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【コロナ離婚特集6】夫との別居を決意!別居に当たっての11個の手順

2020.04.15更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

1.事前に夫に相談した方が良いか?


 何も言わずに別居してしまうと、後から何を言われるか分からないし、他方で、事前に話してしまうとその際にどのような仕打ちを受けるか分からないと言うことで、悩まれている方も多くいます。

 基本的に、これまでにもあなたへの誹謗中傷等がひどく、別居を相談すると、さらにどんな誹謗中傷を受けるか分からないといった場合には、事前に話をすると重大な被害につながりかねないため、自分の身の安全を守るためにも、事前に話をしない方が良いと思います。また、夫からの度重なる暴言であなたが精神的に不調を来しているというような場合にも、無理に事前に話をしない方がよいと思います。

 他方で、そこまで極端な被害はないという場合には、事前に離婚や別居を切り出した方が良いケースの方が多いかと思います。ただ、この場合にも、相手がどのような行動に出るか予測できないという場合には、事前に別居話や離婚話をするか慎重に検討する必要があります。

 事前に何も相談せずに別居を開始してしまうと「悪意の遺棄」になってしまい、後から離婚しづらくなるのではないかと考えている方もいます。しかし、きちんとした離婚の理由がある場合、事前に相談せず別居したからと言って離婚にあたって不利になることはほとんどありません。

2.絶対にこちらの動きを察知されないこと


 事前に夫側に別居を切り出さずに別居しようとする場合、別居の準備をしていることを夫側に察知されないようにすることが非常に重要になります。これを察知されてしまうと、別居を妨害されたり、別居準備を進めていることを厳しく批難されることになりかねません。
 私が担当したケースでも、別居準備中に夫側に察知されてしまい、なかなか別居できなかったというケースもありますので、細心の注意が必要です。

 夫側に別居準備のことを知られてしまった原因としては、①夫が奥様の携帯電話をこっそり盗み見ており、その中で発覚してしまったケース、②別居準備のために子どもの小学校転校の話等を現在の通学先小学校に相談していたところ、夫側が小学校に問い合わせて発覚したケース、③区役所に児童手当や保険切替の相談をしていたところ、夫側が区役所に問い合わせて発覚したケース等があります。

 別居準備中は別居先住所等の情報は最大限外部に知られないようにし、自身の携帯電話等も夫が勝手に見られないようにする等の注意を払って準備を進めていく必要があります。

3.親族・友人等の支援体制を整えること


 特に夫側に事前に告げずに別居を開始した場合、夫があなたの両親等の親族や親しい友人等に執拗に連絡を取るというケースもあります。
 そのため、少なくとも夫側が連絡をしそうな先については予め別居のことを話しておいた方が良いケースが多いです。合わせて、ご自身の状況等を相談できるようであれば相談すると心強いかと思います。

 このように支援の輪が広ければ心強いとは思いますが、情報が拡散し過ぎますと、どこかで夫側が別居先の情報等を察知してしまう危険性が増して行くことになりますので、支援の依頼先の範囲については慎重な検討が必要です。

4.置き手紙の活用


 別居の際には、自宅に置き手紙を残すことを私は推奨しています。古典的ですが、あなたが事故や事件に巻き込まれたわけではないことを伝えておく必要がありますし、執拗に居場所を探されないようする必要があるからです。

 置き手紙の内容は、旦那と一緒にやっていくことができないと考えたので別居を決断したこと、元気にしているので探さないで欲しい、といったことを簡単に記載しておけば構いません。

 私の依頼者の方からは「LINEやメールで伝えるのではダメですか?」と質問されることが多いのですが、置き手紙の方が無難なことが多いです。といいますのは、LINEやメールで伝えると、夫側に対して「LINEやメールが連絡手段として生きている」と伝えるようなものなので、その後、夫側からしつこくLINEやメールが来る危険性が増すからです。

5.捜索拒否願の提出・警察への事前相談


 これはケースにもよると思いますが、突如別居を開始すると、夫側が大騒ぎをしかねないという場合には、予めあなたの方から警察に対して「捜索拒否願」を提出することも検討して下さい。
 捜索拒否願を提出しておけば、警察が捜索願を受理することはありませんし、夫側が警察に相談しに来た際に「奥さんがどこにいるかは教えられないが無事だから探すようなことはしないように」と伝えてくれますので、安心です。

 なお、警察署によっては、捜索願が出る前の捜索拒否願の受付はしていない、とか、捜索願が出ても旦那さん側にあなたの住所は教えないから、拒否願は出さないで大丈夫だと指導を受けることもあります。そのような場合には警察の指導に従う形で結構かと思います。
 また、夫側があなたの職場を知っていて付きまとい行為をする可能性があるとか、子供の学校を知っていて子供を尾行してきそうだといったケースの場合には、捜索拒否願ではなく、警察署の生活安全課に事前に相談をし、別居時に警察から夫側に電話連絡をしてもらうよう依頼するとか、実際に付きまとい行為が始まった場合には注意・警告をしてもらうということもあります(なお、別居時の電話連絡は、応じてくれる警察署と応じてくれない警察署があります)。

 

6.別居のタイミングの見極め


 実は、コロナウイルスの影響で、別居のタイミングの見極めが、一番大きな問題になっているという方も多いのではないかと思います。
 私の印象としましては、例年は、3月から4月にかけて別居を開始なさる方がかなり多かったのですが、令和2年4月15日現在の状況を見ますと、今年はほとんどこの時期に別居を開始なさる方がいないというのが実感です。夫側が在宅勤務で自宅にいるので別居が難しくなってしまったという方もいるとは思いますが、実際のところは、外出自粛要請が出ている中で、別居に踏み切れないという方が多いのではないかと思います。

 私が令和2年2月にご相談をお受けしていた方々の印象としましては、その時点では3月の別居を目指していた方もお子様の夏休みの時期にずらすという方が非常に多いです。
 ただ、今年のお子さまの夏休みが長期休暇になるかと言いますと、緊急事態宣言3月、4月の学習に遅れが出ていることの穴埋めとして学校授業が入るのではないかという噂も流れており(これはあくまで噂レベルです)、このことが、別居タイミングの見極めを一層難しくしていると言われています。
 別居のタイミングは、コロナウイルスの終息状況等も見極めつつ、慎重に判断していくほかないかと思います。

 

7.住民票の移動は慎重に


 別居先に転居した際には、住民票を移動すべきかという問題があります。各種行政サービスを受けるにあたっては住民票を移動しておいた方が手続は円滑なことが多いですが、安易に移動してしまいますと夫側に居場所を知られる危険性が生じます。

 夫が同居中暴力をふるってきていたといったような場合、その被害者として役所に申請を提出しておけば、夫側があなたの住民票を入手することはできなくなりますが(これを「支援措置」と言ったりします)、役所のミスで住所が発覚してしまうというケースも実際にはあります(ただ、最近はこのようなミスはほとんどなくなっていると聞きます)。
 そのため、行政サービスを受けるため等、その他現実の必要性が生じてから住民票は移動した方が安全だと思います。

8.健康保険の件


 

 あなたやお子様の健康保険が、旦那様の健康保険の被扶養者になっている場合、あなたやお子様が病院にかかると、その情報が旦那様側に通知されます(これは1か月ごとであったり、1年でまとめて通知されたり、健康保険組合によって取り扱いが異なるようです)。
 そのため、今後もその健康保険証を使い続ける場合には、病院にかかる場合には極力別居先付近の病院ではなく、元の自宅付近の病院に通うようにするなどの配慮が必要です。

 なお、同居中から、あなた自身が独自に健康保険に加入していて(要するにあなた自身に相当額の収入があって、勤務先の健康保険に加入しているということ)、お子様の健康保険もその保険に入れたいというケースもあるかもしれませんが、通常は夫側の協力が必要であったり、健康保険組合によっては正式に離婚が成立しない限り被扶養者資格の喪失が認められないということもあります。

 

9.お子様の携帯電話


 お子様の利用する携帯電話に位置情報機能が付いており、そのことを失念したままお子さまの携帯電話をもって別居先に転居してしまいますと、当然、位置情報から、夫側がこちらの居場所を知ってしまうケースもあります。
 位置情報機能は解除したつもりでも、夫側の遠隔操作で再設定できるということもあるようですので、この点は細心の注意が必要です。
 そのため、可能な限り、お子様の携帯電話は自宅に置いて別居するとより安全です(お子様の携帯電話の中に、夫側に知られたくない情報が入っている場合にはその消去やデータ初期化も必要です)。

 

10.必要に応じて、早めに弁護士に相談する


別居の手順等について悩むような点がある場合には、弁護士を雇うかどうかは別として、直接質問すべく相談することをオススメしています。
このブログでかなり詳しめに解説いたしましたが、ご家庭の状況は皆さま異なると思いますので、ご家庭の状況に応じた疑問点等もあると思いますから、そのような点は直接質問することで初めて解消できると思うからです。

