内縁関係(事実婚)とは?
2018.06.12更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。
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1.そもそも、内縁関係(事実婚)とは何だ?
内縁関係(事実婚)、似たものに婚約といった言葉もあり、考えてみると今一はっきりとしないとお考えの方も多いと思います。
内縁関係(事実婚)とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係などと言われたりします。事実上夫婦としての生活を送っているため「事実婚」と言われることもあります。
ただ、これだけでは、今一分かりにくいと思いますので、以下で詳しく解説していきます。前述の内縁関係の定義になぞらえて説明しますと、①婚姻意思を持って(要するに「結婚するつもりがあって」)、②夫婦共同生活を営んでいる(同居して夫婦同様の生活を営んでいる)事が必要になります。以下それぞれについてご説明致します。
2.【内縁関係(事実婚)と認められるための条件1】婚姻意思があること
要するに男女が共に結婚するつもりがあると言うことです。
婚姻意思が認められないケースとしては、愛人関係や、その場限りの性交渉などがあります。
なお、この「婚姻意思」と「婚姻届を提出する意思」は一般的に別だと考えられています。そのため、例えば男性側が今すぐに婚姻届を提出する意向がなかったとしても男女双方が結婚するつもりがあれば、「婚姻意思あり」とされます。
このように「婚姻届を提出する意思」は必ずしも必要ありませんが、どうして長期間婚姻届を提出していないのか、の理由については合理的な説明が求められる傾向にあります。つまり、こちらから内縁関係にあると主張した場合に、相手がこれを否定するケースも相当数ありますが、その場合、通常相手は、「結婚するつもりなんかなかった」と言ってきます。そうなりますと、長期間同居していたのにどうして婚姻届を提出しなかったのかについて、説得的に説明していくことが求められるのです。
3.【内縁関係(事実婚)と認められるための条件2】夫婦共同生活の存在
要するに同居して夫婦同様の生活を送っていることが必要です。
いくら婚姻意思があっても全く同居して生活していない場合、内縁関係とは認められません(ただし、婚約と認められれば、一方的な破棄のケースでは慰謝料請求が認められるケースもあります)。
また、「同居」が必要になりますので、例えば男性側が毎晩のように女性側の自宅を訪れた(その際に、そのまま翌朝まで泊まっていくこともあった)としても、「同居」(その場で一緒に生活している状態)ではないため、内縁にはならないと言うことになります。
4.結局同居期間はどのくらいあればいいのか?
ケースバイケースですので、何年同居期間があれば内縁と認められるという一律の基準はありません。ただ、3年というのが一つの目安だと言われることがあります。
そのため、少なくとも同居期間があまりに短い場合には、内縁とは認められない可能性が高いと言えます。
また、同居を始めてから初めて男性側からのプロポーズがあったという場合には、厳密にはプロポーズがなされた時点から同居期間はカウントすべき事になります。
いずれにしましても、どうして同居を始めることになったのか、同居期間中どのようなことがあったのかと言った点を考慮して「同居期間」を評価すべきと言うことになります。
5.結局内縁関係(事実婚)があるかないかの決め手は?
内縁関係は、単なる婚約に加え、一緒に生活しているという状況がある場合に、結婚に準じた効果を認めようと言うものなので、一番の決め手になるのは、①同居期間と②同居中の生活状況ではないかと思います。
もちろん同居期間が長ければ長いほど内縁と認められる可能性は上がりますが、男性側が明確に婚姻を嫌がっていた場合には内縁とはなりませんので、同居中の生活状況もキーポイントになります。
なお、「同居中の生活状況」は、そこに住んでいる男女のみしか知らない事情になりますので、内縁と言えるかどうかで争いになった場合、男性側が「そんなことは言ってない」「そんなつもりはなかった」といったことを言ってくるリスクがあります。そのため、当時のLINEやメールのやり取り等が重要な証拠になり得ます。
いずれにしましても、内縁に該当するのかどうか悩んでいるという場合には、一度弁護士等の専門家に相談して、意見を聴くのがよいと思います。
6.まとめ
・内縁関係(事実婚)とは、婚姻届を提出していないけれども、婚姻意思を持って、夫婦共同生活を営んでいる関係を言う。
・内縁関係の意味を分解すると「婚姻の意思があること」「同居して夫婦のような生活を送っていること」に分けることができる。
・同居期間3年が一つの目安と言われることもあるが、3年を経過していれば内縁と認められるわけではない。
・決め手となるのは同居期間の長さに加えて同居中の生活状況がキーポイントになる。
・自分の立場が内縁にあたるのか迷うケースでは一度弁護士に相談してみるのも良い。
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