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【改正民法施行!!どうなる!?これからのモラハラ離婚(17)】タイプ別解説・どうしてモラハラ夫との「離婚後共同親権」を推奨できないのか?

2026.05.25更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。これまで20年以上モラハラ離婚に携わってきた経験に基づき、本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

(この記事は、弁護士秦のオリジナルの記事です。無断転載・無断複製を禁止します)

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 今回は、このようなモラハラ夫と離婚することを考えている方を対象に、民法改正でどのように制度が変わったのかを解説していきます。

 

 

2.改正民法施行


 離婚後共同親権等を主とした内容の民法改正は、法律そのものは令和6年5月17日に成立していたのですが、その施行(その法律が効力を発生すること)は令和8年とされていました。この改正は、離婚後単独親権のみとしていた民法の内容を大きく変更するものでしたので、その法律の内容を世間に広く周知し、また、実務的な対応を整備する観点から、法律の施行まで一定の期間を置くことになったのです。

 最終的に民法改正の施行日は令和8年4月1日に設定され、この日から効力が発生することになりました。

 

 

3.離婚後共同親権って何なんだ?


(1)「離婚後共同親権」の法律的な意味合い

仮に、離婚後共同親権を選択したとしても、①夫婦が一緒に住まないといけないというわけではありませんし、②お子さんに半々で関わる制度というわけでもありません。

 そもそも、離婚する際には、ご夫婦は別々に暮らすことを前提に、お子さんが夫婦のどちらと一緒に住むのかを決めると思います。そして、その様に決めると、お子さんの日常的なことは一緒に住んでいる親が決めるということになると思いますので、「共同親権」というのは、以下のような「お子さんにとって大事な事項を夫婦一緒に決める」という意味合いになります。

  • お子さんの転居(引っ越し先の決定)
  • 進路に影響する進学先の決定
  • 心身に重大な影響を与える医療行為の決定
  • 財産の管理(預金口座の開設等)
  • 15歳未満のお子さんの氏の変更
  • 15歳未満のお子さんの養子縁組の代諾

 

(2)緊急時は別扱い

 前述のように、お子さんにとって重要な事項は、共同親権の場合には、夫婦で話し合って決める必要があるのですが、緊急の場合には、別扱いになります。

 例えば、DVや虐待から避難する場合には、あなたの一存で避難及び避難先をどこにするかということを決めて良いということになります。また、お子さんが大きな怪我をしてすぐに医療処置が必要な場合にも、あなたの方で医療処置を受けさせて構いません。

 

 

4.モラハラ夫と「離婚後共同親権」になった場合のリスクは?


 私の経験上、モラハラ夫との「離婚後共同親権」につきましては、オススメできないことの方が圧倒的に多いです。

 離婚後共同親権にしてしまいますと、前述のようなお子さんの進学先や重大な医療行為等について①まともな話し合いができず、いつまでも決められないとか、②モラハラ夫が自分の考えを押し付けてくるので、話し合いにすらならないということになりかねないからです。

 また、モラハラ夫は離婚後共同親権の内容を正確に理解せず、お子さんの習い事など親権の対象外の話題についても細かく口出ししてくるリスクもあります。

 ただ、これだけですとイメージがつきにくいと思いますので、モラハラ夫との「離婚後共同親権」になってしまった場合、どのようなリスクがあるのか、代表的なモラハラタイプ9タイプに分類して具体的に解説していきます。

 なお、モラハラ夫によっては、下記の9個のタイプに複数該当する場合もありますので、複数該当する場合には、該当するタイプそれぞれの解説を両方ご覧下さい。

 

 

5.【タイプ①】ともかく自分の考えを曲げないモラハラ夫の場合


 「ともかく自分の考えを曲げないモラハラ夫」というのは、自分の考え方が正しいという固定観念が強いため、①こちらの言うことを全く聞かない、②モラハラ夫の考え方を押し付けてくるような夫のことを意味します。

