離婚問題

DV夫との別居を決意!別居にあたっての8つの手順

2017.08.28更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>モラハラ・DV情報盛りだくさんの総合サイトはこちら<になります。

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1.事前にDV夫に相談した方が良いか?


 

DV離婚のケースで一番悩まれるのは、離婚することや別居することを事前に相手に伝えるべきかという問題だと思います。

 何も言わずに別居してしまうと、後から何を言われるか分からないし、他方で、事前に話してしまうとその際にどのような暴力を受けるか分からないと言うことで、悩まれている方も多くいます。

 

 基本的に、これまでこちらが怪我をするような暴力被害を受けたことがあるというケースでは、事前に離婚や別居を切り出さずに別居を開始した方が良いことが多いと思います。事前に話をすると重大な被害につながりかねないため、自分のみの安全を守るためにも、事前に話をしないのです。

 

 他方で、暴力被害を受けたことがあるけれども怪我をするほどのことではなかったとか、暴言のみという場合には、事前に離婚や別居を切り出した方が良いケースの方が多いかと思います。ただ、この場合にも、相手がどのような行動に出るか予測できないという場合には、事前に別居話や離婚話をするか慎重に検討する必要があります。

 

 事前に何も相談せずに別居を開始してしまうと「悪意の遺棄」になってしまい、後から離婚しづらくなるのではないかと考えている方もいます。しかし、DV被害防止というきちんとした理由がある場合、事前に相談せず別居したからと言って離婚にあたって不利になることはほとんどありません。

 

 DVのケースでは、別居後も親族・友人等どなたかの支援を受けながら生活していくことになると思いますので、事前に旦那に別居や離婚を切り出しておくべきかは、その親族や友人とも予め相談しておくと良いと思います。

 

 

2.絶対にこちらの動きを察知されないこと


 

 事前に旦那に別居を切り出さずに別居しようとする場合、別居の準備をしていることを相手に察知されないようにすることが非常に重要になります。これを察知されてしまうと、別居を妨害されたり、別居準備を進めていることを厳しく批難されることになりかねません。

 私が担当したケースでも、別居準備中に旦那に察知されてしまい、なかなか別居できなかったというケースもありますので、細心の注意が必要です。

 

 DV旦那に別居準備のことを知られてしまった原因としては、①旦那が奥様の携帯電話をこっそり盗み見ており、その中で発覚してしまったケース、②別居準備のために子どもの小学校天候の話等を現在の通学先小学校に相談していたところ、旦那が小学校に問い合わせて発覚したケース、③区役所に児童手当や保険切替の相談をしていたところ、旦那が区役所に問い合わせて発覚したケース等があります。

 

 別居準備中は別居先住所等の情報は最大限外部に知られないようにし、自身の携帯電話も旦那が勝手に見られないようにする等の注意を払って準備を進めていく必要があります。

 

 

3.親族・友人等の支援体制を整えること


 

 DVのケースですと別居に成功しても、旦那が別居先を突き止めてしまうのではないかと言うことで多かれ少なかれ不安を抱えながら生活していかなければならないというケースも多くあります。

 小さなお子様がいらっしゃる場合、お子様ご自身が上記のような不安を持つケースもあります。

 

 このようなことを考えますと、別居後に支援をしてくれる親族や友人を見付けておき、別居後に支援を受けつつ日々の生活を送っていければ安心感が非常に増すと思います。

 

 支援の輪が広ければ心強いとは思いますが、情報が拡散しますと、どこかで旦那が別居の情報を察知してしまう危険性が増して行くことになります。そのため、まずは、親身に相談に乗ってくれそうな両親その他の親族等に絞って支援を依頼することが現実的かもしれません。

 

 

4.置き手紙の活用


 

 別居の際には、自宅に置き手紙を残すことを私は推奨しています。古典的ですが、あなたが事故や事件に巻き込まれたわけではないことを伝えておく必要がありますし、執拗に居場所を探されないようする必要があるからです。

 

 置き手紙の内容は、旦那と一緒にやっていくことができないと考えたので別居を決断したこと、元気にしているので探さないで欲しい、といったことを簡単に記載しておけば構いません。

 

 私の依頼者の方からは「LINEやメールで伝えるのではダメですか?」と質問されることが多いのですが、置き手紙の方が無難なことが多いです。といいますのは、LINEやメールで伝えると、相手に対して「LINEやメールが連絡手段として生きている」と伝えるようなものなので、その後旦那からしつこくLINEやメールが来る危険性が増すからです。

 

 

5.捜索拒否願の提出


 

 DVのケースですと、旦那からの暴力について地元の警察に相談をしていることが多いと思いますので、事前に別居日を警察にも伝えておいて下さい。

 

 そして、突如別居を開始すると、旦那は警察署に捜索願を提出するケースが多いので、予めあなたの方から警察に対して「捜索拒否願」を提出しておいて下さい。

 

 捜索拒否願を提出しておけば、警察が捜索願を受理することはありませんし、旦那が警察に相談しに来た際に「奥さんがどこにいるかは教えられないが無事だから探すようなことはしないように」と伝えてくれますので、安心です。

 

 

6.住民票の移動は慎重に


 

 別居先に転居した際には、住民票を移動すべきかという問題があります。各種行政サービスを受けるにあたっては住民票を移動していた方が手続は円滑なことが多いですが、安易に移動してしまいますと旦那に居場所を知られる危険性が生じます。

 

 DV被害者として役所に申請を提出しておけば、旦那があなたの住民票を入手することはできなくなりますが、役所のミスで住所が発覚してしまうというケースも実際にはあります(ただ、最近はこのようなミスはほとんどなくなっていると聞きます)。

 そのため、行政サービスを受けるため等、その他現実の必要性が生じてから住民票は移動した方が安全だと思います。

 

 

7.早めに弁護士に依頼する


 

 DVで別居を開始し、相手にあなたの所在地を明かさずに離婚の交渉をするという場合、弁護士に依頼をして手続きを取るというのが最も現実的かと思います。

 

 もちろん、ご両親など間に入ってくれる人物がいて、旦那も目上の人には丁寧に応対するという場合には、ご両親等に間に入ってもらうことを依頼する方法もあります。

 ただ、相手がDV旦那の場合、あなたの居場所を執拗に尋ねてきたり、あなたと一目でも良いから会わないと離婚の協議には応じないという旦那も多くいます。

 

 その様なケースでは早めに弁護士に依頼して手続きを取った方が円滑に離婚できるケースが多いと思います。

詳しくは、関連記事>>DV離婚を弁護士に依頼するメリット&デメリット

 

 

8.別居時の持ち物リスト


 DVのケースでは、急いで別居を開始しなければいけないとか、そうでなくとも別居後の不安から気持ちを落ち着かせて荷物の整理ができないという方も多いと思います。

 

その様な方は、以下の関連記事を参照の上、荷物の整理をしてみて下さい。

関連記事>>「ついに別居を決意!これだけは持って出よう!」

 DVのケースですと、別居後程なくして旦那が奥様やお子様の荷物の大半を勝手に捨ててしまったというケースもありますので、注意が必要です。

 

 

9.まとめ


○事前に旦那に別居する旨を相談した方が良いかはケースによる。

○別居準備は絶対に旦那に察知されないように進める。

○別居にあたっては、親族・友人等の支援体制を整えた方が良い。

○別居の際は自宅に置き手紙を残す方が良い。

○警察には捜索拒否願を提出する。

○住民票の移動は時期を含めて慎重に検討した方が良い。

○DVのケースでは早めに弁護士に依頼した方が良い。

○別居の際には持って出る荷物についても検討しておく必要がある。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

DV離婚で調停に臨む際の5つの注意ポイント

2017.08.21更新

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1.まずは調停がどのような手続なのかを理解する。


 

 DVのケースではご夫婦同士で話し合いができない、もしくは、離婚を切り出すとDV旦那が逆上する可能性が高いため、ご自身で離婚を切り出せないというケースも多くあります。

 

