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妻に不倫がバレてしまった!関係修復のための3つのポイント

2016.11.14更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.不倫発覚はある日突然やってくる


 

 御本人としては奥様に発覚しないように上手に不倫をしているつもりでも、普段の行動や言動等から奥様が不審に思い、あなたの不倫に気付いてしまっていると言うこともあります。

 通常、奥様は何の裏付けもないままあなたに不倫していないか尋ねることは少なく、ある程度の裏付けを取った上で質問してくるケースの方が多いです。

 あなたとしては、ある日突然不倫の事実を突きつけられると言うことになります。

 

 それでは、このようにして奥様が不倫の確証を持ってあなたに詰問してきた場合、どのように対応すべきなのでしょうか。

 私は、不倫が発覚した後自分のしてきたことの誤りに気付き「やり直したい」「不倫は遊びであって本気で家庭を壊したいという気持ちではなかった」という方の相談も多く受けますので、このような方々の相談を元に、どのように対応するのがベターなのか、以下の通りご説明いたします。

 

 もちろん、以下のご説明は一般論になりますので、奥様の性格や普段の言動、不倫発覚の経緯等々によっては、対応方法が異なってくる場合も当然ありますので、以下の説明が「間違いのない一つだけの正解」とは思わないようにして下さい。

 

2.【ポイント1】下手に嘘をつかない方が良い


 

 奥様があなたに不倫の事実を突きつけてきたという場合、通常はそれなりの裏付けを取った上で行動しているケースの方が多いです。

 そのため、奥様の裏付けがしっかりしている場合には、下手に嘘をつかずに、どのような行為をしてしまったのか正直に話した方が良い結果に繋がることが多いです。

 

 上記の通り、奥様から不倫の事実を突きつけられるのは唐突なことになりますので、混乱して正確な対応ができないことも多いかと思います。

 不倫発覚後は奥様と時間を取って何度も話し合いをすることになりますので、あなたとしても冷静さを取り戻した後は、正直に事実関係を話した方がよいと思われます。

 

 冷静になった後も不倫の回数を誤魔化したりだとか、不倫相手の女性と知り合った経緯を捏造したりだとか嘘をついてしまう人は多いのですが、そのような嘘は後で発覚することが多いため、あまりオススメできません。

 仮に一度奥様と話し合って、当面離婚しないという結論に至ったとしても、その後にこちらの嘘が発覚してしまいますと、奥様もあなたのことを信じられなくなってしまいますので、「嘘をつく」ということは、非常にリスクの高い行為と言えます。

 

3.【ポイント2】夫婦関係の不満は極力言わない


 

 不倫に及ぶ場合、通常は、夫婦関係に何らかの不満を持っていることが多いです。

 奥様との性生活に不満があったり、普段の行動に納得できない、夫婦の今後に多少なりとも不安がある等々、何らかの不満があり、外にその不満のはけ口を求めた結果不倫に繋がってしまったといったことです。

 

 ただ、夫婦生活を営んでおりますと、何の不満も生じないと言うことはないのであって、大なり小なり不満を抱く事象が生じるのが普通です。

 そのため何らかの不満があったとしても、そのことは不倫を正当化する理由にはなりません。

 

 私が不倫被害者側の代理人として不倫加害者側である旦那様や奥様にお会いすると、平然と夫婦関係の不満を述べたり、言葉には出さないまでも不満を持っているという雰囲気を強く感じると言うこともあります。

 ただ、このような姿勢では夫婦関係を建て直すことは非常に難しくなります。

 

 不倫被害者側からしますと、相手の不倫という事実でショックを受けているのに、相手から夫婦関係の不満まで述べられてしまいますと「傷口に塩を塗られる」ようなもので立て直しが難しくなるのです。

 なお、不倫発覚後、奥様の方から逆に夫婦関係に不満があったのか質問されることがあります。奥様によっては「何かきっかけがないと夫が不倫に走ることもない」と考える方もいるため、このような質問がなされるのです。このような形で明確に質問された場合には、夫婦関係の不満点を1,2点述べることは良いと思います。

 

4.【ポイント3】誓約書の作成などには最大限協力する


 

 不倫が発覚しますと今後同じような不倫を繰り返さないようにということで誓約書の作成を求められることがあります。

 その内容があまりにこちらの生活を縛るようなものであれば、拒否せざるを得ないと思いますが、そうでなければ極力誓約書の作成には協力した方が、良い結果を生むことが多いです。

 

 ただ、相手の言うとおりに誓約書の中身も確認せずに署名押印すると言うことは絶対に避けた方がよいと思います。

 例えば不倫の経緯や回数等について全くの嘘が書かれているだとか(例えば、1か月に1回くらいしか会っていなかったのに、毎週会っていたと書かれているなど)、今後違反した場合の罰金が高額すぎる場合には、修正を求めることも検討すべきです。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

低収入だと親権を取得できない?の実際

2016.11.07更新

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1.親権と収入の問題


 

 私のところにご相談に来られる方の中には、現在専業主婦で、今離婚しても収入がないために子供を育てていく自信がないだとか、パート収入は微々たるもので、この収入だけでは子供を育てていくことが難しいので親権を取得できないのではないかとご心配されている方も多くいらっしゃいます。

 結論から申しますと、低収入だからといって親権を取得できないということはありませんし、収入面は、親権者決定にあたって大きな影響を与える事情にはなりません。

 

 現に私が担当した事件でも、生活保護を受けて生活されている方が親権を取得する判決を勝ち取ったケースもあります。

 

2.養育費の額を考慮して良いこと


 

 ご夫婦とお子様の現在の生活は、おそらく収支のバランスが取れているのだと思いますが、これは一重に旦那様の収入があるからだと思います。

 

 よく旦那様からご依頼を受ける際に、旦那様から「私の方が圧倒的に家内よりも収入があるので、私が親権を取得した方が子供の未来の選択肢が増える。そのことは子供の幸せに繋がる」ということをおっしゃる方もいらっしゃいます。

 確かに、十分な収入があった方がお子様の将来の選択肢が拡がる面はありますが、逆に言いますと、その分旦那様が奥様に高額の養育費を支払えば解決する問題とも言えます。

 

 もちろん、通常養育費の金額はいわゆる算定表で算出した金額を軸にして話し合いを行うことが多いのですが、養育費さえきちんと支払われれば奥様やお子様の生活が十分安定するというケースですと、収入格差や奥様の低収入は必ずしも親権取得にあたって大きく不利にはなりません。

 

3.重要なのは離婚後の生活プラン


 

 上記の通り、奥様の低収入が親権取得にあたって大きな考慮要素にならないとしても、今後の生活プランについてはきちんと調えておく必要があります。旦那様が離婚後も養育費を毎月しっかりと支払う保障はありませんので、多少養育費の支払いが滞ることがあっても生活できるだけの基盤を調える必要があります。

