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面会交流への立ち会い

2015.07.08更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.面会交流とは? 


 

 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

 例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流の問題は、ご夫婦の間で離婚について協議している時にクローズアップされることが多いので、お互いに感情的になり、なかなか話し合いが進まなかったり、条件面で折り合えないと言うことも多々あります。

 

 

2.面会交流への立会い


 

 私は、様々な離婚事件を取扱い、何度か面会交流の現場に立ち会ったこともあります。なお、面会交流の条件について詳しく取り決めをしたケースについては、「面会交流について詳細に定めて和解した離婚事件」のブログでご紹介しました。

 

 弁護士が面会交流に立ち会うのは、依頼者である奥様からご依頼されることが多いです。特に、別居後何か月間か旦那様にお子様を会わせていないケースでは、面会交流時に旦那様がお子様を連れ去る危険もあり、その際、奥様の女手だけでは連れ去り防止に不安があると言うことで面会交流の立会を要望されるのです。

 

 弁護士としても、お子様が父親と接触している様子を見れば、一定程度父親の人柄やお子様の反応を見ることもできますので、その後の親権の主張や、面会交流の条件決めにも参考になると言うメリットがあります。

 

 私が面会交流に立ち会ったケースとしては、公園で父親がお子様と面会交流(一緒に遊具等で遊ぶ)するのを見届けたり、喫茶店で父親とお子様が面会交流(一緒に軽食などを頂く)する席に立ち会ったり、私の弁護士事務所の会議室で面会交流(お子様と一緒にお話しされます)を実施したこともあります。

 

 たまに誤解されている方もいらっしゃって、「秦先生が立ち会って下さるので、私は立ち会わなくても良いのでしょうか?」とご質問を受けることがありますが、奥様にも立ち会っていただく必要があります。

 

 奥様からしますと、旦那様に対する恐怖感をお持ちの方もいらっしゃいますので、面会交流に立ち会うイコール旦那様とも一定の時間顔を合わせなければならないと言うことを強く不安に思われるのはよく分かります。

ただ、面会交流中、お子様の体調が急変するといった事態もゼロとはいえませんので、そのような場合に、私だけで対応することは困難です。また、奥様にも旦那様とお子様との面会交流の様子は直接見ていただくことは、お子様の意外な一面を見ることができることもあって、有益なことが多いです。

そのようなことから奥様の立ち会いも必要になります。

 

 

3.面会交流に立ち会って思うこと


 

 私が面会交流に立ち会ったケースでは、特に旦那様がお子様を連れ去ろうとしたことはなく、その意味では大きなトラブルもなく経過しています。

 

 また、事前に奥様から得ていた情報では、旦那様がお子様ときちんとコミュニケーションが取れるか心配していたケースでも、実際にはきちんとコミュニケーションを取れているケースが大半だと思います。その意味では、お子様の成長にとってはプラスになったことが多いようにも思えます。

 

 このようなことも、現実に私自身が面会交流に立会い、短くとも30分、長い時には2時間程度同席してお子様の表情や会話を直接見聞きしているからこそ分かることでもあると思っております。

 

 なかなか弁護士も多忙なものですから、このような面会交流には一切立ち会わないという弁護士もいると思いますが、私は、その様な方針はとっていません。

 

 ただ、依頼者様の強い要望があり、私が立ち会った方が望ましいというケースかどうかは良く見極めるようにしております。お子様にとって、私は全くの他人になりますので、私が立ち会うことでお子様が強く緊張してしまうということも多いからです(なお、面会交流に立ち会う際には、奥様のお友達と言った形で立ち会わせて頂くことが多いです)。

 

 

4.児童養護施設でのお子様との面会


 

 なお、面会交流時の立会とは異なりますが、依頼者様のお子様が児童養護施設に保護されており、同施設内でお子様と面会したこともあります。その際には担当の児童福祉士、児童心理士も立会って面会を実施しました。

 このように通常の環境とは異なる環境にいるお子様と面会することは、依頼者様に親権を取得させる動力源にもなり、極めて有意義な機会であったと思いました。

 

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弁護士 秦(はた) 真太郎

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投稿者: 弁護士秦真太郎

面会交流について詳細に条件を定めて和解した離婚事件

2015.07.06更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.面会交流とは?


 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

 例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流は、ご夫婦が別居されている時にも問題になりますが、離婚した後にも問題になります。

 

 

2.私が担当した事件 


 

・ご依頼者様 : 30代前半の女性(Iさんと言います)

・ご依頼内容 : 旦那様からの暴言に耐えられず離婚したい、旦那様も離婚には応じる姿勢だけれども、娘様の親権を譲る意思はないとのことでしたので、親権を獲得して欲しい、親権獲得時には、面会交流についてもきっちりと約束したいとのご依頼内容でした。

 この事件は、離婚協議、離婚調停がいずれもまとまらず、離婚裁判に発展して争われました。

 

なお、この事件の相手方 : 30代前半の男性、お子様 : 保育園に通う娘様お一人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 この事件は最終的には裁判所が仲介する形で和解が成立し、事件解決したのですが、この事件では和解の際に面会交流の条件をきめ細かく定めた事が特徴的な事件でした。

 

 

3.この事件で面会交流の条件を、きめ細かくした理由


 

 Iさんの旦那様は、結婚生活の中で、Iさんに対してだけではなく、娘様に対しても暴言を発することがあり、また、そのことを誤魔化す傾向がある、嘘をつくことも多いという事情がありました。

 

 このような事情がありましたので、Iさんは、旦那様に対する強い不信感を持っており、面会交流の条件をきめ細かく取り決めて欲しいと強く希望していました。

 

 また、Iさんがおっしゃっていたのは「旦那は、ずる賢いので、口約束だけでも離婚して暫くは約束を守るけれども、期間が経つと、約束を守らなくなるのではなないかと不安です」ということでした。その意味では単なる口約束よりも、裁判所の公的な書類である和解調書に約束事項をきちんと書き込んで欲しいと話していました(裁判中の和解手続きで、当事者間の話し合いがまとまった場合、その内容は、「和解調書」という書類にとりまとめていくことになります。)

 

4.実際の面会交流条項


 

