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突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック2】答弁書等の書き方

2019.06.03更新

弁護士秦 

 こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。>「理不尽な離婚に対してNO!」旦那様側の夫婦関係総合サイトはこちら<になります。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.まずは調停申立書を読み解くこと


 

 調停申立書は簡単に目を通しただけでは見落としてしまうような項目も複数ありますので、しっかりと読み解く必要があります。

 この調停申立書をしっかりと読み解くことが答弁書等作成の大前提になるからです。

 

 

2.まず何を裁判所に提出すればよいかを把握する


 

 裁判所から送られた書類には色々な書類が入っているため、整理する必要があるのですが、あなたが提出しなければいけないのは、①答弁書(夫婦関係調整)、②進行に関する照会回答書(相手方用)、③連絡先等の届出書の3つになります。

 

 それぞれの書類の意味合いについて概説しますと以下の通りになります。

 まず、答弁書は、奥様からの離婚調停申立に対してどのように考えるかを記載する書類になりまして、あなたが提出する書類の中で一番重要な書類になります。

 

 「進行に関する照会回答書」は、今後の調停事件の進め方について、あなたの意見を記載する書面になります。裁判所としては、あなたに裁判所に出席してもらわないことには調停を進められないわけですから、あなたが調停に出席できるか、出席できない場合、いつなら出席できるのか等について、あなたの意見を求めているのです。

 

 最後に「連絡先等の届出書」は、裁判所からの今後のあなたへの連絡方法を記入する書類になります。

 このように「進行に関する照会回答書」と「連絡先等の届出書」は、事務連絡文書ですので、そこまで重要な書類ではありません。ただ、裁判所としても事件の整理にあたって必要な書類ですので、必ず調停期日の1週間前までには提出するようにして下さい。

 

 

3.答弁書の書き方


 

(1)そもそも答弁書は出した方が良いのか

 たまに私が質問を受ける中には「調停の日に裁判所に行って話をすればいいから、こんなもの出す必要ありますか?」とか「相手は弁護士を付けているから素人が書面を書くと揚げ足を取られそうだから、出さない方が良いんじゃないですか?」とか、「そもそも、調停は家内の我が儘で始まったことなので、調停の日に行く必要はないし答弁書なんか出す必要もないですよね?」といった意見を聴くことがあります。

 

 ただ、弁護士としては「極力答弁書は提出した方が良いですよ」という返答になります。と言いますのは、答弁書を提出しないと、調停委員は、あなたがどのように考えているのかがさっぱり分からないということになってしまいますし、裁判所としては、1週間前までに答弁書を提出して欲しいと要請しているわけですから、答弁書を提出しないという行動は、「裁判所の要請には従えない」という誤ったメッセージを送ることになりかねません。当然調停委員の印象も悪くなってしまいます。

 

 なお、調停手続に一切欠席すると言う人もいるようですが、調停の席に着かないと、相手の言い分が分からなくなってしまいますし、奥様は蔑ろにされたと感じてしまいますので、得策とは思えません。

 いずれにせよ、答弁書を提出しないと言うことにはデメリットしかないので、必ず事前に裁判所に提出するようにして下さい。

 

(2)答弁書を書き始める前に

 あなたの人生にとって裁判所から書類が届くという事態は稀な経験だと思いますので、調停申立書を受け取った瞬間に、焦ってしまう、何も考えられなくなってしまうだとか、逆に奥様に対する怒りの感情を抑えられないと感じてしまうなど、冷静でいられなくなってしまうことは普通のことです。

 ただ、だからといって、そのときの感情にまかせて答弁書を記載しては絶対にいけません。

 答弁書は裁判所に提出する書類で、奥様側も目にする可能性が高い書類ですので、慎重に記載する必要があるのです。

 

 そして、離婚はあなたの人生にとって1回や2回しかない重要な出来事ですので、答弁書を書き始める前に、冷静になってじっくりと離婚した方が良いのか、復縁した方が良いのかを考えてみて下さい。

 そのときには奥様への愛情がどのくらい残っているのか、これまでの夫婦の接し方、家族行事の様子、お子様との関係性等に色々と考えを巡らせた上で、結論を出して下さい。

 そして、その結論が出てから、答弁書を書き始めて下さい。ただ、いつまでも結論が出ないからといって答弁書を裁判所に提出しないわけには行きませんので、どうしても結論が出ない場合でも答弁書は提出して下さい。その場合の書き方についても後述します。

 

(3)答弁書の書き方

 1)まずは、離婚するかどうかにチェックを入れる。

  離婚で構わないと考えるか、離婚したくないと考えるかについては慎重に検討してもらうとして、その結論が出た場合には、答弁書の最初の項目である「円満に調整してほしい」「離婚したい」「検討中」のいずれかのチェックボックスにチェックを入れる必要があります。

  なお、離婚するか迷っている場合には、絶対に「離婚したい」にチェックは入れないで下さい。たまに、家内がここまで強く離婚を求めてくるなら「仕方ないかな」と諦めてしまって、「離婚したい」にチェックしてしまう人もいるのですが、そうすると、調停手続は、離婚の条件を決めるだけの手続になってしまいます。

  迷っていて結論が出ていないという場合には、最低限「検討中」にチェックして下さい。

 

 2)意見覧の記載

 「円満に調整してほしい」「離婚したい」「検討中」のチェックボックスのすぐ下に「意見」の覧があります。1行だけしか記載できない仕様になっていますが、あなたの意見があれば記載して下さい。

 例えば、円満に調整してほしい場合「子どものためにもしっかりと円満な家庭を築いていきたいと思っています」や「先日の夫婦喧嘩では乱暴な言葉を使ってしまいましたが反省しているのでやり直すチャンスをもらいたいです」といった形で簡潔に記載します。

 

 なお、調停委員に伝えたい項目が沢山ある場合には、答弁書に「別紙」を設けて、円満調整に向けての意見等を記載する方法や、答弁書とは別に陳述書を作成するといった方法もあります。ただ、あまり詳しい事情を記載してしまいますと、逆に奥様を刺激するという危険性もありますので、極力「意見」の覧に収まる範囲で記載した方が良いと思います。

 

 3)円満に調整してほしい場合

  この場合、「(付随申立について)」と書かれている以降の(1)から(7)については特に記載せず、大きく斜線を引いてもらう形で結構です。

  親権や養育費等は、離婚することが決まった場合に決定する事項ですので、あなたが離婚を希望しないのに親権等について意見を述べるというのは行動として矛盾してしまいます。ですので、(1)から(7)の箇所には斜線を引いておくのです(なお、空欄で提出してしまうと、裁判所の方から「書き漏れですか?」という問い合わせが来てしまうことがありますので、斜線を引いておいた方が良いでしょう)

 

 4)こちらも離婚に応じる場合

  この場合、「(付随申立について)」と書かれている以降の(1)から(7)についてもしっかりと記載する必要があります。

  奥様がお子様を育てていくことに不安がある場合には、あなた自身が親権者になるという意見を出すべきかもしれませんし、お子様と会えていない場合には、面会交流についての意見等も述べる必要があります。

 

  ただ、考えなければいけない項目が多すぎて整理が付かないという場合には、「検討中」にチェックを入れて、とりあえずは調停の席で話を聞きながら考えると言うことでも良いと思います。

  一番大事なのは、離婚の条件もあなたの人生にとって非常に重要な事項ですので、安易に妥協せず、投げやりにもならず、今後あなたが後悔しない選択をすべきということです。

 

 5)離婚するかどうか「検討中」の場合

  この場合、円満に調整してほしいという気持ちの方が優勢の場合、現時点では「検討中」にチェックせず「円満に調整してほしい」にチェックを入れた方が良いと思います。

  「検討中」としてしまうと、「条件次第では離婚も考える」と読めてしまいますので、円満に調整してほしいという気持ちがどちらかというと強いという場合「円満に調整してほしい」にチェックした方が、あなたの心境により近い表現になるからです。

 

  逆に、離婚の気持ちの方が優勢という場合でも、離婚という決断を決めかねているという場合には、現時点では「検討中」と記載して下さい。

  先ほども説明しましたように、現時点で「離婚したい」にチェックしてしまいますと、調停の場では離婚の付随条件を決めていくという流れになってしまうからです。離婚の気持ちが優勢だとしても決めかねているという場合には「検討中」にチェックするのがあなたの心境により近い表現になると思います。

 

 6)「2 申立書の『申立ての理由』について」の覧

  まず、同居日と別居日は、離婚原因や財産分与にも絡む重要な日付ですので、奥様が記載してきた同居日と別居日の記載に誤りがないかしっかりと確認して下さい。

  皆さん離婚するかどうかや離婚の付随条件にばかり頭がいってしまい同居日と別居日については「だいたいこんなもんでしょ」と簡単に回答してしまうこともあるのですが、重要な日付ですのでしっかりと確認する必要があります。

 

  次に「申立の動機」に対する意見については、奥様の主張が事実無根だという場合には、簡潔にあなたの意見を記載して下さい。例えば、暴力を振るったことがないのに調停申立書に「暴力を振るう」とチェックされている場合には、そのような事実がないことを記載することになります。