 専業主婦をしていた期間が長く、離婚後直ぐに仕事を見付けることが難しいという場合には一度ご実家にお戻りになって生活を建て直すという方もいらっしゃいます。

 

 そして、今後の生活プランという場合には、漫然と実家に戻って生活するというだけではなく、実家近くのどの保育園や学校にお子様を通わせて、奥様としてはどのような仕事に就くべく就職活動をするのか、ご実家からどの程度の距離の職場をターゲットにして、勤務時間をどの程度にするのか、どなた(ご実家のご両親や近隣の兄弟姉妹等)の協力をどの程度得て生活して行くのかといった点を具体的にイメージして行く必要があります。

 このように今後の生活プランを具体的にして行けば、ご自身の安心にも繋がりますし、相手の説得材料にもなります。

 

 また、離婚して母子家庭になりますと児童扶養手当や児童育成手当などの公的扶助を受けられる可能性もありますので、具体的にどの程度の金額公的扶助を得られるかについても予め確認しておく必要があります。

 

4.モラハラ旦那との紛争は早めに弁護士にご相談を


 

 低収入で親権取得に悩まれている方の中には、共同生活の中で、旦那様の方から「誰の給料で生活できていると思っているんだ?」とか「離婚してもお前は収入がないんだから生活できないだろう」といったモラハラ発言を受けているケースも見られます。

 このようなケースではご夫婦間で対等な話し合いをすることは非常に難しいと思いますので、早めに弁護士にご相談されることをオススメします。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

離婚裁判って何だ?

2016.10.24更新

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1.離婚裁判って何だ?


 

 離婚調停がご夫婦同士の話し合いを前提としているのに対して、離婚裁判は裁判所による判決を得ることを目的とする手続になります。そのため、同じ裁判所で行う手続であっても調停と裁判とでは全く異なる手続ということになります。

 判決には強制力がありますので、判決の内容には従わなければならなくなります。例えば、「原告と被告とを離婚する」という判決が言い渡されて、その内容が確定した場合、その判決文を持っていけば一人だけで離婚届を提出することができるようになります(相手が反対しても離婚届は受理されます)。

 

 離婚調停と比較していくと離婚裁判がどのようなものか、概要を掴むことができると思いますので、比較しながらご説明します。

 

2.離婚裁判と調停の違い


 

 離婚裁判と離婚調停との間にはいくつもの違いがあるのですが、大きな違いとしては以下のような点が挙げられます。

①裁判は判決を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②裁判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われます。

③裁判には控訴という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④裁判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤裁判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

 それぞれについて具体的に説明して行きます。

(1)裁判は判決を目指す

 冒頭でも説明しましたとおり、裁判は判決を得ることを目的としており、判決が言い渡されて、その内容が確定すると、不満のある当事者も判決の内容に従わざるを得なくなります。

 調停の場合には、相手の提案に納得が行かない場合には、納得いかない旨を述べれば調停は成立しませんので、相手の言い分を強要されることはありませんので、この点が裁判と調停の一番大きな違いと言えます。

 

(2)裁判は原則公開法廷で行われる

 調停は調停室という会議室のような部屋で行われるのですが、裁判は原則として法廷(テレビドラマなどに出てくるのは通常この「法廷」になります)で行われます。但し、裁判の途中から弁論準備手続という手続に入ることも多く、弁論準備手続は基本的に非公開で行われます。

 

(3)判決に対しては控訴という不服申立ができる

 離婚裁判の結論として判決が言い渡された場合でも、その判決に不満がある当事者は、控訴をして、その判決内容を争うことができます。

 これに対して、調停が成立した場合、後で気持ちが変わったとしても調停の内容を覆すことはできません(不服申立手段がありません)。

 なお、離婚裁判の中で当事者間の話し合いが上手くいった場合には、「和解」が成立することがありますが、この和解に対しては不服申立ができません。

 

(4)裁判では書類のやり取りが中心になる

 離婚裁判では、最終的には裁判官が判決を書くことになりますので、当事者の言い分が不正確にならないように、お互いの言い分は準備書面といった書面に書き起こして主張してゆくことになります。

 離婚調停の場合には、特に調停委員が希望する場合を除いて、言い分は調停室内で口頭にて述べられますので、この点も裁判との違いになります。

 このように裁判では本人の言い分が裁判官にきちんと届くように書面をまとめることが非常に重要になりますので、裁判期日当日というよりも当日よりも前の準備書面の準備が重要になります。

 実際上も、裁判期日当日は、短い時には5分程度で終わってしまうこともあります(「事前に書類を提出したとおりです」と発言するだけで終わってしまうこともあるからです)。

 

(5)裁判には原則本人は出席しなくて良いし、通常は出席しない

 離婚調停の場合、仮に弁護士が代理人に就いたとしても、本人が調停手続に出席する必要があります(弁護士も同席します)。

 これに対して、離婚裁判の場合、代理人が法廷に出席すれば良く、本人が出席する必要はありません。

 離婚裁判の場合、上記の通り、書類のやり取りが中心になりますので、期日当日本人に事実確認をする必要がなく、御本人に出席していただく必要はなくなるのです。

 

3.裁判の具体的イメージは?


 

 裁判というと、よくドラマでやる様な相手を証言台に立たせて尋問することをイメージする方も多いと思いますが、実際の裁判は少し違います。

 大きなイメージとしては、①お互いの言い分を言い尽くすステップ→②必要な証拠を出し尽くすステップ→③尋問手続→④判決という流れになります。この説明だけでは、今一ぼんやりとしか分からないと思いますので、より具体的にご説明します。

 

①お互いの言い分を言い尽くすステップ

 前述の通り、裁判は調停とは違って口頭で説明するのではなく書面を提出して説明していくことになります。要するに、どうして離婚したいのか、どうして親権を獲得したいのかといった点を詳しく説明する書類を裁判所に提出するのです。

 このような説明書類はいったん説明すれば済む気もするのですが、このような説明書類に対しては相手も反論してきます。相手の反論に対して再反論し、また相手から反論がありと言ったやりとりを何度か繰り返していくことになります。

 

②必要な証拠を出し尽くすステップ

 上記の言い分を言い尽くすステップの中で通常は、裏付け証拠も一緒に提出していくことになります。例えば、相手からのモラハラがあった証拠として相手からのLINEを証拠で提出したり、と言った具合です。

 前述の言い分を再度振り返って、提出が漏れていた証拠などを発見することもありますので、最後に、証拠を出し尽くすステップが設けられるのが通常です。

 

③尋問のステップ 

 上記の様なやりとりを経て、ようやく尋問のステップに到着します。いわゆるドラマでよくやる証言台で相手から話を聞くステップです。

 このように尋問のステップは、かなり終盤で実施されるステップとお考えいただければよいと思います(ただし、親権の獲得で激しい争いがあって、家庭裁判所調査官の調査が入る場合には、尋問の後に調査官調査が行われたりします)。