 その場合でも、弁護士が間に入る場合には、弁護士からDV旦那に通知を送り、協議離婚によって問題を解決できないかを模索していきます。

 ただ、弁護士が間に入っても協議離婚の目処が立たないというような場合には、弁護士が代理人となって離婚調停を申し立てていくことになります。

 

 DVのケースですと、調停にどのように臨めばいいのか奥様の方で非常に不安になられることが多いと思います。ただ、調停というものがどのような手続なのかが分かっておりませんと、その様な不安を払拭することはできませんので、まずは、きちんと把握しておく必要があります。

>>関連記事「離婚調停って何だ?」

 

 それでは、離婚調停というものがどのようなものか概要を掴んで頂いた上で、DV離婚の場合には、どのような心構えで臨む必要があるのか、また、どのような準備が必要なのかと言った点について、DV被害者側の立場から以下ご説明致します。

 

 

2.裁判所へのDVでの配慮要請


 

 まず、調停を申し立てる際に、この離婚調停事件がDVの事件であるということをキチンと裁判所に伝えておく必要があります。DV離婚調停事件においても基本的には弁護士同席のもとご本人にも裁判所に足を運んで頂く必要があります。

 そのため、何も裁判所の配慮がないと、裁判所にてDV旦那と遭遇してしまうと言った危険性が出てきます。

 

 このような事態を避けるために、事前に裁判所にDVのケースであることを強く伝えておく必要があるのです。

 このようにしておきますと、裁判所の方も調停の開始時間を旦那様と奥様とでずらしてくれたり、控え室の階数を別にしてもらうなど配慮を受けることができます。

 

 

3.原則弁護士代理を強くオススメする


 

私がDV離婚のご相談を受けた際には、弁護士を立てることをオススメすることが多いです。

DVのケースですと前述の通り、ご本人からDV旦那に対して離婚を切り出すことができないというケースが多くあります。その様な場合には、ご本人ではなく両親やその他の親戚、友人等に間に入ってもらうケースもないわけではありませんが、本人と話ができないことでDV旦那が逆上して話が余計に混乱すると言うこともあります。

そのため、明確なDVのケースですと、弁護士が間に入った方が、多少はDV旦那も冷静に話をすることができます。

 

また、DV旦那から更なる暴力等が行われる可能性も考慮しますと、その様な事態に迅速に対応する必要があります。具体的にはDV保護命令等を検討して行くことになりますが、予め離婚事件で弁護士が事情を把握しておりますと、保護命令等の手続も円滑に進めて行くことができます。

 

 

4.【調停の席で心がけること1】自分を責めない・卑下しない


 

私が相談を受けるDV被害者の方の傾向としましては、自分を責めてしまっている方が非常に多いという印象です。

自分が旦那の機嫌を損ねることを言ってしまったからいけないんだとか、家事が不十分だったために旦那を怒らせてしまったといった風に自分を責めてしまうのです。

しかし、暴力はどのような事情があっても許されないものですので、あなたが悪いと言うことは絶対にありません。確かに旦那の暴力には何らかの発端があるのは事実でしょうが、だからといって暴力が許されることにはならないのです。

 

また、DV旦那は、「何度言ってもお前がこれをしないから暴力をふるっているんだ」という言い方をして、あなたを悪者扱いしようとします。このように言って、あなたを支配しようとしているのです。あなたが自分自身を卑下するのは、DV旦那からのコントロールから脱し切れていない痕跡とも言えますので、まずは、そのようなDV旦那からのコントロールから抜け出すようにするのが重要だと思います。

調停の席でも、あまりあなたが自分自身を責めていますと、相手からつけ込まれる一因にもなりますので、まずは「自分自身を責めない」という気持ちをしっかりと持つよう心がけて下さい。

 

 

5.【調停の席で心がけること2】悩まない・相手の魅力的な言葉等に騙されない


 

次に、調停の席で強く心がけて欲しいのは、相手の魅力的な言葉等に騙されない、気持ちを揺らさないと言うことです。

DV旦那の中には、裁判所等の公的な場所では礼儀正しく振る舞うという人もいます。また口が達者と言う方もいるのが事実です。そのため、DV旦那も調停の席では、こちらが応じても良いような条件を提示してくることもあります。

 

ただ、ここでヨリを戻してしまいますと、これまでと同様のことが繰り返されることになりますので、自分が離婚したいんだという強い気持ちで臨むのがよいと思います。

 

もちろん、離婚にあたっては様々な条件についても話し合いますので、その個別の条件についてどのようにした方が良いのか悩むことはいけないことではありません。ここで申し上げたいのは、「離婚したい」というその気持ち自体がぶれないようにして欲しいという意味です。

 

 

6.まとめ


○DV調停と言うことを意識せず、まずは調停手続そのものをきちんと理解しておく。

○DV離婚調停では、裁判所にDV事件としての配慮を事前に要請しておく必要がある。

○DV離婚調停のケースでは弁護士に依頼した方が良いケースが多い。

○DV調停の席では、自分を責めないように話す必要がある。

○DV調停の席では、離婚に対する強い覚悟をもって離婚そのものを悩まないようにした方が良い。

 

 

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DVで協議離婚できるか?

2017.08.14更新

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1.協議離婚とは


 

 協議離婚とは、ご夫婦が離婚届に署名押印して役所に届け出ることで離婚が成立することを言います。

 ご夫婦同士の話し合いで離婚に合意した場合はもちろん、ご夫婦同士の話し合いが難しく、間に弁護士が入って協議離婚が成立することもあります。

 

 協議離婚は、調停離婚、裁判離婚と対比した用語として用いられますが、一番のメリットは、時間をかけずに離婚できるという点かと思います。

 

 これに対して、調停離婚ですと、家庭裁判所における調停手続で離婚する手続きになりますので、どうしても一定期間を要してしまいます(調停申立の準備が必要になりますし、申立をしても調停期日は1ヵ月以上後になります。また、1回の調停期日で結論が出ないことも多いです)。

 

 

2.DVだから協議離婚できないと言うことはない。


 

 DVのケースですと、DV被害者側が協議離婚を最初から諦めているケースも多くあります。

 「旦那に相談もせずに家を出てしまったので、凄く怒っていて、とりつく縞がないと思います」だとか「何度か離婚を切り出したことがあるのですが、まったく話し合いになりませんでした」といった形で諦めてしまっているのです。

 

 しかし、弁護士が間に入ることで、相手が態度を軟化させてくることはあります。弁護士を立てるということは、「本気で離婚したいと思っている」ということを意味しますので、そのことが相手にも伝わることが多く、相手も離婚も致し方ないと考えるのです。

 

 私が担当した事件でも、当初は協議離婚が難しいと思われても、実際ねばり強く相手と話をしたところ協議離婚が成立したケースは何件もあります。

>>関連記事「DV夫とスピード離婚(2ヵ月で離婚成立)」

 

 

3.協議離婚のために弁護士として心がけていること


 

(1)離婚原因の詳細を確認する

 DV被害者の方から詳しい離婚原因の聞き取りを致します。多くの場合は、DV被害の詳細になりますが、このような被害内容を共有することで、被害者の方に目線を近づけた上で弁護活動を行うことができると考えています。

 また、DV加害者である旦那様と直接話をする際には、「嫁はどうして離婚したいと言っているんですか?」という質問が必ず出ますので、それに回答する準備としての意味合いもあります。

 

 このような確認は当然のことの様に思えるかもしれませんが、弁護士は事件を多数抱えており、どうしても細かな事実関係の確認に手が回らないという先生もいらっしゃるようです。私の場合には、そのようなことはなく、きちんと詳細を確認する様に努めております。

 

(2)DV加害者に対してメリハリを付けて対応する

 DV旦那と話をする際に一番心がけているのはメリハリを付けるという点です。絶対に応じられない点については断固応じられない旨を明確に伝えますが、他方できめ細かく対応した方が良い点についてはきめ細かく対応すると言うことです。

 

 奥様が所在を明らかにせずに別居を開始した場合、DV旦那からは「嫁がどこにいるのか教えろ」とか「嫁と直接会って話をしないと離婚を決められない」という話が必ず出ます。これに対しては、居場所は絶対に教えられない、直接会うことも絶対にできないと回答し毅然と対応することになります。