  なお、あなたの希望として夫婦円満を希望する場合、あまり奥様の申立動機に対して詳しい反論をしてしまいますと、そのことが夫婦不和の原因にもなりかねませんので、いわゆる「書き過ぎ」には注意して下さい。

 

 7)「3 その他」の覧について

  ここには、これまで記載した中で記載しきれなかった事項について記載することになります。

  よくありますのは、夫婦として円満を希望しているけれども、お子様と面会できていないことだけは不満があるので、お子様との面会について協議させてほしいとか、お子様の登校や学業成績について心配しているので、確認したい、といった要望を記載することになります。

 

(4)「進行に関する照会回答書」の書き方

 1)「1 別紙期日通知書の期日に出席できますか」

  まず、期日通知書の日時に出席できるか、あなたの日程を確認して記入して下さい。

  なお、「第1回期日には出席した方が良いですか?」という質問をよく受けますが、あなたの方でも弁護士を立てる予定で、弁護士の都合がつかないような場合には、第1回期日は欠席にして下さい(弁護士だけ欠席で、あなた本人のみは出席ということは通常せず、あなたも弁護士も欠席することになります)。

  逆に、あなたの仕事の都合がつき、調停期日にはあなた自身でまずは対応してみたいと考えているような場合、第1回期日は出席するようにして下さい。

 

 2)「2 最初の期日に欠席する場合、その後の期日について希望曜日をお書き下さい」

  あなたが第1回期日に出席できる場合、この「2」は空欄のままで大丈夫です。

  あなたが第1回期日に出席できない場合には、なるべく沢山候補日を記入して下さい。なお、調停の時間は、午前中は午前10時(但し、相手方は10時30分集合の場合あり)から12時頃まで(延長の可能性あり)、午後は午後1時30分(但し、相手方は2時00分集合の場合あり)から3時30分頃まで(延長の可能性あり)になりますので、その時間帯を視野に、出席できる日付を複数記入して下さい。

 

 3)「調停での話合いは円滑に進められると思いますか」

  この覧は参考程度の記載項目ですので、あまり神経質にならずに記載してもらって大丈夫かと思います。

  なお、離婚するかどうかや、その付随条件で意見対立が激しいようであれば「進められないと思う」にチェックして下さい。

  奥様の言い分が今一はっきりしない場合には「分からない」にチェックする形で問題ありません。

 

 4)「4 申立人の暴力等がある場合には、記入して下さい」

  あなた自身が奥様から暴力を受けた経験がある場合には記入して下さい。夫婦喧嘩がヒートアップして多少お互いに手を出し合う形になったというような話であれば、とりたてて記載しなくてもよいと思います。

  この記載項目は、例えば妻側が凶器を持参してくる危険性等もあるという場合には、調停委員も身の安全を考えなければならないといった問題もありますし、あなた自身に危害が加わらないような配慮も検討しなければならないので、設けられている項目だからです。

 

 5)「5 裁判所に配慮を求めることがあれば、その内容をお書き下さい」

  これは、前述の「4」の延長なのですが、相手からの暴力を受ける危険性等がある場合に、集合時間を相手とずらすなどの配慮を求めるといった記載をします。

 

(5)「連絡先等の届出書」の書き方

 あなたが裁判所からの書類を受け取りたい場所と、電話番号を記載する書類になります。

 通常は「申立書記載の住所のとおり」にチェックを入れ、あなたの携帯電話番号を記入することになると思います。

 

 

4.まとめ


・答弁書を書き始める前に、まず調停申立書を読み解く必要がある。

・答弁書を書き始める前に、「あなたにとって」離婚した方が良いかをしっかりと考える必要がある。

・答弁書には、離婚で後悔しないと決断しきっている場合以外には「離婚したい」とは記載しない。

・離婚したい場合と夫婦円満を目指す場合とで答弁書の書き方は異なるので注意しながら記載する必要がある。

・「同居日」と「別居日」の覧は軽視されがちだが、重要な日付なのでしっかりと確認して記載する必要がある。

・調停期日の1週間前までに届くように、答弁書、「進行に関する照会回答書」、「連絡先等の届出書」を提出する必要がある。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック1】調停申立書の読み方

2019.05.27更新

弁護士秦

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1.突如裁判所から離婚調停の書類が届いた。


 

 こちらとしては、一旦冷却期間を置いた上で、または、他の身内等を交えた上で今後の夫婦関係についてしっかりと議論しようと考えていたのに、無断で奥様が調停の申立をしており、裁判所から調停期日のお知らせが届いてしまうと大きなショックを受けることと思います。

 なかなか、奥様の調停申立という現実を受け入れられないという方も多いかもしれません。

 ただ、「過去こうしておけばよかった」と後悔ばかりをしていても、今後の夫婦関係にとってメリットは少ないと思いますので、まずは、奥様が申立をした調停申立書の内容を読み解く必要があります。

 

 

2.まずは、調停申立書を取り出す。


 

 裁判所から送られてきた書類は何枚もの紙が入っており理解しにくいかと思います。そこの中からまずは、調停申立書を取り出す必要があります。

 右上の方に「夫婦関係等調整調停申立書 事件名(離婚)」と書いてある書類が入っていると思いますが、それがいわゆる離婚調停申立書になります。奥様か、奥様が雇った弁護士の(赤い)判子が押されている書類が離婚調停申立書です。

参考までに、最高裁判所ホームページ上の調停申立書記載例はこちらになりますので、必要に応じてご参照下さい(なお、こちらの最高裁のサイトは、離婚調停を申し立てる側からの記載方法の解説になりますので、ご留意下さい)。

 

 

3.離婚調停申立書を読み解く


 

 離婚調停申立書に記載されている情報は限られているのですが、そこから読み取ることができる情報はありますので、読み取れる情報は全て読み取っておく必要があります。以下では、離婚調停申立書を読み解く上でのチェックポイントについて解説します。

 

(1)奥様が弁護士を雇っているかどうかのチェック

 調停申立書を見れば、奥様が現時点で弁護士を雇っているのか雇っていないのかを知ることができます。

 調停申立書1頁目の右上の方に(赤い)判子が押されている箇所があると思うのですが、①その判子が奥様のものであれば、現時点で弁護士を雇っていない、②その判子が弁護士のものであれば、既に弁護士を雇っているということが分かります。

 相手が弁護士を雇っているという場合、こちらも弁護士を雇うことを考えた方が良いので、まず最初に確認しておきたい項目になります。

 

(2)申立人の住所欄

 奥様が自身の居場所をこちらに秘密にしているケースですと、調停申立書の申立人(奥様)の住所欄を見れば、奥様の居場所を探ることができると考える方も多いのですが、残念ながらほとんどの場合、現在の居場所を書いていることはありません(もちろん、こちらに奥様の居場所を明かしているケースでは、現住所を住所欄に記載することの方が多いです)。

 そのため、申立人住所欄を見ても、奥様の住所は分からないことが多いです。

 

 実際上の記載方法としては、夫婦が一緒に住んでいたときの自宅住所が記載されていることが多く、「虚偽記載」ではないかと思われる方もいると思いますが、裁判所の実務ではこのような便法が認められておりますので、この点を追求してもあまり効果がないのが実情と言えます。

 なお、申立人が希望すれば、申立書に現住所を記載しないという手法について、裁判所は特に綿密な審査等はせずに認める扱いですので、「妻の住所欄に現住所が書かれていない」イコール「裁判所が、妻の言い分をそのまま認めた」ということはありませんので、この点はご安心下さい。

 

(3)2頁目の「申立の趣旨」

 調停申立書の2頁目を開きますと、上から中央あたりまで縦線が一本伸びており、その右側に何箇所かチェックが入っていると思います。このチェック部分に書かれている項目が、奥様が調停の「議題」にしたいと考えている項目になります。合わせて、奥様のご意見もそこに書かれていますので、これを見れば、奥様の要望の概要をつかむことができます。

 

 以下詳しく各項目に対して解説していきます。

①離婚について

奥様は今回の調停で離婚を求めていますので、そのことに対してあなたがどのように返答するかについては慎重に検討する必要があります。

奥様が調停まで申し立てているので「諦めます」とおっしゃる方もいますが、離婚はあなたの人生にとっても1度や2度しかないような重要な事柄ですので、後で後悔しないよう離婚すべきかどうかは慎重に検討する必要があります。

 

なお、あなたが調停の席で一度でも「離婚も仕方ないと思います」と発言してしまうと、離婚することが前提で話がドンドン進んでいってしまいますので、この点の発言は慎重さが求められます。

また、あなたとして離婚に断固反対ということでしたら、調停の場では親権や養育費・財産分与の議論はしないというスタンスになります。親権や養育費・財産分与は、離婚する場合に決定すべき事項なのであって、離婚しない場合には決める必要がない項目になるからです。
お子様のことについて

 

②調停申立書の「申立の趣旨」「(1)」~「(3)」にはお子様のことが書かれています。

   奥様が親権獲得を希望しているのであれば、親権を獲得することを前提として、あなたに養育の支払いを求める内容になっていると思いますので、親権を奥様に渡してよいのか、養育費の金額は、あなたの収入から支払い可能な金額なのかどうか等について検討する必要があります。

   なお、養育費に関しては「相当額」の覧にチェックが入っている場合がありますが、これは、「裁判所の実務で一般的に用いられる算定表の数字で構わない」と言う意味になりますので、あなたの方でもインターネット等にて算定表の数字を確認して、支払い可能な数字なのかを確認してみて下さい。