11.別居時の持ち物リスト


別居の際には持ち出し漏れ等がないよう、以下の関連記事を参照の上、荷物の整理をしてみて下さい。

関連記事>>「ついに別居を決意!これだけは持って出よう!」

 これはDVのケースですが、別居後程なくして旦那が奥様やお子様の荷物の大半を勝手に捨ててしまったというケースもありますので、ご留意下さい。

12.まとめ


○事前に夫側に別居する旨を相談した方が良いかはケースによる。
○別居準備は絶対に夫側に察知されないように進める。
○別居にあたっては、親族・友人等の支援体制を整えた方が良い。
○別居の際は自宅に置き手紙を残す方が良い。
○ケースによっては、警察には捜索拒否願を提出したり、付きまとい防止のために相談しておいた方が良い。
○令和2年度の別居タイミングについては、コロナウイルスの影響もあって、その終息時期等を見極めて慎重に判断するしかない。
○住民票の移動は、時期を含めて慎重に検討した方が良い。
○健康保険が旦那側の健康保険の被扶養者になっている場合には、別居後の受診には注意が必要である。
○お子様の携帯電話(位置情報の検索ができるもの)については、自宅に置いて別居したほうが良い。
○別居の方法等で悩むようなことがあるなら、早めに弁護士に相談だけでもしておいた方が良い。
○別居の際には持って出る荷物についても検討しておく必要がある。

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【コロナ離婚特集5】離婚までにかかる期間はどのくらい?

2020.04.15更新

弁護士秦
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1.やはり解決までにかかる期間はとても気になる


 離婚にあたっては、親権を獲得できるのか、養育費や財産分与でいくらもらえるのか、慰謝料はもらえるのかどうか、といった点については、今後の生活に直結する問題なので、皆様の大きな関心事の一つだと思います。
 そして、このような金銭面の問題に次いで、離婚の問題がどの程度の期間で解決するのかという点も重要な関心事だと思います。正式に離婚が成立するまでは、いわば中途半端な状態とも言えますので、このような状態から早く抜け出したいと考えるのは当然のことだと思います。

 離婚の問題は、①協議離婚→協議離婚が上手く行かない場合に②調停離婚→どうしても調停離婚が上手く行かない場合に③裁判離婚という流れを踏みますので、最終解決が協議離婚で済むのか、調停離婚での解決なのか等手続に応じて、要する期間も異なってきます。

 このような期間はケースによって様々なので一概には申し上げにくいのですが、各手続に応じてどの程度の期間を要するのかの目安と、どのような問題が争点になると長期化しやすいのかについて解説します。

2.協議離婚で解決する場合


 協議離婚というのは、離婚届を役所に提出して解決する場合を言います。
 たまに依頼者の中には、弁護士が間に入る場合には、協議離婚にはならない(調停離婚で手続を進める)と誤解されている方もいらっしゃいますが、基本的には、弁護士が間に入った場合にも、協議離婚による解決を目指すことが多いです。

 では、協議離婚の場合、解決までにどの程度の期間を要するかというと、おおよそ2か月から6か月程度というのが一つの目安かと思われます。ただ、これもケースによりけりですので、一つの目安と考えて頂ければと思います。

 通常、協議離婚で解決したという場合には、離婚条件について大きな対立はないことが多いのですが、協議離婚が長期化する傾向があるのは、緻密な離婚協議書を作成する場合や公正証書を作成する場合ではないかと思います。
 特に養育費などの金銭の支払いに強制力を持たせたい場合には公正証書を作成する必要がありますが、公正証書を実際に作成するのは公証人になります。そのため、公正証書を作成する場合には、公証人との折衝や公証人に提出する資料なども必要になってくる関係で最終解決までの期間が延びる傾向にあります。

 なお、令和2年4月現在緊急事態宣言が発令しておりますので、離婚協議のために夫側に私の法律事務所に来てもらうとか、離婚届にサインしてもらうために法律事務所に来てもらうということに夫側が難色を示す可能性もあり、そのことは事件解決の遅延要因になる可能性もあります(私自身は事務所にて打ち合わせを行うことは対応可能なのですが)。

3.調停離婚で解決する場合


 前述の協議離婚が上手く行かない場合、調停手続で離婚を目指すことになります。
 特に離婚協議をしていても、話がうまく進展しなさそうな場合には、早期に調停を申し立てるケースもあります。

 調停での解決にどの程度の期間を要するかですが、これもケースによって千差万別なのですが、一般的にはどんなに早くとも3か月、長い場合には1年、または1年を超えることもあるという回答になると思います。
 それでは、コロナ離婚の調停の場合、どのような問題で長期化しやすいのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。なお、私自身、令和2年4月現在、ダイレクトにコロナ不和のみを理由とする離婚問題を扱っているわけではありませんので、これまでの事件解決経験に基づいて予測して記載しております。この点は予めご了承ください。

①離婚するかどうかの部分、または離婚原因の部分で対立が激しい場合
 夫側が「コロナは一過性の問題であるから、コロナが終息すれば元の家庭に戻る」とか「コロナウイルス感染の重要な局面だからこそ家族・夫婦で助け合わなければいけない」といった主張を展開してくる場合、離婚原因の部分での対立が激化して、調停の長期化要因になりそうです。
 そのため、夫側からの上記のような反論をあらかじめ想定したうえで、コロナの問題になる前から、夫側にこのような問題があったとか、夫婦が不仲であったというエピソードもしっかりと整えておく必要があろうかと思います。実際にはコロナ不和が離婚の直接の引き金であったとしても、クローズアップするのはコロナ問題以前の出来事に絞り、相手を早期に諦めさせるということです。

②お子さんとの関係で嫌がらせをしてくる場合
 夫が離婚には応じたとしても、渋々合意したと言うことが多いため、何かしらの形で嫌がらせをしたいと考えてくる人もいます。例えば、以下のような形になります。
・実際自分では育てられないと分かっているのに親権獲得を希望してくる。
・親権は争わないが、今後の監護計画を事細かに聞いてくる。
・頻繁な面会交流を要求してくる。
・しきりに学校行事や習い事の発表会への参加を要求してくる。
・養育費を出し渋る。
 夫側から以下のような要望が出された場合には、長期化要因になりますが、どの程度期間が延びるかは、夫側がどこまで執拗に要求してくるのかにも大きく左右されます。

③財産分与の対象財産が多い場合、争点が多い場合
 財産分与の対象財産が比較的少ない場合や、そもそも婚姻期間が短く財産分与の必要がない場合には、その分短期決着が見込めます。
 他方で、財産が多い場合や、特有の争点が生じる場合には長期化要因になります。財産分与で争点となるケースというのは、①自宅購入時の頭金の金額・性質等に争いがある場合、②相手が一部の財産しか開示しない場合(対象財産の範囲に争いがある場合)、③婚姻前の財産の範囲や額に争いがある場合等になります。
 特にコロナウイルスの問題で、夫側が退職を強いられたとか、減収になったというような場合には、今後の生活のことを考えて極力出費を控えてくるでしょうから、財産分与について抵抗してくる可能性が高まります。

④慰謝料が争点になる場合
 コロナの件以外にも、浮気や暴力といった明確な慰謝料事由がある場合には、慰謝料請求も検討すべきということになります。
 ただ、このような身勝手な行動をとる夫は通常自身の行動を正当化してくることが多いため、慰謝料を支払わないばかりか、こちらが慰謝料を請求してきたことそのものに不満をぶつけてくることもあります。
 この慰謝料の問題で対立する場合も紛争が長期化する要因になります。

⑤今回のコロナウイルスの影響
 今回のコロナウイルスに関わる緊急事態宣言によって、対象地域の家庭裁判所の4月中の調停期日は一斉に取り消しになりました。また、今後のコロナウイルスの感染拡大状況等を踏まえ、調停期日設定の体制にも影響が出ると見込まれます。具体的な影響として予測されますのは以下の通りです(これは、令和2年4月現在の情勢でして、今後変更があり得ます)。
①4月の調停期日が取り消されたので、再設定の期日が6月中に優先して指定される結果、新規調停の第1回調停日がさらに先になる可能性がある。
②ゴールデンウィーク後の感染拡大状況によっては、調停期日の指定は行うけれども1日に処理する調停の数を減らす可能性があり、その場合には、新規調停の第1回調停日がさらに後ずれしていく可能性がある。
③令和2年4月現在裁判所側は期日指定を行えないというスタンスなので、第1回調停期日の日程調整は「早くとも」ゴールデンウィーク明けになる。
④このように第1回調停期日の設定が遅延していくと、候補日が7月に突入する可能性も高く、そうなると裁判所の夏季休廷期間と重なると、さらなる遅延の可能性も出てくる。

 このように今すぐに調停を申し立てても、第1回調停期日の設定に時間がかかるということが強く見込まれますので、調停手続き全体の遅延要因の一つになることは拭えません。
 そのため、迅速なコロナ離婚を目指すのであれば、離婚調停ではなく、離婚協議に極力軸足を移して取り組んだ方が良いケースも相対的に増えていくのではないかと見込まれます。

