こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。まだあきらめるのは早い、最後の最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から解説していきます。※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※
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1.大まかに場合分けが必要
一口に離婚回避のために「すべきこと」「やってはいけないこと」と言いましても、あなたが置かれている状況によって、対応方法も異なってきますので、⑴別居前・⑵別居後・⑶相手が弁護士を立ててきたという3つに分けて、解説していきます。
2.【ケース1】まだ相手が別居を開始する前の段階
「まだ相手が別居を開始する前の段階」というのは、実際のケースとしては、まだ相手が別居をスタートしてはいないけれども、別居や離婚の希望を直接伝えてきたとか、様子を見ていると別居の準備をしている様子があるといったケースです。
この場合に「すべきこと」「やってはいけないこと」を8個に絞って解説します。
(1)【心得1】反発しないこと
私が夫婦修復のケースを担当していて、まず注意して欲しいと考える点が「反発しないこと」です。
相手が別居希望や離婚希望をこちらに伝えて来る際には、当然ながら、あなたに対する不満をぶつけてくることが多いと思いますが、あなたの認識と異なる事実、誤解している事実が含まれることも多いと思います。
そのため、相手の言い分をさえぎって、あなたの言い分や認識を伝えたくなるのも当然のことだと思います。
もちろん、あなたの考えを伝えることで夫婦の誤解が解けて関係が修復するということもあるので、あなたの考えを伝えてはいけないということではありません。
気を付けて欲しいのは、「売られた喧嘩を買う」ということにならないようにして欲しいということです。
これでは、夫婦喧嘩にしかなりませんので、関係修復が遠のいてしまいます。
相手の口から離婚や別居というワードが出たということは、真剣に悩んでいる可能性が高いと思いますので、反発しないで冷静に話し合いができた方が良いと思います。
(2)【心得2】相手の話を軽視しないこと
これは、妻が別居希望や離婚希望を伝えてくるケースで多いのですが、夫側が「そんなこと言ったって、妻の収入だけでは生活できないに決まっているから、言わせておけばよい」とか「どうせ本気じゃないでしょ」といった形で、妻の話をまともに取り合わないという方もいます。
しかし、私が夫婦修復の件でお話を聞いておりますと、「同居中に妻がそんなことを言ってたんですが、本気だとは思わなかったから、簡単にあしらったんですが、そうしたら急に何も言わずに出て行ってしまったんです。どうすればいいですか?」とご相談を受けることも多いです。
そのため、「今回は本気かもしれない」と思って話を聞いた方が良いと思います。
(3)【心得3】理解できるところ、すべきところは、理解・共感する
前述のように、相手は、あなたに対する不満をぶつけてくると思います。その中でも、理解できるところや、相手がこだわっていて、そこを妥協しないと夫婦修復の糸口がつかめないような部分については、理解・共感するという姿勢が大切なことが多いです。
ただ、このような話をすると「要するに、相手の話に相槌だけ打っておけばいいんですよね?」とおっしゃる方もいますが、このような姿勢ですと、相手に見透かされてしまうことが多いので、実際にあなた自身理解・共感できる範囲で妥協するということの方が良いと思います。
(4)【心得4】謝るべきところは謝る
前述の理解・共感に加え、あなた自身が悪かったという点については、謝罪するということも重要なことです。
もちろん、相手の話の中で、相手が誤解しているというものについては、冷静に説明をして、誤解を解く必要がありますが、実際に、あなた自身の行動や言動で行き過ぎたと感じるものがあった場合には、(そのことだけは)素直に謝罪することも重要なのです。
なお、このようなお話をすると、「自分はお互い様だと思うんですが、こっちだけ謝らないといけないなんておかしくないですか?」とか「この件は、自分よりも相手の方が絶対に悪いと思うんですが、それなのになんでこっちが謝るんですか?」とおっしゃる方もいます。
ただ、「お互い様」「相手の方が悪い」という姿勢が続きますと、夫婦修復の道は閉ざされてしまうと思います。
そのため、一旦は謝って「ただ、そっちの言い方も良く無かったよね」といった形で指摘することも考えてみてください。
(5)【心得5】気持ちを切り替えるイベントのセッティング
相手から別居や離婚の話が出ているので、この険悪な状況が続くことは避けた方が良いと思います。
そのため、家族の絆を深められるようなイベント(旅行や外食、記念日のお祝い等)をセッティングできるようであればセッティングして、それが、夫婦修復の試金石になることもあります。
家族行事だと、険悪ムードを引きずりそうだという場合には、友人等を招いたパーティーのようにするとか、お互いの親族も読んで旅行に行くなど、バリエーションを工夫してみても良いかもしれません。
(6)【心得6】状況を客観視する
これは、夫婦修復の糸口をつかむために、場合によってはやってみても良いかもしれないという方法なのですが、親しい友人等に相談して、その意見を聞くこともあります。