   ちなみに、奥様側が積極的にお子様とあなたとの面会を希望していない場合には「(2)」の項目に何もチェックが入っていません。そのため、逆にあなたの希望としてお子様に会いたいという希望が強い場合には、調停の場などで強く面会交流を求めていくことになります。

 

③財産分与について

 財産分与とは、夫婦として同居生活を送っている間に蓄えた財産を折半するというものです。

 この点の奥様の要望は「申立の趣旨」の「(4)」に記入されます。ただ、この項目には「相当額」にチェックが入っていることが多いです。「相当額」の意味合いについては、通常「別居時の夫婦の財産を半分にして欲しい」という趣旨で用いられることが多いです。

 財産分与はお互いが財産状況を開示しないと正確な数字を算出できないため、「相当額」と記入することが多いのが実態です。

 

④慰謝料について

   慰謝料とは、夫婦として同居生活を送っている間に精神的苦痛を受けた場合、それを慰謝すべき金額として要求するものです。通常は、あなたが不倫をしたり、奥様に暴力を振るったような場合にのみ発生するものになります。

   この点の奥様の要望は「申立の趣旨」の「(5)」に記入されます。

   この慰謝料額については、500万円だとか1000万円だとかの高額の金額が記入されていることもありますが、奥様側が感情的に金額を記載しているというケースも多くありますので、そのような場合、こちらとしてすぐに金策に走らなければいけないと言うことはありません。

 

⑤年金分割について

   年金分割とは、離婚するまでの婚姻期間中の年金加入記録を折半するというもので、実務的には0.5で折半することが定着しておりますので、「申立書の趣旨」の「(6)」にも「0.5」の覧にチェックが入っていることが通例かと思います。

 

(4)2頁目の「申立の理由」

①上段について

 「申立の理由」の上段には「同居を始めた日」と「別居をした日」の覧があります。これらの日付は財産分与の判断等にあたって重要な日付になりますので、奥様の記入に間違いがないかしっかりと確認して下さい(こちらが離婚に応じないという場合、財産分与の議論に応じる必要はないのですが、こちらが答弁書を作成するにあたっても「同居を始めた日」と「別居をした日」に間違いがないかはいずれにせよ記入が不可欠になりますので、これらの日付が正確かはしっかりと確認しておく必要があります)。

 

②下段について

 ここに「申立ての動機」の動機がチェックされていますが、これらが「奥様が離婚したいと考えている理由」の部分になります。

 普段あまり聞き慣れないものとして「8 精神的に虐待する」という項目がありますが、これは、いわゆるモラハラ行為等を指しており、代表的なものは暴言や物を壊すといった行動になります。

 

 いずれにしましても、このチェック項目だけでは、奥様の不満の概要は分かっても、いつのどのような行動が問題になっているのかといった具体的内容が何も分かりません。なぜこのような簡単な記入に限定しているのかというと、あまり詳しい内容を記載してしまうと、夫婦間の感情的対立が激化する危険性がありますので、簡略な記載に限定しているのです。

 あなたの方としては、調停期日当日には、各項目について詳しい説明を求められることもありますので、心当たりがある項目については、記憶喚起を図っておく必要があります。

 

 

4.まとめ


・調停申立書の1頁目の赤い判子が押されている箇所を見れば、奥様が弁護士を雇ったか雇っていないかが分かる。

・調停申立書2頁目の「申立の趣旨」を見ると、奥様が希望する離婚条件が分かる。

・調停申立書2頁目の「申立の動機」上段の同居開始時期と別居日は重要な日にちなのでしっかりと確認する必要がある。

・調停申立書2頁目の「申立の動機」下段に、奥様が離婚を希望する理由が書かれているが、抽象的なので、詳しい内容は調停期日まで分からない。

 

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【絶対に離婚したくない(3)】現状の立ち位置を知ろうーケース別復縁難易度

2019.05.13更新

弁護士秦

復縁は簡単じゃないかも…


…でも、それは諦める理由にはならない!


 こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。

※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※

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1.ケース別復縁難易度って?


 

 私は、離婚回避・夫婦関係修復のご相談を受けることも多いのですが、ご相談を受けた時点で、どこまで状況が悪化しているのか、一定のケース分けができることに気付きました。

 もちろん、以下は、ケースごとの難易度を目安としてお示しするものであって、「このケースであれば夫婦関係修復確実」などと保障するものではありませんので、この点はご留意の上ご覧いただければと思います。

 

 

2.ケース分け


 

 あなたが起こっている事態に応じて、離婚に向けての深刻度を類型化することができますので、具体的には以下のようにケース分けして解説していきます。

 

①相手(妻又は夫)から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)

②相手から離婚の提案があった(まだ別居はしていない)

③相手から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中

④相手から別居の提案があって、話し合いが決裂、相手が突如別居を開始した

⑤相手から何の提案もなく突如別居を開始した

⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けていない)

⑦相手(別居中)の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた

⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けている)

 

 なお、これら①から⑧は相手が順を追ってこのような手続きを踏むというわけではなく、いきなり⑤と⑧から手続が進むと言うこともあります。そのため、現在あなたが置かれている状況が①から⑧のどの状況なのかを確認して、該当の解説をご覧下さい。

 

 

3.【ケース①または②】相手から、別居または離婚の提案があった


 

 上記のケース分けで①または②に該当するケースです。実際に相手が別居を開始していない段階ですので、上記のケース分けの中では深刻度が一番低い類型になります。

 上記の③から⑧にまで発展していない段階ですので、あなたが対応を誤らなければ十分夫婦関係の修復も期待できる段階と言えます。

 

 ただ、この段階でも、真剣に相手が離婚を切り出してきている場合や、両親等も交えた話し合いを提案してきているような場合には、あなたも空いての声に真剣に耳を傾けないと、別居を実行されてしまうリスクもありますので、その意味では慎重な対応が必要になります。

 また、ここでのあなたの対応が相手を更に傷つけてしまいますと、別居や離婚を決断させる引き金になってしまう可能性もありますので、その点に注意する必要があります。

 

 なお、相手から別居の提案が出されただけというケース(①のケース)と、更に踏み込んで離婚の提案までなされたケース(②のケース)とでは、②の方が多少深刻度が高いということになります。

 また、相手からこのような提案がなされるのが今回が初めてではない、という場合には、深刻度は増しますので、この点にも注意が必要です。

 

 

4.【ケース③】相手から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中


 

 何か別居の引き金になるような出来事が起こって、お互いに冷却期間を置いた方が良いということで、あなたも承諾して別居を開始したというケースです。

 例えば、あなたがついカッとなって奥様に手を出したところ、当たり所が悪くて怪我をしてしまったというときに、お互いに話し合いをして、一時的に奥様が実家で暮らすことにしたというようなケースとか、旦那様があまりに仕事が忙しく、そのストレスで家庭内でもイライラすることが多いので、話し合って、一旦、旦那様だけ社員寮で暮らすことにしたといったケースがこれに当たります。

 いわゆる「ほとぼりが冷めるまで別居する」という内容ですので、あなたが対応を誤らなければ夫婦関係修復も期待できる段階と言えます。

 

 このようなケースでは先ほども解説しましたとおり、別居の引き金になるような出来事が起きていることが多いので、あなた自身もそのような出来事を振り返り、そのこととしっかりと向き合って対応する必要があります。

 ちなみに、相手のことを疑い始めてしまいますとキリがないのですが、残念ながら、冷却期間のための別居だと言いつつ、実際には、そのまま戻ってこないというケースもあります。そのような場合には、相手が別居したいということは伝わってくるものの、別居したい理由があいまいだというケースが多いので、そのような場合には、「別居前にじっくりと話し合おう」ということで、あまり別居に応じない方が望ましいと言えます。

 

 

5.【ケース④】相手から別居の提案があって、話し合いが決裂、相手が突如別居を開始した


 

 このケースは、相手から別居の提案があったという点ではケース③と同じですが、話し合いが上手く行かず、相手が別居を独断で実行したケースになります。

 このような相手の行動心理としては、「話をしていても埒があかないので、最終的には承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース①から③よりも慎重な対応が必要になります。

 

 このようなケースでは、あなたが直接相手と話をすることが相手を刺激する危険性もありますので、相手のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。

 もちろん、別居後も相手から連絡があり、あなたからの連絡に対して相手からの返答もあるようでしたら、相手との直接の話し合いを模索してみても良いかもしれません。それが逆効果になりそうな場合や、相手との直接の話し合いを模索してみたけれども、なかなか難しいという段階で他の方を間に入れることを検討してみて下さい。

 

 

6.【ケース⑤】相手が何の提案もなく突如別居を開始した


 

 このケースは、相手が突如別居を始めたという点はケース④と同じですが、相手が事前に別居の提案をしてこなかったケースになります。

 このような相手の行動心理としては、「直接話をしていても埒があかないので、承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース④よりも慎重な対応が必要になることが多いと思います。

 

 ただ、ケース④よりも深刻度が高いかというと、事前に話し合いをするかは、相手の性格やこれまでのご夫婦での話し合いや夫婦関係等による影響もありますので、あまり深刻度はケース④と変わらないというケースもあります。