 

④判決

 上記の様なすべてのステップが終わると、裁判所の方から判決が言い渡される期日が指定されます。お互いの言い分と証拠がすべて出そろったので、裁判官が、言い分や証拠をもとに判決文を書き上げるのです。前述の通り判決文には強制力がありますので、それには従う必要があります(但し、判決に不服がある場合には控訴することが可能です)。

 

 

4.ケースにもよるが弁護士としてはあまり裁判をオススメしない


 

 もちろんケースにもよりますので一概には言えないのですが、私が弁護士としての立場で申し上げさせてもらいますと、裁判はあまりオススメしません。大きな理由は以下の通りです。

 

①最終解決までに時間がかかる

 裁判の手続を進めますと細かな資料の提出を求められるなどして相当期間を要することが多いため、最終的な離婚までに時間がかかってしまいます。

 

②御本人にとって精神的負担が大きくなる

 ①の点にも増して、裁判になると御本人の精神的負担が大きくなります。

 といいますのは、裁判になりますとお互いが主張の出し惜しみをしなくなりますので、お互いに夫婦生活でイヤだと思った点、傷ついた点、不十分であった点などを最大限主張してゆくことになるので、このような書面を見るたびに気持ちが滅入ってしまいます。

 

 相手の言い分が事実ならば多少はよいのですが、裁判になりますと誤解に基づく発言や当時のシチュエーションを無視した主張などがなされますので、余計に精神的な負担が大きくなります。

 もちろん当事者間の対立が激しく、相手が不合理な言い分に固執しているような場合などは裁判に手続を進める他ないでしょうが、そうでない場合には基本的に調停による決を目指す方が望ましいと思います。

 

 離婚調停が行き詰まるなどして、今後の進め方に不安があるような場合には早めに弁護士にご相談下さい。

 

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離婚調停って何だ?

2016.10.11更新

弁護士秦

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1.離婚調停って何だ?


 

 離婚調停とは、一般的には、ご夫婦間で直接のお話し合いが難しい時に、家庭裁判所の調停委員を間に入れてご夫婦間の話し合いを円滑に行いお互いの合意を目指す手続などと言われたりします。

 しかし、この説明だけでは漠然としていて離婚調停のイメージを掴むことは難しいと思いますので、できる限り具体的に離婚調停というものがどのようなものなのかをご説明します。

 

2.調停委員ってどんな人?


 

 離婚調停は、裁判官1名と調停委員2名(男性1名、女性1名)の合計3名が間に入って執り行われます。と言っても、裁判官は複数の事件を担当していますので、実際に調停室で直接話をするのは基本的に調停委員2名と言うことになります。

 

 では、この調停委員というのはどういう人なのかと言うことですが、原則として40歳以上70歳未満の人で、社会生活上の豊富な知識経験や専門的知識を有する裁判所職員になります。弁護士、大学教授や裁判所書記官OBなどが調停委員になるなどしています。

 

3.離婚調停ってどこで行うの?


 

 離婚調停は家庭裁判所の建物内の一室で行われます。調停委員に、ご夫婦の自宅などに出向いてもらって話し合いをするということはできません。

 

 テレビのドラマなどを見ていますと、いわゆる裁判所の法廷の場面が映し出されていますが、調停が行われるのは一般的な法廷ではなく、イメージとしては会議室のような場所で行われます。

 会議室と言っても何十人も座れるような広い会議室ではなく、6人掛け(いわゆる誕生日席2席を加えると8名が座れる程度)のテーブルが入って多少余裕がある程度の部屋とイメージしていただければ分かりやすいと思います。

 

4.離婚調停って何時行うの?


 

 調停が開催される期日は完全事前予約制なので、予め日時を決定しておき、その日に裁判所に足を運ぶという方式になります。

 調停が行われるのは平日の日中ということになりますので、土日祝日や夜間に調停を行うことはできません。そのため、平日お仕事をされている方は、調停の日はお仕事を休むか早退するなどして出席することになります。

 

 この調停期日は一方的に裁判所から決められることはなく、基本的にはご夫婦の都合を聞いて日時が決定されます(但し、第1回調停期日については、相手方の都合は聞かずに日時が決定されます)。

 

 ただ、担当調停委員によって担当曜日が決まっているのが一般的ですので、その曜日の中から日時を選択するという形式が一般的です。つまり、担当曜日が月曜日と木曜日というように決まっているという場合、月曜日か木曜日の中から期日を選択して行くことになります(逆に言うと水曜日を希望しても水曜日に調停を開催することは難しいということになります)。

 

5.1回の調停はどのくらいの時間がかかるの?


 

 1回の調停は2時間程度で終わります。ただ、話し合いの状況に応じて2時間よりも長くなったり短くなったりすることもありますので、2時間というのは一つの目安だと考えて下さい。

 

6.当日の調停の流れは?


 

 調停の流れは裁判所や調停委員によって差があるので画一的ではないのですが、一般的には以下のような流れで進むケースが多いです。

①ご夫婦は別々の待合室で待機

        ↓

②調停委員に名前を呼ばれるので、調停委員の案内で調停室に入室

        ↓ 

③ご夫婦が揃った調停室にて調停委員から調停手続の概要を説明(第2回目の場合、前回の調停での話し合いのおさらい及びその日の調停での目標等の確認)

        ↓

④申立人のみが調停室に残って調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑤申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑥相手方が調停室を退室し、入れ替わりで申立人が調停室に入室、申立人のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑦申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑧ご夫婦が揃った調停室にて調停委員と次の調停の日時を決定し、同時に次回までの宿題などの確認をする。

 

 なお、上記の③と⑧については、調停委員によってはご夫婦別々で確認を行うということもあります。特に旦那様からのDVやモラハラに悩んでいるという場合には、③と⑧について夫婦別々で行いたいと強く希望を出した方がよいと思います。通常は、この希望を受けて別々で行われることになります。

 

7.調停室内に入れるのは誰?


 

 よく自分一人で調停室に入っても上手に話ができるか不安があるので、ご自身のお姉様やお母様も同席させて欲しいとおっしゃる方もいます。

 しかし、調停の手続は非公開の手続(御本人以外の方の傍聴などが認められていないということです)ですので御本人以外が入室することはできません。

 なお、弁護士に事件を依頼した場合には、弁護士も調停室に同席することができますので、その面では安心です。

 

8.調停が開催される頻度は


 

 調停の期日の間隔は1か月程度になります。ただ、夏期や年末年始は調停を行わない時期がある関係で、この時期の調停の間隔は1か月以上空くことが多いです。

 

 

9.調停が成立した場合の拘束力は?