 

4.裁判離婚で解決する場合


①裁判離婚に要する期間はどの程度か?
 上記のような調停手続でも離婚が成立しない場合には、やむを得ず裁判を選択せざるを得ない場合もあります。

 裁判に要する期間については、それこそ千差万別であって一概に申し上げることは非常に困難です。
 ただ、裁判を申し立てる前に、既に離婚協議、離婚調停を経ているため、訴訟提起の段階で数か月は経っていることが多いと思います。そして、裁判そのものがスタートしても、さらに1年近い期間が経過することは覚悟しなければならないことが多いと思います。そのため、弁護士が事件に着手してからのトータル期間で見ますと、①裁判の申立前に既に数か月、②裁判スタート後に1年というイメージですと、1年数か月は覚悟しなければならないというイメージになると思います。

 なお、離婚訴訟を起こすとなると、裁判で勝てるだけの離婚原因があるのかという点の検討も必要になります。
 離婚を裏付けるだけの証拠が乏しいというケースですと、ある程度別居期間を稼ぐという観点から、多少訴訟提起の時期を遅らせるという場合もあります。そのため、調停が成立してからすぐに裁判を起こすのではなく、調停終了から裁判の申立までに一定期間を空ける場合もあるということです。

 裁判離婚の場合、原則として相手も徹底的に争ってくるケースが多いため、各離婚条件について反論や証拠集めの労を要するというように考えた方が良いと思います。

②今回のコロナウイルスの影響
前述の調停同様、今回のコロナウイルスに関わる緊急事態宣言によって、対象地域の家庭裁判所の4月中の裁判期日も一斉に取り消しになりました。また、今後のコロナウイルスの感染拡大状況等を踏まえ、裁判期日設定の体制にも影響が出ると見込まれます。(これは、令和2年4月現在の情勢でして、今後変更があり得ます)。
 これからコロナ離婚を考えているという場合には、今すぐ離婚裁判をするというケースはないでしょうから(少なくとも裁判をするには調停を経なければなりませんので)、直接関係しないケースの方が多いとは思いますが、現状の裁判所の状況としてご説明した次第です。

 

5.スピードよりも、「より良い解決」を!


 たまに弁護士が間に入ったのだから早急に解決して欲しいという要望をお持ちの方もいらっしゃいますが、結論を急ぐあまりに十分納得できない結論で解決してしまうのでは本末転倒だと思います。

 もちろん、離婚という問題を長期間抱えることは、それだけで心理的ストレスになると思いますので、早急な解決が望ましいことは間違いありません。
 ただ、結論を急ぐあまりに不十分な内容で解決してしまうと、2年後、3年後に振り返ったときに後悔してしまうのではないかと思います。

 そのため、解決を急ぎつつも、ご自身が納得いく解決を目指すことができればと考えております。

6.まとめ


・協議離婚はあまり長期化せずに解決できるケースが多い。
・ただ、協議離婚でも、離婚協議書に細かな内容を盛り込む場合や公正証書を作成する場合、長期化要因になることがある。
・調停離婚はいくつか長期化する項目があり、夫側の態度が大きく影響する。
・裁判離婚に発展した場合には、それなりの期間かかることを覚悟する必要がある。
・迅速な解決が望ましいが、迅速性よりも「より良い解決」の方が大事である。

 

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【コロナ離婚特集4】夫との離婚難易度は?

2020.04.15更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 正直に申しますと、夫側が激しく離婚に反対してくる場合、最終的には離婚訴訟を提起しなければならなくなりますので、離婚に漕ぎつくためにはそれなりの期間を要することになります。そのため、あなたの離婚問題が長期化するかは、夫側のキャラクターや心情に大きく左右されます。
 ただ、状況等に応じて、ある程度離婚の難易度がどの程度なのかについては類型化することができますので、一般的な傾向として解説していきます。

1.法律的な難易度


 民法770条には、法律上の離婚原因が明記されているのですが、法律上の離婚原因は浮気や暴力等かなり限定的です。
 離婚の手順として、協議離婚(離婚届を提出して離婚するケース)できるのであればよいのですが、それが難しい場合には調停離婚(裁判所の調停で離婚するケース)、最後には裁判離婚(裁判所の裁判で離婚するケース)が必要になります。

 ただ、裁判をすれば必ず離婚できるのかというと、そうではなく、民法770条の離婚原因の存在が要求されているのです。
 夫婦の問題は当人同士で話し合いをすることが望ましいとの考え方から、裁判所によって強制的に離婚ができる事情は限定されているのです。

 コロナ不和が離婚の大きな原因だとすると、残念ながら、それは一般的に法律上の厳格な離婚原因には該当しないケースの方が多いかと思います。
  ただ、このように離婚裁判で勝訴できるだけの理由がないとしても、私の経験上、多くの事件では協議離婚や調停離婚で事件を解決しておりますので、必要以上にご心配なさらないでください。

 

2.実際の難易度は?


 これまでの解説は、「離婚裁判をした場合に勝てるのか?」というお話しです。
 そもそも、離婚裁判をせずに解決できるのであれば、短期間で解決できることになりますし、裁判に要する手数もかからないため、それに越したことはありません。

 そのため、離婚難易度といった場合、どの程度離婚調停で話をまとめられるか(もちろん、協議離婚ができればより一層望ましい)というところにかかってきます。

(1)難易度が高くなる要素
 離婚難易度(離婚調停までで離婚できる難易度)を高める要素は様々な要素があるのですが、私が弁護士として事件を担当している際によく感じる項目として以下のようなものがあります。
①夫側の独自の発想・こだわりが強い。
②同居中のモラハラ・DV行為等が執拗であった。
③夫側がメンタルが弱く、離婚を切り出したときに、こちらにすがってきそうである。
 これらのケースですと、一般的に離婚難易度は上がる傾向にあると思います。

(2)特定の夫を対象にした対策
 上記のような事情があると一般的に離婚難易度が上がるのですが、特徴に応じた対策を取ることによって早期離婚につなげる方法もあります。

①金銭に細かい夫を相手にする場合
 このような夫を相手にする場合、早急に婚姻費用を請求して、相手に金銭的負担をさせるという方法が効果的なことが多いです。
 要するに、夫側に「離婚しない限り毎月毎月お金を取られる」という意識を持たせることで、早期離婚に結びつけるのです。

②外面を強く気にする相手の場合
 このような夫を相手にする場合、調停等裁判所の手続を避けたがる人も多いので、そのようなケースであれば、極力協議離婚で解決することを目指します。私が担当したケースでも、3か月ほどで協議離婚にこぎつけることができたケースもあります。

 他にも夫の特徴に応じて対抗策はありますので、気になる方はお気軽にご相談下さい。

3.同居中夫の方から「もう離婚だ」と言われることが多かった。


 実際このようなご相談を受けることも多いのですが、実際こちらから離婚を切り出すと、離婚に応じたくないと言ってくる夫もかなりの数います。特に、あなたのことを見下しているような夫ですと、生意気だと感じるとか、こちらの言い分に反発してくるというケースも多いです。また、あの時離婚だと話をしたのは冗談だったとか、果ては「そんなことを言ったことはない」とまで言う旦那もいます。
 もちろん、このような場合に、相手がすんなり離婚に応じてくれることもあるのですが、離婚には応じても、離婚の条件(親権・養育費や財産分与の負担等)について対立が激しく、手続に時間がかかってしまうというケースもあります。

4.まとめ


・コロナ不和がメインの離婚原因の場合、法律的な離婚難易度は、高いと思われる。
・実際の難易度としては、①独自の発想が強い夫や、②モラハラ・DVが執拗であったケース、③夫のメンタルが弱いケースだと難易度は上がる傾向にある。
・夫の特徴によっては効果的な対策を取ることで早期離婚にこぎ着けるケースもある。
・同居中夫側が「もう離婚だ」といっていたからと言って簡単に離婚できるとは限らない。

 

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【コロナ離婚特集3】コロナ問題での不和は離婚理由になるか?

2020.04.15更新

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1.コロナ不和・コロナ離婚とは何だ?