と言いますのは、あなた自身が一人で抱え込んでいても、なかなか解決の糸口がつかめないという場合でも、親友等に相談すると、客観的に状況を把握できるとともに、解決の糸口をつかむことができることもあります。
なお、この場合に注意して欲しいのは、あまり沢山の人に相談しない方が良いということです。相談相手が複数に上りますと、様々な意見が出て意見集約が難しくなりますし、情報が拡散するリスクが高まるからです。職場の先輩何人かに相談したら、いつの間にか職場の同僚等全員が知るところとなってしまったというケースもありますので、情報管理には気をつけたいところです。
(7)【心得7】極力別居は回避する
相手が別居を始めてしまいますと、より一層夫婦修復が難しくなるのは事実なので、極力別居は回避した方が良いです。
最悪、離婚裁判になることも視野に入れますと、別居開始が早いほどこちらに不利に働くことも事実です。
他方で、①相手が精神的に不調を抱えていて、一定期間冷却期間を置いた方が望ましいと言えるケースで、かつ、②別居先も相手の実家とし、実家が夫婦修復を強く希望しているという場合には、別居回避にこだわり過ぎないことが、結果的に良い方向に結び付くこともあります。
そのため、別居回避を基本としつつ、状況に応じて、ある程度柔軟に対応することも検討してみてください。
(8)【心得8】離婚届不受理申請
私がご相談を受けておりますと、相手がこちらの署名と押印を偽造してまで離婚届けを提出するケースは少ないという印象ですが、少なからず勝手に離婚届を提出しようとする人もいます。
特に同居しておりますと、相手もこちらの印鑑の在処を知っているケースも多いので、勝手に押印されるリスクは捨てきれません。
そのため、相手が勝手に離婚届を提出しそうであれば、予めこちらから離婚届不受理申請を出しておいた方が安全です。
3.【ケース2】相手が別居を開始してしまった後の段階
一口に、相手が別居を開始してしまった後のケースと言っても、①こちらも同意した上で別居しているケース、②こちらは同意していないけれども、強く反対したわけではないケース、③反対している中で別居されたケース、④反対以前に何も相談がなく勝手に出て行かれたケースなど複数のケースが想定されるのですが、これらのケースをひとまとめにして、別居後のケースとして以下解説していきます。
(1)【心得1】相手の姿勢に合わせた対応を心がける
私が相談を受けていて一番感じる点なのですが、別居後により険悪になってしまっているケースをよく見かけます。
それは、別居後も、相手が自身の悩みなどを真剣に相談等しているのに、こちらが、寄り添おうとせず、自ら夫婦修復の糸口をなくしてしまっているといったケースです。
そのため、私が良くお勧めしますのは、「相手の姿勢に合わせた対応」というところです。
例えば、別居したものの相手がこちらと接点を持ちたいがために必要なものを持ってきて欲しいといった形でサインを送ってきた場合には、それを送り届け、その際に少し顔を見て冷静に話をするといった対応が望ましいと言えます。他方で、一旦は話もしたくないという場合には、しばらく敢えて連絡を取らないという対応が望ましい時もあります。
このように相手の姿勢に合わせて対応するのです。
くれぐれも、「別居なんて勝手なことをして、断じて許せない」という姿勢は避けた方が良いかと思います。
(2)【心得2】相手を見守ってくれる人の言うことを真摯に受け止める
相手の別居が一時的な場合には、実家に身を寄せるというケース、社員寮で寝泊まりする、友人のところに居候するなどいくつかのケースがあると思いますが、誰かしら身近な同居者、つながりのある人物がいることが多いと思います。
このように相手のことを見守ってくれる人物が言うことは、客観的に相手の様子や心境を言い表していることが多いと思いますので、その話は真摯に受け止めた方が、夫婦修復につながるケースが多いです。
(3)【心得3】別居解消を急かさない
法律的な戦略という観点からは、別居期間を短期間に収めたほうが望ましいです。
ただ、焦って対応すると、相手は、一層態度を頑なにしてしまうリスクが高いので、既に別居がスタートしてしまっているという現状を踏まえ、焦らない方が結果的に夫婦修復につながることが多いような気がします。
もちろん、相手が別居を始めたものの、内心では、早く迎えに来て欲しいと思っているような場合には、早く迎えに行った方が良いのですが、慎重な対応を心掛けた方が良いと思います。
(4)【心得4】長期間の断絶にはしないこと
前述の通り、相手の姿勢に合わせて対応することが肝要なのですが、あまり期間が空き過ぎてしまいますと、逆に夫婦修復のきっかけがなくなってしまうということもあります。
そのため、少なくとも1か月に一度も連絡しないままになってしまうとか、あまり相手との連絡不通が長期間になり過ぎないよう配慮した方が良いと思います。もちろん、相手と直接連絡を取ることが憚られる場合には、前述のように相手のことを見守っている相手の両親等とコンタクトを取るなど、連絡の相手についても慎重な検討が必要です。
(5)【心得5】お子さんのことばかりにならないこと
相手の別居に納得していないため、相手に積極的に連絡したいとは思わない、けれども、子供のことは溺愛していたので子供のことは積極的に話をしたい、という方も多いと思います。