 

 よく「調停が成立すると判決と同様の拘束力がある」と言われたりします。

そのため、例えば養育費をいくらだとか、財産分与をいくらと定めたのに、相手が約束を破った場合、強制執行をして強制的に取り立てることができるようになります。強制執行とは裁判所の手を借りて、相手の預金や給料からお金を取り立てることをいいます。

 そのため、調停での結論には強い効力が認められています。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

「旦那様(奥様)は離婚に応じないとはっきり言っていますよ」―離婚を諦めなければならないのか?

2016.09.26更新

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1.調停手続での調停委員の発言


 

 ご自身で家庭裁判所の離婚調停手続を申し立てた場合、通常はあまり足を踏み入れたことがない裁判所に足を踏み入れて手続をしなければなりませんから、最初は緊張してしまうことが多いと思います。

 ただ、いざ調停手続が始まりますと、調停室は、テレビドラマの法廷のような厳粛な場所ではなく、膝詰めの話しやすい環境ですので、次第に緊張もほぐれていくと思います。

 とは言っても、家庭裁判所内という特殊な環境で、慣れない離婚について話し合うことになりますので、即座に的確な判断をして行くことは簡単ではありません。

 

2.調停委員から「旦那様(奥様)は離婚に応じないとはっきり言ってますよ」と言われてしまった


 

 あなたは、相手方と離婚をしたくて離婚調停を申し立てたのに、調停委員から「旦那様(奥様)は離婚に応じないとはっきり言ってますよ」と言われてしまうことがあります。その発言の真意については、どのように理解すればよいのでしょうか。

 

(1)調停委員は相手方の意向は、そのまま申立人に伝えなければいけない。

調停委員は中立の立場にありますので、あなたの離婚の意向を相手方に伝えた結果については、そのままあなたにお伝えしなければなりません。

つまり、あなたの離婚の意向を相手に伝えたところ、相手が「絶対に離婚したくない」という返事をした場合には、そのままあなたに伝えなければいけないのです。

従って「旦那様(奥様)は離婚に応じないとはっきり言ってますよ」と言われたとしても、調停委員が離婚に後ろ向きであると言うことではありません。

 

(2)調停では復縁より離婚の方が、圧倒的に件数が多いという実態

離婚協議が上手く行かず、離婚を求めて調停を起こしても、なおも相手が頑固に離婚に応じない姿勢を示すと言うことは多くあります。しかし、調停手続を進めていくうちに相手も離婚で致し方ないと考えて、離婚調停が成立するケースの方が復縁よりも圧倒的に多いのが実態です。

そのため、上記のような調停委員の言葉があっても、直ぐに離婚を諦める必要はありません。

 

3.まずは相手が離婚に応じない理由を詳しく確認する


 

 まずは相手が離婚に応じないという理由をしっかりと確認していく必要があります。

その理由によって、今後のこちらの取るべき対応が異なってくるからです。

 

(1)別居の経緯について反発しているケース

 相手が反発する理由としてよくあるケースですが、あなたが別居を開始した経緯について反発しているケースです。

 一緒に生活していた際離婚するかどうかについて真剣な話し合いが持たれていなかったり、特に相手に断りなく別居を始めたケースなどで問題になりやすいものと言えます。

 この場合、相手が別居の経緯等について誤解している場合もありますので、こちらからは別居の経緯を詳しく正確に調停委員に伝える必要があります。

 また、相手がやり直すつもりがあるのかについても調停委員にしっかりと尋ねる必要があります。このように相手がこちらに対する不平不満を述べている場合には、やり直す意思があるようには見えませんので、この点を突くのです。

 

(2)安易にやり直せると考えているケース

 相手がよく言ってくるのは「このようなことは普通の夫婦ではよくあることだ」とか「こんな些細なことで離婚する人はいない。申立人がもう少し我慢すれば済むことだ」といったことになります。

 このような反論がなされた場合には、あなたが離婚を決意した理由をしっかりと調停委員に説明して行くことになります。

 なお、私が相談に乗っておりますと、「旦那の暴言がひどい」とか「旦那が生活費を渡さない」という抽象的な説明をする方が多く見られます。暴言という場合には、どのようなひどいことを言ってくるのか、具体的なフレーズについてお話しいただく必要がありますし、その頻度やタイミングについてもご説明していただく必要があります。また、生活費を渡さないという場合にも、いつ頃から渡さなくなったのか、渡さなくなる前はいくらもらっていたのかと言った点を詳しく説明して行く必要があります。

 いずれにせよ具体的な理由を述べて、どれだけ相手のことを嫌っているのかという点をしっかりと具体的に説明して行くことが肝心です。

 

(3)子供に会えないことに反発しているケース

 別居を機にお子様に会う機会を与えていないというケース、または会う頻度について相手に不満があるといったケースです。

 この場合、お子様に会わせられない理由をキチンと調停委員に説明する必要がありますが、合わせてお子様との面会を認める方向の検討も必要になります。

 相手にお子様を会わせることで相手の態度を軟化させる可能性がありますので、その様なメリットも考慮して、面会を認めるかどうかを判断して行くことになります。

 

4.相手方の側に明確かつ重大な離婚原因がある場合


 

 相手方の側に明確かつ重大な離婚原因がある場合、それによって夫婦関係がうまくいかなくなっているのですから、強気の姿勢で臨んでも良いと思います。

 相手方の側に明確かつ重大な離婚原因がある場合というのは、相手方が浮気をしており、そのことが原因で夫婦仲が冷え切ってしまったとか、相手方が暴力をふるってきて病院に入院するほどのけがをしてしまったので、さすがに愛想が尽きて離婚したいといったケースになります。

 ただ、あまり高額な慰謝料など離婚条件を高くし過ぎてしまいますと、そのことが原因で離婚の話が進まないと言うこともありますので、この点は注意する必要があります。

 

5.どうしても相手が意固地になっている場合


 相手の意思が固く調停での話し合いが上手く行かなくなりそうな場合には、今後離婚裁判も検討しなければならなくなりますので、早めに弁護士に相談されることをオススメします。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【弁護士が解説】「奥様(旦那様)の離婚意思は固いようですよ」―どのように復縁と向き合うべきか

2016.09.19更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「本当に役に立つ詳しいブログ解説」を目指して解説させていただきます。なお、>「理不尽な離婚要求に対してNO!」旦那様側の総合サイトはこちら<になります。

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1.調停手続での調停委員の発言


 

 ご自身で家庭裁判所の離婚調停手続を申し立てた場合、通常はあまり足を踏み入れたことがない裁判所に足を踏み入れて手続をしなければなりませんから、最初は緊張してしまうことが多いと思います。

 ただ、いざ調停手続が始まりますと、調停室は、テレビドラマの法廷のような厳粛な場所ではなく、膝詰めの話しやすい環境ですので、次第に緊張もほぐれていくと思います。

 

