして良い」という発想は危険

 たまに私が相談を受けておりますと、奥様が非常に感情的になっておりまして、「うちの旦那に勝手に手を付けて許せないから、不倫相手の家に乗り込んでやる」とか「不倫相手の職場は分かっているので、直接の離婚で話をしてきます」、「不倫相手のSNSは分かっているので、そのSNSを思いっきり荒らしてやりました」などとおっしゃる方もいます。

 確かに、あなたは不倫被害者の立場なのですが、行き過ぎた行動をとってしまいますと、そのことが警察沙汰になってしまうなど、事態が思わぬ展開に陥ってしまうこともあります。

 そのため、私の方からは「冷静な対応」をお願いすることが多いです。

 

(2)結局、不倫相手にはどんなことを要求できるか?

 法律上、不倫相手に要求できる内容としては、慰謝料請求、つまり金銭の要求のみとなります。

もちろん、慰謝料請求をしている最中に不倫相手が夫側との不倫を継続するということは、とても許せないでしょうから、今後二度と連絡を取らないようにと要求することも多いのですが、このような「連絡停止」は法律上認められた権利ではありません(要するに、事実上「お願いする」という扱いになってしまうということ)。

 なお、慰謝料請求をする場合「いくら請求するか」が問題となるのですが、多少高めの金額を要求して、不倫相手を牽制するというやり方をすることが多いです。具体的には、多少高めに設定して、500万円から1000万円程度に設定することが多い印象です。

 

 

7.どこまで争うかは応相談


 前述で、夫との対応と不倫相手との対応を整理して解説しましたが、①夫との対応が最も悪化すると、夫からの離婚裁判に発展します(あなたは、離婚裁判の「相手方」という位置付けになります)。他方、②不倫相手との対応が最も悪化すると、あなたの方から慰謝料請求裁判を起こすということになります(あなたは、慰謝料裁判を起こす「申立人」の立場になります)。

 まず、夫との対応ですが、仮に離婚裁判になったとしても、夫の浮気の確たる証拠がある場合、浮気の証拠を突き付けて、「離婚を認めない」という判決を獲得するということが可能です。
 相手の身勝手な行動を戒める観点からは、そのような選択も十分あり得ると思います。
 しかし、離婚裁判にまで発展してしまいますと、現実的には夫婦関係の修復は難しいことが多く、離婚裁判の中で離婚に応じるという選択をなさる方がいるのも事実です。

 

 次に、不倫相手との対応ですが、慰謝料裁判となると、あなたの方から積極的に裁判を提起するというお話ですので、それなりの負担であることは間違いがありません。

 これらの点は、あなた自身の将来に関わる大切なお話ですので、弁護士とも相談しながら、どこまで争っていくのかは慎重に見極める必要があると思います。

 

 

8.まとめ


・相手の浮気を疑われる方は多いが、実際にその証拠を掴むことができたケースは少ない印象である。
・浮気の疑いがある場合、まずはその証拠集めをする必要がある。
・証拠がつかめた段階で、あなた自身夫婦関係を修復したいのかどうかを見つめ直す必要がある。
・相手も修復を希望した場合、相手に誓約書を書かせて矛を収めるケースが多い。
・相手が離婚を希望した場合、その出方を見ながら、こちらも対応を検討する必要がある。
・少なくとも、浮気の確たる証拠があれば、相手からの離婚請求は簡単に認められなくなる。

・夫に目を覚ましてもらうために、夫の両親等から諭してもらうこともある。

・不倫相手との関係では、あまり度を越した対応は控えたほうが良い。

・不倫相手への慰謝料請求は、実施した方が良い事の方が多いが、裁判までするかは改めて検討が必要である。

 

 

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