 これに対して、詳しく奥様が離婚したい理由を知りたいという要望が出された場合には、その理由を細かめに説明して行くことになります。

 

 

4.調停に切り替えた方が良いケースでは早めに切り替える


 

 私が交渉に当たる場合、できる限り早めに離婚できるようにDV旦那と粘り強く話をして協議離婚を目指しますが、旦那様が離婚を拒絶する姿勢が強固な場合、早めに調停離婚に切り替えた方がよいということもあります。

 私が相手と直接話をしておりますと、協議離婚での解決が難しいという判断はできますので、その見極めができ次第調停離婚の手続きを取ることになります。

 

 

5.親権獲得が絡む場合


 

 特にお子様の親権について激しい意見対立があるようなケースですと、仮にDV旦那が離婚に応じたとしても、親権を譲らないと言うことも想定されますので、その場合には、早めに調停に切り替えた方が良いケースが多いと言えます。

 

 なお、たまに「早く離婚したいので親権は諦めた方が良いでしょうか?」とご質問される奥様がいらっしゃいますが、こちらについては、絶対に親権は諦めない方が良いという回答になります。

 今は一刻も早く離婚したいでしょうけれども、親権を渡してしまいますと、今後お子様と会うことにも不便を来す可能性がありますので、2年後、3年後には「親権を渡すべきではなかった」と思われる方が多いからです。

 

 

6.慰謝料請求とのバランス感覚


 

 特に深刻なDV被害を受けているケースですと、DV旦那に何のお咎めもなく離婚することには納得できないということも多いと思います。これまで長い期間に亘って暴力被害を受けてきたのですから、その様に考えるのも当然だと思います。

 

 ただ、DV旦那は自分の暴力が正当なものだと考えている人が非常に多いため、慰謝料を支払うことに強く抵抗してくるケースが多いのも事実です。

 そのため、ケースによっては慰謝料の金額を減額し、または慰謝料額をゼロにした上で、早期に離婚する方が良いというケースもあります。

 

 

7.まとめ


■DVであっても協議離婚できる。

■DV離婚の場合、弁護士としては被害者の方から詳しく事情を確認し共感することが重要である。

■DV離婚の場合、弁護士としては加害者とメリハリを付けて話をする。

■調停に切り替えた方が結果的に早く離婚できるケースでは早めに調停に切り替える。

■早く離婚したいからと言って親権を手放してはいけない

■早期離婚と慰謝料獲得とのバランスを考えなければならないケースは多い。

 

 

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DV被害届を出すべき?5つのチェックポイント

2017.08.07更新

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1.DV被害時に110番通報をする場面


 

 あなた自身又はお子様が旦那から暴力を受けている場合、その様な暴力が続くと生命の危険に関わるという場合や暴力の内容が普段と大きく異なるなど身の危険を感じる場合に110番通報をすることが多いと思います。

 そうすると、DVの現場に警察官が足を踏み入れることになりますので、あなたやお子様の怪我の内容等によっては、警察から被害届を提出するか質問されることになります。

 

 あなたとしても咄嗟の判断として110番通報をしていますので、その場では判断が難しい場面も多いと思います。

 そこで、今回は、被害届を提出した場合にはどのようなメリット、デメリットがあるのかをまとめてみました。

 

 

2.【被害届を提出するメリット1】DV夫に反省させる


 

 特にDVを繰り返す旦那の場合には、あなたがいくら暴力に対して抗議しても聞き入れないことが多いと思います。また、旦那がDVを繰り返す場合、更なる暴力を怖れて、旦那に抗議すること自体が難しいと言うことも多いと思います。

 その様なことを考えると、被害届を提出すると、端的に、暴力を深刻な問題と捉えていることをDV旦那に伝えることができます。そのため、当面の抑止力になることは間違いないと思います。

 

 ただ、DVを繰り返しているケースですと、このことで旦那が改心して今後二度と暴力をふるわないというケースは極めて稀だと思います。そのため、「被害届を出せば、旦那も悔い改めて今後二度と暴力をふるわなくなるはずだ」と考えることは避けた方が良いと思います。

 

 

3.【被害届を提出するメリット2】DV夫を逮捕してもらい避難の準備を調える


 

 DVの被害が深刻な場合や繰り返されてきたという場合、被害届を提出することで警察がDV旦那を逮捕してくれる場合があります。

 その様な場合には、逮捕されている2日間程度の時間は避難のための時間を稼ぐことができます。

 

 さらに、DV旦那が勾留されることになれば、さらに10日ないし20日間はDV旦那が自宅に戻ってくる心配がありませんので、避難という意味では余裕ができます。

 

 

4.【被害届を提出するデメリット1】今後の生活費の問題


 

 前述の通り警察に被害届を提出しますと、その被害内容やこれまでのDVの内容を考慮して警察が積極的に逮捕してくれる場合があります。しかし、逮捕が勾留につながり、旦那が出勤できない状態が長引くと、その仕事を辞めなければならないという事態に発展しかねないリスクがあります。

 そうしますと、一家を支える収入を得られなくなる可能性が高まりますので、この点には留意する必要があります。

 

 

5.【被害届を提出するデメリット2】DV夫の逆恨み


 

 DV旦那は、自分の考え方が100%正しいと誤解している人が多いため、警察に対しては「すまないことをしたと思っています」「反省しています」といった言葉を発していても、いざ外に出ると「俺は逮捕されるようなことはしていない」ということを平気で言う人もいます。

 自分のしていることが過ちだと考えていないので、「些細なことで騒ぎ立てて警察まで呼ぶなどとはけしからん」とか「この暴力の発端を作ったのは誰だと思っているんだ」などと言い出すケースも往々にしてあります。

 

 そのため、DV旦那が警察に対して反省の意思を示していたとしても、安易に信用せず、逮捕・勾留後に釈放された旦那がその後、あなたに対して再度暴力をふるわないか、暴言を吐かないかという点については十分注意する必要があります。

 

 但し、「どうせ逆恨みされるなら警察を頼るのは止めよう」「自分さえ我慢すればよい話だ」という発想は絶対に持たないようにして下さい。むしろ、逆恨みされる危険性があるので、早めに旦那と縁を切ろう、離婚しようという発想の方が、正解のように思えます。

 

 

6.【被害届を提出するデメリット3】捜査に協力しなければならない負担


 

 警察に被害届を提出すると言うことは、旦那に対して刑事処罰を求めることになりますので、刑事処罰を受けさせるために、これまでの経緯やDV暴力時どのような暴力を受けたのかと言った点を事細かに警察に話さなければならなくなります。

 このような話の中には、あまり思い出したくなエピソードなどが含まれることも多く、このような話をすること自体が苦痛になるというケースもあります。

 

 

7.DV離婚の問題を数多く取り扱っている弁護士としての実感


 

 DVの案件を数多く取り扱っている立場からしますと、被害届は、速やかな避難の実施のために利用するのが一番効果的かと思います。

 

 これまでほとんどDV暴力をふるってこなかった旦那が突如暴力をふるったというケースですと、110番通報や警察から厳重注意してもらうという対応で十分お灸を据えるという効果は得られるのではないかと思います。(但し、今後このようなことが続かないかということについては、旦那の実家にも相談して、旦那の過去の行動等について確認しておく必要があると思います。結婚するときには知らなかったけれども、実家の両親に強く問い詰めると、旦那が不良グループに属していたことがあったとか、暴力団の知人が多いといった情報を得られることもあります)

 

 逆にこれまでDV暴力を繰り返してきたという場合には、被害届を提出して逮捕・勾留してもらったとしても、おそらく旦那が改心する可能性は低いと思います。そのため、早めに避難するという選択をした方が良いケースが多いように感じます。

 

 

8.まとめ


■被害届を提出することで、旦那が反省する場合もある(但し、何度もDVが繰り返されたケースだと基本的に期待薄だと考えた方がよい)

■被害届を提出して、旦那を逮捕・勾留してもらっている間に避難するというのが最も効果的な被害届の使い方とも言い得る。
■旦那が逮捕・勾留されると職を失うリスクがある。
■旦那が釈放された後に逆恨みしてくるリスクがある。
■被害届を提出するとあなた自身も事情を聴かれるため負担になる。

 

 

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DV夫から慰謝料は取れるか?