 このケースでも、あなたが直接相手と話をすることが相手を刺激する危険性もありますので、相手のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。

 

 なお、あなたとしては、相手が何の相談もなく勝手に出ていったことに対する怒りの感情を持つかもしれませんが、そのような怒りの感情に支配されて行動してしまいますと、夫婦関係修復の道は遠のいてしまうと思いますので、冷静な対応が必要かと思われます。

 

 

7.【ケース⑥】家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けていない)


 

 このケースは、あなたが普段通りに生活していたところ、突如離婚調停の通知が郵便で届いてしまったというケースになります。

 このケースは更に、①相手が別居した上で、暫くしてから裁判所の書類が届いたケースと、②相手が同居しながら(家庭内別居のまま)裁判所の書類が届くケースに分けることができます。このケース⑥-①の方が、⑥―②よりも深刻度が高いことの方が多いのですが、相手としては色々な事情があってケース⑥-②を選ばざるを得なかったということもあります。例えば、別居資金が不足しているとか、お子様の学区を変更しない場所で別居先を見付けることができなかった、この自宅に住み続けたいとの要望が強いといった事情が考えられます。そのような事情がある場合には、ケース⑥-①もケース⑥-②も深刻度はあまり変わらないと思います。

 

 このケースでは相手が弁護士を立てていないものの、裁判所での話し合いを希望している段階ですので、離婚意思が強いケースが多いと思います。

 この段階にまで発展してしまっていますと夫婦関係修復の難易度はかなり高いと思いますので、夫婦関係修復を希望するのであれば、誠意をもって調停に臨むことをオススメします。

 

 

8.【ケース⑦または⑧】相手が弁護士を付けた


 

 相手が弁護士を付けて離婚を要求してきたケースです。弁護士が手紙を送ってくるケース(ケース⑦)と、弁護士の判子が押された調停書類が裁判所から届くケース(ケース⑧)とがあります。

 ケース⑦とケース⑧どちらの深刻度が高いのかという点ですが、一般的にはケース⑧の方が深刻度が高いのですが、事件の方針として交渉から着手するか調停から着手するかは弁護士の普段の事件処理方法によるところも大きいので、必ずしも深刻度に差があるとは限りません(より分かりやすく言いますと、弁護士によっては「離婚事件は常に離婚調停の申立からスタートする」という事件処理をしている弁護士もいるということです)。

 

 このケース⑦または⑧になりますと、相手は弁護士にお金を払ってでも離婚したいという決意を持っているわけですから、離婚の覚悟は相当固いと考えた方が良いと思います。

 また、この段階にまで発展してしまっていますと、奥様が専門家である弁護士を付けているので、あなたとしてもミスが起きないよう弁護士を立てることを考えた方が良いと思います。

 

 

9.まとめ


・夫婦関係の悪化の状況に応じて復縁難易度には差が生じる。

・一般的には以下の数字が大きくなるほど復縁難易度は上がる傾向がある。

①相手から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)

②相手から離婚の提案があった(まだ別居はしていない)

③相手から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中

④相手から別居の提案があって、話し合いが決裂、相手が突如別居を開始した

⑤相手から何の提案もなく突如別居を開始した

⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けていない)

⑦相手(別居中)の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた

⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けている)

・上記の①から⑧はあくまで目安なので、ご家庭の状況によっては復縁難易度に差が生じ得る。

 

 

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>【弁護士秦の夫婦関係修復事例4◆妻側の事例◆】妻側から離婚するか悩んだ結果、最終的に円満合意をしたケース

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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2019.05.07更新

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【絶対に離婚したくない(8)】相手が弁護士を立てると、本人と直接話もできないのか?

2019.04.22更新

弁護士秦

「こんなやり方あんまりだ!」


ただ、だからこそ相手に揚げ足をとられない行動が大事です!


こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。

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1.突如相手が弁護士を立てたという連絡


 

 相手配偶者が自宅を出て行って暫くしたところで、その弁護士を名乗る人物から手紙が届くということが実際に起こります。あなたにも、急にこのような手紙が届けば当然驚くことかと思います。

 

 ただ、相手が付けた弁護士は、別にあなたを驚かせようとしてやっているわけではなく、弁護士が間に入ったという挨拶も含めて書面を送っているということになります。もちろん、あなたが受け取った文面には挨拶どころか、相手が同居期間中どれだけ苦労してきたのか、といった話が記述されており、納得いかないと思われる部分もあるかと思います。ただ、弁護士が何か行動を起こす場合、急にあなたに電話連絡をしても、最近は振り込め詐欺等が横行している時代ですので、あらぬ誤解を招く危険性があります。そのため、まずは書面にて通知するという形が一般的に取られているのです。

 

 そして、このような弁護士からの書面には通常「今後は当職が窓口になったので、奥様への直接のご連絡はお控え下さい」といった文章が含まれることが多いです。

 

 

2.相手と直接会って話をすることは不可能なのか?


 

 たまに、私のところにご相談に来られる方の中には「『直接会うな』なんてけしからん。そんなことを向こうが決める権限はないから、私は本人に直接連絡を取り続けます」とおっしゃる方もいます。

 それでは、相手弁護士の言うことを聞かずに、相手に連絡を取り続けた場合、どのようなデメリット等があるのでしょうか。

 

(1)【デメリット1】相手を頑なにしてしまうリスク

 弁護士は、相手本人に対して、「もし電話がかかってきても電話に出ないで下さい」とアドバイスしていることが多いです。

 それにも関わらず、あなたが相手へと電話やメールを送り続けてしまいますと、相手からしてみると「直接話をしたくないという私の気持ちを考慮していない」とか「弁護士を立てているのに直接連絡してくるなんて信じられない」と思われるリスクがあります。

 そうしますと、相手はより気持ちが頑なになってしまい離婚の決意を固めてしまうリスクがあります。

 

(2)【デメリット2】相手に有利な証拠として利用されてしまうリスク

 また、あまり頻繁に電話等をかけてしまうと、相手の弁護士から「ストーカーまがいの行動はやめて欲しい」といった文書が届くケースもあります。

 このような場合、相手の弁護士は、あなたからの着信数やメール、LINEメッセージの内容等を入手して、必要に応じて、あなたに不利な証拠として提出してくることがあります。

 要するに、同居しているときから執着心や嫉妬心が強かった、そのため、弁護士を立てたのに頻繁に直接連絡を取ってきており、異常であると言ってくる可能性があるのです。

 そうなってしまいますと、あなたからの頻繁な電話等の着信履歴は、相手の主張の裏付けとなってしまうのです。

 

(3)【デメリット3】相手本人から「怖い」と主張してくる発端になるリスク

 あまりあなたの方から頻繁に相手本人に対して電話連絡等をしてしまいますと、「ストーカーのようだ」という言い分が出されるリスクが出てきます。

 それとともに、電話連絡だけではなく、こちらの居場所を探ろうとしているのではないか等々恐怖を覚えているという言い分を生み出す危険性があります。

 

(4)【デメリット4】ストーカー規制法で対応されるリスク

 ストーカー規制法は、夫婦間でも適用されます。また、離婚に関連するトラブルが増加傾向であることは警察も認知していますので、ストーカー規制法違反の相談があった場合には、厳正に対処する傾向が強まっています。

 そのため、あまり相手本人への連絡頻度が高かったりすると、警察からストーカー規制法違反での警告を受けてしまうということもありますので、注意が必要です。

 

(5)以上のようなデメリットがありますので、相手に弁護士が立っているのに、本人に直接連絡を取ることは避けた方が良いと思います。

 

 

3.それでは、相手の弁護士に要求することは?


 

 次に考えられるのは、相手の弁護士に対して「しっかりと本人と向き合って話ができていないので、直接会って話をする機会をセッティングして欲しい。弁護士さん立会でも構わないので、お願いしたい」という要望を伝える方法です。

 残念ながら、相手の弁護士に対して、相手本人と一対一で話をしたいと伝えても、断られる可能性が非常に高いです。

 そのため、「弁護士さん立会でも構わない」ということを伝えた方が良いと思います。

 それでも、断られてしまうリスクは高いのですが、 何も伝えないよりは、あなたが直接話したいと考えていることは相手に伝わりますので、このようなアプローチはした方が良いと思います。

 

 

4.こちらも弁護士を立てれば、相手と直接会いやすくなるか?


 

 それでは、あなた自身も弁護士を立てれば、相手と直接会って話をする道筋は付けやすくなるのでしょうか。

 この点は、正直に言いますと「あまり確率は上がらないと思います」という返答になります。

 

 もちろん、私も弁護士なので、相手の弁護士に対しては直接相手本人と会って話をしたい旨伝えますが、無理強いさせることは難しいというのが現状です。

 そのため弁護士を立てたから、相手本人と直接会う確率が上がるということにはなりません。

 

 

5.どうして弁護士は会わせたくないのか?