ただ、相手との連絡がお子さん一色ということになりますと、相手は、自分のことを軽視されていると誤解してしまいます。
そのため、①相手との連絡が、お子さんの様子の確認ばかりにならないこと、②相手との接点が、お子さんとの面会交流の「ついで」のようにならない等の配慮が必要です。
(6)【心得6】相手の隠し録音には要注意
既に相手が別居を開始していますので、本格的に離婚に向けて動き出す予兆という場合も多いです。
その場合、自身に有利な言質を取るために、あなたとの会話の内容を隠し録音してくるケースも多いです。
そのため、別居後、相手と直接会話する際などには、相手に録音されているリスクも考慮しながら話をする必要があります。
(7)【心得7】記念日対策等
あなたが別居に納得していないような場合には、相手の誕生日や結婚記念日を祝いたい気持ちにはなれないかもしれません。
ただ、私が見ておりますと、記念日のプレゼント等が夫婦修復の後押しになったケースもあります。
もちろん、状況によっては、このようなプレゼントが逆効果になることもありますので、慎重に検討した方が良いと思いますが、相手が受け取りそうな雰囲気があるのでしたら、プレゼント等を提案してみることも一考に値します。
(8)【心得8】離婚届不受理申請
別居後は、相手もこちらの印鑑を勝手に押印するリスクは減りますが、①別居前に勝手に離婚届にあなたの判子を押してしまっているケース(その離婚届を持ち出しているケースです)や②別居後に判子を購入して、あなたの判子と偽って離婚届を提出するケースもあります。
そのため、まだ離婚届不受理申請をしていない場合には、早めに申請しておいた方が良いと思います。
4.【ケース3】相手が弁護士を立てた後の段階
相手が弁護士を雇ってしまった場合、通常は、相手の離婚意思は固いことが多いと思いますので、そのような前提で対応する必要があります。
以下では、相手が弁護士を立てた後の段階というシチュエーションでの心得を5個に絞って解説します。
(1)【心得1】相手との直接の連絡は控えること
相手が弁護士を立てた場合には、その弁護士が窓口になりますので、相手との直接の連絡は控えた方が良いです。
なお、このような説明をしますと、「相手の弁護士に連絡を取れなきゃいけない法律はあるんですか?」と質問されることも多いです。結論から言いますと、相手の弁護士に連絡することを直接義務付ける法律はありません。
ただ、相手は、あなたと直接やり取りをしたくなくて、弁護士を立てていることが多いので、相手と直接連絡を取ることが逆効果になることが多いということは認識しておいた方が良いと思います。
また、あまり相手に執拗に連絡してしまいますと、夫婦であってもストーカー規制法違反の問題が生じてしまうこともありますので、この点は注意する必要があります。
(2)【心得2】(禁止されていないのであれば)相手の両親等への連絡を試みる
相手の弁護士の対応によるのですが、相手本人への連絡は禁止しても、相手の両親への連絡は、これまでのあなたとの関係性等から禁止等しないケースもあります。
もちろん、相手の弁護士から禁止された場合には、相手の両親等への連絡も控えた方が良いのですが、禁止されていないのでしたら、夫婦修復のために、相手の両親等に連絡を取ることも一考に値します。
(3)【心得3】面会交流の場の活用
特にお子様が幼い年齢の場合、面会交流時に夫婦が顔を合わせるというケースも多くあります。
もちろん、そのような場合に、あからさまに今後の夫婦関係のこと等を話すことは避けるべきですが、面会交流についての感謝の気持ちを伝えるなど、多少でも夫婦修復につながる対応ができるケースもあります。
(4)【心得4】手紙の活用
相手が弁護士を立てた場合、あなたの気持ちを相手に伝える手段としては手紙が最も有力な手段となります。
相手の弁護士の方針によっては、手紙を渡してくれないとか、弁護士が受け取っても相手本人が読んでくれないというケースもあるのですが、手紙の存在が相手に一定の影響を与えることもありますので、極力手紙を書くことをおススメすることが多いです。
(5)【心得5】こちらも弁護士を立てることを検討する
相手が弁護士を立てた場合、こちらも、不備なく対応するには、弁護士を立てた方が望ましいケースも多いです。
そのため、弁護士を立てること、その場合、どの弁護士に依頼するのかといったことは検討し始めても良いかもしれません。
5.まとめ
(1)まだ別居前の場合の8個の心得
①相手に反発しない
②相手の話を軽視しない
③相手の話に理解・共感する
④謝るべきところは謝る
⑤気持ちを切り替えるイベントのセッティング等をする
⑥身近な人に相談して客観的意見をもらう
⑦極力別居を回避する
⑧離婚届不受理申請をする
(2)別居開始後の8個の心得
①相手の姿勢に合わせた対応を心がける
②相手を見守ってくれる人の言うことを真摯に受け止める
③極力別居解消を急かさない
④長期間の断絶にはならないよう配慮する
⑤お子さんのことばかりにならないよう注意する
⑥相手が隠し録音している可能性を考慮して会話する
⑦記念日対策等をする
⑧離婚届不受理申請をする
(3)相手が弁護士を立てた後の5個の心得
①相手への直接の連絡は控える
②(禁止されていないのであれば)相手両親等へのコンタクトを試みる
③面会交流の場の活用を考える
④手紙を書く
⑤こちらも弁護士に相談してみる
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