2017.07.31更新

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1.DVを何らかの形で償わせたい


 

 DV被害を受けた場合、そのことに対してDV加害者に何のお咎めもないということになると、やりきれないという思いを持たれる方も多いと思います。

 DV加害者に謝罪させるという方法も考えられますが、法律上謝罪を強制させる仕組みがないため、この点を強く言うことは難しい面があります。また、DV旦那は、自己の暴力を正当化している人が多いため、謝罪に断固として応じないという人も多いです。

 

 そのため、DV被害を受けたことに対して相手に何らかの償いをさせるという場合には、慰謝料を支払わせるという方法が現実的な選択肢になります。

 

 

2.DVの証拠


 

 前述の通り、離婚手続の枠組みの中で、DVに関して相手に償いをさせるという場合、慰謝料をもらうというのが現実的な手段になりますが、その第一歩になるのが、DVの証拠になります。

 

 最も有力な証拠となるのが医師の診断書になります。また、目立った外傷が残ったという場合には、外傷の写真も証拠になります。あとは、室内の壁や家具を破壊した場合、壊れた壁や家具の様子などを写真撮影しておけば、暴れたことの証拠になり得ます。

 

 また、広義のDVといった場合、暴言も含みますので、相手の暴言の様子を録音したICレコーダーのデータ等も証拠になります。

 いずれにしましても、上記のような客観的な証拠がありませんと、慰謝料を請求することは難しいのが現状ですので、今後慰謝料請求を考えているという場合には、診断書等の証拠を残しておいた方が良いと言えます。

 

 

3.慰謝料の相場観


 

 それでは、慰謝料という場合、どの程度の金額をもらえるのでしょうか。

 原則としてお話しさせて頂きますと、ケースによって千差万別ですので、「相場」というものは存在しません。ただ、敢えて私が取り扱った事件の平均値といいますと、200万円程度に落ち着くと思われます。

 

 繰り返しになりますが、DVは、ケースによって内容に大きな違いがありますので、自分は200万円を確実にもらえるのだと誤解しないようにして下さい。

 実際にどの程度の慰謝料をもらえそうかという点は弁護士に相談してみると、ある程度の目安をお教えできることもあります。

※関連記事>> DV慰謝料に相場ってあるの?

 

 

4.慰謝料をどのように請求して行くのか


 

 それでは、慰謝料はどのようにして請求して行くのでしょうか。

 通常は、DV旦那との離婚を決意されていることと思いますので、離婚の条件の一つとして慰謝料も要求して行くことになります。

 DVの問題は、離婚を決意した直接のきっかけになっていることが多いと思いますので、離婚で話し合う問題の一つとして解決するのです。

 

 

5.DV旦那の支払能力


 

 DVのきちんとした証拠がある場合、DV旦那から慰謝料を獲得して行くことになりますが、その際に注意しなければならないのは、DV旦那の支払能力になります。

 いくら慰謝料を請求しても、DV旦那が無職であったり、ほとんど蓄えがないというケースも多くあります。その場合には、実際に慰謝料を獲得することが難しいという場合もありうると思います。

 

 このようにDV旦那自身は十分な支払能力がないとしても、その両親や親族は資産家というケースもあります。その場合でも、あくまで慰謝料を請求できるのはDV旦那本人と言うことになりますので、直ちにDV旦那の支払能力の問題が解決されるわけではありません。

 

 

6.離婚と慰謝料どちらを優先するかの選択


 

 私が相談を受けたケースでは、DV旦那が自己中心的にお金を使うため、ほとんど蓄えが残っていないとか、転職族のため、勤め先を特定することが難しいというケースが多いです。

 そのため、残念ながら慰謝料を払う払わないという議論をしていることで離婚に時間がかかるのであれば、慰謝料を諦めて離婚を選択するという方もいらっしゃるのが現実です。

 

 もちろん、今後DV旦那が再婚等して同じことを繰り返さないために、こちらが受けた被害の何十分の一かでも取り返したいという気持ちから慰謝料を請求すべきケースが多いと言えます。そのため、簡単に慰謝料請求を諦めて欲しくないのですが、手続が進む内に離婚と慰謝料とで優先順位を付けて検討しなければならない場面に遭遇することもありますので、そのことは頭の片隅置いておいた方が良いと思います。

 

 

7.まとめ


・DVの慰謝料請求にあたっては、DV被害の証拠が重要な意味を持つ。

・慰謝料の金額はケースによるため一概にいくらとは言いにくい。

・慰謝料の問題は離婚の話し合いと一緒に話をするのが一般的である。

・慰謝料を請求するにあたっては、DV旦那の支払能力の問題を無視できない。

・ケースによっては離婚と慰謝料どちらかに優先順位を付けた方が良いケースもある。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

DV離婚を弁護士に依頼するメリット&デメリット

2017.07.24更新

弁護士秦

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1.そもそも、DV離婚は弁護士に依頼した方が良いのか。


 

 詳しいメリット、デメリットは後述しますので、そちらをご覧いただければと思います。ただ、通常の離婚とは異なり、DV離婚、特に旦那様があなたに対して暴力をふるい、そのことで怪我をしたことがあるとか、精神的に不調が生じているという場合には、弁護士に依頼されることをオススメしています。

 とは言いましても、皆様なかなか弁護士との接点もないでしょうから、以下に弁護士に依頼するメリットとデメリットを整理しました。今回は「DV」による「離婚」という問題に特化して解説しますので、参考にして下さい。

 

 

2.【DV離婚を弁護士に依頼するメリット1】直接やり取りしなくて済む


 

 DV離婚を弁護士に依頼する最大のメリットは、奥様が旦那様と直接やり取りをしなくて済むという点ではないかと思います。私のところに相談に来られるDV被害者の方々も、「怖くて直接話をすることができない」「身の危険を感じる」とおっしゃる方は多いです。

 

 DVのケースでは、DV旦那がこちらの意見に耳を貸さない、理解しようとしないというケースが多いように思われますので、直接やり取りをするだけで精神的にすり減ってしまうと言うことが多いと思います。また、ご自身で離婚を切り出すと、旦那様が逆上して、暴力被害が増えるリスクもあります。

 これに対して、弁護士に依頼すると、弁護士が窓口となって交渉をしますので、直接当事者間で話をする必要がなくなります。

 

 

3.【DV離婚を弁護士に依頼するメリット2】避難先を知られずに手続ができる


 

 DVで弁護士に相談するケースでは、ご自身で別居を開始しているか、別居を決意されていると思いますので、避難先を知られずに手続を進めると言うことが重要な意味を持つことが多いと思います。

 

 避難先を知られてしまいますと、DV旦那が押しかけてきて暴力をふるう危険性がありますので、このような事態を回避する必要性が高いと思います。

 しかし、あなた自身が直接旦那と話をする場合や親族等に間に入ってもらう場合、連絡先を知らせないと協議に応じないというケースもありますので、その様な場合には、話し合いが進展しません。

 

 この点、弁護士は守秘義務を負っていますので、弁護士がDV旦那に、DV被害者の現住所等の情報を漏らす危険性はありません。

 

 

4.【DV離婚を弁護士に依頼するメリット3】相手の論法に巻き込まれない・丸め込まれない


 

 こちらも、私のところに相談に来られる方が、よくおっしゃることなのですが「旦那は理屈っぽいので絶対に言葉ではかなわない」とか「普通に話をすると丸め込まれてしまう」といったことをおっしゃる方が多いです。

 

 DV旦那は、自分のしている暴力を完全に正当であると考えている人が非常に多く、そのため、自分の主張に強い自信を持っている方、自分の理屈を曲げようとしない方が多いというのが一つの特徴と言えます。

 そのため、ご本人で話をしたり、友人に間に入ってもらっても、相手が理屈を曲げないために、交渉が進展しないと言うことが往々にしてあります。

 

 これに対して、DVの問題に詳しい弁護士が間に入った場合、弁護士は、相手がどのような主張を展開してくるかある程度予測できますので、相手の論法に巻き込まれません。

 