 最近、コロナ離婚という言葉が世間をにぎわせていますが、この用語は法律で定められている用語ではありません。そのため、法律による明確な定義があるわけではないのですが、新型コロナウイルス感染の影響を受けて、生活スタイルが変化したことに伴う夫婦の不和、そのことによって離婚を決意すること、状態のことを広くコロナ離婚と呼んでいるようです。
 コロナ離婚と言いますと、もうすでに離婚してしまったかのような響きがあって語弊を招きそうですので、以下では「コロナ不和」と総称して、よく見かける原因等についてご説明します。

(1) 【原因1】旦那の在宅勤務
 緊急事態宣言発令に伴い、旦那様が勤め先から在宅勤務を命じられて、1日中自宅にいることが奥様のストレスになっていることが多いようです。より具体的には以下のようなことがストレス原因・不和の原因になっているようです。

①在宅勤務と言いながら、ほとんど仕事をしている様子もなく、ゴロゴロしたりテレビを観たりしているので、こちらが家事をやる気がなくなる。
②1日中家にいるなら、少しは家事・育児を手伝ってほしい。
③簡単な家事をお願いしただけなのに、それすらしっかりとやってくれない(家事能力不足の問題)
④簡単な家事をお願いしただけなのに、やたらと「俺は○○を手伝った」と恩着せがましく言ってくる。
⑤旦那がいることで食事の支度など家事が増えているのに、そのことに旦那が無関心すぎる。
⑥仕事をしているポーズを取りたいのか、リビングでパソコンを叩くなど、やっているというようなアピールをしてくる。

(2)【原因2】お子様達の臨時休校
 お子様が臨時休校で自宅にいること等の影響でストレスを抱える奥様は多いようです。具体的には、以下のようなことがストレス原因・不和の原因になっているようです。

①子供が退屈で言うことを聞かなくなっていて手が付けられないのに、旦那が十分にフォロー・ケアしてくれない。
②子供の休校を受けて自宅学習させようとしているのに、学習方法等で旦那と教育方針の対立が生まれた。
③夫婦どちらが勉強を教えるかといった点で夫婦喧嘩になることが増えた。
④旦那は安易に子供にユーチューブ動画ばかり見せるので視力低下や動画依存・スマホ依存にならないか心配である(旦那がそのことについての理解・意識が低い)。
⑤毎日のゲーム時間を決めているのに守られず、旦那が一緒に熱中して子どもとゲーム三昧になっている。
⑥旦那が子供と一緒に室内でボール遊びや体を動かす遊びを始めるので近所に迷惑を変えていて恥ずかしい。

(3)【原因3】感染リスクへの温度差
 私の方で現在取り扱っている離婚のケース等を見ておりますと、一般的な傾向として、奥様側は感染リスクに対して敏感で、旦那様側は多少鈍感なイメージがあります。そのような温度差も不和の原因になっているようです。具体的には以下のようなものがあるようです。

①マスクもせずに外出・出勤する。
②外から帰宅した際の手洗いをしない(もしくは、手洗いが不十分)。
③何度感染リスクの話をしても旦那が聞く耳を持たない。
④緊急事態宣言が出ている最中なのに、外部での飲み会の予定を入れてくる。
⑤緊急事態宣言が出ている最中なのに、子供と一緒に公園などに出かけようとする。
⑥緊急事態宣言が出ている最中なのに、子供の友人宅にお邪魔したり、友人を呼んだりする。

(4)【原因4】これまでの不和の悪化
 コロナウイルスの影響で、これまでご夫婦で抱えていた不仲が悪化してしまうというケースも多いようです。既に夫婦仲が悪くなっている場合には、旦那様の在宅勤務やお子様の臨時休校等で、夫婦が接する機会がどうしても増えますので、そのことが不和の悪化に結び付いているようです。

2.コロナ不和は離婚理由になるか?


 

「離婚理由」という場合、大きく分けて二つの意味があります。一つめは、相手に離婚を切り出す理由になるかという意味、二つめは、裁判で勝てるだけの理由になるかという意味です。

 まず、一つめの離婚理由(相手に離婚を切り出す理由)という意味で言いますと、コロナ不和がコロナウイルス問題発生中の一過性のものかどうかを慎重に検討してみる必要があろうかと思います。仮に、そのように一過性のものであった場合、今すぐ離婚を切り出すべきかはじっくり考えてみてください。考え方としては、コロナウイルスの問題が落ち着いているであろう2年後や3年後の様子を思い浮かべたうえで、それでも、旦那様とやっていくことが難しいと言い切れるかどうかという視点で考えてみるといいと思います。
 

 次に、「裁判で勝訴できるだけの理由」という意味での離婚理由になるかというと再度詳しく検討していく必要があります。
 と言いますのは、裁判で認められる離婚理由は(浮気や暴力などと)法律で厳しく限定されているため、あなたが考える離婚の理由によっては、「裁判で勝てるだけの理由とは言えない」と言われてしまうリスクがあるからです。離婚裁判ですと、裁判所が強制的に離婚を命じることができるのですが、本来離婚するかどうかは当人同士の意思に委ねるべき話ですから、「裁判で勝てるだけの離婚理由」というのは法律で制限されているのです。
 そして、コロナウイルスの関係での緊急事態宣言下での生活環境をもとにした離婚原因となりますと、残念ながら「裁判で勝訴できるだけの理由」にはなりにくいことが多いと思います。

 

3.別に裁判をしたいわけではないんだけれど…


  私の経験上、大半の離婚のケースでは裁判にまで行かずに調停または協議で事件解決しています。

 しかし、少数ですが相手の反発が大きく裁判を避けられないと言うこともありますので、事前に裁判になることを考えながら準備を進めていく必要があるのです。「備えあれば憂いなし」ということです。

4.あなたの考える離婚が「裁判で勝てるだけの離婚理由」と言えるために


 このように離婚裁判もある程度意識して準備を進めていくという場合、まず最も重要になりますのは裁判で戦えるだけの証拠があるのかどうかということになります。
 そして、コロナ不和の場合、旦那様が在宅勤務であるとか、お子様が臨時休校で、かつ外出が制限されているという特殊な環境も影響していると思いますので、このような特殊な環境の影響を抜きにしても離婚すべきであるという証拠収集が重要になります。

 そのような視点から言いますと、コロナウイルスの問題が拡大している状況下の証拠ではなく、それ以前の証拠がありますと非常に心強いです。夫がモラハラ夫で、その発言を録音したデータがあるとか、こちらを誹謗中傷するようなメールやLINEがあるといった場合、それらは証拠になり得ます。

 このような証拠の整理は最初に行う必要があります。
 私はモラハラ離婚の問題を多く扱うこともありまして、暴言等について全くといって良いほど証拠がないというケースを取り扱ったこともあります。ただ、その場合でも、離婚に向けての対処方法はありますので、諦めずに、ご相談にいらして下さい。

5.離婚したいと思うきっかけとなった出来事の整理


 上記のような離婚の証拠の有無の整理がつきましたら、次に、その具体的な出来事の内容を整理していく必要があります。
離婚のための証拠がある場合でも、あなたが受けた被害の全てに関して証拠があるというケースは少ないので、あなたの体験そのものを書き出していくのです。そのような思い出し作業の際には、証拠があるものはその証拠をもとに、その時にあったことをより詳しく書き留めるという姿勢で準備するとよいと思います。

 あなたにとって思い出したくない事情を思い出す作業になりますので、気の重い作業になるとは思いますが、離婚に向けて必要な作業だと考えて頑張ってみて下さい。1人で悶々と考えていると気が滅入ると言うことも多いと思いますので、身内の方と話ながら思い出していくとか、弁護士との打合せで整理するという方法もありますので検討してみて下さい。

6.まとめ


・コロナ不和は、大きく分けると、①旦那様の在宅勤務、②お子様の臨時休校、③感染リスクへの温度差、④これまでの不仲の増長といったものが原因として考えられる。
・あなたのご家庭のコロナ不和が一過性の問題ではないという場合、それは離婚を切り出すに当たっては十分な理由と評価できる。
・離婚の話がもめそうだという場合、不和の証拠をきちんと準備しておいた方が良い。
・不和の証拠と一緒に、あなたのこれまでの体験も整理しておく必要がある。

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【コロナ離婚特集2】本人から離婚を切り出す3つのポイント

2020.04.15更新

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1.なんで弁護士が「離婚の切り出し方」を知っているの?


 このブログのタイトルを見た瞬間、「なんで弁護士が『離婚の切り出し方』を知っているの?」と疑問に思った方も多いかもしれません。
 しかし、離婚の問題を多く取り扱っておりますと、離婚の切り出し方についてご相談を受ける機会も多くあります。

 また、離婚のご相談をお受けする際には、ご自身で離婚を切り出したのか、そのときにどのような話し合いになったのかについては、私の方から質問致しますので、そのあたりの事情についても自然と精通していく訳です。

2.そもそも、ご自身で離婚を切り出した方がよいのかどうか


 離婚の切り出し方については後述しますが、そもそも論として、あなた自身で離婚を切り出した方がよいのかについては十分検討した方がよいです。要するに、あなた自身で一度はきちんと離婚話をするのか、それとも、一度も離婚話をせずに弁護士に依頼して離婚手続きをスタートさせるのか、の問題です。

 特に令和2年4月現在は、コロナウイルスの関係で緊急事態宣言が出ているため、「旦那が常にイライラしていて話しかけづらい」とか「口を開けば喧嘩という状況なので今は極力夫との会話を避けている」というケースもあろうかと思います。

