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【改正民法施行!!どうなる!?これからのモラハラ離婚(12)】子供を連れて別居する際にモラハラ夫の了解が必要になるのか?

2026.03.30更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。これまで20年以上モラハラ離婚に携わってきた経験に基づき、本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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(この記事は、弁護士秦のオリジナルの記事です。無断転載・無断複製を禁止します)

 

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 今回は、このようなモラハラ夫と離婚することを考えている方を対象に、民法改正でどのように制度が変わったのかを解説していきます。

 

 

2.改正民法施行


 離婚後共同親権等を主とした内容の民法改正は、法律そのものは令和6年5月17日に成立していたのですが、その施行(その法律が効力を発生すること)は令和8年とされていました。この改正は、離婚後単独親権のみとしていた民法の内容を大きく変更するものでしたので、その法律の内容を世間に広く周知し、また、実務的な対応を整備する観点から、法律の施行まで一定の期間を置くことになったのです。

 最終的に民法改正の施行日は令和8年4月1日に設定され、この日から効力が発生することになりました。

 

 

3.お子さんがいない場合の転居について


 お子さんがいない、もしくは、お子さんが既に成人している(満18歳に達している)場合には、お子さんに対するモラハラ夫の親権といった問題を気にする必要はありません。

 そのため、モラハラの内容がDVの一歩手前といえる様な深刻な内容であったり、そこまでの深刻な内容ではなかったとしても、別居話をするとモラハラ夫が強く反発してきてそのことであなたがひどく疲弊すると見込まれるような場合、無理に事前に別居話をする必要はないと思います。それ以外のケースの場合、あなた自身の心理的負担とモラハラ夫がどのように反応しそうかに応じて、事前に話をしておくべきかを検討していくことになります。

 

 以下では、未成年のお子さんがいるご家庭を前提に、別居の際に事前にモラハラ夫に話をしておくべきかという点について解説します。

 

 

4.(未成年のお子さんがいるご家庭での)改正民法における転居の取り扱い


 改正法では、①お子さんの居所指定(要するに引っ越すかどうか、引っ越し先をどこにするか)が共同親権の対象で、夫婦が共同で行使すべき内容だと明記されたこと、②夫婦間の人格尊重・協力義務の規定が設けられ、合理的理由もなく夫側に無断でお子さんの住所を変更する行為は同義務に違反するものと位置付けられました。

 そのため、改正法の下では、モラハラ夫側に何も伝えずにお子さんと一緒に別居を開始してしまうと、①本来共同で行使すべき共同親権を単独で行使してしまった、②夫婦間の人格尊重・協力義務に違反する対応ということになってしまいますので、より一層慎重な対応が必要になってきます。

 

 

5.【未成年のお子さんがいる場合】事前にモラハラ夫に相談することは必須なのか?


 前述のような改正民法の規定に鑑みますと、事前にモラハラ夫に相談すらしないでお子さんと別居を開始することは基本的にリスクになってしまいます。

 しかしながら、①モラハラの内容がDVの一歩手前といえる様な深刻な内容であり、事前に話をすると身体的暴力被害を受ける危険性が高いような場合や②度重なるモラハラで精神的に不調を来しているというような場合には、無理に事前に話をすると、被害が拡大したり、あなたの精神的不調が悪化するリスクがありますので、事前に相談せずに、お子さんと一緒に別居することもやむを得ないと思います。

 なお、その場合でも、モラハラ夫は、自身の非を認めない傾向が強いので(自分に都合の悪いことは否定してくることが多い)、このような身体的暴力の危険性やあなたの精神的な不調については、過去の診断書や写真等裏付け証拠を事前に得ておくと安心です。

 他方で、モラハラ被害がそこまで大きくはないという場合には、事前に離婚や別居を切り出すべきだと思います。前述のような改正民法の規定がありますので、これに明確に違反して別居を開始することは、今後の親権の紛争でも不利になってしまうリスクがあるからです。

 

 

6.モラハラ夫が強く反発しないように嘘をつくのはどうか?


 これもよくご相談を受けるのですが、以下のようなご質問を受けることも多いです。
① 本当は別居を開始するつもりだが、夫が反発しないように「連休中子供を連れて実家に帰省する」と伝えて家を出るのはどうか?(結局は、そのまま実家から自宅に帰らない)
② 本当は離婚したいのだが、「今後家族が仲良く生活していけるよう前向きな別居をしたい」と伝えて家を出るのはどうか?

 

結論から申しますと、積極的に虚偽を述べることは混乱のもとになりますので、オススメできません。
なお、上記の②のケースの場合、敢えて「前向き」と伝える必要もありませんので「あなたとの結婚生活がしんどい。今すぐ離婚したいと言えるかは少し考えたいので、少し距離を置いて考えさせてほしい」といった伝え方の方が良いかと思います。
特にモラハラ夫は、こちらの話を自分にとって都合が良いように誤解しやすい人が多いので、普段の連休中のただの帰省だとか、復縁を予定した別居というように話してしまいますと、モラハラ夫が変な期待をしてしまい、今後余計に混乱する気がします。

 

 

7.どう伝えるか?