 

5.【DV離婚を弁護士に依頼するメリット4】常に道標がある安心感


 

 前述のようにDV旦那は、自信を持って自分の主張を展開してくることが多いため、聞いている方は、自分の考え方が間違っているのではないかと不安になってしまうことが多くあります。

 しかし、弁護士が間に入れば、常に弁護士のアドバイスを受けながら手続を進められますので、その様な不安もなく安心することができます。

 

 

6.【DV離婚を弁護士に依頼するメリット5】裁判を視野に入れた準備


 

 DVのケースでは、協議離婚が成功せず、調停離婚や、どうしても裁判離婚を避けられないというケースも増えてきます。

 前述のように、DV旦那は自分の主張に自信を持っている人が多いため、こちらから説得しても、理解しようとしないことが多いため、離婚協議や調停が上手く進捗しないケースもあるのです。

 

 離婚裁判になりますと証拠がない主張は認められにくくなってしまいますので、調停の進捗などを見て、裁判でも勝訴できるだけの証拠を集める作業などを進めて行くことができます。このような準備を進めておけば、調停が不成立になってしまった場合でも、スムーズに裁判に手続きにスイッチさせることができます。

 

 

7.【DV離婚を弁護士に依頼するメリット6】保護命令等の措置への迅速な対応


 

 一旦弁護士が就いた後に、何かトラブルが起きた場合、弁護士が事情の詳細を知っていますので、保護命令といった法的手続きを円滑に進めることができます。

 

 

8.【DV離婚を弁護士に依頼するデメリット1】弁護士費用の負担


 

 弁護士に事件を依頼することになりますので、どうしても弁護士費用がかかってきてしまいます。

 ただ、私がご依頼を受ける場合、いくら弁護士費用がかかるのかを明確にご説明しますので、ご安心してご依頼頂けます。

 

 

9.【DV離婚を弁護士に依頼するデメリット2】結局調停には本人出席が必要


 

 私のところに相談に来られる方の中には、弁護士に依頼する場合、弁護士に全て手続を任せるので、ご自身で裁判所まで足を運ぶ必要はないと誤解されている方もいます。

 もちろん離婚協議の際に、ご自身で足を運んで頂く必要はありませんが、離婚の手続きが調停のステップに上がってしまった場合、調停の席にはご本人が出席して頂く必要が出てきます。

 

 ただ、その場合にも、①必ず弁護士が同行しますし、②相手と同じ部屋で話し合いをするわけではありません。また、③裁判所で相手に遭遇するリスクを極力減らすよう裁判所とも連携して行きますので、裁判所でトラブルになるケースは少ないと思います。

 

 

10.まとめ


■DV離婚を弁護士に依頼すると以下のようなメリットがある

 ①DV旦那と直接交渉等のやり取りをせずに離婚できる。

 

 ②避難先を知られずに離婚できる。

 

 ③弁護士が間に入るので、相手の論法に巻き込まれない

 

 ④随時弁護士のアドバイスを受けられるので、常に道標がある安心感を持てる。

 

 ⑤離婚裁判や保護命令と言った手続を円滑に進められる。

 

■DV離婚を弁護士に依頼すると以下のようなデメリットがある

 ①弁護士費用がかかる。

 

 ②離婚調停にはご本人も出席しなければならない。

 

 

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DV慰謝料に相場ってあるの?

2017.07.17更新

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1.DVの問題は法律的には金銭的に解決する他ない。


 

 DVの被害を受けておりますと、ご自身の自信を喪失し疲弊しきっている方が多くいらっしゃいます。特に長期間DV被害を受けてきた方は、その間の失われた時間を取り返したいと願う方もいらっしゃいますし、その心情は察するに余りあると思います。

 

 また、今後DV夫が離婚した後に再婚するなどすることも考え、自分のしたことが悪かったことだとしっかりと自覚し、同じような被害者を出さないで欲しいと願う方もいらっしゃいます。その様な場合には、DV夫にきちんと謝罪させるという方法しかないことになります。

 しかし、法律が、その様な謝罪といったシステムを用意しているのかと言いますと、暴力を受けたケースにおいて謝罪を強制するような法律はございません。

 

 そのため、DV被害を原因として離婚する場合、その被害に対しては、慰謝料という金銭的な解決を図るしか手段がないということになります。

 

2.DV慰謝料に相場ってあるの?


 

 それでは、そのようなDV慰謝料について、相場というものは存在するのでしょうか。

 

 狭い意味でのDVと言う場合、直接的な身体的暴力を意味します。その場合、通常は、身体的暴力の他にも、様々な暴言を浴びせられたり、生活費もろくに渡さないと言った事情が複合的に問題となるケースが多いため、一概にDV慰謝料というものの「相場」と言うことは申し上げにくいのですが、私が担当した事件の平均的な数値と言いますと、200万円に近い数字になるのではないかと思います。

 

 ただ、繰り返しになりますが、DV被害を受けているケースでは、他にも様々な被害を抱えている方が非常に多いため、「DVがあった場合には、1件につきいくら」と言うように単純に計算することが難しいと言うことはご理解いただければと思います。また、上記の金額は婚姻関係が破綻している場合(もうやり直せないぐらい夫婦の関係が崩壊している場合)を想定しております。婚姻関係が破綻していない場合にはより慰謝料額は低額になるケースが多いです。

 

3.DV慰謝料額はどのような要素で決まるの?


 

 ここでは、DVとは、前述のように狭い意味で捉え、直接的な身体的暴力があったケースを想定して解説致します。

 

 主なDV慰謝料額の考慮要素としては以下のようなものがあります。

■DVの回数・頻度

■DVの期間

■DVによる怪我の程度、後遺症の有無

■DV行為の態様・危険性

■DV行為の経緯

■旦那側の反省の程度

■奥様側の落ち度

 

以下で、具体的に解説して行きます。

 

(1)DVの回数・頻度

 これは、婚姻期間中に、どのくらいの回数身体的暴力があったか、どのくらいの頻度だったかという問題です。もちろん、回数や頻度が多ければ多いほど慰謝料は増額傾向になります。

 

(2)DVの行われてきた期間

 DVが断続的にせよ繰り返されてきた期間がどの程度あったのかという問題です。期間が長い方が慰謝料は増額傾向になります。

 

 なお、このDVの期間を検討するにあたっては、婚姻生活の中のどの期間にDVがあったのかという点も重要になります。

 例えば、婚姻当初から別居するまでずっとDVが続いてきたと言うことでしたら、より悪質と言うことになるでしょうし、結婚2年頃からDVがあったが、その後2年ほどで収まり、その後は別居までの7年間一切DVが無かったと言うことでしたら、悪質性が高度ではないと判断される可能性があります。

 この点は、どのようなきっかけでDVが始まって、どのようなきっかけでDVが終わったのかという問題とも絡み、検討が必要な点となります。

 

(3)DVによる怪我の程度・後遺症の有無

 DVによる怪我が重傷であれば重傷であるほど、慰謝料は増額傾向になります。なお、DVの被害を受けた方の中には、「1か月間腫れが引かなかったように思う」とか「2週間痛みが続いたと思う」というような主観的なお話しをされる方もいらっしゃいますが、怪我の程度は原則として診断書や医療機関のカルテを元に判断されることが多いため、診断書やカルテでの書きぶりというものが非常に重要になります。

 

 また、怪我の程度がひどく、後遺症が残ってしまったというケースでは、慰謝料は増額傾向になります。心理的な後遺症については、証明の難易度が高いのですが、DVによって心理的なダメージを受けたと証明できれば、慰謝料は増額傾向になります。

 

(4)DVの態様・危険性

 これは、具体的にどのような暴行行為が行われたのかという問題です。旦那が包丁・ナイフその他の凶器を持ち出して攻撃してきたというケースでは、一般的に慰謝料は増額傾向になります。

 また、階段から突き落とされそうになったなどの生命の危険が生じうるケースでも、一般的には慰謝料は増額傾向になると言えます。

 