 このようなタイプのモラハラ夫と離婚後も共同親権になってしまいますと、主に、以下のようなリスクがあります。

  • (モラハラ夫は)不合理なものでも自説を曲げないので、子の福祉に反する結論に進みそうになる。
  • 子供の意思ではなく夫の意思が優先されやすいので、子供の意思がないがしろにされがちになる。
  • モラハラ夫の母校とか、他人に自慢できる学校などに進学させたがるので、子供の将来のためにならない。
  • モラハラ夫は、上下関係で、あなたの方を「下」と考えているので、対等な話し合いができない。
  • いくらあなたが説明をしても、モラハラ夫は自分の考えを譲らないため、あなたの方が疲弊してしまう。

 そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

6.【タイプ②】ともかく口が上手いモラハラ夫の場合


 「ともかく口が上手いモラハラ夫」も、自分の考え方が正しいという固定観念を持っていることが多いのですが、言葉巧みに自分の意に沿うような結論に持っていこうと話をするので、あなたの考えが反映されないようなパターンを意味します。

 このようなタイプのモラハラ夫と離婚後も共同親権になってしまいますと、主に、以下のようなリスクがあります。

  • 結局夫の希望するような結論に話を持っていかれてしまう。
  • 夫がもっともらしい話をしてくるため、こちらが「それで良いのかも」と言ってしまうと、「お前も同意した」ということで、その後の軌道修正ができない。
  • 急に全く違う話などを持ち出されて、混乱している間に結論を決められてしまう。
  • モラハラ夫は、こちらの意見が誤っているという言い方をしてくることが多いので、こちらの自己肯定感が下がりやすい。

 そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

7.【タイプ③】ともかく口が悪いモラハラ夫の場合


 「ともかく口が悪いモラハラ夫」というのは、常に他人の悪口ばかり口にしているとか、自分の意に沿わない場合には、すぐに声を荒げたり高圧的な態度に出るような夫のことです。

 このようなタイプのモラハラ夫と離婚後も共同親権になってしまいますと、主に、以下のようなリスクがあります。

  • 夫のことが怖いので、まともに会話ができない。
  • こちらが何も言えないでいると、「じゃあ、俺の意見の通りで」と言ってくるので、夫の言う通りに話が進んでしまう。
  • 夫を怒らせないように、という方向で話を進めがちで、子供のためにならない。
  • 夫の意に反する話をすると、こちらが強く批判されるので、話し合いで疲弊しがち。

そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

8.【タイプ④】ともかく言うことがコロコロ変わるモラハラ夫の場合


 「ともかく言うことがコロコロ変わるモラハラ夫」というのは、ついこの前言っていたことと全く異なる意見などを平気で言ってくるような夫のことです。ついこの前言っていたことがまるでなかったかのように話してくるのが特徴です。

  • (モラハラ夫が優柔不断のパターンの場合)あなたの意見ばかりを言わせて批判してくるだけなので、結局何も決まらない。
  • (モラハラ夫が平気で嘘をつくパターンの場合)つい数日前に言っていたことと話が違うので、こちらは話についていけない
  • (モラハラ夫が様々な意見や情報で意見をコロコロ変える場合)コロコロ変わるので、結論が出ない・出せない。

そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

9.【タイプ⑤】ともかくケチなモラハラ夫の場合


 「ともかくケチなモラハラ夫」というのは、安いものを購入しようとしたり、必要なものでも購入したがらないような夫のことです。

  • 子供の将来のためという視点より、経済的に得な選択をしたがる。
  • 通塾などお金のかかることに強く反対してくる。
  • 学費の支払いを渋ったり、あなたに負担させようとしてくるため、選択肢が狭まる。

そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

10.【タイプ⑥】ともかく神経質なモラハラ夫の場合


 「ともかく神経質なモラハラ夫」というのは、些細なことでも細かく気にしたりするような夫のことです。

  • 本来の共同親権の範囲外の習い事や普段の生活のことなどに事細かく意見を言ってくる。
  • 本来の共同親権の範囲外の習い事や普段の生活のことなどで頻繁に連絡が来るので、応対が大変である。
  • (塾の送迎など)「協力する」と言うので頼むと、(子供と二人だけの場面で)子供に対してしつこく指摘し始める。
  • モラハラ夫の独自のこだわりなどで進学先等を決めようとするので、子供の将来のためにならない。
  • 学校説明会など、こちらが参加したイベントについて事細かく質問してきたり、あなたに報告書を作成するよう命じてくる。

そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

11.【タイプ⑦】ともかく話がくどいモラハラ夫の場合


 「ともかく話がくどいモラハラ夫」というのは、同じことを何度も繰り返し主張してくるとか、経緯や理由などについて長々と説明してくるような夫のことです。

  • 延々と話が続くので、疲れてしまう。
  • モラハラ夫の意に沿わない意見をいうと、余計に話が長くなるので、気を遣いながら話をしなくてはならず、疲弊する。
  • (モラハラ夫は)不合理なものでも自説を曲げないので、子の福祉に反する結論に進みそうになる。

そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

12.【タイプ⑧】ともかく引きこもりがちなモラハラ夫の場合


 「ともかく引きこもりがちなモラハラ夫」というのは、都合が悪くなったり、不機嫌になると自室に籠ってしまうような夫のことです。

  • いつまでもモラハラ夫の返事が戻ってこないので、話が全く進展しない。
  • モラハラ夫の検討に非常に時間がかかるので、まどろっこしく感じる。
  • あまりに返事が遅いので、こちらで決めようとすると反発してきたりする。

そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

13.【タイプ⑨】ともかくこちらを監視したがるモラハラ夫の場合


 「ともかくこちらを監視したがるモラハラ夫」というのは、こちらの行動などを事細かく監視したがる夫のことを言います。

  • 本来の共同親権の範囲外の習い事や普段の生活のことなどに事細かく意見を言ってくる。
  • 本来の共同親権の範囲外の習い事や普段の生活のことなどで頻繁に連絡が来るので、応対が大変である。
  • 子供に夫名義の携帯電話やタブレットをもたせて位置情報や子供のデータを把握したがる。
  • 子供の写真データをアプリなどで共有することを強要してくる。
  • 室内に見守りカメラを設置して、子供の普段の様子を把握したがる。
  • 学校説明会など、こちらが参加したイベントについて事細かく質問してきたり、あなたに報告書を作成するよう命じてくる。

そのため、このような傾向が強いモラハラ夫との「離婚後共同親権」はオススメできません。

 

 

14.まとめ


・モラハラタイプには代表的なものでも以下の9個のタイプがある。

 ①ともかく自分の考えを曲げないモラハラ夫

 ②ともかく口が上手いモラハラ夫

 ③ともかく口が悪いモラハラ夫

 ④ともかく言うことがコロコロ変わるモラハラ夫

 ⑤ともかくケチなモラハラ夫

 ⑥ともかく神経質なモラハラ夫

 ⑦ともかく話がくどいモラハラ夫

 ⑧ともかく引きこもりがちなモラハラ夫

 ⑨ともかくこちらを監視したがるモラハラ夫

・いずれについても、モラハラ傾向が強い夫との「離婚後共同親権」はオススメしない。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【改正民法施行!!どうなる!?これからのモラハラ離婚(16)】別居にあたって事前にお子様にはどこまで話しておくべきか

2026.05.11更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。これまで20年以上モラハラ離婚に携わってきた経験に基づき、本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

(この記事は、弁護士秦のオリジナルの記事です。無断転載・無断複製を禁止します)

 

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 今回は、このようなモラハラ夫と離婚することを考えている方を対象に、民法改正でどのように制度が変わったのかを解説していきます。

 

 

2.改正民法施行


 離婚後共同親権等を主とした内容の民法改正は、法律そのものは令和6年5月17日に成立していたのですが、その施行(その法律が効力を発生すること)は令和8年とされていました。この改正は、離婚後単独親権のみとしていた民法の内容を大きく変更するものでしたので、その法律の内容を世間に広く周知し、また、実務的な対応を整備する観点から、法律の施行まで一定の期間を置くことになったのです。