 

 前述のように、相手が弁護士を立てると、その後、相手本人と直接会って話をすることは、かなり難易度が高いというのが事実です。

 ただ、あなたとしては、「急に出て行かれて、これでは気持ちの整理が全くできない」とか「夫婦なのに、一言も離婚や別居の相談もなくて、こんなのはおかしくないですか」「これだけ会いたくないって、何か向こうに後ろ暗いこと(実は浮気しているとか)があるんじゃないか?」などと色々と考えてしまうかと思います。

 そもそも、どうして相手の弁護士は、本人と会わせないようにするのでしょうか。

(1)【理由1】直接やり取りするなら弁護士がいる意味がない

 離婚のケースでは、夫婦間で直接やり取りをしたくないので、弁護士に間に入ってもらうというケースがかなり多いです。

 それなのに、簡単に直接のやり取りを認めてしまいますと、依頼者としては「これでは弁護士を頼む意味がないじゃないか」と感じてしまうと思います。

(2)【理由2】直接やり取りすると混乱する危険性がある

 直接のやり取りを認めてしまいますと、本人の言っていることと弁護士が言っていることとが、違ったニュアンス等で伝わってしまうこともあります。

 そうしますと、本人はこう言っているのに、弁護士は違うことを言っている、というように話し合いが混乱してしまうリスクがあります。

(3)【理由3】弁護士としてはトラブルを避けたい

 一対一で会う席を設けると、その際に暴力沙汰になるなど、依頼者の身に危険が及ぶリスク等が生じるケースもあります。

 いずれにせよ、トラブルが生じる危険性を冒す理由がない、ということで「会わせない」というスタンスの弁護士が多いのも事実です。

 

 

6.まとめ


・相手が弁護士を立てているのに、本人に直接連絡を取ることには以下のようなデメリットがある。

 ①相手を頑なにしてしまうリスク

 ②相手に有利な証拠として利用されてしまうリスク

 ③相手から「怖い」と言われる発端になるリスク

 ④執拗な連絡を取ってしまうと、ストーカー規制法違反で警告を受けるリスク等がある。

・そのため、相手の代理人弁護士宛てに連絡を取って、直接会うことを要望した方が良い。

・相手の弁護士も一定の理由があって断っているケースが多い。

 

 

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【弁護士が解説】突如妻から離婚要求―黒幕は、妻が雇った弁護士か?

2019.04.15更新

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こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>妻からの理不尽な離婚要求に対する旦那側の総合サイトはこちら<になります。

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1.私のところに相談に来られる旦那様からのご発言の中にも…


 

 私のところにご相談に来られる旦那様は、皆様お考えは異なるものですし、言い分や事情等も異なる部分が多くあります。

 ただ、ご相談を聞いておりますと、旦那様側から「心優しい妻がこんな事を言ってくるとは思えない。妻が付けた弁護士がいけないんだ」とか「妻が付けた弁護士が全てをぶち壊した」という意見や、更には「妻の弁護士は金目当てで離婚を唆しているので許せない」というお話しが出ることもあります。

 

 それでは、妻側の弁護士が黒幕と言うことはあり得るのでしょうか。

 私も、奥様側から離婚の弁護をすることもございますので、そのような経験も踏まえて解説していきます。

 

 

2.「弁護士は敷居が高い」ことから分かること


 

 私の弁護士経験は13年以上(平成31年4月時点)ですが、弁護士をしておりますと、一般の方々は「弁護士は敷居が高い」と考えている様に感じる場面が多くあります。

 例えば、私の友人がリフォームでトラブルを抱えた際にも、その友人は私に相談せず、自分で問題解決の努力をしていました。私が聞いたのはトラブルが解決した後のことでした。

 

 また、初めてご相談にいらっしゃるお客様でも、「こんな事でお手を煩わせてしまって申し訳ないのですが…」という形で恐縮されている方も多くいらっしゃいます。

 弁護士費用は安い金額ではありませんし、ビジネスでのお付き合いなら別として、あなた自身のプライベートで弁護士に相談する場面というのは、人生で1回や2回ということも多いでしょうから、まだまだ「弁護士は敷居が高い」と考えている方は多いのではないでしょうか。

 

 どうしてこのようなお話しをさせて頂くのかと言いますのは、弁護士に相談する奥様の側の心境も「弁護士は敷居が高い」と思いつつ、その弁護士に頼らざるを得ないと考えて相談している可能性が高いということです。

 このような高い敷居を乗り越えて相談をしているので、奥様も覚悟を決めて相談しているのではないか、という話です。

 

 私が、女性側から相談を受ける際、離婚するか悩んでいるという方も多くいますが、最初から弁護士に頼むつもりで相談に来られている方は、かなり離婚の覚悟を強く決めて相談に来ている方が多い印象を受けます。

 

 

3.女性が相談する場所は無数にあるということ


 

 奥様が訴える事情の内容にもよりますが、今は「旦那のモラハラで苦しんでいます」と言えば相談する場所はいくつもあります。

 インターネット上の相談サイトだけでも沢山ありますし、女性相談センターや子育て支援センター等電話や対面で親身に相談に乗ってくれる機関もあります。

 

 本当に悩んでいる奥様はこのような色々な相談窓口に相談をし、最終的に行き着くところが弁護士のところになります。なぜなら、弁護士は法律手続きを踏むという決断をしたときにどうしても頼らざるを得ない場所だからです。

 

 そのため、あなたにとっては、「突如妻の弁護士から手紙が来た」とか「突如家内の弁護士が調停を申し立ててきた」と感じるかもしれませんが、奥様はそれより何ヶ月も前から色々な場所に相談しているというケースもあるのです。

 

 

4.弁護士がけしかけると言うよりも、復縁のリスク面を話すことはある


 

 私が女性側から相談を受ける際には、上述の通り離婚の相当な覚悟を決めて相談を受けることが多いように感じます。

 そのため、弁護士が奥様に対して「離婚を唆す」とか「弁護士が黒幕である」というケースはほとんどないのではないかと思います。

 

 ただ、奥様から「やっぱりヨリを戻すのはどうでしょうか?」と質問されたときには、これまで一緒に生活してきた中で離婚を決断したような出来事が今後起きないかしっかりと見極めた方が良い旨アドバイスすることはあると思います。この時にも、奥様が当初から話をしていた離婚原因というものが、ありふれた夫婦の間で一般的に起こるような話であれば、私も、ヨリを戻すことも検討してみて下さいと話をしますが、そうでなければ、上記のようなアドバイスをすることが多いように思います。

 

 また、私が奥様から相談を最初に受けた時点で、奥様が悩んでいる様子がある場合、私はそのような事件は担当せず、奥様に対して「まだ悩んでいるようでしたら時間をかけて結論を出した方が良いですし、旦那さんともあなたの口から話をした方が良いと思いますよ」というアドバイスをすることが多いです。そのため、私の場合は、そのような事件は最初から担当しないことの方が多いと思います。

 

 

5.まとめ


・弁護士は敷居が高いと思われている方が多い。

・女性側の相談場所は無数にある。

・そんな中で弁護士に頼んでいると言うことは相当離婚の決意を固めている可能性が高い。

・弁護士がけしかけると言うよりも、復縁のリスク面を話すことはある

 

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性格の不一致だけでは離婚理由にならない?の実際

2019.04.01更新

 

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1.性格の不一致は離婚理由になるか?


 

 「離婚理由」という場合、大きく分けて二つの意味があります。一つめは、相手に離婚を切り出す理由になるかという意味、二つめは、裁判で勝てるだけの理由になるかという意味です。 

 

 まず、一つめの離婚理由という意味で言いますと、あなた自身性格の不一致で夫との今後の生活に限界を感じているという場合、『性格の不一致』は立派な離婚理由になります。ただし、実際に相手に離婚を切り出すとなると、具体的にどのような夫の言動や動作から今後一緒にやっていけないと感じたのかをしっかりと整理して旦那に話す必要が出てくると思います。

 

  次に、「裁判で勝訴できるだけの理由」という意味での離婚理由になるかというと再度詳しく検討していく必要があります。

 と言いますのは、離婚裁判ですと、裁判所が強制的に離婚を命じることができるのですが、本来離婚するかどうかは当人同士の意思に委ねるべき話ですから、「裁判で勝てるだけの離婚理由」というのは法律で厳格に制限されているのです。そのため、本当に性格の不一致以外に一切離婚理由が存在しないという場合、「裁判で勝てるだけの理由とは言えない」と言われてしまうリスクが非常に高くなってしまいます。 

 

 

2.別に裁判をしたいわけではないんだけれど…


 

 私の経験上離婚のケースで大半は裁判にまで行かずに調停または協議で解決しています。

 そのため、あまり裁判ということで身構えて考えて頂く必要性は少ないと思います。

  しかし、少数ですが相手の反発が大きく裁判を避けられないと言うこともありますので、事前に裁判になることを考えながら準備を進めていけると安心です。

 

 

3.そもそもそれってモラハラでは?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージを持たれる方も多いと思います。しかし、あなた自身がモラハラの意味をしっかりと理解していませんと、あなたの本当の離婚理由を見極めることはできませんし、夫からも軽く見られてしまう可能性があります。本当はモラハラなのに、モラハラの意味がよく分からないがために離婚できないということは絶対に避けなければいけません。 

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。

 

 これだけではなかなかピンと来ないと思いますので、ある程度類型化して整理しますと、以下のようにまとめられると思います。

 

①直接こちらに暴言を吐く(「お前なんかと結婚したのは失敗だった」、「バカが移るから近付かないでくれ」等々)