 旦那が素手で攻撃してきたという場合でも、こちらの体位、暴行の程度は重要な考慮要素になります。こちらが立っているところに、相手から脇腹を一発殴られたというのと、こちらが寝ているところに、馬乗りになられて数十発殴られたというのとでは悪質性が異なると思います。

 DVの態様については、当時の具体的なシチュエーションを思い出し、その内容を検討する必要があります。

 

(5)DV行為の経緯

 何回か暴力行為が行われている場合には、旦那が初めて暴力をふるい始めた経緯と、その後の経緯との両方を検討する必要があります。

 例えば、奥様側が挑発的な言動を繰り返した結果、旦那が手を出したというケースと、酒癖が悪く、飲酒し始めると理由もなく暴力をふるうというケースとでは、悪質性が異なると思います。もちろん、より悪質な方が慰謝料は増額傾向になります。

 

(6)旦那側の反省の程度

 DVを奮う方の中には、全く悪びれておらず、むしろ、自分を正当化する方も多くいます。例えば、「家内は全然家事ができず、何度も注意してきたのに、直らないので、指導のために手を上げた」とか「こちらがむしゃくしゃしているところに、家内が喧嘩を売ってくるような言動をするからこのようになってしまう」だとか、あたかも自分の行為が悪くなかったかのように主張する人もいます。

 このように全く反省せず、逆に開き直るような態度を取る場合には、慰謝料は増額傾向になります。

 

(7)奥様側の落ち度の有無

 DVはどのような理由があっても許されない行為ですので、原則として上記(1)ないし(6)の要素でおおよその慰謝料額は決定することが多いのですが、ケースによっては、奥様側の落ち度が検討対象になることがあります。

 例えば、奥様側の挑発行為が激しく、それに腹を立てて暴力してしまったとか、自宅がゴミ屋敷になっており、少しは片付けるように注意しているのに一切聞く耳を持たないばかりか、旦那に掃除するよう申し向けてきたためカッとなって暴力をふるったとか、奥様側の浪費が激しく、そのことが原因で暴力沙汰になったとか、奥様側の落ち度が大きい場合には、一定の考慮要素になることがあります。

 

4.DV離婚のケースでは弁護士に依頼するのがベストなことが多い


 

 DVを理由として離婚する場合、DV旦那はこちらの言い分に耳を傾けるばかりか、こちらを非難してくることが多いため、ご自身で交渉することは難しく、逆に、そのことが危険と言うことも多くあります。

 身内の方に間に入ってもらうにしても、DV旦那が、間に入った人間に対する攻撃を開始するというケースもあります。

 

 そのため、DVのケースでは早期に弁護士に依頼し、解決することが望ましい問題と言えます。

 

5.まとめ


 

・DV慰謝料に相場はないが、200万円というのは一つの参考値にはなる。

・DV慰謝料は、様々な検討要素を踏まえて検討することになる。

・DVのケースは、当人同士の話し合いが難しいため、弁護士が間に入った方が良い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

偽装DVへの5つの対処法

2017.07.10更新

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1.偽装DVとは


 

 偽装DVとは、一般的には、実際に夫からの身体的暴力(いわゆる「殴る、蹴る」と言った直接身体に触れる暴力です)がないにも関わらず、暴力を受けたように偽ることを言います(広い意味では、実際に存在しないモラハラを偽装する場合等も含みますが、今回は、身体的暴力のケースに限って解説します)。

 

 明確な離婚原因(不倫や暴力等)が実際にはない場合に、早く離婚したいがために、DVがあったと主張されるケースが多いです。

 

2.偽装DVはどう言う形で問題になるの?


 

 偽装DVは、奥様の側がDV被害者の「フリ」をするケースが多いのですが、口頭でDV被害を訴えるだけということもあります。それだけならまだ良いのですが、怪我をした写真、精神疾患の診断書といった証拠が提出されるケースもあり、その様な場合には、対応を慎重に検討しなければならないこともあります。

 

 それでは、どのような形で偽装DVが顕在化することが多いのでしょうか。私の経験上は以下のようなパターンがあります。

■突如奥様が自宅を出て、連絡が取れずにいたら、奥様から手紙が来て、暴力被害(偽装)の怪我の写真や離婚届が同封されていた。

■突如奥様が自宅を出て、連絡が取れずにいたら、奥様の友人(または親族)から連絡が来て、暴力(偽装)のことを非難され、至急離婚するよう詰め寄られた。

■突如奥様が自宅を出て、連絡が取れずにいたら、弁護士から通知が来た。

■突如奥様が自宅を出て、連絡が取れずにいたら、家庭裁判所から離婚調停の呼出状が来た。

 

 奥様はDV被害が偽装であることを認識していますので、奥様ご自身が表に出てくることは少なく、誰かを間に入れて離婚を求めてくるケースが多いように思います。また、同居したままですと、旦那様の方から反論されるため、別居してから、DV被害を訴えるケースが多いように思います。

 

 では、このような偽装DVのケースでは、旦那様側はどのように対処すればよいのでしょうか。

 

3.【対処方法1】まずは、離婚届不受理申請をする


 

 奥様は、DVを偽装するような方ですので、最初は正攻法で、こちらに離婚を求めてきていても、離婚協議が思うように進まないと、こちらに無断で離婚届を役所に提出するリスクがあります(つまり、離婚届を偽造してしまうと言うことです)。

 

 そのため、まずは、役所に行って離婚届の不受理申請をすることをオススメします。

 一度離婚届が受理されてしまいますと、その後は奥様との連絡が一層取りにくくなる危険性がありますので、無断で離婚届を提出される事態は避けなければいけません。そのため、まずは、離婚届の不受理申請をしておいた方が良いでしょう。

 

4.【対処方法2】すぐに諦めない、相手の言いなりにならない


 

 当たり前のようなことで実は大変重要なのですが、突如弁護士からDV加害者のレッテルを貼られ、写真といった証拠もあると言われてしまうと、つい気弱になってしまうことも多いと思います。

 特に、偽装DVを主張する奥様の中には、同居生活中も旦那様に対して横柄な態度を取っている女性などもいて、その様な場合には、旦那様側が縮こまってしまうこともあります。

 

 しかし、そのような気弱な態度を見せてしまいますと、相手のペースで物事が進んでいくことにもなりかねませんので、まずは、必要以上に気弱にならない様努めて下さい。離婚の問題は、あなたの人生にとっても重要な出来事ですし、養育費や財産分与、慰謝料等お金にも関わることですので、離婚した後に後悔することがないよう弱気にならずに臨みたいところです。

 

5.【対処方法3】真実の離婚理由を探る


 

 偽装DVのケースでは、積極的に奥様が真実の離婚理由を主張してこないケースが圧倒的に多いです。そのため、可能であれば真実の離婚理由を探れるようであれば探った方が良いと思います。

 もちろん、「本当はどういう理由で離婚を決意したんだ?」と聞いても、相手は、DVしか主張しないと思いますので、「DV以外にやり直せない理由があるのか?」という形で質問してみると良いと思います。

 

 こちら側としては、奥様が突如別居して、意味も分からないうちに離婚を突きつけられていますので、奥様側の本当の離婚原因が分からないと、気持ちの整理も、離婚にどう向き合うべきかも判断がつかないと思います。そのため、真実の離婚理由を探ってみた方が良いと思います。

 

6.【対処方法4】相手の偽装の証拠を突き崩す


 

 こちらについては、相手の証拠がどのようなものなのかに応じて対処方法が変わってくるのですが、相手は偽装DVの証拠を盾に離婚を強く迫ってきていますので、それが偽装であることを証明することに全力を注ぐ必要があります。

 

(1)怪我の写真に対して

 一般的には、過去怪我をするエピソードが実際に存在して、その写真を、夫からの暴力が原因だと主張するケースが多いように思われます。例えば、本当は転んだ際にできた怪我を「旦那に蹴られてできた傷だ」と主張するなどのケースです。

 相手が医師の処置を受けている場合には、カルテの開示を求めれば、通常カルテに怪我をした原因も記載しますので、そこで偽装であると分かることが多いと思います。

 