 実際の裁判の和解条項では、以下のような形で面会交流の条項が盛り込まれました。

 

■原告(旦那様)と○○(お子様)との間の面会交流について、以下のとおり定める。

(1)頻度           1ヶ月に1回

(2)時間           1回につき9時間以内、終了時間は午後7時以前とする。

(3)場所           (2)の時間帯でおさまる限度で移動可能な場所

(4)方法       原告(旦那様)が被告(奥様)方に○○(お子様)を迎えに行き、面会交流ができる場所に移動する。面会交流終了時には被告(奥様)が原告方(旦那様)に○○(お子様)を迎えに行き帰宅する方法

(5)連絡方法 日程の連絡は、原告(旦那様)が被告(奥様)に対して、実行日の2週間前までに連絡する。その上で、面会交流の日時や面接場所等について、協議を行う。

                             なお、協議については、メールを用いて行なうこととする。

(6)その他      

①原告(旦那様)は面会交流の実施にあたっては、○○(お子様)の年齢、性別、体調、意思、保育園・学校等の行事に配慮しなければならない。

②当事者は、協議により、前記日時、場所、方法等必要な事項を変更することができる。

 

 

5.面会交流の条件は細かい方が良いのか簡単な方が良いのか。


 

 当職の長年の弁護士経験からしますと、上記のように面会交流の条件を事細かに定めることは稀で、もっと簡単な形で合意することの方が多いように思われます。例えば、簡単な面会交流条項とする場合には、「被告(奥様)は、原告(旦那様)に対し、月1回程度○○(お子様)との面会交流を認める。原告(旦那様)は面会交流の実施にあたっては、○○(お子様)の体調、意思、行事等に配慮しなければならない。」といった表現しか盛り込まないということもあります。

 

(1)面会交流の約束を簡単にするメリット

 面会交流の条件を簡単にするメリットは、今後のお子様の成長に応じて面会交流の条件を柔軟に変更することが可能になるというのが最大のメリットといえます。「月1回程度」としておけば、必ず1ヶ月に1回面会交流させなければならないと言うこともないので安心でもあります。

 また、離婚の際には、養育費や財産分与と言った様々な問題を議論していることが多いので、面会交流の条件を細かくしますと、その条件の当否が新たな火種になることがあり、問題を複雑化しないために、面会交流の約束は簡単にすると言うことがメリットになり得ます。

 

(2)面会交流の条件をきめ細かく約束するメリット

 他方、簡単な条件しか決めませんと、実際面会交流させる際に、詳しい条件などについて細かなやり取りをしなければならなくなってしまいます。そのため、あらかじめ面会交流の骨組みを決めておけば、その都度の面会交流で細かいやりとりをする必要がなくなります。

 また、離婚後の面会交流において、面会交流の条件などを電話などで伝えるだけですと、後から「言った」「聞いていない」の論争が起きる可能性があります。そのため、あらかじめ面会交流の条件をきめ細かく決めておきますと、その内容は、和解調書にきちんと書いてありますから、約束に違反したのかしていないのかが明確になります。

 

5.面会交流の条件の決め方


 

 上記は、面会交流の条件について詳しく定めたケースですが、面会交流の定め方は、そのご夫婦が抱えている問題点等を考慮して、総合的かつ漏れがないように定める必要があります。もちろん、上記のように面会交流の定め方は簡単に定める方法の方が一般的ではあるのですが、簡単な定め方では不安があるという方も多いと思います。

 

 その様な方は、是非、面会交流の条件付けについてノウハウのある弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

 

 

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>【弁護士が徹底解説!】面会交流で問題となる全事項

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投稿者: 弁護士秦真太郎

近隣紛争の裁判での依頼者様の感想

2015.07.01更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

私が担当した事件で、近隣紛争が裁判にまで発展してしまい、この裁判が解決した時に依頼者様(東京23区内、女性の方です)から感謝のお手紙を頂戴しましたので掲載させて頂きます。

なお、近隣紛争とは、ご近所様との紛争なのですが、圧倒的多数は、越境(お隣さんが育てている樹木の枝がこちら側の土地にまで侵入しているなどのケース)の問題になります。

 

この事件では、一度裁判官からこちらに厳しめの結論を考えているとのお話しもあったのですが、こちらの主張をきちんと裁判官に理解してもらい、全面勝訴の判決を得ることができました。

 

具体的なご感想は以下の通りです。(個人情報に関わる部分は伏せてあります)

 

「弁護士 秦 真太郎 先生

平成27年○○月○○日

                                                     ○○ ○○

前略ごめんください。

 この度は何かとお世話になり誠にありがとうございます。

 判決文を拝見し、温かい裁きと存じました。

 これはひとえに先生のお陰と心から感謝いたしております。

 この裁判を引き受けていただいただけでも、十分有り難いと存じておりましたのに、ここまで来られたこと、厚く御礼申し上げます(言葉で言い尽くせないほどです)。

 ○○氏が控訴するかしないかは、彼の勝手と存じますので、私共、これからも、よろしくご指導をいただきたいと存じます。

 …………………(中略)…………………

 未熟な私達○○ですが、

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

                                                       かしこ」

 

→実際のお手紙はこちらです(pdf)

 

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モラハラ・DV夫とスピード離婚(2か月で離婚)できたケース

2015.06.29更新

弁護士秦

  こんにちは東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。モラハラ・DV情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ・DV総合サイトは>>こちら<<になります。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.私が担当した事件 


 

①ご依頼者様 : 60代前半女性(Eさんとします)

②ご依頼内容 : 夫が酒びたりであり、しかも飲酒すると暴力をふるってくるので怖い、離婚話を持ち出す逆上するため、当人同士での話し合いができないので、離婚の道筋をつけてほしいというご依頼内容でした。

 

③その他関係者概要等

交渉相手: 60代前半の旦那様 、 お子さん: すでに成人したご長男様とご長女様 、 家庭環境: ご依頼時別居中

④モラハラ・DV概要

モラハラ)1日中飲酒しており飲酒代が嵩むため、生活が常に苦しい、飲酒を制限する様に言うと凶器を持ち出して脅してくる、飲酒中こちらを侮辱する様な発言をしてくる、怒鳴ってくる、こちらを困らせるために出て行けとか離婚しろと言ってくる。