 ただ、その検討の際には、あなた自身が離婚を切り出した方が、多少夫も納得感が高まる可能性がある、と言うことは検討要素の一つにして下さい。
 と言いますのは、仮に、あなたが弁護士を立てて離婚を進めることを考えている場合、相手からすると窓口が弁護士のみになり、あなたと直接話をすることが難しくなります。そのため、夫側は、「妻と直接話ができないから、実のところどのように考えているかが分からない。」「弁護士が妻をそそのかして離婚させようとしている」と言ったクレームが寄せられることがあり、事件進捗の妨げになることがあるのです。
 あなた自身の口で離婚を切り出すと、多少は相手の上記の様なクレームを緩和できる可能性があります。

3.【離婚を切り出すポイント1】お互いが冷静な状況・環境で離婚を切り出す


 

 夫婦関係を長年続けておりますとどうしてもカッとなってしまうこと、喧嘩をしてしまうこともあると思います。
 そんなときに、つい「離婚してやる」とか「離婚して欲しい」と口走ってしまうこともあるかもしれませんが、これではお互いに冷静な話し合いは期待できません。

 また、酔った勢いで離婚を申し入れても相手は真剣に受け取らないでしょうし、相手が酔った状況で話をしても、話は進展しないと思います。
 上記のシチュエーションは極端な例ですが、そうでなくとも、①家庭内別居の期間が長く、夫側が何を考えているのか、何を言い出すのかわかりにくい状況や②夫側が不機嫌で冷静な話し合いが期待できない状況の場合もあると思います。夫側が不機嫌な場合には一定期間を置いて冷静になるのを待ったり、事前にメールやLINE等にて「大切な話があるので時間を取って下さい」と伝えた上で話し合いの日時を決めるなどすることも考えてみて下さい。

 いずれにしましても、お互いが冷静な状況・環境で話をすると言うことは当たり前のことのようでも重要なことです。

4.【離婚を切り出すポイント2】具体的なエピソードを思い出す


 

 離婚の相談を受けておりますと、抽象的な理由ばかりで具体的に相手のどのようなところが悪いのか、不仲の原因がどこにあるのかがはっきりしないということがあります。
 例えば、「頻繁に暴言を浴びせてくる」とか、「相手はモラハラ夫なんです」と訴えてくる方もいらっしゃいますが、具体的にどのくらいの頻度で(ほぼ毎日なのか、1週間に1回程度なのか等)どのようなことを言ってくるのかが分かりませんと、対応ができません。

 ただ、夫の嫌いなところを列挙すると、とりとめがなくまとまらなくなってしまうと言うこともあります。
 そのため、まずは、自分が相手とやっていけないと思う「一番の理由」を考えてみて下さい。
 その理由を選び出したら、婚姻中、具体的にどのような行動や言動があったのか重要なことだけでも良いので良く思い出して列挙してみて下さい。

 例えば、以下の様なものになります。
(参考例)
先月上旬にモラハラ夫から「お前のように家事ができない女は要らないから今すぐ出て行け」と言われた。このような発言は、モラハラ夫の指示通りの献立で夕食を準備したのに、帰宅すると「今日はこんなに暑かったんだから涼しいメニューを作れ」などと発言してきて上記の発言につながった。
 相手の言うとおりに作り直していると、モラハラ夫は、空腹に耐えられないと言って家を出て、一人外食をして帰ってきた。

 このようにあなたが考える離婚理由を整理しておきますと、いざ夫と話をする際にも離婚話にメリハリをつけることができます。
 また、多少前述しましたが、このような具体的な離婚エピソードは、今回のコロナの問題が発生する前のものの方が基本的には良いと思います。コロナウイルスによる緊急事態宣言という事態はこれまでの日常生活では普段体験しないような事態と言えばそうなので、夫側からのきつい反論対象になると見込まれるからです。また、今回のコロナウイルスの期間中の不仲だけが離婚原因という場合には、一過性の不仲という可能性もありますので、そのことだけで離婚を思い立つのが良いことなのかについては慎重な検討が必要かもしれません。

5.【離婚を切り出すポイント3】こちらが本気だと分かってもらう工夫をする


 特にこちら側が専業主婦という場合には、現状収入を得ていないと言うこともあって、夫側は本気にしてくれないと言う可能性も出てきます。そのため、こちらとしては悩んだ末に、やっていけないと考えて離婚を真剣に切り出しているのに、夫側からほとんど相手にされないという事態が発生し得ます。
 このような事態を避けるために、どのような方法が考えられるのかを、以下の通り簡単にご説明します。

(1)きちんと「離婚」というフレーズを使う
 特にコロナ問題で夫側がいら立っているというような場合には、余計に機嫌を損ねそうな話をしずらいということもあろうかと思います。そのため、遠慮がちに「もうやっていけないと思ってるんだけど」とか「夫婦の今後のことについてどう思ってるの?」と言った曖昧な表現になってしまうこともあります。
 しかし、このような曖昧な表現ですと、夫側はこちらの離婚意思をしっかりと受けとめてくれないことも多いです。
 そのため、あなたの口から離婚を切り出すと決めたのでしたら、きちんと「離婚」というフレーズを使って夫にきちんと話をして下さい。

(2)実家の両親などに間に入ってもらう 
 あなた自身の口で離婚のフレーズを伝えたのに夫側が真剣にとらえてくれないというケースもあります。そのような場合には、こちらが真剣に離婚したいと思っていることをアピールするため、ご実家の両親や親戚なども交えて離婚の話をするという方法が考えられます。
 この場合には、相手の両親も一堂に会して家族会議のような形で話をしてみるのもよいと思います。
 ご夫婦二人だけの話し合いだと、相手が真剣に受けとめないという場合には、このような方法は有効打となることがあります。

(3)どうしても真剣に捉えてくれない場合「別居する」というのも選択肢の一つ
 身内が間に入って話をしても夫側が真剣に受けとめないとか、自分に都合の良い捉え方しかしないため話が進まないという場合、別居という手段を取ることも検討してみて下さい。
 この場合は、一時的に実家に戻るという形が多いと思います。
 なお、相手に無断で別居を強行してしまいますと、相手がこちらの実家まで乗り込んでくるなど、話が複雑になりがちなので、別居については相手に相談をした上で進めるのが望ましいと言えます(もちろん、夫の気性が荒いというような場合等には、くれぐれも無理をせず、場合によっては無断別居もご検討下さい)。

(4)家庭裁判所に調停の申立をする
 ご夫婦が直接話し合うだけでは話が進展しないという場合、家庭裁判所に調停を申し立てるという方法もあります。
 ただ、調停の申立が必要かもしれないと迷われているという場合には、まずは、弁護士に相談してみることをオススメします。

7.まとめ


・ 離婚を切り出す場合、ご本人で離婚を切り出した方がよいのかについて、まず検討した方がよい。
・ ご本人で離婚を切り出す場合、お互いが冷静な状況・環境で離婚を切り出す。
・ 具体的なエピソードを元に離婚の理由を話す。
・ こちらが本気だと分かってもらう工夫をする。

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【コロナ離婚特集1】コロナ離婚に踏み切る前に考えておくべきこと4選

2020.04.15更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.コロナ離婚に踏み切る前に考えるべきことは意外に多い


 離婚を考えた場合、通常まず一番に離婚後の生活、離婚後の育児環境のことが頭に思い浮かぶと思います。
 ただ、今後相手と離婚するかしないかという点で争っていくことも考えますと、他にも色々と考えておかなければならないことがあります。
 詳しくは後述しますが、考えなければならない点をすべて同時に検討しようとしてしまいますと、精神的な負担が大きくなってしまうと言うこともありますので、徐々に、かつ優先順位をつけて検討することもお考え下さい。

2.今後「やり直せない」かどうかは客観的に見極めた方がよい


 当たり前のことなのですが離婚する場合、離婚後、法律上相手は「他人」ということになります。裏を返すと離婚を切り出すと言うことは他人になって欲しいと切り出すことと同じなので、今後「やり直す」ということが無理だと言えるほどの状況でこそ、離婚を切り出すべきだと言えます。

 令和2年4月現在、コロナウイルスの問題が終息する時期が見通せない状況が続いておりますが、このコロナ問題が終息した後は良好な夫婦関係・家族関係を築くことが出来るというケースも多分にあると思いますので、1年後や2年後自分がどう考えているだろうかということに思いを巡らせて最終決断するのが良いと思います。

 コロナの関係でお子様が在宅しているため、落ち着いて考えられないといったときには、ご親族や親友等の意見を求めて、客観的に離婚が望ましいかを見極めるという方法も検討してみてください。

 

3.まずは、お子さんの幸せをよく考える


 お子さんの幸せのことを考えるとお父さんとお母さんが揃っている方が良いという結論しかないということになってしまいます。
 私が申し上げたいのは、このような一般論の話ではありません。
 分かりやすく言いますと、現状と離婚後の生活とでどちらの方がお子さんにとって幸せなのかという比較と、離婚後のお子さんのケアが可能なのかどうかと言う問題です。

 なお、令和2年4月現在はコロナウイルスの関係で緊急事態宣言が出ている真っただ中でして、このような状況では冷静に判断がつかないということでしたら、コロナ問題が多少落ち着いた時点で冷静に考えてみるということでもよいかもしれません。