 とは言っても、家庭裁判所内という特殊な環境で、慣れない離婚について話し合うことになりますので、即座に的確な判断をして行くことは簡単ではありません。

 特に、自ら調停を起こしたのではなく、調停の相手方になってしまった場合、より緊張して手続に臨まなければならないことが多いと思います。

 

2.調停委員から「奥様(旦那様)の離婚意思は固いようですよ」と言われてしまった


 

 離婚調停では、離婚するかどうかがご夫婦の間で争いになるケースも多くあります。もちろん、離婚調停を申し立てている方は、離婚したくて調停を起こしていますので、離婚を希望していますが、相手は離婚したくないというケースになります。

 その様なケースでは、相手方となったあなたに対して、調停委員が「申立人である奥様(旦那様)の離婚意思は固いようですよ」と話してくる場合があります。

 

 では、調停委員から、その様に言われてしまった場合、どのように考えればよいのでしょうか。

(1)調停では復縁より離婚の方が、圧倒的に件数が多いという実態

 「奥様(旦那様)の離婚意思は固いようですよ」という言葉を真正面から受け止めると、奥様(旦那様)は一切やり直す意思がないように聞こえます。ただ、調停の申立人が調停委員の前で「離婚したい」という話をしている場合、調停委員は、相手方に対して「奥様(旦那様)の離婚意思は固いようですよ」と発言することは多くあります。

これは、調停の成立件数のうち復縁よりも離婚の方が圧倒的に多いと言うことも多少なりとも影響しているのではないかと思います。調停委員も人間ですから、離婚で調停を成立させる件数が非常に多い中で、積極的に復縁を進めてくる割合はどうしても少なくなりがちだと思います。

 

(2)申立人にとっての調停手続の位置付け

 調停手続は、家庭裁判所内で行われる手続ですから、裁判所外での話し合いとはやはり位置付けが異なってきます。そのため、奥様(旦那様)が「調停手続を取っている」ということは、本気で離婚したがっているんだ、と思われる方もいらっしゃいますが、必ずしもそうではありません。

 

 すなわち、弁護士が離婚の相談を受ける場合、通常は、以下の段取りをアドバイスすることが多いです。

①ご夫婦での直接の話し合い

②ご夫婦での話し合いが難しいとか、上手く行かなかったという場合、ご両親やご兄弟、共通の友人などに間に入ってもらって話し合う

③上記②も上手く行かない場合、ご自身で調停手続きを取るか、弁護士が間に入って話し合いをする。

 

 この場合に気を付けなければならないのは、たまに、最初から①の方法も②の方法も難しいと考えて、調停という手続を利用される方がいると言うことです。つまり、調停手続の場が、本格的に離婚の話し合いをする初めての場であるというケースです。

 このように一口の調停手続と言いましても、申立人個々人によって捉え方は様々ですから、奥様(旦那様)が調停手続きを取っている以上「本気で離婚したがっている」と考えるのは早計かもしれません。

 

(3)申立人が弁護士を付けている場合

 申立人が弁護士を立てている場合、調停の席で、申立人が離婚するかどうか悩んでいる仕草をすることはほぼありません。

 

3.まずは、自分の気持ちを最優先に道筋をキチンと決めること


 

 調停委員からの「奥様(旦那様)の離婚意思は固いようですよ」という言葉を真正面から受け止めてしまいますと、離婚以外の選択肢は浮かばなくなってしまいます。

 そもそも、調停は、裁判所を利用するとは言いましても、当事者間の話し合いの席ですから、調停委員の発言に拘束力はありません。

 そのため、申立人の話も参考にしながら、ご自身がどのようにしたいのかをしっかりと考える必要があります。

 

 その際には、調停の席では緊張してしまい、的確な判断ができない場合もありますので、一度結論を持ち越した上で、じっくりと考えて結論を出すことをお勧めします。

 

4.申立人に明確かつ重大な離婚原因がある場合には強気に出ても良い


 離婚を要求してくる申立人の側に明確勝重大な離婚原因がある場合には、様相が変わってきます。

 旦那様が浮気をしており、浮気相手と再婚したいので離婚を申し入れてきたケースや旦那様が身体的暴力をふるっており、こちらが病院に通うほどのけがをしたといったケースになります。

 このようなケースでは、旦那様からの離婚要求が認められると、こちら側としては「踏んだり蹴ったり」だと思いますので、強気に出ることも考えて良いと思います。

 ただ、離婚するかしないかという問題については、旦那様が離婚の原因を作りながら分かれたいというのは理不尽だという言い分もあるでしょうが、このような身勝手な人と長い夫婦生活を送っていくことがあなた自身のためになるのかという視点からの検討もして下さい。

 

5.復縁を選択した場合の基本姿勢


 

 仮に、悩んだ末に復縁を希望する場合、調停での基本姿勢は、「申立人が不満を持っている部分には可能な限り譲歩するので、復縁したい」という姿勢で臨むのが効果的と言えます。

 繰り返しになりますが、申立人は離婚したくて調停手続きを踏んでいるのですから、復縁を希望するのであれば、申立人がこちらに振り向いてもらう必要があるからです。

 

 なかなかそこまで思い切れないという場合には「申立人の不満は離婚するほどのものではないので、絶対に離婚するつもりはない」と言い続けるという方法もあります。この場合には、調停は不成立で終わってしまう可能性が非常に高くなりますので、調停後を見据えておく必要があります。

 すなわち、申立人が離婚裁判を視野に入れているという場合には、こちらも裁判を戦い抜く覚悟を決める必要があるかもしれませんし、他方、申立人が直ぐ裁判に移行する意思がないという場合には、調停不成立の後に、間に入ってくれる親族や知人等がいるかどうかを検討しておく必要が出てきます。

 

 なお、前述の様に旦那様の側に明確かつ重大な離婚原因があるケースでは、旦那様の離婚要求は理不尽であると主張してもよく、復縁のためにあまりこちらが譲歩すべきではないことが多いと思います。

 

6 実際のところ復縁の難易度はどのくらい?