 医師の処置を受けていない場合、真実の怪我の原因を証明する作業が必要になります。例えば、PTA活動をしていた際に奥様が怪我をしたという場合、周りで見ていた友人の証言を得ると言ったことが考えられます。また、メールやラインが残っていないかについても確認をして下さい。それなりに大きな怪我をした場合、「転んで怪我をしちゃったから今日の夕飯は作れない、どこかで食べてきて」と言った事務連絡のメール等をしているケースがあります。その様な証拠があれば、偽装だと証明できることもあります。

 

 いずれにしましても、相手が暴力を受けたという日時を特定できませんと反論できませんので、まずは日時を明らかにしてもらうというのが必要な作業だと思います。

 

(2)精神疾患の診断書について

 通常奥様が精神疾患を患っていても、その原因まで診断書等に記載されることは少ないと思います。そのため、精神疾患の診断書が提出されても、DVを原因とした被害という特定は難しいことが通常です。

 仮に、奥様からの申告をもとに精神疾患の原因が明記されていた場合には、カルテの開示を求めるなどして対抗してゆくことになろうかと思います。

 

(3)普段の奥様の言動等

 偽装DVのケースでは、旦那様からのDVが偽装であるだけではなく、逆に、本当は旦那様がモラハラの被害者であると言ったケースもあります。その様な場合には、これまでに奥様から送られてきたメールやラインにて普段の言動等をうかがい知ることができます。

 そのメールやラインの内容によっては、旦那様と奥様との普段の関係性から、旦那様側から暴力をふるう可能性は低いとされることもあり得ます。

 

7.【対処方法5】弁護士に相談した方が良いケースが多い


 

 偽装DVは奥様側も巧妙なケースが多いので、弁護士に依頼するかどうかは別として一度は直接弁護士に相談して対処方法を練った方が良いと思います。

 

 上記の通りオーソドックスな偽装の証明方法を述べましたが、偽装内容や方法に応じて対処方法は異なってきますので、相手が証拠とするものの現物、こちらが反論として提出する予定の証拠の現物を直接弁護士に見せて相談をすると、今後の見込みがより明確になると思います。

 

7.まとめ


 

・勝手に相手が離婚届を提出しないよう離婚届不受理申請をしておいた方が良い。

・必要以上に気弱にならず冷静に対処するよう気を引き締めた方が良い。

・探れるようであれば真実の離婚理由を探る。

・偽装DVの証拠を突き崩す方法は相手が用意した証拠によっていくつか方法がある。

・実際に偽装DVに対抗するためには一度弁護士に相談してみた方が良い。

 

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逆DVかな?と思ったら

2017.07.03更新

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1.逆DVって何だ?


 

  逆DVとは、一般的に奥様が旦那様に対して身体的・精神的または性的暴力をふるうことなどと言われます。つまり、直接殴る蹴るといった身体的暴力だけではなく、怒号・罵倒・誹謗中傷等による精神的暴力、肉体関係を強要してくる性的暴力等も含みます。

 数年前まではDVと言うと、旦那様が奥様に対して暴力をふるうケースを指すものと考えられていましたので、その「逆」の形態(旦那様が加害者ではなく、被害者であるという意味で「逆」)という形で、「逆DV」と表現されているようです。

 

 

2.逆DVは離婚原因になるか?


 

 「離婚原因」と一口に言いましても、法律家から見ますと二つの捉え方がありまして、「法律上の離婚原因」という捉え方と「離婚理由」(離婚を言い出すきっかけ)という捉え方があります。

 あなたが逆DVの被害に真剣に悩んでいると言うことでしたら、そのことは離婚理由(離婚を言い出すきっかけ)になります。

 

 ただ、法律上の離婚原因にまでなるかというと、事情によると言うことになります。

 と言いますのは、法律上の離婚原因というのは、「裁判所が強制的に離婚を認めてくれるだけの理由」を意味しますので、簡単には認められません。身体的暴力が繰り返されていたという場合には当然、「法律上の離婚原因」に該当しますが、精神的暴力や性的暴力につきましては、その頻度や内容によると言うことになります。

 

 

3.男性側が被害者というのは、立場として弱くなるのか


 

 逆DVでご相談に来られる方の中には、女性が被害者であれば裁判官も同情してくれると思うのですが、男性が被害者の場合、裁判官は「情けない」としか思われないのではないかと、心配される方もいらっしゃいます。そこまでは言わないまでも、女性が被害者のケースよりも男性被害者は保護されないのではないかと心配されている方は多くいます。

 

 確かに、体格の面では女性よりも男性側の方が体格がよいことの方が多いため、暴力によって男性側が持つ恐怖心は女性被害者よりも多少弱いと見られる傾向もないわけではありません。

 しかし、DVで大きく問題になりますのは、実際にどのような暴力が加えられたのか、どのような頻度でどの程度の期間暴力があったのかという点が最も重視されますので、このような暴力の内容が強力な内容であれば、男性側が被害者であるという事情はそれほど大きく影響しないと見込まれます。

 

 

4.逆DVは改善の余地があるのか。


 

 私が担当した事件でも、旦那様が毅然と「このようなことが続くようであれば正式に離婚するしかない」と伝えたところ、奥様からのDVが無くなったというケースもあります。

 ただ、逆DVの内容にもよりますが、その内容が強烈なものであったり、執拗なものである場合、一時的に改善しても、時間が経つと同じことが繰り返されることの方が多いように思われます。

 

 そのため、この逆DVは、一時的なことなのだとか、本当は私のことを分かってくれているからもう少し我慢すれば自分から改善してくれるはずだと言った考え方は捨てた方が良いケースが多いのが実情です。

 

 

5.逆DVに耐えられない場合、どう対応すればよいか


 

  同居して一緒に生活している以上、逆DVに悩まされ続けますので、早めに別居をスタートするのが一番だと思います。

 ただ、別居生活においてはご両親その他少なくとも一人は事情を知ってサポートしてくれる方がいた方が良いので、別居に踏み切る前に悩みを打ち明けられるような親族または友人に悩みを打ち明けて、サポートを受けられる体制は整えておいた方が良いと思います。

 

 また、最終的に離婚を考えている場合、奥様が逆DVの存在を否定してくる可能性もありますので、可能な限り、別居前に逆DVの証拠(身体的暴力の場合、診断書や怪我の部位等を撮影した写真、精神的暴力の場合、相手からの暴言を録音した録音データ等)を入手しておくべきでしょう。

 逆DVのケースでは、奥様が旦那様に対する強い支配欲を持っていることも多いため、こちらから離婚を切り出した際、奥様が自分に不利な事情を全て隠し、離婚を阻止しようとする可能性があるからです。

 

 

6.まだ離婚の決心が付いていない場合


 

 明確に離婚したいと決断できていない場合、別居を始めてしまいますと、引っ込みがつかなくなるというケースもあります。

 その場合には、前述のようにまずは悩みを打ち明けられる親族や友人に相談し、まずは、あなたの客観的な立場を知っておくことが重要だと思います。

 

 逆DVは、奥様の要望に従ってきた結果、DVの内容が悪化してしまったというケースが多いため、あなた自身も感覚が麻痺してしまっていることが多いです。そのため、実際にこれまで起きたことを親身に相談をし、相談相手の意見を聴きながら、その逆DVの内容の深刻さを認識すべきです。

 

 そのように率直に話をしている中で、あなた自身が離婚した方が良いのか、誰かに間に入ってもらって夫婦円満に向けて話し合った方が良いのかの方向性も見えてくると思います。また、夫婦がお互いを見つめ直す期間として試しに1,2ヵ月別居してみるという方法もあります。どなたかに間に入ってもらって、冷却期間としての別居の話し合いができると言うことでしたら、試しに別居してみるというのも有力な選択肢だと思います。

 

 逆DVのケースですと、男性側が被害者ですから、みっともなくて他人に話せない、相談相手に白い目で見られそうでコワイ、下手に話をすると同級生の間で噂になりそうと言った形で不安に思われている方も多いと思います。そのように適切な相談相手がいないという場合には、弁護士等の専門家に相談するという方法もありますので、検討してみて下さい。弁護士に相談した場合、必ず弁護士に事件をお願いしなければならないと言うことはありませんし、弁護士には守秘義務がありますので、弁護士に話した内容が外部に漏れることはありません。