DV)酔った勢いで家具などを壊す、飲み過ぎを注意すると殴る蹴るの暴力をふるってくる。 

 

 私がEさんから相談を受けた際には、旦那様が奥様への傷害事件で逮捕されている状態でした。

 

 

2.まずは、Eさんからしっかりお話を聞くこと


 

 モラハラ・DVの案件では、Eさんの被害の全容を解明するため、まずは、Eさんから詳しくお話を聞く必要があります。モラハラ・DV被害を受けた方にとっては話しづらい部分もありますが、被害全容が分かりませんと、的確に事件処理できませんので、じっくりとお話をお伺いします。

 

 Eさんは、私が詳しくご質問をしても、特に言葉に詰まられると言うこともなく、はっきりとお話をしていただきました。なるべく、私の方もEさんが緊張しない様にゆっくり・じっくりとお話を聞かせてもらいました。

 

 

3.Eさんからのご相談に対する対応


 

 Eさんとじっくりお話をさせていただいて、Eさんの一番の心配事は、まずは、モラハラ・DV夫が釈放された場合に、奥様の住まいについてどうすればよいのかということと、これを機に夫側と離婚したいので、その手助けをして欲しいということが分かりました

 

 お住まいについては、奥様のご親戚の家に居候させてもらうことにしました。DVの被害を受けている場合には、シェルターに避難するという方法もあるのですが、長期間シェルターに避難しておくことはできず、いずれは、どこかしらの住まいに引っ越さなければなりません。そこで、新しい転居先の目星がついているのであれば、そこに避難するようにご助言致しました。

 

 

4.Eさんとの連絡のシャットダウン


 

 まず、私は、モラハラ・DV夫が警察留置場から釈放される頃を見計らって、夫宛に内容証明郵便を送り、奥様を探すような行動を取らないこと、奥様宛に直接連絡を取らないことを要求するとともに、私の法律事務所を唯一の連絡手段としました。

 

 当然、Eさんの方では、今まで利用していた携帯電話を解約し、新しい携帯電話を利用するようにして、物理的にも、夫側から連絡が取れないようにしました。

 

 

5.モラハラ・DV夫が必死にEさんの所在を探り始めた


 

 上記の通り、Eさんが私の所にご相談に来られた時には、相手は警察署に拘束されていましたので、その間こちらでも準備を調えることができました。

 

 具体的には、相手が自宅に戻ってくる前に、Eさんの引越は全て済ませておきました。

 

 普段から暴力をふるうようなDV夫様は、奥様のことが思い通りにならないと怒り始めてしまうという人間が多いので、奥様が弁護士を雇ったことに対して非常に憤慨しているケースが多いです。そのため、奥様に対して問いただしたいという様な気持ちで探し回るケースも多いです。

 

 今回のケースでも、モラハラ・DV夫は、私からの警告にも拘わらず、お子様(既に成人しております)やEさんの親戚などに電話をかけて、Eさんの住まいを探ろうとしました。ここは、お子様やご親戚とも十分連携することができましたので、ご親族は皆様口を揃えて「私の所には来ていない。どこで暮らしているのか私も分からない」との返事を繰り返してもらいました。

 

 そうすると、連絡窓口が私の所しかありませんので、モラハラ・DV夫は、私の所に毎日のように電話をしてくるようになりました

 

 

6.モラハラ・DV夫との話の概要


 

 暴力をふるうようなDV夫との話し合いでは、私は心がけていることが一つあります。それは、冷静かつ根気強く対応すると言うことです。

 

 暴力をふるうようなDV夫は、弁護士が相手でも、私のことを脅してきたり、暴言を吐いてきたりということも当然にあります。ただ、これに対して、こちらも声を荒げてしまうと、話し合いをすることができなくなってしまいます。

 

 もちろん、事前に夫側と話をして約束などをしているのに、夫側がそれを平気で破るような場合には、必要な注意はいたしますし、その際に声が大きくなってしまうこともありますが、なるべくこちらが感情的にならない様注意して話をします。

 

 今回のケースでも、夫側は、普段は穏やかな話しぶりなのですが、明らかに飲酒して電話をかけている様子の時には、私もかなりの暴言を受けました。

 

 特に、このケースでは、夫側が奥様に会いたいという希望が非常に強く、毎日の様に電話をしてくるのですが、毎日の電話の内容はほぼ、奥様に直接会って話がしたいというものでした。具体的には、自分が反省しており、気持ちを入れ替えたので帰ってきてほしいと言うことを奥様に伝えて欲しいという話から始まり、その話を私が奥様にきちんと伝えてくれているのか、奥様はどのように反応したのかといった話、結局直接会うことができないのかといった話が延々と続きました。また、奥様宛の郵便物が届いたから、直接本人に会って渡したい。子供のことで相談事があるから自宅まできて欲しい等々様々な理由をつけて奥様に会いたいという話をしてきました。

 このような話に対しても根気強く「奥様はあなたには会えない。怖がっている」という返答を繰り返しました。

 夫側も飲酒していないときには、話がくどい程度で声を荒げることは少ないのですが、飲酒しているときには、「俺が心を入れ替えたことをあんたはちゃんと家内に伝えているのか」と言った形で私のことを怒鳴ってくることも何度かありました。

 

 そんなときにも、丁寧かつ根気強く説明することを心がけ、電話を切る時には夫側もだいぶ落ち着いた様子で受話器を降ろされることが多かったように思います。

 

 

7.スピード離婚


 

 前述の様に夫側は、奥様に一目でよいから会いたい、ボタンの掛け違いになっているだけで本当は奥様も旦那様のことを愛しているんだといった話が延々とありましたが、私は奥様のお気持ちを丁寧に粘り強くご説明しました

 夫側からは毎日のように電話があり、長い時には2時間近くも電話で話をしました

 

 しかし、夫側は、離婚は絶対にしたくないとの一点張りでしたので、私も離婚調停の準備に取り掛かっていました。

 