 モラハラ夫を目の前にすると、頭が真っ白になってしまうとか、上手く話せる自信がないという方も多いと思います。
 そのため、夫婦2人だけの話し合いではなく、あなたのご両親や親族等も間に入れて話をするというケースも相当数あります。
 また、夫婦二人きりで話すことは良いとしても、自宅内だと怖いので、喫茶店とか他の人の目があるところで話をするというケースもあります。

 なお、前述の通り、改正法の規定からしますと、しっかりと夫と話をしたという経過が重要になりますので、最低限、①モラハラ夫と話をした日付と時間帯、②どのくらいの時間話をしたのか、③話し合いの概要についてはその都度まとめておくようにして下さい。特にモラハラ夫が相手ですので、しっかりとあなたがお子さんと一緒に別居するという話をしているのに、後からモラハラ夫は「そんな真剣な話したとは思わなかった」とか「妻が出ていくという話はあったが子供は置いていくものだと思っていた」といった反論をしてくることが予想されますので、注意が必要です。

 

 

8.どこまで伝えるか。


 一番シンプルなのは、一緒に生活していることが精神的につらいので一旦別居したいという伝え方かと思いますが、モラハラ夫は自分が悪いことをしてきたという自覚がない人が多いため、「どうしてそのように言われるのかが分からない」とか「思い当たるところがない」という反応を示されることもあります。
 そのため、どうして別居したいのか、どうしてモラハラ夫と一緒にいることが精神的につらいのかの理由についてもある程度説明していく必要があろうかと思います。
 詳しい内容を口頭で伝えることが難しいという場合には、手紙等の形で渡すという方法もあろうかと思います。

 合わせて、お子さんの身の回りの世話を普段からあなたが担ってきたのでしょうから、あなたがお子さんも連れて行くという話も伝えるようにして下さい。

 

 いずれにせよ、あなたの中で離婚したい理由・事情を詳しくまとめておいた方が良いと思います(あなたにとっては、つらいことを思い出す作業にはなりますが、まとめておくと、話をするときに、言いそびれてしまうというリスクを軽減できると思います)

 また、このような話をすると、離婚すべき理由がある・ないという議論に時間がとられ、お子さんを連れて行く・連れて行かないという点についてあまり議論できないというパターンに陥りそうですが、親権紛争という観点からは、お子さんを連れて行くかどうかの点が重要な議論対象ですので、その点は意識してお話して下さい。

 

 

9.モラハラ夫の了解がないと別居できないのか?


 モラハラ夫は自分の考えを曲げない人が多いので、その了解を得ることは非常に難しいと思います。そのため、何度か議論して、議論が平行線であるとか、まともに話ができない状況が続くようでしたら、モラハラ夫側の了解がなくても、別居を実行するということもやむを得ないかと思います。

 ただ、モラハラ夫は、いざあなたが別居を開始すると、「別居の相談などなかった」と言ったことを平気で言ってくることが多いので、前述の通り、話し合いをした記録はしっかりと残しておいて下さい。

 

 

10.伝える前の準備


 あなたの方から別れ話を切り出すと決意した場合、どのように話を持って行ったほうが良いか、どこまで話をするのかという点についてはしっかりと準備することが多いと思いますが、その前に別の準備が必要になります。
 と言いますのは、こちらが別れ話をすると、先方は、最悪離婚になっても良いように自分名義の資産を隠し始めるといったケースがあるのです。
 そのため、別れ話を切り出す前に、①集められるモラハラの証拠は集めておく、②相手の財産のありかを把握しておくということが必要になります。

 

 

11.まとめ


・モラハラが暴力に発展しそうな場合とか、モラハラであなたが心療内科等にかかっているような場合には、事前に別居のことを伝えずに別居することもやむを得ない。
・逆に、それらの事情がない限りは、事前に別居・お子さんも連れて行く旨をモラハラ夫に話しておくべきである。
・嘘を伝えることは望ましくない。
・モラハラ夫に話をする場合、夫婦二人だけの席で伝えづらいというときには親族等の協力を得ることも多い。
・モラハラ夫に話をする場合、別居したい理由の説明も必要になると考えておいた方が良い

・親権紛争という観点で重要なのは、お子さんを一緒に連れて行くという点なので、その点もしっかりと伝える必要がある。

・後からモラハラ夫は「聞いていない」と言いかねないので、話をした記録は残しておく必要がある。
・別れ話を切り出す前に、①集められるモラハラの証拠は集めておく、②相手の財産のありかを把握しておくということが必要

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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