 最終的に民法改正の施行日は令和8年4月1日に設定され、この日から効力が発生することになりました。

 

 

3.改正民法における転居の取り扱い


 改正法では、①お子さんの居所指定(要するに引っ越すかどうか、引っ越し先をどこにするか)が共同親権の対象で、夫婦が共同で行使すべき内容だと明記されたこと、②夫婦間の人格尊重・協力義務の規定が設けられ、合理的理由もなく夫側に無断でお子さんの住所を変更する行為は同義務に違反するものと位置付けられました。

 そのため、改正法の下では、モラハラ夫側に何も伝えずにお子さんと一緒に別居を開始してしまうと、①本来共同で行使すべき共同親権を単独で行使してしまった、②夫婦間の人格尊重・協力義務に違反する対応ということになってしまいますので、より一層慎重な対応が必要になってきます。

 そして、このことは、あなたとお子さんとの関係でも配慮が必要なことを意味します。別居にあたって、お子さんに何も説明せず、お子さんの気持ちが調わない状況で別居を開始してしまうと、別居がお子さんの利益にかなうのかという問題が生じ得るのです。

 

 

4.お子様に別居のことをいつ、どこまで話すかは非常に悩ましい


 お子様がまだ乳幼児で、自分の意思を示すことができないという年齢でしたら、別居のことを伝えても理解できませんので、悩む必要はありません。
 他方で、お子様が自分の生活環境等を理解している場合、事前に何も伝えずに別居するというわけにもいかないでしょうから、いつ、どこまで話をするのかということは悩ましい問題になるケースも多いです。以下、詳しく解説していきます。

 

 

5.お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、お子様の理解を得た上で別居するケースが大半


(1)お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、お子様の理解を得た上で別居するケースが大半
お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、かなり周りのことを理解できる年齢になっておりますので、別居すること、今住んでいる自宅には戻らないことについては事前に話をし、その理解を得ておくケースが大半かと思います(離婚まで言及するかは、お子様のご様子にもよるかと思います)。
 特に、お子様が小学校高学年の場合、「別居は構わないけれども、小学校は変わりたくない」とか「今まで通り習い事は続けたい」もしくは「仲の良い友達とは引き続き会いたい」といった自分の意見が出てくることが多いため、その意見を無視して別居することは難しいと思います(お子様の意見を無視して別居すると、後から「自宅に帰りたい」といった意見が出て、親権争い等で不利になる可能性もあるという意味です)。

 その際に、お子様にどこまでの話をするのかという点ですが、お子様が小学校高学年の場合、普段のモラハラ夫の行動や言動はしっかりと認識していますので、詳しく説明しなくとも「お母さんは、お父さんと一緒に暮らしていくことが難しいから、この家を出て暮らすけれど、一緒に来る?」といった簡単な説明で済むケースも多いかと思います。
 なお、夫婦の紛争に関する話を事細かにお子様に話すのは好ましくないとされていますので、特に必要がない限り、あまり詳しい説明はしない方が良いと思います。

 

(2)別居の何週間前、何か月前くらいに話をするか
 これは、ケースによって皆さんそれぞれなのですが、①お子様自身の口から「こんなお父さんと一緒に暮らしたくないから早く離婚して欲しい」とか「お母さんが可哀想だから、早く別れて欲しい」といった積極的な言葉が出ている場合には、別居の2,3か月前とか、比較的早い段階から別居のことを伝えているケースが多いように感じます。

 逆に、別居のことをお子様に伝えるとお子様が頭を悩ませてしまいそうだとか、お子様は別居したくないという気持ちの方が強い場合には、いつ頃話をするかは悩ましい問題です。
 このような場合には、お子様にじっくり考えてもらうために、早い段階で別居の話を伝えておいた方が良いケースもある反面、早めに伝えると、お子様を通してモラハラ夫に別居のことが伝わってしまうというリスクがあります(お子様の口から話が伝わると不正確な情報が伝わってモラハラ夫が感情的になるリスクがありますし、あなたがモラハラ夫にどう別居を切り出そうか悩んでいる段階で伝わると、話が混乱するおそれもあります)。
 そのため、お子様の性格やお子様とモラハラ夫との関係性等も考慮して、お子様に話をするタイミングを検討すべきことになろうかと思います。