②こちらに危害を加えるような発言をする(「一度殴られないと直らないのか?」、「むしゃくしゃしてお前を殺してしまいそうだ」等々)

③家事や育児の些細な問題を執拗に責め立てる(「棚に埃が付いてたけど、ちゃんと掃除しているのか?」「いつも言っているけどお前の料理は味が濃すぎて食べれない」「小学校の教科書を忘れて行かせるなんて母親失格だ」等々)

④こちらの容姿を侮辱する(「まるでオランウータンみたいな顔してるよな」「足が太くてドラム缶かと思った」等々)

⑤金銭感覚が自分に甘く、こちらに対しては厳しい(しょっちゅう飲み会に出かけているのに、こちらがランチに行くというと不機嫌な態度を取る等々)

⑥こちらの意見を聞き入れない、自分の考えが正しいと固執する(「お前みたいな考え方する奴今まで見たことがない」「お前の常識、世間の非常識」といった発言等々)

⑦自分の労働や給料を誇示してくる(「誰の給料で飯が食えてると思っているんだ」「俺の仕事は特別なんだからな、そのことに毎日感謝しろよ」等々)

⑧機嫌が悪いと物に当たり散らす。大きな物音を立てる(席を立つ際に椅子を乱暴にテーブルにぶつける、大きな音を立ててドアを閉める等)

⑨唐突に怒り始めるため、その理由が分からない、理由を話してくれないので、いつも旦那の動向を気にしながら緊張感を持って生活しなければならない。

⑩相手の生活態度等を注意すると逆ギレする、聞き入れてくれない(トイレのドアをいつも開けっ放しで出てくるため、注意すると「その方が喚起になって良いんだ」と強弁する等)

⑪友人や親戚の前でこちらの悪口を言う。

⑫子供の前でこちらの悪口を言う(通常はこちらにも聞こえるように言ってくる)

⑬一定期間意図的にこちらを無視してくる。

⑭こちらの行動を制限してくる(門限を23時と決めて、それ以降の帰宅を認めない、生活が苦しいのにパート勤務に出ることを許してくれない、毎日の食事の献立を事細かに指定してくる等々)

⑮気に入らないことがあると舌打ちやため息をついてくる。

⑯家庭の重要事項の決定(住居の購入、引越先の選定、自動車等の大きな買い物、子どもの進学や習い事等)をこちらに任せつつ、後から文句を言う

⑰性交渉の際の要望や要求が多い、性欲が旺盛であり対応に苦慮する。

⑱身内や友人を侮辱する(「お前の親は貧乏人だから価値観が合わない」「お前の友人は知識レベル低いよな」等々)

⑲異常なまでに話を誇張してくる、大げさに言う(風邪を引いただけなのに「俺はもう長くないかもしれないから、娘のことをよろしく頼む」と言ってくるとか、すれ違いで通行人の肩がぶつかっただけなのに「今殺されそうになった。この道は危ないから今後二度と通らない方が良い」と発言する等)

  夫との日常生活の中で、上記のようなモラハラ行為のいくつかを実際に体験しているのではないでしょうか。そうしますと、あなたの離婚理由は「性格の不一致」ではなく「モラハラ被害」になる可能性があります。

 

 

4.モラハラ内容の整理


  上記のようなモラハラの項目に当てはまる場合、夫婦生活の中で具体的にどのようなエピソードがあったのかをしっかりと思い出す必要があります。

具体的には5W1Hの要領で「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「何故」「どのように」したのかを思い出すようにして下さい。特にモラハラ夫から心ない言葉を浴びせられたという場合、具体的なセリフまで思い出すのが望ましいです。

 このようにして思い出す作業を通じて、あなたとしても離婚の意思を固めることができると思いますし、夫側にも詳しい話をしやすくなると思います。

 

 

5.いざ離婚という場合どのように手続を進める必要があるか


 

 通常、離婚は直接あなたの口から夫側にしっかりと伝える必要があります。そして夫婦でしっかりと話ができるようでしたら離婚に向けた話し合いをしてみて下さい。

 当人同士での話し合いが難しい場合、身内や友人等間に入ってくれる人間を探して、話し合いをすることも検討してみると良いでしょう。

 その様な身内等を入れての話し合いも難しいという場合には、家庭裁判所への調停も検討対象になります。調停は裁判所で行われる手続になりますから、不安があるようでしたら弁護士に依頼することもいよいよ考えなければなりません。 

 

 

6.まとめ


・性格の不一致も、そのことであなたが夫とやっていけないと考えるのであれば、離婚を切り出すに当たっては十分な理由になる。

・ただし、相手が激しく抵抗してきて離婚裁判も視野に入れなければならない場合、離婚裁判に耐えられるかの検討が必要な場合もある。

・性格の不一致のつもりでも、実際にはモラハラというケースも多いので、その様な観点から検討する必要がある。

・モラハラの項目に当てはまる場合、その具体的エピソードを5W1Hの要領で思い出していくと良い。

 

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突如裁判所から離婚調停の書類が届いてしまったー調停に出席する必要があるのか?

2019.03.25更新

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1.全て相手のペースで話が進んでいることに納得いかない。


 

 突如奥様が別居を開始し、暫くしたら、一方的に裁判所から離婚調停の書類が届いた。

 夫婦でしっかりと離婚の話すらできていないのに、急に調停と言われても到底納得できないという方もいらっしゃると思います。

 全て相手の一方的な要望で話が進んでいますので、あなたがその様に考えるのも当然のことだと思います。

 

 

2.そもそも、こちらは離婚する気がないのだから調停に出席する必要があるのか?


 

 こちらとしては唐突なことであり、一切離婚に応じる気持ちがないという場合、「相手の土俵に乗ってやる必要はない」と考えることも自然なことだと思います。

 それでは、離婚調停を全て欠席する(ボイコットする)という方法もあり得るのでしょうか。

 

 

3.まずチェックすべきなのは、相手が弁護士を就けているかどうか


 裁判所から届いた書類の中には、夫婦関係調整調停申立書という書類が入っています。そこに判子が押されていると思いますが、奥様の判子なのか、弁護士の判子なのかを確認して下さい。

 弁護士の判子が押されている場合、既に奥様は弁護士を雇っていると言うことになります。

 

 逆に、奥様の判子が押されている場合、とりあえずまだ弁護士は雇われていないと思われます。但し、調停だけは奥様の方で申立をして、第1回調停期日の前までに弁護士を雇うというケースも少なからずありますので、この点は留意する必要があります。

 

 仮に、奥様がまだ弁護士を雇っていないという場合、あなたとしては奥様と調停外で話をできるチャンスもありますので、調停の外で話ができないのかと言うことを模索しても良いと思います。逆に、奥様が弁護士を雇っている場合、弁護士は奥様に対して「旦那と直接話をしないように」と指示していますので、奥様側と直接話をすることは困難なことが多いです。

 なお、奥様側にコンタクトする場合、奥様に直接電話やLINE、メールをするといった方法はあまりオススメできません。奥様ご本人で調停を起こしている訳ですから、本人同士での話し合いを希望していない可能性が高いからです。そのため、奥様のご両親や兄弟姉妹、親戚等の身内か、友人等に間に入ってもらって、橋渡しをしてもらった方が望ましいです。

 

 

4.調停に欠席することのデメリットとメリット


 

 相手が弁護士を立てているとか、弁護士を立てていないけれども奥様側が取り付く縞がないという場合、調停外での話し合いは結局実現しないと言うことになります。

 そうすると、いよいよあなたとして調停に出席した方が良いのかという問題に直面します。

 

 ここでは、調停に欠席した場合のデメリットとメリットについて解説します。

(1)【デメリット1】調停に代わる審判

 調停に欠席する最大のメリットとも言えるのですが、勝手に裁判所が離婚の審判を下してしまうというケースです。ケースとしては一般的には稀ですが、いくつかの事情が揃いますと、裁判所が審判をしてしまうリスクがあります。

 

①【条件1】これまでにあなたが明確に離婚及び親権者について合意した事実があること

  例えば、一旦はあなたの方で離婚届にサインし、親権者を奥様とすることにもチェックを入れてしまったという場合で、奥様がその離婚届を持っているという場合などです。

  夫婦喧嘩の際にあなたが「もう離婚だ」と口走った程度では、この「条件1」は満たさないことが多いです。

 

②【条件2】あなたが調停の席に出席する可能性が非常に低いこと

  あなたの方から裁判所に「絶対に調停には行かない」と電話連絡を入れるとか、逆に、一切裁判所に連絡もせずに調停期日に欠席するといった場合に「条件2」を満たします。

 

 このような審判が下されてしまいますと、あなたの方で異議期間内に異議を述べないと離婚が成立してしまいますので最大限の注意が必要です。

 

(2)【デメリット2】誤ったメッセージを送ってしまうリスク

 これは奥様が調停を申し立てた意図にも寄りますが、調停委員という中立な第三者を入れて話をしたいというだけの場合、あなたが欠席し続けますと、あなたの方が「話し合いを一切拒否するつもりだ」という誤ったメッセージになってしまうリスクがあります。

 このようなメッセージと奥様が考えてしまいますと、奥様との話し合いの道は実質的に閉ざされてしまいかねません。

 

(3)【デメリット3】離婚裁判を早めるリスク

 上記のような調停に代わる審判は、通常は、裁判所も慎重に対応することが多いため、あなたが調停に欠席し続けた場合、調停は不成立になる可能性が高いです。

 その場合に奥様があなたに直接コンタクトを取り始めればよいのですが、離婚裁判に突き進んでしまう可能性があります。

 離婚裁判は、残念ながらこれまでの夫婦生活での出来事に関する誹謗中傷合戦のような色彩がありますので、極力離婚裁判にならない方が、今後の夫婦関係のためには望ましいと思います。

 

(4)【デメリット4】結局相手の気持ちが分からずじまいになるリスク

 相手が記載した調停申立書には離婚したい理由として簡単な内容しか書かれないため、実際何時のどのような出来事を気にしているのかと言った事情が何も分からないと言うことも多くあります。

 調停に出席すれば詳しい事情を聴くこともできるのですが、欠席してしまいますと、その事情すら聴くことができません。

 

(5)【メリット?】相手の一方的なやり方に抗議できる?