①現状との比較
 分かりやすく言いますと、毎日喧嘩が絶えないという家庭の場合、お子さんにとっても悪影響になりますので、むしろ、離婚した方がお子さんにとっても望ましいと考えられます。
 ただ、この点も、現在旦那様が在宅勤務であるがゆえに夫婦喧嘩が絶えないという場合、通常出勤に戻った後のことにも想像を巡らせて比較したほうが良いかと思います。もちろん、今回のコロナウイルスの問題を機に、旦那様の勤め先が広く在宅勤務を認めるようになって今後も旦那様が自宅にいる機会が大幅に増えるという場合には、そのような前提での比較になろうかとは思います。

 いずれにせよ、あなたが離婚を切り出したいと思っているという場合、すでに夫婦関係がぎくしゃくしていることは間違いありませんから、現状のぎくしゃくした状況がお子さんに悪影響を与えていないかについてよく考え、離婚後の生活と現状を比較してみると良いでしょう。

②離婚後のお子さんのケア
 離婚後あなたがお子さんを育てていくという場合、しっかりとした生活環境・教育環境を整えていく必要があると思います。
 ただ、それだけではなく、お子さんと相手との接し方についても考えておく必要があると思います。
 一般的には、お子さんと父親とは定期的に面会させた方がお子さんの成長に良いと言われていますので、これまでの夫婦生活におけるお子さんとの接し方等を考慮して、離婚後の旦那様と奥様との接し方についても慎重に検討する必要があります。

4.相手が争ってきた場合の備えをする


①夫の財産の在処を把握しておく
 離婚の際には婚姻期間に増加した財産については財産分与という形で折半するのが通常です。
 しかし、離婚を切り出すと、夫側は財産を取られたくないために、財産の在処を隠してしまう場合があります。

 そのため、夫側が財産の在処を隠すことも想定して、どのような財産をどの程度持っているのかについては予め把握しておいた方が良いです。
 このようにしておくと、財産分与でいくらもらえそうなのかの見込みが立ちますので、離婚後の生活設計にも役立ちます。

②夫側の収入を把握しておく
 相手の収入は家庭裁判所の調停などになれば、隠匿していくことは非常に難しいのが実情です。
 ただ、相手の収入を早めに把握しておけば、離婚するまでに生活費としてどの程度のお金をもらうことができ、離婚後養育費としてどの程度のお金がもらえそうかという見込みを立てることができます。

 なお、同居中、夫側が口頭で話していた収入の金額と、実際にもらっていた給料の金額が違うと言うこともありますので、可能な限り源泉徴収票、給料明細書・賞与明細書等で相手の収入を把握しておくのが無難です。

③離婚原因の証拠の確保
 これは、こちらからの離婚理由の伝え方にもよるのですが、コロナの問題を主たる離婚理由として伝えてしまいますと、夫側から「コロナの問題は一過性の問題だ」とか「コロナの問題は暫く経てば落ち着く」といった反論が返ってくる可能性が高いです。そのため、通常離婚を切り出す場合にはコロナの問題が拡大する前から抱えていた不満や夫婦の不和についてしっかりと伝えていく必要があろうかと思います。

 そして、このようなコロナ以前の不満や不和については、相手からの言い逃れ等を封じる証拠(ラインやメール等)があれば、あらかじめ収集し、準備しておいた方がよいと思います。

5.今後の生活基盤の確保


 

 前述の今後の養育費の金額等とも関わってくるのですが、離婚した後の住まい、収入を得る手段については事前に目処を付けておく必要があります。 ただ、別居を開始し始めた時期は、夫側がどこまで離婚を争ってくるのか見通せない面もありますので、当面実家のお世話になるとか、パート勤務を開始するといった程度にとどめるケースも多くあります。

6.まとめ


・ 今後「やり直せない」かどうかは身近な人と相談するなどしつつ客観的に判断した方がよい。

・ 離婚に伴うお子様への影響を考える
・ 相手が離婚に反対してきた場合の備えをする。
・ 今後の生活基盤を確保する。

 

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突如調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック8】離婚理由をどこまで詳しく確認するべきか

2020.04.06更新

弁護士秦

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1.突如調停の相手方にされてしまった方へ


 

 配偶者から調停の相手方にされてしまったことについては、既に解説しましたとおり、裁判所からの封書が届くことによって知ることができます。

 調停が申し立てられた場合には、まずは、①調停申立書に書かれている内容をしっかりと把握すること、②当該調停申立書を読んだ上で、あなたとしてどのように臨むかをしっかりと決めることが一番重要になります。

 このような大きな方針が決まった後に、実際の調停の場でどのように対応すべきか等について複数回にわたって解説しているのですが、今回は「離婚理由をそこまで詳しく確認すべきか」という点について解説していきます。

 

 

2.離婚に応じるのであれば詳しい確認は不要


 

 あなたとして、同居生活中の夫婦関係等を考慮し、離婚でも仕方ないという結論に至っているという場合であれば、相手の離婚理由を詳しく確認する必要はありません。

 むしろ、詳しい離婚理由を確認すると、奥様にとっては思い出したくない出来事を思い出さなければならない、話したくない出来事を話さなければならないと言うことになりますので、詳しい離婚理由の確認はしない方が望ましいでしょう。

 

 以下では、直ちに離婚には応じられないとか、相手が主張する離婚理由によっては離婚に応じて良いという対応を取る場合、どこまで離婚理由を詳しく確認すべきかという視点から解説していきます。

 

 

3.ある程度の離婚理由の確認は必要


 

(1)議論を咬み合わせるための確認

 日常生活の中で夫婦喧嘩の元となった事項や奥様が発していた言動等からある程度離婚理由を特定できることも多いのですが、奥様は他の点を気にしていることもありますので、ある程度離婚理由を聞かないと、話が咬み合わず、生産的な話し合いをすることができなくなることも多いです。

 また、調停申立書のみでは、簡単な離婚理由の表記しかありませんので、これを呼んだだけでは、離婚理由を察知するのにも限界があります。

 

(2)こちらの改善点を提案するに当たっても確認が必要

 また、こちらが復縁を希望するような場合には、相手が改善を求める部分(行動や言動)がある程度分からないことには、効果的な改善点を述べることができなくなります。

 そのため、こちらが改善案を示す前提として、相手の離婚理由をある程度把握しておく必要があります。

 

(3)それなら詳しく確認すべきじゃ?

 このような点を考慮すると「それなら離婚理由を詳しく確認しなければいけないじゃないか」と思われる方も多いと思います。

 そもそも、あなたとしては突如調停という場に引っ張り出されているわけですから、詳しい事情を確認したくなるというのも自然なことです。

 

 ただ、あまり詳細を確認しますと、そのことは、奥様にとっては思い出したくない出来事を思い出さなければならない、話したくない出来事を話さなければならないと言うことになります。

 また、ストレートに「妻が離婚したい理由がよく分からない」という発言をすると、奥様の方からは「そんなことも分からないのか?」「呆れた」「失望した」といった印象を持たせてしまう危険性もあります。

 

 さらに、詳しい離婚理由を突き詰めようとすると、調停委員から「それなら奥さんの方に離婚理由をまとめた書面を提出してもらいましょうか」という提案が出てくることがあります。

 書面が提出されると、こちらとしても記録に残りますので、議論の対象を絞りやすいというメリットはありますが、私は、このような方法はあまり推奨していません。

 なぜなら、特に奥さんの側に弁護士が就いている場合によくあるケースなのですが、書面化に当たって奥さんが弁護士に話しをする際に、弁護士が色々と詳しく事情確認をする結果、内容が盛りだくさんになる傾向が強いですし、奥さんが一番気にしている離婚理由と言うよりも、弁護士は、「法律的に勝ちやすい離婚理由」を重点的に記載することが多いため、奥様の心情と必ずしもマッチしていない書面が出来上がることが多いのです。

 そうしますと、今後の手続きはより一層混迷していくことになりかねません。

 

(4)「ある程度」の確認がベター

 そのため、調停の場でも、相手の離婚理由を事細かに確認するのではなく、「ある程度」確認する方がベターなことが多いです。

 

 

4.そもそも、そこまで配慮する必要があるのか?


 

 上記の解説を読んでいて「そこまで配慮してやる必要があるのか?」と思われる方もいらっしゃると思います。

 確かに、あなたとしては、突如調停に呼び出されて、平日の仕事が忙しい中都合をつけて裁判所にまで行かなければならなくなってしまったわけですから、「しっかりとした離婚理由を聞くまでは納得が行かない」と考えるのも致し方ないと思います。

 

 ただ、現状奥様は相当な覚悟を持って離婚調停という場に臨んでいることは間違いがないと思いますので、あなたの気持ちばかりを優先して臨みますと、本当だったらうまく行く話もうまく行かなくなってしまうかもしれません。

 あなたが夫婦円満を希望なさるのであれば、一旦はあなたの怒りは前面に出さずに、奥様も安心できるような姿勢で臨んだ方が良い結果に結びつきやすくなると思います。

 

 

5.まとめ


・まずは、調停申立書の確認、答弁書準備が最重要

・あなたとして離婚に応じて良いなら、離婚理由を詳しく確認する必要性は低い。

・離婚に応じたくないという場合、「ある程度」は離婚理由の確認が必要

・ただ、詳しく根掘り葉掘り離婚理由を確認する姿勢は避けた方が良い

 

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突如調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック7】調停委員はどこまで離婚を勧めてくるか?