 

(3)お子様が15歳以上の場合、事前に説明をして理解を得ておくことはほぼ必須
 前述の通り、お子様の年齢が小学校高学年以上の場合、お子様の理解を得た上で別居するケースが大半でしょうが、その中でも、特にお子様が15歳以上の場合には、その理解を得ておくことはほぼ必須になります。
 と言いますのは、お子様が15歳以上の場合、裁判所が親権者を決めるにあたっても、お子様の意見を確認することが必須事項となっておりますので、別居に際しても、より一層慎重に対応したほうが良いということになるのです。

 現実的にも、お子様が15歳以上の年齢ですと自分の意見が出てきますので、十分理解を得ておかないと、「自分はここに残る」という意思表示をしてくるケースも多いかと思います。

 

 

6.お子さんに説明する内容


 モラハラ夫と離婚理由等について話をしながら、平行してお子さんに話をしなければならない関係で、お子さんに対する説明もどうして夫婦仲よくできないのかという話に目が行きがちです。

 しかし、あまりご夫婦の問題ばかりをお子さんに話すと、ご夫婦の紛争にお子さんを巻き込んでしまうことになりますし、モラハラ夫への悪口になってしまう危険性があります。

 そのため、仮にご夫婦の関係について説明するにしても「お父さんとお母さんは一緒にいると喧嘩になっちゃうから、別々に暮らすことにした。お父さんがあなたのことを好きなことは変わらないよ。」といった説明をすることが多いです。

 むしろ、お子さんに対する説明として重要になるのは、引っ越し先がどのあたりになるのか、引越後の生活がどのようなものになるのかという点を説明し、お子さんの理解と納得を得ておくことです。引越という話をした場合の、お子さんの不安や関心は、お子さんごとに異なると思いますので、お子さんの気持ちに寄り添った説明を心がけて下さい。

 

 

7.お子様が小学校低学年以下の年齢の場合、お子様の理解力などに応じて検討する


 お子様が小学校低学年以下の場合でも、小学生の場合には、おおよその環境等の理解は進んでいると思いますので、少なくとも事前に別居のことは伝えるべきかと思います。
 ただ、小学校低学年以下の年齢ですと、お子様がモラハラ夫に別居のことなどを話してしまう危険性が高いので、(モラハラ夫に)不正確に話が伝わって混乱しそうだという場合には、あまり早い段階で話をしない方がよいかと思います。
 お子様が小学生未満の場合には、お子様の理解力に応じて、事前に別居のことを伝えるかどうかも含めて検討していくことになろうかと思います。

 

 

8.別居や離婚は、お子様にとっても「自分事」だという認識を持つことが大事


 別居や離婚は、あなたにとっても大きな不安事ですし、どうやったら円滑に離婚できるのかといったことで頭がいっぱいになってしまう方も多いと思います。
 ただ、別居で生活環境が変わるのはあなただけではありません。
 お子様も様々な悩みや不安を抱えることになると思いますので、別居や離婚は、あなた自身の「自分事」というだけではなく、お子様にとっても「自分事」なんだという気持ちをもって接するのが良いかと思います。

 

 

9.まとめ


・お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、お子様の理解を得た上で別居するケースが大半である。
・お子様が小学校高学年以上の年齢の場合、(お子様自身が状況をよく理解しているので)別居にあたっての詳しい説明は不要なことも多い。
・お子様が別居や離婚に賛成派の場合、比較的早い段階から別居のことを伝えているケースが多い。
・お子様が15歳以上の場合、事前に説明をして理解を得ておくことはほぼ必須である。
・お子様が小学校低学年以下の年齢の場合、お子様の理解力などに応じて検討する必要がある。
・お子さんに対しては、離婚理由等の夫婦に関する話は、できる限り避けたほうが良い。