 あなたとしては、事前に裁判所に調停に欠席すること、欠席する理由をキチンと伝えておくことで、相手が一方的に手続を進めていくことに対して抗議することは可能です。

 ただ、それならば、しっかりと調停の席であなたの気持ちを調停委員に伝えた方がより効果的とも思えます。

 弁護士の立場から申し上げますと、調停に欠席することについて明確なメリットはないように思えます。

 

 

5.仕事の都合でどうしても1回目の調停期日には行けない


 

 調停期日は奥様と裁判所の都合で設定されるため、あなたの仕事の都合等で出席できないというケースもあります。

 その様な場合には、なるべく早めに裁判所に連絡をして、1回目の調停に出られないことを伝えて下さい。あなたの仕事の都合で出席できない場合、そのことで裁判所から責められると言うことは全くありませんので、その点の不安は持たずに連絡してみて下さい。

 

合わせて、答弁書等についても極力事前に裁判所に提出するようにして下さい。

 なお、奥様が既に弁護士を就けているような場合には、こちらも弁護士を就けて対応した方が望ましいので、早めに弁護士に相談して答弁書の書き方等を相談した方が良いでしょう。

 

 

6.まとめ


・まだ相手が弁護士を就けていない場合、調停外の話し合いを目指すという方法もなくはない。

・相手からの一方的な調停に納得いかないという心情は理解できるが、調停に欠席し続けると様々なデメリットがある。

・【デメリット1】条件が揃うと裁判所が調停に代わる審判を出してしまうリスクがある。

・【デメリット2】あなたの方から話し合い拒否という誤ったメッセージを送ってしまうリスクがある。

・【デメリット3】離婚裁判への手続きを早めてしまうリスクがある。

・【デメリット4】相手の気持ちが分からずじまいになるリスクがある

・1回目の調停に欠席することは問題ないので早めに裁判所に連絡した方が良い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

東京家庭裁判所入り口・女性刺殺事件の報を受けて

2019.03.20更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

本日、東京家庭裁判所入り口付近にて女性が刺殺されるという痛ましい事件が発生してしまいました。被害女性の方及びご遺族の方々には心よりご冥福をお祈りいたします。

 

1.現場に居合わせた身として、離婚事件の専門家としてどの様に思うか


 

 実は、私は本日東京家庭裁判所に事件の関係で向かっておりまして、偶然事件現場に遭遇しております。被害女性のご遺族の方々のご心境等を考えますと、私の方からは、当時の様子等についてこの場でお話しすることはできないのですが、現場に居合わせた身としまして、今回の様な事件が発生したことについては遺憾という他申し上げられないという気持ちです(なお、私は、今回の事件の加害男性や被害男性の代理人弁護士ではございませんし、その他の直接の事件関係者でもございません)。

 私は、モラハラ・DVを含めた離婚事件に力を入れております関係で、今回の事件について若干のコメントをさせて頂こうかと思います。

 

(1)私としては3重にショック

 1)やはり、今回被害者の方がお亡くなりになった、尊い命が失われたと言うことについて非常に大きなショックを受けております。

 2)次にショックを受けたのは、裁判所という公的な場で今回の様な凶行が行われたと言うことです。軽度のモラハラ加害者であれば、裁判所では恐縮するという人物も多いのですが、今後は「裁判所であっても何が起こるか分からない」という気持ちをさらに強めつつ事件処理にあたっていく必要があると感じております。

 3)最後にショックなのは、調停中ということです。調停は裁判所を間に入れた話し合いであって、いわゆる「裁判」とは異なります。調停中どの様なやりとりがあってこのような惨事が起きてしまったのか分かりませんが、このような話し合いの最中に事件が起きたことにはショックを禁じ得ません。

 

(2)東京家庭裁判所の保安検査について

 東京家庭裁判所正面にはセキュリティがひかれておりまして、いわゆる空港の入場時検査の様な手荷物検査、ゲート型金属探知器等があります。そのため、私が普段東京家庭裁判所を利用する際には、「裁判所建物内では凶器や危険物の処理が非常に難しい状況にある」という認識ではおりました。

 今回の事件は、このような検査手前の場所(「東京家庭裁判所建物内ではあるけれども保安検査のゲートの直前の場所」という意味です)が事件現場になっておりますので、上記の保安検査の不備等ではないのかと思います。

 

 今回のトラブル発生時に警備員の方々が適切に対応できていたのか等については、今後の報道等にて、事後的に検証されていく問題かと思います。

 

(3)特にDV離婚のケースでは常に調停時にトラブルが発生しないか神経を遣っている

 私はDV離婚のケースも取り扱いますので、被害女性の方と一緒に調停に臨む場面もあります。その場合に一番神経を遣いますのは、①家庭裁判所への出入りの際に加害男性から暴力その他の攻撃を受けないかという点と②家庭裁判所から出た後加害男性から尾行されないかという点になります。

 今回の様な事件が起きる前から、上記①②のトラブルが発生しない様、裁判所にも配慮を求め、裁判所にも対応してもらってきたのですが、今回の事件を受けて、他に対応できる点がないか慎重に考えていく必要があろうかと思っております。 

 

 

2.そもそも弁護士を立てているのに本人が裁判所に足を運ぶ必要があるのか?


 

 

 今回の東京家庭裁判所の刺殺事件において、加害者や被害者が弁護士を立てていたのかは分かりかねるのですが、私が対応している事件では基本的にご本人にも家庭裁判所にご足労願っております。それは以下の様な理由によるものです。

①これまでの夫婦関係の詳しい事情はご本人にしか分からないため、弁護士だけでは調停委員との受け答えに限界がある。

②これまでの夫婦関係の詳しい事情はご本人の口から話をしてもらった方が調停委員への印象力が大きい。

③調停を担当している調停委員の様子や調停の進め方などご本人にもしっかりと把握してもらった上で手続を進めたい(離婚するかどうかは人生に1度や2度しかない重要な出来事なので、その経過についてもしっかりと把握して欲しいと考えております)

④少なくとも離婚調停成立時にはご本人が出席していただかないと手続が完了しない。

⑤ご本人が調停に参加することで弁護士として新たな気付き等がある。

 

 ほとんどの弁護士は離婚調停に取り組むにあたって、ご本人にもご足労願っていると思いますが、私もそのような手続の進め方をさせていただいております。

 

 

3.今後どの様な配慮が必要になるか


 

 

 今回の事件を受けて、特にDV被害を受けてきた女性の方々は、より一層家庭裁判所に足を運ぶことに恐怖感をお持ちになったことと思います。

 そのため、まず、DVの明確な証拠が複数存在するケースでは、私の様な弁護士のみが調停の場に出席し、極力ご本人には裁判所まで足を運んでいただかないという方法が考えられます。

 この方法で、調停の道筋がつくようでしたら最後の調停期日のみご本人に出席していただいて調停を成立させるという方法が考えられます。他方、調停の道筋が到底就かなさそうという場合には、早めに調停手続に見切りをつけて、離婚裁判を起こすという方向での検討もできるかと思います。

 

 悩ましいのは、DVの明確な証拠が少ないというケースです。この場合、あまり早急に裁判に訴えることは敗訴のリスクがありますので、取り得ないということになります。このような場合に被害者の方の不安を軽減させながら、裁判所にご出席いただく方法が検討できないか慎重に裁判所とも協議していくほかないと思います。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

内縁解消調停が上手く行かなかった場合の裁判とは?

2019.03.11更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.内縁解消裁判という裁判はない


 

離婚の問題の場合、離婚調停が上手く行かなかった場合、離婚裁判を起こすことになります。そして、この離婚裁判の中で、養育費や財産分与、慰謝料の問題もセットで審理していくことが可能です。

これに対して、内縁の場合には「内縁解消の裁判」というものはありません。離婚の場合、相手が断固として離婚届にサインをしないければ、離婚することができませんから、どうしても離婚したい場合には、裁判所が言い渡す判決で離婚する他ありません。

 

これに対して、内縁の場合、最初から内縁関係は戸籍に登載されておりませんので、内縁解消届といった書類へのサインは必要ありません。そうすると、裁判所が内縁解消を命令しなくとも、同居を解消してしまえば事実上内縁は解消できてしまいますから、「内縁解消の裁判」というものはないのです。

そのため、内縁解消調停で解決しなかった問題は、それぞれ個別に審判や裁判を起こさなければならなくなります。

 

 

2.具体的にはどういう手続きを取るの?