2020.03.30更新

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1.そもそも、調停委員ってどんな人がなるの?


 

 調停が始まると、調停室には男性1名、女性1名の調停委員が座っていて、色々と話を聞いてくれたり、相手の話を伝言してくれるのですが、その調停委員はどんな人なのかは気になるところです。

 調停委員のなり手としては、弁護士や司法書士、鑑定士、大学教授、元書記官、上場企業の元役員や元部長等々様々です。このように必ずしも家事事件の専門知識を有していない方が調停委員になることもありますので、細かな法律問題についてまではよく分からないという方もいらっしゃるのが現実です。ただ、基本的な調停の進め方や基本的な法律問題の知識は皆様お持ちですし、詳しい法律問題については裁判官の意見を聴くことが多いため、このような形でフォローされることが多いです。

 

 

2.調停委員はどこまで離婚を勧めてくるか


 

 これは調停委員の方の個性が出る部分でもありますので、一概には申し上げられないのですが、強烈に離婚を勧めてくる調停委員がいるのも事実です。調停委員によっては、こちらのことを「女の敵」と言わんばかりに責め立ててくる調停委員もおりまして、対応に難儀することもあります(ただ、ここまで極端な対応をしてくる調停委員はごく少数ですが)。

 ここまで極端に離婚を勧めてこないまでも、大半の調停委員は離婚方向で話を進めたがる傾向が強いです。そもそも、離婚調停では、(夫婦円満ではなく)離婚で調停がまとまるケースが多いため、このような傾向が強まることはある程度致し方ない面があります。

 

 

3.このような調停委員への対応方法は?


 

 一番の効果的な対処方法は、「離婚には応じられない」というしっかりとした意思と言葉を持って返答し続けることです。こちらが離婚すべきか悩んでいる姿勢を見せてしまいますと、調停委員の議論に巻き込まれてしまいますので、悩んでいる姿勢を一切見せないと言うことが一番大切になります。

 このようにこちらの一貫した姿勢を見せていると、調停委員も第2回調停期日以降は大きくトーンダウンするというケースも多いです。

 

 

4.調停委員はどこまで離婚理由を話してくれるか?


 

 先ほど解説したような調停委員とは全く正反対で、調整型に徹する調停委員もいます。要するに、奥様の方からはかなり詳しい離婚理由等について尋ねているのに、その詳しい内容をこちらにあまり教えてくれない調停委員と言うことです。

 調停委員があまり詳しいことを語ろうとしない理由としては、①あまり詳細な離婚理由を伝えてしまいますと、こちらが感情的になってしまうと危惧している、②あまり詳細な離婚理由を伝えてしまいますと、こちらの言い分を全く信用していないといった不信感を招くおそれがあるといったことが考えられます。

 

 いずれにしましても、このような調整型の調停委員の場合には、大抵、こちらの言い分は親身に聞いてくれるのですが、こちらの言葉が調停委員の心に響いていないことも多いため、注意が必要です。

 このような調整型の調停委員を相手にする場合、親身に話を聞いてくれるため、こちらの感情を話しがちなのですが、そうではなく、過去にあった具体的事実について話をした方が効果的なことが多いです。

 

 

5.調停委員が注目しているかどうかはメモを取るかどうかで判断できる


 

 調停委員によってはほとんどメモを取らない調停委員もいるのですが、大体の調停委員は、こちらの言い分を詳しくメモすることが多いです。

 ただ、調停を重ねていくと、これまでと重複した話やこちらの感情に関わる話は段々と調停委員もメモを取らなくなっていきます。

 こちらの話を親身に聞いてくれるからと思って色々と話をしても、調停委員がほとんどメモしていないという場合には、調停委員は「あまり新しい話は出ていない」とか「今回の問題を解決するに当たって参考にならない」と考えている可能性がありますので、注意が必要です。

 

 

6.まとめ


・調停委員は色々な有識者がなる。

・ごく少数ではあるが、調停委員によっては強烈に離婚を勧めてくる調停委員もいる。

・いずれにせよ、離婚に応じたくないのであれば、離婚に応じないとはっきりと発言することが最重要である。

・調整型の調停委員だと奥様の離婚理由等の詳細を語ってくれないことも多いので注意が必要である。

・調停委員の関心の高さは、メモの量で分かることも多い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【夫が被害者のDV・モラハラ】夫側は親権を獲得できるか

2020.03.16更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.逆DV・モラハラのケースでの親権獲得の重要判断要素とは?


 

 インターネットで検索などすると、親権獲得の判断要素として様々な事情が書かれており、逆に、どのような事情が重視されやすいのか、特に逆DVのケースだとどのように判断されるのかがかえって分かりにくいということも多いと思います。

 私の経験上、逆DV・モラハラ(奥様が旦那様へ暴力・モラハラをするようなケース)において親権獲得で重視されるポイントは、①これまでの監護実績、②現在の監護状況、③お子様への虐待の有無・程度、④お子様の意思(但し、お子様の年齢による)ではないかと思います。

 今回は、逆DV・モラハラ離婚のケースに絞って、旦那様側での親権獲得の可能性等について解説していきます。

 

 

2.一番の鍵はお子様への直接の虐待の有無


 

(1)どうしてお子様への直接の虐待有無がキーポイントになるのか

 逆DV・モラハラ離婚のケースで、親権獲得に当たっての重要な判断要素は前述の通り大まかに4項目があるのですが、特に旦那様側で親権獲得を目指す場合、一番の鍵はお子様への直接の虐待の有無ではないかと思います。

 他の判断要素については後述にて詳しく解説いたしますが、奥様がお子様に対して直接の児童虐待を行ってきたということになりますと、端的に奥様が不適格であることを証明できるからです。

 特に奥様が継続的にお子様に対して暴力を振るい続けてきたというケースですと、これまでの監護実績等以上に、お子様の身の安全という観点から検討が行われますので、こちらがかなり有利になります。

 

(2)具体的にはどのような内容のものが必要か

児童虐待の定義は広く、面前DV等も児童虐待の範疇に含まれます。ただ、親権獲得に大きく影響を与える事情としては、奥様からお子様に対して直接の暴力があること(暴言のみだと正直に申しますと厳しい面があります)、その態様が頻度から見て悪質と言えるケースであることが重要なポイントになります。

 親権獲得への影響度を考慮するに当たっては、以下の事情も参考にして下さい。

・お子様への暴力の頻度や回数
・お子様へ暴力を振るってきた期間
・お子様への暴力の内容・程度
・お子様に向けての凶器使用の有無
・お子様が負った怪我の程度
・暴力を振るうシチュエーション(飲酒すると暴力してくるとか)
・DV妻の気質や疾患の有無(特に、精神疾患等を抱えていないか)

 

(3)DVの内容がお子様に向けられたものであること

 ケースによっては、旦那様に対するDVはあるが、お子様へのDVが無いというケースもあります。このようなケースでは、旦那様へのDVがかなり苛酷な内容の場合には、親権獲得に影響を及ぼす場合もありますが、そうではない場合には、「旦那様への暴力」と「お子様への暴力」は別物と捉える裁判官が多いです。

 そのため、お子様への直接の暴力の有無という点が重要なポイントになります。

 

(4)証拠の有無が非常に重要

 奥様の暴力についてこちらが主張しても、奥様側は暴力を否定してくることが多いため、しっかりとした証拠があるかどうかは、重要なポイントになります。

 例えば、お子様が怪我をした診断書や怪我の箇所を撮影した写真の有無は非常に重要なポイントになります。

 

 

3.これまでの監護実績


 

 先ほどご説明しましたとおり、奥様がお子様に対して頻繁に直接の暴力を振るっており、その証拠もあるという場合には、そのことが決定的な要素となって親権を獲得できるケースが多いと思います。

 ただ、暴力はあったけれども、怪我をするほどのものではなかったとか、暴力の端的な証拠が乏しいというようなときには、児童虐待のみが親権獲得の決定的な要素とまではならないこともあります。

 

 そのような場合には、前述した他の3つの判断要素についても重要な判断ポイントになります。

 

 これまでの監護実績という場合には、要するにお子様の身の回りの世話をどの程度実行してきたかということになります。旦那様側ですと、週末お子様と一緒に遊ぶことが多かったということをおっしゃる方も多いのですが、そのような遊びの中でお子様の躾を行ってきたという場合には、その範囲で影響を及ぼしますが、イメージとしましては「どの程度身の回りの世話をしてきたか」が重要なポイントになります。