 モラハラ・DV夫は私に対しては、離婚したくないとの意思を強く言っていましたが、私の方から奥様の意向を強く伝えていましたので、内心では離婚しなければならないとの気持ちは芽生えていたようです。

 夫側は息子様にご相談されたようで、息子様からの話も受けて、離婚届にサインすることに同意してくれました。

 

 奥様とは慰謝料を請求するか話し合ったのですが、夫側は年金暮らしで預貯金もほとんどありませんでしたので、慰謝料を要求して時間がかかるよりも、早く離婚してこの問題から解放されたいということで、慰謝料は要求せずに離婚することにしました。

 

 奥様が初めて私にご相談をされてから2か月でのスピード解決でした。

 

 

8.あと書き


 

 今回のケースでは、息子様の協力もあってスピード離婚に結びつきましたが、実際には、モラハラ・DV夫が復縁の意思を崩さずに手続が長期化することの方が多いと思います。

 

 ただ、今回のように、短期間の間にも、私が夫側と長時間話をする機会がありましたので、その様な話を通じて夫側も復縁を諦めざるを得なかったのだと思います。

 

 

関連記事


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【弁護士が解説】ついに別居を決意!これだけは持って出よう!

2015.06.24更新

弁護士秦

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1.旦那様と一度は話をした上で別居する方がよい


 

 旦那様との離婚や別居を決意した場合でも、なかなか旦那様に話を切り出しにくいということも多いと思います。

 

  しかし、自分の思いを直接旦那様に伝えないと、話は前に進みませんので、できる限り、旦那様に対して離婚の話や別居の話を切り出すようにして下さい。

  このような話を切り出したことで、旦那様の生活態度が大きく改善して復縁することもあるかもしれません。逆に、旦那様が諦めて離婚届にサインしてくれるかもしれません。

 

 

2.別居時の持ち物を点検する理由


 

 旦那様が離婚に同意してくれなくとも、夫婦間の冷却期間として別居については同意しているという場合には、別居時の持ち物についてあまり神経を使う必要がないかもしれません(後日取りに行くことが比較的容易なので)。

 

 他方で、旦那様に事前に話をせずに別居する場合には、予め必要なものを持ち出しておいた方が無難と言えます。

 

 私が担当した事件では、別居後直ぐに旦那様が奥様の持ち物を全て勝手に処分してしまったといったケースや、別居後ほどなくして旦那様が自宅の鍵を交換してしまって自由に入れなくなってしまったケースなどもあります。

 

 このようなことも想定されますので、別居時の持ち物についてはできる限り漏れがないように注意する必要があります。

 

 

3.別居時の持ち物        


 

 以下は一つの例と考えて頂ければと思いますが、以下のようなものはお持ちになった方がよいと思います。

 

(1)貴重品等 

・今後の生活にあてる当座資金

・ご本人様名義の預貯金通帳 ※繰越済みのものもあった方がベターです。

・お子様名義の預貯金通帳

・キャッシュカード、クレジットカードその他のカード類

・本人名義の保険証券(生命保険、学資保険等)

・銀行届出印

・ご本人様の実印、印鑑登録カード

・運転免許証、パスポート

・健康保険証

・年金手帳、母子手帳

・(余裕がある様ならば)ご本人の高価品(宝飾品や骨董品)や婚姻前の記念品

 

(2)普段の生活で利用するもの

・常備薬・処方薬

・普段利用している手帳

・お子様の学校生活で利用する教材やノート等

・お子様の記念写真や、写真・画像のデジタルデータ

・ある程度の衣類

 

(3)今後の離婚手続きに役立つもの

・直近の源泉徴収票

・直近3か月分の給料明細書

・以前使用していた携帯電話及び充電器

・自宅PCに保管していたデータ類

・あなたがつけていた日記等

・財産に関する資料のコピー(不動産権利証のコピー等)

・離婚の証拠となるもの(不倫の証拠やDVの証拠など)

・あなたの荷物の写真(旦那さんがあなたの荷物を勝手に廃棄することも想定して、自宅に残さざるを得ない荷物についてあらかじめ写真を撮っておきます) 

 

 上記は一例ですので、事件によっては、ほかにも持ち運んでおいた方がよい荷物があるケースもあります。また、今回の解説では、大がかりなものを持ち運ぶ余裕がないということを前提にしていますので、家具や家電類は含んでおりません。 

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【弁護士が解説】ついに別居を決意!”別居に向けての準備”これだけは注意しよう!

2015.06.22更新

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1.旦那との同居は耐えられないけど、別居も不安


 

 

私の所に離婚のご相談に来られる方の大半は、既に別居しており、離婚の手続きの手助けをして欲しいという方が多いです。

 

もちろん、旦那様と同居しながら離婚のご相談に来られる方もいらっしゃいます。

 

その様な方の中には、旦那様との同居は耐えられないけれど、すぐに別居に踏み込むことにも不安があるという方もいらっしゃいます。

 

その際には、別居の際の注意点を質問されることが多いものですから、私の方もできる限り丁寧に回答して、別居の不安を少しでも軽くしてもらう様に努力しています。詳しくは以下で解説致します。

 

 

 

2.旦那様と話ができるのであれば、話し合いをした上で別居した方がよい


 

 

旦那様からの暴力に悩んでいるといったケースでは、奥様の方から別居を切り出すことは難しいと思います。そうでなくとも、家庭内別居の期間が長く、夫婦間の会話がほとんどないという場合には、別居の話を切り出しづらいかもしれません。

 

ただ、旦那様と話ができると言うことでしたら、離婚したいという気持ちを伝え、その前段階として別居したい旨をきちんと伝えた方がよいと思います。

 

家庭内別居の期間が長いような場合には、離婚を切り出すと、旦那様も同じことを考えていて、予想よりもスムーズに離婚の話が進んだというケースもあります。

このような意味もあって、事前に話ができるようなら離婚と別居の話を切り出した方がよいでしょう。

 

 なお、このような旦那様との話し合いが、法律上の「必須事項」と誤解されている方もいらっしゃいますが、しっかりとした理由があっての別居と言うことでしたら、旦那様との話し合いは「必須事項」ではありませんので、ご安心下さい。

 