 

先ほど説明しましたとおり、内縁解消の問題はそれぞれの問題について裁判や審判を起こす必要が出てきます。

具体的には、養育費や面会交流、財産分与、慰謝料といった問題が出てきますが、それぞれの事件を起こさなければならなくなるのです。離婚の場合には、「離婚裁判」という大本の手続が一つ出来上がりますので養育費や財産分与、慰謝料といった問題は、大本の手続である離婚裁判に付随する形で取り扱ってくれますので、この点が内縁解消と離婚の大きな手続の違いといえます。

 

より具体的に申しますと、養育費審判、面会交流審判、財産分与審判という3つの審判手続と、慰謝料訴訟という一つの裁判が乱立するような形になるのです。審判は同じ家庭裁判所で審理が行われますから、併合して手続を行うように求めることができますが、慰謝料の問題だけは裁判で行わねばならず、これは地方裁判所で審理を行う関係上、審判と一緒に審理してもらうということはできません。

 

 

3.審判・裁判と調停の違い


  調停と比較していくと裁判や審判がどのようなものか、概要を掴むことができると思いますので、まずは比較しながら概説いたします。

 

 審判・裁判と調停との間にはいくつもの違いがあるのですが、大きな違いとしては以下のような点が挙げられます。

①裁判は判決を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②裁判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われます。

③裁判には控訴という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④裁判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤裁判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

 それぞれについて具体的に説明して行きます。

(1)裁判は判決を目指す

 冒頭でも説明しましたとおり、裁判は判決を得ることを目的としており、判決が言い渡されて、その内容が確定すると、不満のある当事者も判決の内容に従わざるを得なくなります。

 調停の場合には、相手の提案に納得が行かない場合には、納得いかない旨を述べれば調停は成立しませんので、相手の言い分を強要されることはありませんので、この点が裁判と調停の一番大きな違いと言えます。

 

(2)裁判は原則公開法廷で行われる

 調停は調停室という会議室のような部屋で行われるのですが、裁判は原則として法廷(テレビドラマなどに出てくるのは通常この「法廷」になります)で行われます。但し、裁判の途中から弁論準備手続という手続に入ることも多く、弁論準備手続は基本的に非公開で行われます。

 

(3)判決に対しては控訴という不服申立ができる(審判に対して即時抗告)

 離婚裁判の結論として判決が言い渡された場合でも、その判決に不満がある当事者は、控訴をして、その判決内容を争うことができます。

 これに対して、調停が成立した場合、後で気持ちが変わったとしても調停の内容を覆すことはできません(不服申立手段がありません)。

 なお、離婚裁判の中で当事者間の話し合いが上手くいった場合には、「和解」が成立することがありますが、この和解に対しては不服申立ができません。

 

(4)裁判では書類のやり取りが中心になる

 裁判では、最終的には裁判官が判決を書くことになりますので、当事者の言い分が不正確にならないように、お互いの言い分は準備書面といった書面に書き起こして主張してゆくことになります。

 調停の場合には、特に調停委員が希望する場合を除いて、言い分は調停室内で口頭にて述べられますので、この点も裁判との違いになります。

 

 このように裁判では本人の言い分が裁判官にきちんと届くように書面をまとめることが非常に重要になりますので、裁判期日当日というよりも当日よりも前の準備書面の準備が重要になります。

 実際上も、裁判期日当日は、短い時には5分程度で終わってしまうこともあります(「事前に書類を提出したとおりです」と発言するだけで終わってしまうこともあるからです)。

 

(5)裁判には原則本人は出席しなくて良いし、通常は出席しない

 内縁関係解消調停の場合、仮に弁護士が代理人に就いたとしても、本人が調停手続に出席する必要があります(弁護士も同席します)。

 これに対して、裁判の場合、代理人が法廷に出席すれば良く、本人が出席する必要はありません。

 裁判の場合、上記の通り、書類のやり取りが中心になりますので、期日当日本人に事実確認をする必要がなく、御本人に出席していただく必要はなくなるのです。

 

 

4.裁判の具体的イメージは?


  

 裁判というと、よくドラマでやる様な相手を証言台に立たせて尋問することをイメージする方も多いと思いますが、実際の裁判は少し違います。

 大きなイメージとしては、①お互いの言い分を言い尽くすステップ→②必要な証拠を出し尽くすステップ→③尋問手続→④判決という流れになります。この説明だけでは、今一ぼんやりとしか分からないと思いますので、より具体的にご説明します。

 

①お互いの言い分を言い尽くすステップ

 前述の通り、裁判は調停とは違って口頭で説明するのではなく書面を提出して説明していくことになります。要するに、養育費の金額が○円というのが正当だと考える根拠や慰謝料○円が正当だと考える根拠といった点を詳しく説明する書類を裁判所に提出するのです。

 このような説明書類はいったん説明すれば済む気もするのですが、このような説明書類に対しては相手も反論してきます。相手の反論に対して再反論し、また相手から反論がありと言ったやりとりを何度か繰り返していくことになります。

 

②必要な証拠を出し尽くすステップ

 上記の言い分を言い尽くすステップの中で通常は、裏付け証拠も一緒に提出していくことになります。例えば、相手からのモラハラがあった証拠として相手からのLINEを証拠で提出したり、と言った具合です。

 前述の言い分を再度振り返って、提出が漏れていた証拠などを発見することもありますので、最後に、証拠を出し尽くすステップが設けられるのが通常です。

 

③尋問のステップ 

 上記の様なやりとりを経て、ようやく尋問のステップに到着します。いわゆるドラマでよくやる証言台で相手から話を聞くステップです。

 このように尋問のステップは、かなり終盤で実施されるステップとお考えいただければよいと思います。

 なお、養育費や財産分与の審判などは金銭問題に的を絞った審判になりますので、通常は尋問は行われません。

 

④判決(決定)

 上記の様なすべてのステップが終わると、裁判所の方から判決が言い渡される期日が指定されます。お互いの言い分と証拠がすべて出そろったので、裁判官が、言い分や証拠をもとに判決文を書き上げるのです。前述の通り判決文には強制力がありますので、それには従う必要があります(但し、判決に不服がある場合には控訴することが可能です)。

 

 

5.ケースにもよるが弁護士としてはあまり裁判をオススメしない


 

 もちろんケースにもよりますので一概には言えないのですが、私が弁護士としての立場で申し上げさせてもらいますと、裁判はあまりオススメしません。大きな理由は以下の通りです。

 

①最終解決までに時間がかかる

 裁判の手続を進めますと細かな資料の提出を求められるなどして相当期間を要することが多いため、最終的な離婚までに時間がかかってしまいます。

 

②御本人にとって精神的負担が大きくなる

 ①の点にも増して、裁判になると御本人の精神的負担が大きくなります。

 といいますのは、裁判になりますとお互いが主張の出し惜しみをしなくなりますので、お互いに内縁生活でイヤだと思った点、傷ついた点、不十分であった点などを最大限主張してゆくことになるので、このような書面を見るたびに気持ちが滅入ってしまいます。

 

 相手の言い分が事実ならば多少はよいのですが、裁判になりますと誤解に基づく発言や当時のシチュエーションを無視した主張などがなされますので、余計に精神的な負担が大きくなります。

 もちろん当事者間の対立が激しく、相手が不合理な言い分に固執しているような場合などは裁判に手続を進める他ないでしょうが、そうでない場合には基本的に調停による決を目指す方が望ましいと思います。

 

 内縁関係解消調停が行き詰まるなどして、今後の進め方に不安があるような場合には早めに弁護士にご相談下さい。

 

 

6.内縁解消特有の問題


 

 内縁解消に伴う財産分与や慰謝料の紛争では、ほとんどのケースで、相手がそもそも最初から内縁関係は成立していないといった言い分が述べられます。そのため、こちらから内縁が成立しているという根拠を証拠と共に主張していかなければならないケースがほとんどです。

 また、仮に内縁が成立していたとしてもお互い納得の上で一旦解消しているから今更慰謝料は払わないという主張が展開されることもあります。その様な場合にはしっかりと内縁解消には至っていないといった事情を証拠と共に主張していかなければならないケースもあります。

 特に内縁の成立については慎重に判断しようと考える裁判官も多いため、難所の一つと言えます。

 

 

7.まとめ


・内縁解消裁判というカテゴリーの裁判は存在しない。

・結局内縁解消時の問題に関してはそれぞれの問題について個別に審判や裁判を起こす必要がある。

・裁判と調停を比較するとより手続を理解しやすいと思うが、具体的には大きく以下のような違いがある。

①裁判は判決を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②裁判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われる。

③裁判には控訴という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできない。

④裁判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではない。

⑤裁判では基本的に当事者本人が出席する必要はないが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要がある。

・大きな裁判の流れとしては以下のようなステップで審理が進んでいく

①お互いの言い分を言い尽くすステップ→②必要な証拠を出し尽くすステップ→③尋問手続→④判決

・裁判には時間と心理的負担がかかるため極力避けた方が望ましい。

・内縁解消に伴う裁判の場合、相手が内縁を否定してくることがほとんどなので、その証明が必要になることが多い。

 

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