 

 申立人がどのような理由で離婚を申し入れてきているのか、どのような段取りで離婚調停の手続きを踏んだのかと言った点に大きく左右されますが、一般的に復縁の難易度は高いと考えた方がよいと思います。

 

 ただ、このような難易度の高さと、あなた自身が離婚に納得できるのかという問題は別問題だと思います。あなた自身の今後の生活に深く関わる問題でもありますから、あなた自身が今後どうしたいのかという点をじっくりと考え、結論を出すのが一番だと思います。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

面会交流事前準備の4つのポイント

2016.09.05更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.面会交流実施にあたっては事前準備が肝心


 

 面会交流とは、現在お子様を養育されている親御様が、他方の親御様にお子様を会わせて、お子様と接触する機会を与えることを言います。

 

 面会交流は、お子様を会わせるだけと誤解されている方が多く見られますが、注意すべき点が何点かありますので、注意深く進めて行く必要があります。

 

 事前準備として肝心なのは、以下の点をキチンと取り決めておくことです。

①面会交流開始時刻

②面会交流終了時刻

③お子様の受け渡し場所

④お子様との面会交流の場所

⑤面会交流の注意事項(食事やおやつの回数、プレゼントの許否等)

 

 特に離婚についてのご夫婦の意見が激しく対立している場合には、キチンと条件を取り決めておきませんと、面会交流実施時に思わぬアクシデントが生じかねません。

 そのため、私が弁護士として関与している事件では、上記の①から⑤の点を綿密に取り決めた上で面会交流を実施します。

 

以下、具体的にご説明致します。

 

2.【1つめのポイント】終了時刻の指定・厳守は不可欠


 

 例えば、「こちらの夕ご飯前までには帰して欲しい」という取り決めはよいのでしょうか。

 これまでかなりの回数面会交流を繰り返しており、旦那様との信頼関係が築けているのであれば結構ですが、そうでない場合には、キチンと「○時終了」といった形で明確に終了時間を取り決めておいた方がよいと思います。

 

 このように終了時刻を定めたとしても、旦那様側からすると久しぶりにお子様と面会することになりますので、つい約束の面会交流時間を過ぎてしまうということが起こり得ます。

 一度や二度なら仕方ないと考える方もいらっしゃいますが、終了時刻を過ぎてしまうことに慣れてしまいますと、どんどん約束した時間が守られなくなっていってしまいます。

 

 事前に面会交流のルールを決める意味がなくなってしまいますので、特に始めのうちは、終了時刻厳守で面会交流を実施して行くのが望ましいと言えます。

 なお、面会交流時間は、これまでの旦那様がお子様と面会交流で接してきた時間や面会交流の場所に応じて若干余裕をもって取り決めるのが望ましいと言えます。

 

3.【2つめのポイント】実際の面会交流の場所の取り決め


 

 上記の開始時刻や受け渡し場所を決めないと言うことはないと思いますが、実際の面会交流の場所もキチンと事前に決めておく必要があります。

 例えば、お子様をお預けする場所は奥様のご自宅と取り決めるだけでは、旦那様がその後お子様をどこに連れて行くのか分かりませんので、緊急時の対応に困ってしまうと思います。

 

 また、面会交流時間が長い場合には、遠出の可能性もありますので、キチンと面会終了時刻までに帰ってこられる距離の場所にしてもらう必要があります。

 

4.【3つめのポイント】面会交流中のやりとりに関する注意点


 

 面会交流の時間や時期、旦那様の普段のお子様への接し方等に応じて、面会交流時の約束事などを決めておく必要があります。よく問題になる事項としては以下のようなものがあります。

 

(1)食事やおやつ

 面会交流時間が30分や1時間など短時間の場合はあまり問題にならないと思いますが、面会交流時間が伸びてきますと、昼食時や3時のおやつの時間を挟むケースもでてきます。その場合には、こちらで昼食を取らせてから面会交流に向かわせるのか、昼食は旦那様と取ってもらうという形にするのかといった点も取り決めておく必要があります。

 なお、長期間お子様が旦那様と会っていなかったというケースでは、旦那様の前ではお子様の食が進まないというケースも多いので、その点への配慮が必要になることもあります。

 

(2)プレゼント

 これまでの旦那様の性格等からプレゼントに過敏になる必要がないということでしたら、あまり心配する必要はないと思います。

 ただ、たまに久しぶりにお子様に会えるということで大量のプレゼントを毎回渡してくるという方もいらっしゃいますので、その様な危険性がある場合には、事前に「プレゼントの受け渡しは基本的にナシ」にするなど取り決めておく必要があります。

 また、お子様の誕生日やこどもの日、クリスマスなど特別な行事の際には、こちらが渡すプレゼントと旦那様が渡すプレゼントが同じものにならないよう事前に調整するなどの配慮も必要になります。

 

(3)面会交流時の発言

 今回の離婚問題の前から、旦那様がお子様に対して、奥様の悪口を頻繁に言っているような場合には、面会交流時に、その様な発言に及ばないよう事前に伝えておく必要があります。

 また、場合によっては現在の離婚係争中の状況を伝えないように事前に取り決めておくこともあります。もちろんお子様が離婚の意味を理解できるような年齢にあり、既に奥様の方から離婚係争中であることを伝えている場合にはよいのですが、そうでない場合、旦那様が不用意な発言をしないよう釘を刺しておくべきケースもあります。

 離婚係争が長引きそうなケースでは、キチンと決着がついてからお子様にお話しをすると考えている奥様も多くいます。その様な時に旦那様の不用意な発言でお子様の情緒が不安定になることは極力防止する必要があります。

 

(4)こちらの生活を執拗に聞き出してくる可能性

 奥様と旦那様が別居中の状態なので、旦那様は、奥様の生活状況について詳しくお子様に質問してくるケースがたまに見られます。

 よくあるのは、以下のような質問です。

・ママは仕事から帰ってくるのが夜遅くなったりしてない?

・ママは仕事が忙しいみたいだけど保育園・小学校の行事にちゃんと来てくれてる?

・ママは仕事が忙しいみたいだけどちゃんと食事を作ってくれてる?

・ママがヒステリックになってイライラしたりしていない?

・ママは仕事が忙しいみたいだけど学校の宿題の面倒を見てくれてる?

 特にご夫婦のいずれを親権者とするかについて激しく対立しているケースですと、お子様の発言を利用して、「母親は親権者にふさわしくない」などと言ってくる場合もありますので、注意が必要です。

 

5.【4つめのポイント】場合によっては奥様ご本人が立ち会う


 

 旦那様がどのような行動、言動に出るか予測しにくいという場合には、奥様ご本人が面会交流に立ち会うというケースもあります。

 このようにすれば旦那様の不用意な発言をかなり抑制することもできます。

 ただ、奥様が立ち会いますとお子様が奥様の方ばかりに寄ってきてしまい旦那様との面会交流が円滑に行かないというケースも多いため、立ち会いをするかどうかは慎重に検討する必要があります。

 

 なお、奥様ご本人が立ち会った場合、旦那様が面会交流の回数等を増やすべく画策する場合がありますので、この点は注意が必要です。

 例えば、旦那様の方からお子様に対して「再来週運動会にパパも見に来て欲しいよね。応援に行くからね」といった話をしきりにして、お子様の方から「パパも来て」という発言を引き出すといったケースです。

 このようなケースでは、奥様ご本人も、目の前での会話のやり取りを目撃していることになりますので、旦那様は面会交流の回数を増やす作戦として利用してきます。

 この場合の奥様の対応としては「この場では決められないので、帰宅してから子供ともよく話して決めます」と返事をしておけばよいです。

 

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夫に隠れて風俗店に勤めていた場合、慰謝料を払わなければいけないの?