・別居や離婚は、お子様にとっても「自分事」だという認識を持つことが大事である。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【改正民法施行!!どうなる!?これからのモラハラ離婚(15)】別居や離婚を告げた時のモラハラ夫の反応と対処法

2026.05.04更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。これまで20年以上モラハラ離婚に携わってきた経験に基づき、本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

(この記事は、弁護士秦のオリジナルの記事です。無断転載・無断複製を禁止します)

 

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 今回は、このようなモラハラ夫と離婚することを考えている方を対象に、民法改正でどのように制度が変わったのかを解説していきます。

 

 

2.改正民法施行


 離婚後共同親権等を主とした内容の民法改正は、法律そのものは令和6年5月17日に成立していたのですが、その施行(その法律が効力を発生すること)は令和8年とされていました。この改正は、離婚後単独親権のみとしていた民法の内容を大きく変更するものでしたので、その法律の内容を世間に広く周知し、また、実務的な対応を整備する観点から、法律の施行まで一定の期間を置くことになったのです。

 最終的に民法改正の施行日は令和8年4月1日に設定され、この日から効力が発生することになりました。

 

 

3.気になるモラハラ夫の反応は?


 以下では、あなた自身がモラハラ夫に対して別居や離婚の話を切り出したときにモラハラ夫がどのように反応することが多いのかについて解説していきます。なお、実際に別れ話を切り出してみると、こちらが予測していたのとは異なる反応を示すこともありますので、予め心の準備をしておくという意味でも参考にして頂けるとありがたいです。

 

 

4.【ケース1】モラハラ夫が全く真剣に受け取ってくれない


 私が事件を担当していて、モラハラ夫の反応として一番多いと思われるのが、真剣に受け取らないという反応です。
 特に、あなたが専業主婦であったり、パート勤務で収入が少ないような場合には、「離婚しても自分の収入だけで生活できるはずがない」などと考えるモラハラ夫が多いようです。
 また、これは別れ話のタイミングにもよるのですが、夫婦喧嘩の際などに、別れる旨を話した場合には、モラハラ夫は、こちらが一時的な感情で離婚や別居を口にしたと誤解しているケースも多いです。
 このようにモラハラ夫が真剣に受け取らないという場合には、真剣に受け取るような伝え方をしていくのが良いと思います。例えば、お互いの両親を交えた大家族会議のような形式をとるとか、具体的な別居開始日を決定してしまって話をするとか、もしくは、別居開始後に改めて話をするといった方法が考えられます。

 

 

5.【ケース2】モラハラ夫が急に神妙になる・謝ってくる


 モラハラ夫は、家庭内ではモラハラ発言等ばかりであっても、家庭の外では、まるで別人のように社交的にふるまうというような人物も多いです。そのようなモラハラ夫の共通点としては、「自分がどのように行動すると自分に有利になるのか」といったことを計算できるということです。
 そのため、あなたが真剣に別居や離婚のことを伝えると、一旦はあなたを落ち着かせたほうが良いと考え、モラハラ夫は神妙になったり、急に謝ってくるのです。

 

 このような場合によく質問を受けるのが「今は神妙にしているけれども、演技なので長続きしませんよね?」といったご質問です。
 私は実際にあなたの夫に直接会ったことも直接話したこともないため確証をもってお話しできないのですが、「これまでのモラハラ行為の重症度に応じて推測するしかありません」とお答えすることが多いです。これまでのモラハラの重症度が重い場合には、残念ながら、今は神妙にしていても長続きしなかったり、モラハラ行為が再燃する確率が高いと言えますし、逆に、これまでのモラハラの重症度がそこまで重くない場合には、モラハラ行為が再燃する確率は高くはないかもしれません。

 

 実際に私が担当したケースですと、反省が長続きしないケースだと「数日で元に戻ってしまった」というケースもあります。

 なお、モラハラ夫がこれまで一度も謝ったことがなかったような場合には、今回初めてモラハラ夫が謝ってきたことであなたも嬉しくなってしまい、安心してしまうということもありますが、残念ながらそれが演技の可能性もありますので、今後も多少なりとも用心しながら生活したほうが良いと思います。