では、事情があって事前に旦那様に伝えずに別居したいという場合、どうすればよいのでしょう。

 

 

 

3.こちらの動きを察知されないこと


 

 

 事前に旦那側に別居を切り出さずに別居しようとする場合、別居の準備をしていることを旦那側に察知されないようにすることが非常に重要になります。これを察知されてしまうと、別居を妨害されたり、別居準備を進めていることを厳しく批難されることになりかねません。 私が担当したケースでも、別居準備中に旦那側に察知されてしまい、なかなか別居できなかったというケースもありますので、細心の注意が必要です。

 

 夫側に別居準備のことを知られてしまった原因としては、①夫側が奥様の携帯電話をこっそり盗み見ており、その中で発覚してしまったケース、②別居準備のために子どもの小学校転校の話等を現在の通学先小学校に相談していたところ、夫側が小学校に問い合わせて発覚したケース、③区役所に児童手当や保険切替の相談をしていたところ、夫側が区役所に問い合わせて発覚したケース等があります。

 

 別居準備中は別居先住所等の情報は最大限外部に知られないようにし、自身の携帯電話も夫側が勝手に見られないようにする等の注意を払って準備を進めていく必要があります。

 

 

4.置き手紙の活用


 

 

事前に旦那様に伝えずに別居する場合でも、何の連絡も入れないと、旦那様が奥様のことを探し回るという危険性もあります

 

私が担当したケースでは、奥様が置き手紙を残しているのに、旦那様が警察に捜索願を出したというケースもありますので、何らかの連絡はしておくに越したことはありません。

 

そこで私は、置き手紙を残して別居されることを勧めています。昨今のデジタル化の時代の中でアナログな方法になってしまうのですが、置き手紙をすることには理由があります。

 

まず、別居後に電話で連絡を取ってしまいますと、旦那様は突然の別居に対して憤慨していることが多いので言い争いになってしまいます。

 

また、メールですと、言い争いにはならないのですが、メールでやり取りして良いとのメッセージを送ることになり望ましくありません。

 

といいますのは、離婚の問題に弁護士が関与した後も、旦那様が執拗に奥様に対してメールを送ってくる危険性が高まってしまうのです。このようなことを考えると、奥様が旦那様と直接連絡が取れるツールはなるべく無くしておいた方がよいと言えます。

 

このように消去法的にはなりますが、置き手紙を置いておくと言うことになります。

 

置き手紙には、以下のようなことを簡潔に書くことになります。(下記はあくまで文例の一つです)

 

・夫婦生活の不満を簡単に書き、離婚を決意していること
・別居するが元気に暮らしているので探さないで欲しいこと
・後日弁護士からの通知が届くので、離婚についての条件などは通知を見て確認して欲しいこと
・離婚に関しては弁護士に一任しているので、奥様の方に連絡しないようにして欲しいこと

 

 なお、別居先があなたのご実家で、旦那様も近日中に別居先を把握する可能性が高いという場合には、最初から置き手紙に、あなたの別居先が実家である旨を書き込んでしまうというケースもあると思います。

 

 

5.別居後の経済面も考慮すること


 

 

 別居後、夫側から速やかに婚姻費用を得られればよいのですが、残念ながら夫側が婚姻費用を出し渋り、その結果、こちらの生活が苦しくなってしまうというケースもあります。

 もちろん弁護士としましては、早急に婚姻費用を得られるように事件に着手は致しますが、「別居先のアパートを借りたら、ほとんど貯蓄が残らない」といった状態での別居は慎重に検討した方がよいかもしれません。別居先はお子様の通学先等も考慮して慎重に検討する必要がありますが、経済面で不安がある場合には、ご実家に戻ると言うことが現実的な選択肢となるケースも多いのが実情です。

 

 

6.荷物の運び出しは引越業者に頼んだ方がよいのか?


 

 

 まず、別居が一時的なものになる可能性があり、自宅に戻る可能性も十分あり得るという場合には、大がかりに荷物を運び出すことはやめておいた方がよいでしょう。

 

 他方、あなたの方で離婚を強く覚悟しており、自宅に戻る可能性が低いという場合には、あなたの荷物やお子様の荷物の大半を搬出すべく、引越業者などに依頼することもあり得ると思います。

 ただ、荷物の大半を搬出すると、そのことそのものに対して旦那様が強く反発してくるという様な場合には、荷物の搬出量についても考えた方がよいかもしれません。また、相手のDVやモラハラがヒドイという場合には、丁寧に荷物を整理している時間的余裕はないと思いますので、必要最小限のものの持ち出ししかできないというケースもあろうかと思います。

 

 

7.別居時の持ち物等


 

別居時に貴重品等をお持ちになった方がよいのですが、詳しい持ち物類は、下記のブログを参照してください。

>>ついに別居を決意!これだけは持って出よう!  

 

 

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相続人がどこに住んでいるのか分からないケース

2015.06.17更新

 

 こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

 神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.相続人がどこに住んでいるのか分からない

 

 ひとり暮らしのご兄弟がお亡くなりになったので、自宅を含めた遺産相続をしなければならないけれども、故人の前妻のお子さんの連絡先が分からないなど、相続人がどこに住んでいるのか分からないという問題に直面されている方はいらっしゃらいないでしょうか。このような場合に、相続人が誰なのかをきちんと確定しませんと、相続人同士の話し合いをスタートすることすらできずに困ってしまいます。

 

 また、相続人がいらっしゃることが分かっていればまだ良いのですが、故人と絶縁状態であったため、どのような人が相続人になるのかすら想像もできないとか、音信不通であったため相続人が生存しているのかすら分からないというケースもあると思います。

 

 このような場合には、どのように遺産相続して行けばよいのでしょうか。

 

 

2.私が担当した事件

 

 私が担当した事件は、故人が80歳でお亡くなりになり、相続人として少なくともその兄弟姉妹のお子様(故人からすると姪御様や甥御様)がいらっしゃるとのことで、その甥御様からご相談を受けました。甥御様のお話では、故人は、実のご両親の他に養親の方がいらっしゃるため、養親の他のお子様が兄弟の関係に立つという事情がありました。問題は、養親との関係でのご兄弟が30年以上も前に海外渡航して海外に居住しているため、連絡先電話番号はもちろん住まいについてすら全く分からないという事件でした。