2016.08.29更新

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こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.婚姻中夫に隠れて風俗店に勤務することは慰謝料原因になるか


 

 一般に慰謝料発生の原因とされる「不貞行為」とは、第三者と性交渉を持つことを意味するとされています。

 そうすると、風俗勤務は、直ちに性交渉に結びつくわけではありませんので、厳密には「不貞行為」とは言えなさそうです。

 

(1)性交渉を持ってしまった場合慰謝料責任は避けられない

 風俗店に勤務していると、特定の客から何度か指名を受けているうちに懇意になり、性交渉に至ってしまうというケースも多くあります。

 このように関係を持ってしまった場合には明らかに「不貞行為」に該当しますので、慰謝料を支払う責任は避けられません。

 

(2)性交渉を持たなくとも慰謝料責任が発生する危険性は高い

 風俗店において、客との性交渉を禁止する旨の規則が定められていることが多くあります。このような規則の存在を理由にして風俗嬢も客からの性交渉の要求を拒否するケースも多くあります。

 しかしながら、風俗店での業務は、性交に類似する行為が多分に含まれるため、婚姻中にこのような業務についていることを旦那様が知った場合には、大きなショックを受けることも多いと思います。

 

 そのため、風俗店で勤務したことは、慰謝料の発生原因になり得ると思われます。

 

2.慰謝料の金額はどの程度になるか?


 

 風俗店勤務のみを理由とする慰謝料請求のケースはあまりないため、相場のようなお話しをすることは非常に難しいです。

 

 ただ、一般の不倫慰謝料については、200万円程度が一つの目安と言われておりますので、多少は参考になると思います。

 

 また、慰謝料の金額を決定する要素についても、不倫慰謝料額決定の要素が参考になりますので、具体的には以下のような事情が考慮されるものと思われます。

大きく分けますと、以下のような事情になります。

 

①風俗店勤務の態様等

 

②被害配偶者が受けた精神的苦痛や肉体的苦痛

 

③風俗店勤務が発覚したことによって婚姻関係にどの程度ヒビが入ったか

 

④婚姻期間の長さ

 

⑤風俗店勤務配偶者の収入

 

これだけではピンと来ないと思いますので、詳しくご説明致します。

 

①の風俗店勤務の態様については、以下のような要素が考慮されます。

 

・風俗店勤務の発端(旦那様がどの程度の生活費を渡しており、風俗店勤務をしなければならないほどの生活費確保の必要性・切迫性がどの程度あったのか、逆に、奥様の嗜好品や化粧品購入等の私的な目的での勤務なのかといった点が考慮されることになります)

・風俗店勤務の期間や頻度

・顧客の人数

・被害配偶者を裏切った回数等(例えば、一度目の風俗店勤務発覚時に今後一切このような仕事をしない旨誓約したのに何度もその誓約に違反した等) 

・風俗店勤務配偶者による関係修復の努力の有無(客観的証拠上風俗店勤務の事実が明らかなのに、これを否定し続けたり、風俗店勤務を認めたのに開き直って今後もこの仕事を続ける旨発言した場合などは慰謝料額は増額される傾向にあります)

 

②の被害配偶者の精神的苦痛や肉体的苦痛としては、例えば、うつ病その他の精神疾患を患うようになったとか、胃潰瘍になってしまったといった事情が、風俗店勤務と直接関係しているような場合には、慰謝料の増額要因になり得ます。 

 

③③風俗店勤務が発覚したことによって婚姻関係にどの程度ヒビが入ったか

 

④の婚姻期間の長さは、入籍してからの期間が考慮され、原則として交際していた期間は考慮されません。 

 

⑤風俗店勤務配偶者の収入は、源泉徴収票等が重要な判断資料になります。なお、たまに「家内はお金を持っていないけれど、家内の親は資産家だから、親からお金を取って欲しい」という相談を受けることがありますが、奥様と親御様は別人格になりますので、法律的には親御様に対して金銭請求することはできません。

 

3.冷静な話し合いが難しい場合には早めにご相談下さい


 

 風俗店勤務などの機敏な問題についてはご夫婦間での冷静な話し合いが難しいというケースも数多くあります。

 そのため、ご夫婦間での冷静な話し合いが難しいという場合には、なるべく早めに弁護士にご相談されることをおすすめします。

 

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デリバリーヘルス嬢の離婚慰謝料を限りなくゼロに近づけたケース

2016.08.15更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.婚姻中夫に隠れてデリバリーヘルスの仕事をすることは慰謝料原因になるか


 

 一般に慰謝料発生の原因とされる「不貞行為」とは、第三者と性交渉を持つことを意味するとされています。

 そうすると、デリバリーヘルス業務は、直ちに性交渉に結びつくわけではありませんので、厳密には「不貞行為」とは言えなさそうです。

 

(1)性交渉を持ってしまった場合慰謝料責任は避けられない

 デリバリーヘルス業務を行っていると、特定の客から何度か指名を受けているうちに懇意になり、性交渉に至ってしまうというケースも多くあります。

 このように関係を持ってしまった場合には明らかに「不貞行為」に該当しますので、慰謝料を支払う責任は避けられません。

 

(2)性交渉を持たなくとも慰謝料責任が発生する危険性は高い

 デリバリーヘルスについては、デリバリーヘルス店において、客との性交渉を禁止する旨の規則が定められていることが多くあります。このような規則の存在を理由にしてデリバリーヘルス嬢も客からの性交渉の要求を拒否するケースも多くあります。

 しかしながら、デリバリーヘルス業務は、性交に類似する行為が多分に含まれるため、婚姻中にこのような業務についていることを旦那様が知った場合には、大きなショックを受けることも多いと思います。

 

 そのため、デリバリーヘルス業務を行ってきたことは、慰謝料の発生原因になり得ると思われます。

 

2.私が担当した事件


 

・ご依頼者様:30代後半の女性(Yさんと言います)

・ご依頼内容

 旦那の暴言がひどいため離婚したいが、婚姻中デリバリーヘルス業務をしていたことを旦那が気付いてしまい、「慰謝料を請求する」と言われてしまっている、円滑に離婚できるように弁護活動を行って欲しい、というご依頼内容でした。

 

 なお、Yさんの旦那様:40代前半の男性、お子様:小学校に通う男の子2名、ご家庭環境:ご依頼時別居中、婚姻期間:10年程度というケースでした。

 

3.私の弁護活動


 

 まずは、Yさんからデリバリーヘルス勤務の期間や態様、その経緯などについて詳しくお話を伺いました。Yさん自身旦那様から追及された際に、デリバリーヘルス勤務をしていたことは認めてしまっていましたので、一切慰謝料を払わないと言うことは難しいと思いましたが、その金額をできる限り減額する事情がないかを詳しく聞くことにしたのです。