 

 

6.【ケース3】モラハラ夫が猛反発してくる


 重症のモラハラ夫でよくあるケースですが、あなたが真剣に別れ話をしたことで、猛反発してくるケースです。
 そもそも、モラハラ行為をする人間は、自分が悪いことをしていないと考えている人が多いです。「あなたが俺を怒らせるのが悪い」「怒らせる原因を作ったのはあなただ」「あなたの家事があまりに不十分なので注意しただけで、感謝されても責められる謂れがない」といった発想です。
 このようにモラハラ夫としては何も悪いことをしていないと考えていますので、突如あなたから離婚や別居を突き付けられて、離婚する理由がないとか、もっと家族円満にできるようあなたの方が努力すべきだなどと強く反発してくるのです。

 このような場合、あなた一人でこれ以上別れ話を進展させていくことは難しいですし、あなたのモラハラ被害が拡大していくだけなので、他の親族の協力を得るなど話の持って行き方や、離婚に向けての手順等をしっかりと検討していったほうが良いと思います。

 モラハラ夫の反発が強く、これ以上一緒に生活していくことが困難だという場合には、別居の段取りを組んだ上で、別居後の話し合いは弁護士に一任するという対応を取った方が良いかもしれません。

 

 

7.【ケース4】表面的に波風を立てないようにしつつ離婚準備を始める


 表面的にモラハラ夫側の動きが見えにくくなるので、一番油断がならないケースです(ただ、私が実際に担当した事件でも、このように対応するモラハラ夫はごく少数です)。

 例えば、①表面的にはこちらへの圧が大きく軽減されたが、子供への関わりが非常に積極的になったケース(最悪離婚になっても、新件を獲得すべく準備しているケース)、②表面的にはモラハラ発言等が大きく減ったが、預金をインターネットバンキングに変更したり、これまで置いてあった共用スペースから勝手に移動し始めた(最悪離婚になっても、財産分与でなるべくお金を渡したくないので、財産隠ぺいを目論んでいるケース)といったものが考えられます。
 モラハラ夫はこちらの予想以上に計画的に準備を開始している可能性もありますので、十分用心する必要があります。

 

 

8.【ケース5】こちらのことを無視してきて話ができなくなる


 何か都合が悪いことが起こると自室に引きこもってしまうとか、無視が始まるというパターンのモラハラ夫の場合、こちらが別れ話を伝えると、また無視が開始するというパターンが強く想定されます。

 そのような場合でも、お子さんを連れて別居するという場合には、少なくとも、お子さんのことについて話し合おうとしたという痕跡を残す必要がありますので、仮に実際の話し合いが実現しないとしても、話し合いを持ちかけた痕跡として、LINEで話し合いを持ちかけるなど工夫しておいた方が良いです。

 

 

9.上記のケースはあくまで代表例であること


 上記で詳しく解説したケースはこれまで私が直接担当した事件での実際の事例なのですが、あくまで代表的なものに過ぎません。
 そのため、前述のケースの枠に入らない反応を示すケースもあると思います。
 また、前述のケースは、必ずしも、どれか一つのみが当てはまるということではありません。複数が当てはまるというケースも往々にしてありますので、この点も留意が必要です。

 

 

10.まとめ


・奥様が直接モラハラ夫に別れ話などを切り出したときの夫側の反応としては以下のようなものがある。
 ①全く真剣に受け止めない
 ②急に神妙になる・謝罪してくる
 ③猛反発してくる
 ④表面的には波風を立てないようにしつつ離婚準備を進める

 ⑤こちらのことを無視してきて話ができなくなる
・これらはあくまで代表例なので、違うケースもあり得るし、複合的なケースもあり得る。

 

 

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雨宮眞也法律事務所
弁護士 秦(はた) 真太郎
TEL03-3666-1838|9:30~18:00
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投稿者: 弁護士秦真太郎

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