 

 

3.まずは戸籍の調査

 

 このように依頼者の方から見てあまりご縁がない相続人の方がいらっしゃる事件では、依頼者の方が想定もしていないような相続人の方が出てくる可能性があります

 

 ですので、私はまずは戸籍を丹念に調査し、相続人の範囲を確定しました。そうしましたところ、当初想定していた海外在住のご兄弟(ここでは「Aさん」と表示致します)の他にも国内在住のご兄弟のお子様(ここでは「Bさん」と表示致します)が相続人として浮上しました。

 

 このようにして新たに浮上しました相続人のBさんとは詳しく事情を説明して、相続権を放棄して頂けましたので、あまり大きな問題とはなりませんでした。

 

 

4.ご生存されているかどうかすら分からない相続人への連絡

 

 問題は、海外に渡航された相続人のAさんです。故人のご年齢からすると、Aさんもかなりのご高齢なのでお亡くなりになっている可能性もあったのですが、依頼者の方は全く事情をご存じありませんでしたので、連絡を取ることにかなり腐心致しました。

 

 まずは、Aさんの住民票や戸籍謄本等を入手したのですが、アメリカに渡航したことは分かるものの、住民票及び戸籍の記録が役所によって消除されていたため、その方の生死すら分からない状況でした。

 

 次いで、BさんなどAさんのお身内になると思われる方と連絡を取り、Aさんの現住所を知らないか確認を取るなどして、Aさんの現住所を把握すべく丹念に情報収集を致しました。

 

 しかし、海外渡航したのが30年以上前と言うこともあって、Aさんのお身内の方でも、Aさんの海外での住所をご存じの方はいらっしゃいませんでした。

 

 そこで、弁護士会を通じて外務省に対して照会をし、海外在住日本人の住所という形で把握できないか調査をかけましたが、結局、Aさんの住所や生死についても把握することはできませんでした。

 

 

5.最後の手段(失踪宣告)

 

 このように弁護士の調査能力をフル活用しても、相続人の方の所在を確認できないと言うこともあります。しかし、Aさんの生死が分からないままで相続の手続を進めることもできませんので、最後の手段として失踪宣告の申立をしました。

 

 失踪宣告とは、長期間生死が不明の方に対して、法律上は既にお亡くなりになっているとの扱いを認めてもらう制度になります。

 

 失踪宣告が認められますと、Aさんを抜きにして相続手続を進めることができるようになります。

 

 失踪宣告を申し立てますと、裁判所の方からはAさんの住民票、戸籍謄本はもちろん、弁護士としてどのような人物に連絡を取ってどのような回答を得たのか、外務省の回答結果はどのようなものであったのか等について事細かに確認を求められました。

 

 その後、裁判所の方でも関係各所にAさんの所在に関する情報を調査していました。

 

 結果的には、裁判所の調査能力を持ってしてもAさんの所在を確認することができませんでしたので、失踪宣告が認められました。

 

 私が調査を開始してから失踪宣告が認められるまでには2年近くの月日を要しましたが、一人の人間を法律上とは言え「死亡したものとみなす」ことになりますので、丹念で慎重な調査が求められますから、致し方ないとは思います。

 

 

6.あとがき

 

 このように行方不明の相続人の方がいらっしゃる場合、個人の力で所在を確認することには限界があります。また、相続人の数が増えますと、意見の調整が難しくなりやすいと言えます。

 

 このような場合には、専門家に相談して頂き対策を十分に練って頂いた上で手続を進めることを強くお勧め致します。

 

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夫婦円満調停

2015.06.08更新

 

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1.旦那からの身勝手な離婚要求に納得できない

 

 奥様としては、きちんと家事をこなし、旦那様との関係も円満だと思っていたのに、急遽旦那様から別れ話を持ち出される…こんなことがあったら奥様はさぞ混乱することだと思います。旦那様が語る離婚の理由は、どこの夫婦でもあるような事柄だとすると、このような別れ話には到底納得できないことだと思います。

 

 しかし、旦那様から「もう君とはやっていけない」といった類の話が切り出されてしまった場合、旦那様の側に愛情がない以上、奥様は離婚するしか選択肢はないのでしょうか。

 

 

2.私が担当して、曲折を経て夫婦円満調停で終了させた事件

・ご依頼者様 : 30代後半の女性

・ご依頼内容 : 依頼者様は、ご本人で、家庭裁判所に対して、夫婦円満調停を申し立てたのですが、旦那様がこれに応じる姿勢を全く見せず強く離婚を求めてきたため、調停委員から、「次の調停期日で調停は打ち切る」と言われてしまい、私のところに相談に来られました。

 

なお、この事件の相手方 : 40代前半の男性、お子様 : いらっしゃいらない、家庭環境 : ご依頼時同居中(家庭内別居中)でした。

 曲折がありましたが、最終的に夫婦円満調停にて事件を解決できましたので、以下で概要をご説明します。

 

 

3.依頼者の意思の確認

 

 依頼者が相談に来られた際、私の方からは、依頼者のご希望を丹念に確認させて頂きました。といいますのは、今回の依頼者も、当然夫婦円満を希望しており、そのために、自分で夫婦円満の調停まで申し立てたのですが、その意思がどこまで強固なのかの確認が必要だからです。

 

 夫婦円満のご相談を受ける際、依頼者の方から事情を丹念に聴いていますと、夫婦円満という結論をおっしゃってはいるものの、相手に対する不満ばかりをお話しになっていたり、相手に対する改善点ばかりを取り上げる方もいらっしゃいます。

 もちろん、ご夫婦なのでお互いに不満点があるのが通常ですから、相手に対する不満を述べることは構わないのですが、お互いが不満点をぶつけていては夫婦円満の道は閉ざされてしまいます。

 

 そして、今回のように旦那様の離婚意思が固く、奥様の方が円満を強く希望する場合には、旦那様が示す不満点や奥様への改善点に対して、こちら側からある程度は譲歩して行くことが必要になります。

 