 

 この事件では、旦那様がYさんのデリバリーヘルス勤務に強く立腹しており、旦那様の方から家庭裁判所に対して離婚調停の申立がありました。

 

 この調停の中でも、旦那様はYさんに慰謝料400万円を支払わせるといったことを強く主張していました。

 

 これに対しては、デリバリーヘルス勤務の経緯を詳しく説明すると共に、デリバリーヘルス店の店内規則にて客との性交渉が明確に禁止されていることを説明しました。

 具体的には、このケースでは、旦那様が頻繁に高級品を購入していたため、そのことで生活費が圧迫され、Yさんとしても育児をしながら高額の収入を得るためにデリバリーヘルス業務に従事しなければならなかったという事情を説明しました。

 

 また、旦那様は、Yさんがデリバリーヘルスの客の○○さんと性交渉があったはずだということを強く疑っていましたが、濡れ衣でしたので明確に否認しました。

 

4.調停委員の風当たり


 

 上記の通り、当方としては、「不貞行為」はないと繰り返し主張しましたが、デリバリーヘルス業務自体が性交に類似する行為を含んでいることもあって、調停委員の理解を得ることは難しい状況でした。

 

 そのため、Yさんの現在の収入がパート収入のみで、ほとんど収入がないという点を積極的に押し出す形に作戦を変更しました。Yさんにはほとんど収入がないという点については、昨年度の課税証明書なども提出し、調停委員にも理解してもらいました。

 

5.1万円に満たない慰謝料を支払って離婚


 

 当方としては、Yさんにほとんど支払能力がないという点を全面的に押し出し、慰謝料の支払いが現実的に不可能であるという点を繰り返し強調したところ、旦那様の方も長期的な紛争は避けたいという意向に変化していきました。

 

 ただ、旦那様の心情として慰謝料ゼロと言うことには納得が行かないとのことでした。そこで、最終的にはYさんが1万円にも満たない少額を支払うという形で合意にこぎ着けることができ、調停が成立しました。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

不倫誓約書「今後連絡を取った場合罰金を払う」の有効性が問題になったケース

2016.08.01更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.不倫の誓約書


 

 

 旦那様の不倫が発覚した場合、奥様としてはまず、今後の夫婦関係をどのようにするのかについて真剣に考えなければなりません。

 旦那様が今後もこのようなことを繰り返す可能性が高いという場合には、離婚、もしくは、離婚しないまでも一定期間別居をするという選択肢もあり得るでしょう。逆に、小さいお子様がいるなどの事情で離婚に踏み切れないという場合、夫婦関係の修復を試みるということもあり得るでしょう。

 

 では、夫婦関係の修復を試みるという場合、今後同じようなことが繰り返されないために、旦那様に誓約書を記載させる必要があります。

 このような誓約書を書かせることは、旦那様自身の反省・謝罪の気持ちをきちんと書面に残しておくことに加え、旦那様自身にとって、その様な気持ちをきっちりと自覚させることにも繋がります。

 

 そして、不倫相手の女性についても、奥様がよく知る人物であるといった場合には、その不倫女性にも同様に誓約書を提出させるのが効果的です。

 

2.私が担当した事件


 

 

・ご相談者 40代前半の女性(Zさんと言います)

・ご相談内容

 妻子を持つdさんと浮気をしてしまったが、そのことがdさんの奥様に発覚して、一度誓約書を書いて提出している。この誓約書には今後dさんと連絡を取った場合には1回につき200万円を払うと書かれているが、これは有効なのか、というご相談でした。

 このケースでZさんは結局dさんと2度目の浮気をしてしまい、そのことでdさんの奥様から200万円を請求されているということでした。

 

 なお、dさんは40代前半の男性、dさんのご家庭は、奥様30代後半、小学校に通う男の子がお二人いる家庭でした。

 

3.「1回の違反に対して」200万円という約束の有効性


 

 誓約書にサインをしてしまった場合でも、その内容が当然に全て有効になるわけではなく、その内容が圧倒的に不倫被害者側に有利であるといった場合には、効力が一部制限されることもあると思われます。

 今回のケースで問題となった「連絡1回につき200万円」という約束も圧倒的に不倫被害者側に有利な定めになりますので、文面通りの効力は認められないものと思われます。

 

4.結局はケースごとの不倫慰謝料額が物差しになると思われる


 

 上記の通り一方的すぎる内容の誓約書の効力は制限されますが、問題は、どこまで制限されるのかという点です。

 

 一方的過ぎる内容であっても、全部無効ということにはならないと思いますので、具体的にZさんはいくら払えばよいのかが問題となります。

 

 この点は、このケースでの不倫慰謝料をいくら払うのが妥当かという金額が物差しになるのではないかと思われます。具体的には不倫慰謝料は以下のような点を考慮して定まります。

 

①不倫の悪質性

②被害配偶者が受けた精神的苦痛や肉体的苦痛

③不倫をきっかけにして夫婦関係が破綻したかどうか

④婚姻期間の長さ

 ⑤不倫女性の収入

 

5.このケースでの解決


 

 私は、上記のような相談を受け、合計の支払額が200万円ということであれば、不当に高額とも言えないのではないかとのお話しをさせていただき、Zさんも、その金額を支払うということで、私が間に立たずに問題は解決しました。

 

6.お金を支払う際の注意点


 

①可能な限り、200万円の支払いで終わりであると言うことを約束させること

 200万円を支払う際には、dさんの奥様にも、200万円を受け取ることで問題が解決済みであることを署名押印してもらうのが望ましいです。

 

 そうでないと、今後dさんの家庭が正式に離婚することになったとか、お子様がショックで体調を崩したといった事情の変化があった時に、その都度追加で慰謝料を請求される危険性が残るからです。

 具体的には、dさんの奥様に「200万円を受領したことに伴い、Zさんとの間に何らの権利義務がないことを確認する。」といった内容の合意書に署名押印してもらうとよいでしょう。

 

②dさんへの求償の問題も考慮すること

 不倫というのは男女が共同して行う不法行為のため、Zさんだけが200万円を支払ったという場合には、本来dさんに対して100万円程度のお金を請求しても良いことになります(これを法律用語では「求償」などと言います)。

 

 Zさんとdさんは共同で違法行為をしたことになるので、一方のみが金銭負担をするのは不公平だから、内部で調整を図るということです。

 

 ただ、実際にZさんがdさんに連絡を取ると、dさんの奥様からしてみると、「また疑わしい関係が続いている」と見られかねませんし、再度dさんの家庭を混乱させることにもなりかねません。

 そのため、このような求償を行うかどうかはZさんが慎重に考えていかなければなりません。

 

 ちなみに、今回のケースでは、Zさんはdさんへの求償はせずに終わらせました。

 

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