 

 

7.逆DVのケースは離婚を決意した場合、弁護士を立てた方が良いケースが多い


 

 逆DVのケースでは、前述のように奥様の側が旦那様に対する強い支配欲を持っているケースも多いため、旦那様側が離婚を切り出した際に強く反発してくるケースが多いです。単に反発するだけならまだしも、これまでの逆DVがエスカレートしていくというケースも多くあります。

 このように旦那様の身の危険が増加するリスクがありますので、奥様の逆DVが悪化する可能性があるという場合には、ご自身で離婚を切り出すのではなく、弁護士を立てて、弁護士を通じて離婚を切り出すという方法も検討した方が良いです。

 

8.まとめ


・逆DVは離婚理由(離婚を切り出すきっかけ)になる。

・逆DVが法律上の離婚原因になるどうかはDV内容を精査する必要がある。

・逆DVが通常のDVより大きく被害者に不利になるということは少ない。

・逆DVの改善見込みは一般的に低い。

・逆DVに耐えられない場合、別居を考えた方が良い。

・別居前には逆DVの証拠を収集しておいた方が良い。

・逆DVの深刻さを客観的に把握するためには誰かに相談するのが一番である。

・逆DVのケースは弁護士が間に入った方が良いケースが多い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【絶対に離婚したくない(13)】相手が弁護士を雇ってきた場合、離婚不可避か?

2017.06.26更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。

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1.弁護士からの通知が突如やってくることも…


 

 離婚問題で弁護士が通知を送るのは通常別居開始後になります(同居したまま通知を送ることもありますが例としては少数だと思います)。

 相手配偶者の別居開始直後に通知があったり、別居して暫く音沙汰がないと思っていたら通知が来たりと、タイミングはケースによって異なります。

 

 相手が別居開始前から弁護士に相談しているといったケースでは、別居の際に、置き手紙やメール等を残すことも多く、そこには、「今後離婚の件は弁護士に一任しているので弁護士からの連絡を待って欲しい」と書かれていることもあります。

 他方、別居開始前から弁護士に相談している訳ではなかったり、別居開始前から相談していても慌ただしく別居したケースなどでは、事前に弁護士を雇っていることが分からないこともあります。

 その場合には、弁護士からの連絡は突如来ることになります。

 

 そして、突如弁護士から電話が来るということは少なく、通常は、内容証明郵便または手紙という形で弁護士から手紙が届くということが多いです。

 

 

2.「弁護士から連絡が来た」イコール「おおごとになった」という発想は禁物


 

 一般的に日本では弁護士の敷居が高いと言われていますので、「相手が弁護士を雇ってきた」イコール「おおごとになった」という発想を持つ方も多くいらっしゃいますが、その様な発想は禁物です。

 弁護士を就けていますと最終的には離婚問題は裁判によって解決して行くことになりますが、離婚の問題では、一部の例外を除いて、いきなり裁判を起こすことが法律で禁止されていますので、突如裁判になるということはありません。

 

 話し合いが上手く行きませんと離婚調停を申し立てられる可能性は高いですが、調停はあくまで裁判所という場所を使っての話し合いですので、結論を強要されることはありません。

 また、相手配偶者があなたと直接話をしたくないという場合には、早めに弁護士を頼むという進め方をする方もかなり増えている印象です。

 そのため、相手が弁護士を雇っても、その後重大な急展開が起こると言うことはまずありませんので、その意味ではご安心下さい。

 

 

3.相手の弁護士は離婚裁判で勝てると確信しているとは限らない。


 

 相手が弁護士を雇っている場合、「裁判で争っても負けてしまう」「相手の弁護士は確実に勝てると考えているから事件を担当することになったんだ」と誤解されている方も多くいますが、必ずしもそうとは限りません。

 

 離婚事件は、協議離婚や調停離婚で解決する割合が非常に多いため、裁判で確実に勝てるというケースではなくても、弁護士が就くことは珍しくありません。

 そもそも、裁判で離婚が認められるためには、浮気や暴力といった明確な離婚原因が必要になりますので、離婚訴訟で勝訴できると確信して事件を担当することは逆に少ないと思います。

 そのため、「相手が弁護士を就けている以上、争っても絶対勝てないから、早く離婚した方が得策だ」と考えるのは早計です。

 

 

4.相手が真剣に離婚を考えていることに対してどう向き合うか


 

 前述の通り、相手が弁護士を雇ったということで必要以上に不安になる必要はないのですが、相手が弁護士を雇ったと言うことは、相手は、「弁護士費用を支払ってでも離婚したい」と考えていることは事実なので、俗な言い方ですが「本気で離婚したいと考えている」と思った方が良いと思います。

 

 ただ、だからといって、こちらが離婚に応じなければいけないと言うことではありませんので、相手が真剣に離婚したがっていると言うことをどのように受けとめて、今後どのようにしたいのかという視点から良く考えた方が良いと思います。

 あなたが、離婚したくないという気持ちが強いのでしたら、離婚に応じないという姿勢で問題ないのですが、その場合に肝心なのは、相手の心情に極力寄り添って対応するということだと思います。たまに、「相手と離婚を巡って対決するんだ」と誤解されている方もいますが、対決してしまいますと夫婦の間柄を修復することはできません。

 

 そのため、どうやったら相手の気持ちを変えることができるのか、夫婦の間柄を修復する方向に話が進むのか、ということを真剣に考えて、対応していくことが肝要です。

 

 

5.少なからず修復事例はある

 


 

 私のところにご相談に来られる方の中には、「相手に弁護士までついて離婚にならなかったケースなんてありませんよね?」と質問される方もいます。

 ただ、相手が弁護士を立てても、離婚にならなかったケースはあります。私自身が担当した事件でも、離婚にならず、夫婦の関係をしっかりと修復できたご家庭も実際にあります。

 そうは言いましても、残念ながら、修復に成功した事例は、一握りしかないのも事実です。

 このようにお話しますと「結局、数パーセントですか?」とか「本当に確率低いですよね?」と重ねて質問してくる方もいますが、ご家庭によって事情は様々ですので、「確率が低いか高いかは状況次第です」とお答えすることが多いです。

 

 

6.一人で悩んでいても結論が出ない場合、他の人にも相談してみること


 相手が弁護士を雇ったため大事になったと考えて、誰にも相談しないという方もいらっしゃいますが、そうすると余計に悩みが深くなるケースもあります。

 信頼できる親友に相談したり、実家の両親、兄弟姉妹その他近しい人間に相談すると、自身の客観的な立場が分かり、安心材料になることも多いので、迷った際には近しい方にご相談することを強くお勧めします。

 そんな中で、あなた自身のケースで離婚が認められる可能性が高いのかどうかや、離婚の際にどのような取り決めをしなければならないのかといった点について専門家に相談したいという場合には、弁護士に相談することも検討してみて下さい。

 

 

7.修復を目指すと心に決めたら胸を張って「ヨリを戻したい」と言う。 


 

 たまに私が相談に乗っておりますと、後ろめたくて「ヨリを戻したいと言いづらいです」という方もいます。しかし、離婚するか修復するかは、今後のあなたの人生にとっても非常に大切なことなのですから、何も後ろめたい気持ちを抱く必要はありません。

 そのため、しっかりと修復を目指すと心に決めたのなら、胸を張ってそのように言えばよいと思います。

 

 

8.まとめ


・弁護士からの手紙は何の前触れもなくやってくることも多い。
・相手が弁護士を雇ったからといって「おおごとになった」と必要以上に不安になるべきではない。
・相手の弁護士も離婚裁判で勝てると確信しているとは限らない。
・離婚に応じないにしても、相手が真剣に離婚を目指しているという心情には配慮し改善策等を練る必要がある。

・相手が弁護士を立てていても、少なからず修復事例はある

・一人で悩んでいても結論が出ない場合、近しい人間に相談してみるのも一つの方法である。

・修復を目指すと心に決めたら、胸を張ってよい。

 

 

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