 そのため、私は、今回の依頼者の方にも、夫婦円満を成し遂げるためには、依頼者の側での努力・譲歩が必要なこと等についてお話しさせて頂き、それでも夫婦円満を希望されるのかを確認させて頂きました。

 

 

4.このケースでは奥様は離婚致し方無しとの選択をした

 

 この事件でも、奥様は旦那様に対する不満を抱えており、私との打ち合わせでも、旦那様に対する不満を多数述べられていました。

 

 そこで、前述のように奥様の真意を確認しましたところ、離婚やむ無しと考えているとのお話しでしたので、夫婦円満調停を離婚調停に衣替えして手続を進めることにしました。

 

 ただ、これは、旦那様が円満な夫婦生活を諦めていることが大前提なので、旦那様が翻意するような場合には、円満な家庭を築きたいとのことでした。

 

 

5.調停での話し合い

 

 私が代理人として、依頼者と一緒に第2回調停期日に出席しましたところ、まずは、夫婦円満を強く打ち出して調停を進めました

 

 これは、依頼者の方も離婚やむ無しとの意識がありますが、旦那様が翻意するようならば円満な家庭を築きたいとの希望がありましたので、まずは、旦那様の翻意を促すような進め方をしたのです。

 

 しかしながら、旦那様の離婚意思は固く、円満での調停はうまく行きそうにありませんでした。

 そこで、依頼者ともその場で相談し、依頼者の条件に合致するものであれば離婚に応じても良いとの姿勢に転じて調停を進めました。

 

 

6.結局夫婦円満で決着した

 

 このようにして離婚調停の形で調停は進んでいったのですが、離婚の条件として、こちらは財産分与を厳しめに請求するスタイルを取りました

 これは、奥様の今後の生活のためということもありましたが、旦那様が倹約思考であることも考慮して、財産分与の形で旦那様の翻意を図ったものでした。

 

 こちら側の財産分与要求のハードルが高いため、離婚についても思わしく交渉が進展せず、段々と旦那様の方がしびれを切らしてきている様子でした。

 今回のケースでは、奥様の方に明確な離婚原因となるような落ち度等がありませんでしたので、旦那様は余計に焦っている様子でした。

 

 結局、旦那様は、離婚の際に多額の財産分与を支払わなければならないという事態を避けるため、夫婦円満の方向で合意し、夫婦円満の調停条項が作成されて、調停は終了しました。

 

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スピーディに不倫慰謝料を取ったケース

2015.06.01更新

 

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1.ふとしたことから旦那の不倫が発覚

 

 円満な夫婦生活を送っていたつもりでも、ふとしたことから旦那様に対して不審を持ち、調査してみたところ、不倫していることが分かったということもあります。不倫の事実が発覚した時、言葉には言い尽くせない悔しさや悲しさが襲ってくると思いますが、その様な場合にも、できる限り冷静に対処する必要があります。不倫の際の慰謝料の取り方などについては、ブログ「旦那から不倫慰謝料を取りたい」を参照して頂ければと思います。

 

2.スピーディに不倫慰謝料を取ったケース

・ご依頼者様 : 30代前半の女性

・ご依頼内容 : 旦那様が職場の部下である女性と不倫をしているので、旦那様とは離婚し、できる限り高額の慰謝料の支払いを受けたい、また、不倫相手の女性にも相応の金銭負担をさせたいというご依頼でした。このケースでは、不倫相手の女性も既婚者でしたので、いわゆるダブル不倫のケースでした。

 

なお、この事件の交渉相手 : 30代前半の旦那様、お子様 : いらっしゃらない、家庭環境 : ご依頼時同居、私が離婚交渉中に別居開始でした。

 

 この事件では、私が、奥様の代理人として、旦那様と交渉をし、結果、半年ほどで、旦那様から300万円、不倫相手から150万円を受け取ることができました。

 

 半年という交渉期間は、一概に短いとは言えないようにも見えますが、合計450万円の慰謝料を得られましたし、不倫相手を交渉のテーブルに載せることができたこと等も踏まえると十分スピード解決だったのではないかと思います。

 

 

3.不倫の証拠の精査

 

 依頼者は、離婚の決意を固めており、できる限り高額の慰謝料を早めに受け取りたいとの希望を持っていました。

 しかし、依頼者が不倫の証拠を持っていると考えていても、裁判の証拠としては不十分ということもありますので、まずは、依頼者が持っているという不倫の証拠を精査しました。この証拠の精査が不十分なまま、旦那様へ請求をかけると、不倫を否認されて、交渉の長期化や裁判を視野に入れた活動が必要になってしまいますので、十分な証拠精査は、不可欠な行程になります

 

 今回のケースでは、偶然旦那様がミクシィを利用しており、不倫の様子等について詳しい日記を付けていましたが、その日記データを依頼者が入手しておりました。日記データが大量にありましたので、不倫の証明には十分だったのですが、その一つ一つに目を通すのには、それなりの時間がかかりましたし、奥様にとっては、この日記の内容がかなりの心痛だったのではないかと感じました。

 

 

4.旦那への請求

 

 不倫の証拠が十分であることの確認が取れましたので、旦那様に対して、内容証明郵便にて慰謝料を請求しました。

 

 旦那様は、私の法律事務所までやってきて素直に不倫を認めましたので、不倫したかどうかは争点にならずに済みました。

 

 しかし、旦那様は、奥様(依頼者)が思っているほどお金を持っていないということで、慰謝料を出し渋っていました。また、不倫相手に迷惑をかけたくないということで、不倫相手に慰謝料を出させることには断固反対の姿勢でした

 旦那様が有する財産については、奥様がよく把握されていましたので、その様な切り口から旦那様を強く説得しました。

 

 このようにして旦那様ご自身が支払う慰謝料の額(300万円)については大筋まとまったのですが、不倫相手に対する慰謝料については話し合いが平行線のまま月日が流れました。不倫相手の住所は分かっていましたので、不倫相手に対して直接請求することも考えたのですが、旦那様がその様な手法に断固反対しており、交渉環境が破壊されると考えて直接の連絡は取りませんでした。

 