 ポイントとしましてはお子様の衣食住にどの程度関わってきたかという視点で考慮されることが多いです。要するに、①「衣」とは、お子様の普段着るものや身につけるものを誰が購入し準備していたか(これには学校・保育園の制服や学校用品等の準備も含む)、小さいお子様だと普段のお着替えやおむつ替えは誰が行っていたのか等のことを指し、②「食」は普段のお子様の食事の支度を誰がしていたのか、小さいお子様だと授乳やミルク上げを含むことになります。③「住」はお住まいの賃貸名義が誰かという話ではなく、普段の躾や教育を誰が行っていたのかという問題です。

 

 過去の監護実績についてはご夫婦で主張が大きく対立することも多いので、保育園の連絡帳の記載内容等が重要な判断証拠になることも多いです(要するに保育園の連絡帳を夫婦のどちらが記入し、どのような記入がなされているか)。

残念ながら、旦那様が勤め人で、奥様が専業主婦という場合には、奥様がメインで監護を行っていることが多く、その意味ではこちらが不利に働くケースの方が多いのではないかと思います。

 

 

4.現在の監護状況


 

 現在の監護状況については、家庭裁判所調査官が自宅訪問を実施することになりますので、自宅訪問での様子次第ということになります。

 自宅訪問日は予め相手に伝えてしまいますので、相手も準備した上で自宅訪問に臨むのですが、家庭裁判所調査官はこの手の調査の専門家なので、訪問時に気付く点も多いです。

 いずれにせよこれまでの同居生活中奥様の家事不行き届き、育児不行き届きが顕著な場合には、自宅訪問時にこの部分は注目して見て欲しいといった点をこちらからも予め調査官にしっかりと伝えておく必要があります。

 

 

5.お子様の意思


 

 お子様が15歳以上の場合、裁判所はお子様の意向を確認しなければならない義務があり、そこでお子様の意向が重視されることになります。

 また、15歳になっていなくとも10歳以上の場合には通常はお子様の意向を確認し、その意向が親権獲得に影響することが多いです。

 

 

6.こちらの経済力


 

 特に旦那様のみが働いて、奥様が専業主婦という場合、経済力という面では、旦那様の方が有利であることは間違いがありません。

ただ、このような経済力は残念ながら親権獲得の要素としてはあまり重視されません。

 もちろん奥様にあまりに経済力が低く、お子様を育てていくことが到底できない状況だという場合であれば別ですが、そうでなければ、最悪、生活保護を受けて生活が成り立っているという場合であっても、それでも親権は獲得できます。

 そのため、こちらの経済力の優位性は、あまり真剣獲得の優位性には結びつかないことの方が多いです。

 

 

7.まとめ


・逆DVの親権争いのケースでは、奥様のお子様への直接暴力の有無が重要な鍵を握る。

・暴力の内容として直接暴力であり、かつ悪質なものであると親権争いにて決定的な要素になる可能性が高い。

・暴力については診断書や写真等で証明できるかどうかが重要なポイントになる。

・暴力とはお子様への暴力であって旦那様への暴力とは区別して見極められることが多い。

・DVが直接の決定的要素にならないケースでは、①これまでの監護実績、②現在の監護状況、③お子様の意向等を考慮して親権が決まる。

・経済力はあまり有利な要素にはならない。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

面会交流実現を主目的とする監護者指定の有効性

2020.03.09更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.残念ながら、迅速に面会交流を強行する手段がないというのが現実


 

 旦那様側が納得行かないと思われるケースの大半は、奥様側がお子様を連れ去って無断別居を開始したケースかと思います。

 このようなケースでは、奥様が正確にどこに暮らしているのかすら分からないと言うことも多く、勝手な連れ去りへの憤りを強めることもやむを得ないと思います。

 他方で、現実にお子様を引き取って自宅で育てられるかというと仕事が多忙で現実的ではないというケースもあろうかと思います。

 

 そういった場合、自身の手でお子様を育てていくことが難しい以上、本来の手続は、監護者指定ではなく、面会交流と言うことになろうかと思います。

 しかし、面会交流の問題は最終的には面会交流審判という手段が用意されてはいるものの、即効性のある手続は存在しないのが実情です。

 即ち、正攻法で面会交流を求めていく場合、まずは、面会交流調停を起こし、同調停が不成立になった場合に、ようやく審判手続きを踏むことができることになりますので、一般的に時間がかかります。

 

 

2.ややこしい手続は抜きにして勝手に会いに行くというのはオススメできない。


 

 たまにご相談にお越しになる方の中には「ややこしい手続は抜きにして、子供が通っている学校は分かっているんだから、直接会いに行かせて欲しい」ということをおっしゃる方もいます。

 確かに、あなたとしては、奥様に連れ去り別居を勝手にされているのですから、それに対抗するためには、多少の強硬手段も許されると考えるのも致し方ないと思います。

 しかし、このような行動に出てしまいますと、奥様側は警察に110番通報するケースが多く、学校などに警察が訪れる事態に発展しますと、お子様にとっても重大な悪影響を及ぼしかねません。

 

 また、日本は法治国家ですので、法律の手続等を無視した行動は、今後の面会交流調停等の手続でもこちらにかなり不利に働いてしまいます。

 そのため、直接会いに行くといった強硬手段は弁護士としては決してオススメできません。

 

 

3.監護者指定手続の活用の可能性


 

(1)監護者指定手続は面会交流実現の即効薬になるか?

 以上のように面会交流を実現する即効薬がないため、その実現の即効薬として監護者指定事件を活用したいとおっしゃる方が出てくるのです。

 確かに、監護者指定審判事件においては、明確な理由もなく面会交流を拒否し続けますと、そのことは、監護者指定にあたって不利に働きますので、一般的に、奥様側に面会交流を促す効果があるといわれています。

 しかしながら、私は弁護士の立場から言いますと、監護者指定手続を面会交流実現の手段として利用することには基本的に反対です。

 

(2)あくまで「促す」ものでしかない。

 前述の通り、奥様側が明確な理由もなく面会交流を拒否し続けますと、裁判所側は、①お子様が父親と接して父親の愛情を受ける機会を奪っているとか、②夫婦の対立感情を面会交流の問題にも持ち出しているといった考え方をすることが多いです。

 しかしながら、奥様のこれまでの監護実績等がかなり優れているというような場合には、面会交流を拒否しているということは一つの不利な事情にはなるでしょうが、決定的に不利な事情にまではなりません。

 あくまで面会交流を促す事情にはなり得ても、「決定的な」事情にはなり得ないのです。

 

(3)奥様の感情を刺激する危険性

 監護者指定事件を起こしますと、こちら側は、①旦那様サイドもしっかりと育児に取り組んできたことや、ときには②奥様の躾の行き過ぎやお子様への暴言等の問題も指摘していかなければならなくなります。

 このようにして監護者指定の事件での対立が激化しますと、奥様側はより一層態度を頑なにしてしまうリスクもあります。

  そうしますと、より一層奥様側は面会交流絶対拒否の姿勢を示す危険性があります。

 

(4)現状のお子様の状況が分からないことのリスク

 確かに、これまでのあなたのお子様との接し方からしますと、お子様はお父さんであるあなたに会いたいと言ってくるだろうと思うのは当然のことだと思います。

 しかしながら、お子様は慣れない別居生活で様々な感情を抱えながら生活していますので、お子様が監護者指定事件の中でどのような意思を示すか図りかねるケースも多くあります。

 特に別居し手間がない時期は、苦しんでいるお母さんのためにも、自分の発言でお母さんを困らせてはいけないと考えて、敢えて頑なに「お父さんには絶対会いたくない」とおっしゃるお子様もいるのです。

 

(5)お子様にも負担をかける手続であること

 前述の通り、お子様は慣れない別居生活を送りながら学校に通うなどして普段の生活をこなしていかなければならないため、そのこと自体でも負担を感じていることも多いです。

 しかし、監護者指定事件は、お子様の年齢によってはその意向確認がなされますし、そうでなくとも、必ず一度は調査官がお子様と会ってその様子の確認等を実施しますので、お子様の負担抜きで手続を進めていくことは不可能です。

 そして、お子様の意向調査を実施する場合には、家庭裁判所にてお子様と調査官がマンツーマンで話を聞くという作業になりますので、お子様の負担は大きいことが多いです。

 そうしますと、お子様のためを思って申し立てた手続が、返ってお子様の負担を増やすというリスクを含んでいるのです。

 

 

4.まとめ


・残念ながら、面会交流を即効的に実現する法律的手段は存在しない。

・以下の理由から、弁護士としては、面会交流実現のための監護者指定申立はオススメしない。

1)監護者指定事件の存在は相手に面会交流を促す効果はあるが決定的ではない。

2)逆に一層奥様側の反発心を強めるリスクがある。

3)現状のお子様の様子が分からない中で手続を進める不確定要素がある。

4)この手続は、お子様にも負担をかける手続である。

 

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