 依頼者と相談し、裁判になる可能性も覚悟してもらって、強く旦那様を説得したところ、不倫相手が50万円だったら支払う、といった話が浮上しましたので、その後も説得を続けてたところ、最終的には不倫相手が150万円を支払うという形で合意が成立しました。

 

 

5.不倫慰謝料の事件で思うこと

 

 このケースでも思ったのですが、不倫の証拠集めと整理という作業は、依頼者にとってかなりの心痛だろうということです。実際、この事件でも、依頼者は、私のところに相談に来る前1ヶ月ほどは精神的に不安定になってしまいカウンセリングを2度ほど利用したとのことでした。

 

 昨今の情報化にともない、奥様が、旦那様と不倫相手との間のメールやLINE、SNSのやり取りなどを膨大に入手してご相談に来られるケースも増えてきています。このような場合には、裁判になった場合の勝訴率を格段に上げることができる反面、膨大なデータをまずは依頼者本人が確認しなければなりません。しかし、その様な不倫のやり取りは、通常仲睦まじい内容であり、場合によっては奥様に対する誹謗中傷が含まれることも往々にしてあります。その様なデータの確認をすることは依頼者にとってかなりの心痛がかかる作業だったと思います。

 

 私は弁護士としての立場でしかお話しが出来ないのですが、できる限り、依頼者の方の上記のような心痛にも思いを致し、できる限り長い時間を取って依頼者の方と向き合って、できる限り不満を吐き出して帰ってもらうよう努力して活動致しました

 

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相続人が大人数の遺産分割

2015.05.27更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.相続の手続はあまり時間を置かないで手続きした方がよい。

 

 祖父は随分前にお亡くなりになったけれども、祖父の代から実家の名義を変更していないというような方はいらっしゃいませんでしょうか。土地建物の名義で固定資産税等の税金を支払っていれば、不都合がないとのことで相続の手続を先延ばしにしてしまいますと、相続人の数が増えて、意見集約が困難になることも多いので注意が必要です

 

 

2.相続人が17名に及ぶ事件を担当

 

 私が担当した事件では、相続人が17名にまで及んだ遺産分割の事件を解決したことがあります。このケースも、祖父がお亡くなりになった後も、祖母が実家の管理を行い、名義は祖父の名義のまま変更しておりませんでした。祖母がお亡くなりになったことから、お孫さんの一人からご相談を受けたのですが、確認しましたところ、祖父の方にはお子様が7人いて、お孫様の代まで相続が及んでいる方もいらっしゃって、最終的には相続人は17人になりました。

 依頼者の方も全ての相続人の方と連絡を取れるわけではありませんでしたので、手探りで事件を進めて行きました。

 

 

3.相続人の範囲の確定

 

 依頼者の方には、まず、相続人としてどのような方がいらっしゃるのかの確認をして、親族関係図を手書きで書いて頂きました。そうしますと、やはり、叔父様のお名前は分かるが既にお亡くなりになっているかもしれないとか、伯母様はお亡くなりなのだけれども、甥御さん、姪御さんの連絡先が分からないということがでてきました。

 

 そこで、まずは、依頼者の方の情報を元に、戸籍類を確認し、相続人が何人になって、誰が相続人なのかを確定する作業から着手しました。

 なお、今回のケースとは異なり、依頼者の方が、相続人の範囲について自信を持っていらっしゃることもありますが、戸籍類を確認しますと、依頼者の方も知らなかった故人の前妻がいらっしゃることが分かった、というケースもありますので、まずは、戸籍の確認から実施していく必要があります

 

 

4.相続人の立ち位置の棲み分け

 

 前述のようにして相続人の範囲が確定した場合、依頼者の方には、①依頼者に協力的な方、②依頼者から連絡が取れるが、協力的ではない方、③依頼者から連絡が取れないため、どのような意向か不明な方の区分けをお願いしました。

 相続人の方々の立ち位置に応じて、私からの接触の仕方などについて違いが出てきますので、まずは、このような区分けをお願いしたのです。

 

 

5.依頼者から連絡が取れない方々への対応(相続分譲渡)

 

 前述のように、相続人の方々のおおよその立ち位置を把握した後に、①の協力的な方々にお集まり頂いて、今後の相続手続の進め方及び遺産の分け方について決定しました。

 集まった皆様のご意見では、依頼者の方から連絡が取れない方々については、故人とも疎遠にしており、遺産不動産の取得を希望しないとの観測の元、相続分を譲渡してもらうという方針が決まりました。

 

 「相続分の譲渡」は、個別の遺産について譲渡してもらうのとは違い、相続分そのものを、ひとまとまりにして譲渡してもらうと言うことです。分かりやすく説明しますと、故人の遺産としてA建物、B土地、C建物、D借地権、E預金、F保険があったとすると、甲さんという相続人の方から、A建物の相続分だけとか、D借地権の相続分だけという形で譲渡を受けるのではなく、これらの遺産全てについての相続分を「ひとまとまり」にして譲渡を受けるという形です。

 

 依頼者から連絡が取れない方々は総勢10名でしたので、10名の方にお手紙を差し上げ、事情をご説明した上で、直接お伺いさせて頂き、相続分譲渡につきご同意をいただきました。故人の方と疎遠にされていた相続人の方々でも、ご意見は多様でして、「手数料程度の遺産を分けてもらえば構わない」とか「○○について形見分けをして欲しい」だとか、「相続人である以上は適正対価を補償して欲しい」等のご意見がありました。

その様な相続人の方々の意見を依頼者の方に伝え、お一人お一人に相続分譲渡にご了解頂きました。

 

 

6.最終的には遺産分割調停

 

 上記のようにして丁寧に事情を説明しましたところ、依頼者がこれまで連絡を取っていなかった相続人10名のうち、8名の方々は納得して下さいました。

 しかし、残りの相続人2名の方のご理解をいただけませんでした。また、依頼者が連絡を取ることができるが協力的ではない相続人が1人残っていましたので、結局はその3名を相手にして遺産分割調停を申し立てました。

 

 連絡が取れなかった2名の方々は、調停になりましたら、手続に同意して下さり、協力的ではない相続人の方にも時間をかけて納得してもらいましたので、無事調停成立にこぎ着けました。

 

 

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