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DV・モラハラの証拠が少ない場合の対処法

2019.11.25更新

弁護士秦

 こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>「DV・モラハラの連鎖を断ち切る!!」DV・モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<<になります。

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1.相手はDV夫やモラハラ夫なのにその証拠が少ないというケースは案外多い


 被害女性の方からお話を聞いていますと、DVやモラハラ被害があったことは明らかなのですが、肝心の証拠が少ないというケースは多くあります。

 特にモラハラですと、相手が頻繁に暴言を浴びせて来るというケースだと録音等をしておけばよいのですが、長期間無視してくるとか、こちらの行動を監視して来るというケース等ではそもそも証拠を入手すること自体が難しいということも多いです。

 

 また、相手からのLINEやメール等はあるものの、あまり決定打になる様なものがないというケースもあります。

 ただ、そんな場合にも簡単に離婚を諦めずに対処していく必要があります。

 以下では、どのようにして離婚に道筋をつけていくのかを解説していきます。

 

 

2.前提としてのしっかりとした準備


 前述のように証拠があまりないと言っても、少ないなりにどのような証拠がどの程度あるのかについては、しっかりと見極める必要があります。

 素人目に見て、「証拠があまりない」と思っていても、専門家の目から見ると有効活用できる証拠が存在するということもあります。

 また、婚姻期間が長い場合には、DVやモラハラ被害の詳しい時期をよく思い出せないというケースも多いです。そのような場合に、LINEやメールやり取りを見ることで、被害を受けた時期を思い出すことができるということもあります。

 なお、証拠として日記やメモなどはあるという方もいますが、残念ながら手書きのメモ等はあまり有力な証拠にならないことが多いです。

 いずれにしましても、 できる限りどのような証拠があるのかを確認し、整理しておくことは必要です。

 このような準備をした上で、どのような対処方法があるのかについて以下で解説していきます。

 

 

3.【対処方法1】別居期間を稼ぐ


 

 相手が自分のモラハラやDVを認めればよいのですが、証拠がない場合には、そのことを認めないケースも多いです。

 そうなった場合、証拠がない事実ばかりを主張していても離婚の道筋を付けることは難しいです。

 

 このような場合の直接的な方法としては「別居期間を稼ぐ」ということが最も有効な手立てと言えます。

 DV等の明確な離婚原因の証明ができない場合であっても、別居期間が長期間に及ぶ場合には、このような別居生活の方が夫婦としての同居生活よりも安定しているという考えになりますので、離婚が認められやすくなるのです。

 

 どの程度の別居期間が必要かという点は、これまでの同居生活でのやり取りによりますので、一義的なことは言いづらいのですが、3年、4年が一つの目安と言われています。

 

 

4.【対応策2】早めに婚姻費用の支払いを開始させる


 

 先ほど説明した「別居期間を稼ぐ」という方法は、いわゆる手堅い手段ではあるのですが、離婚成立までに時間がかかってしまうというのが大きな難点です。

 あなたとしては、もはやDV夫・モラハラ夫と夫婦でいる必要がありませんので、早めに離婚したいと希望しているでしょうから、別居期間を稼ぐという方法は、このような希望には添っていません。

 

 そこで、次に考えられるのが婚姻費用を支払わせるという方法です。

 モラハラ夫やDV夫は、自分の気に入らないことに対してはお金を払わないという態度の人間が多いため、「勝手に出ていった人間には生活費は渡さない」と言ってくる人は多いです。

 ただ、正式に離婚が成立する前であれば、あなたは婚姻費用(生活費)を請求する正当な権利がありますので、相手の「支払わない」という言い分が認められる可能性は極めて低いです。

 

 そのため、この権利を早めに行使し、早めに先方に婚姻費用の支払いを開始させることが重要です。

 なぜなら、相手に毎月生活費を支払わせていくと、相手としては納得が行かないお金を毎月支払わなければならなくなりますので、このこと自体がストレスに感じるでしょうし、実際上も毎月婚姻費用を支払うことで自身の収入が減っていきますので、「早く離婚してしまった方が負担が少なくなる」という発想に結びつきやすくなるからです。

 そのため、早めに婚姻費用の問題に着手すると言うことは重要ですので、相手が支払いを拒むようであれば、早めに調停を起こして、支払いを早めに開始させる手順を踏むことが多いです。

 

 

5.【対応策3】離婚裁判も辞さないという強い姿勢を示す。


 

 離婚の問題は協議が決裂した場合、いきなり裁判を起こすことはできず、まずは調停を申し立てる必要があります。

 離婚調停の中で、こちらは離婚したい、他方、相手は離婚したくないと言うことで意見が対立してしまいますと、離婚調停も決裂して終了してしまいます。

 

 ただ、調停も終盤に差し掛かりますと、調停委員から、今後どのようなことを考えているのかを質問されますので、こちらとしては、裁判も辞さないという強い覚悟を持っている旨を示していくことになります。

 そうすると、裁判になりますと長期戦になりますので、夫側が短気な場合には、長期紛争を嫌がって、調停で話をまとめようとしてくることも多いです。

 

 

6.まとめ


・DV・モラハラの証拠が少ない場合であっても戦い方はあるので、簡単に離婚を諦めてはいけない。

・まずは、少ないなりに手持ちの証拠を確認・整理する必要がある。

・別居期間を稼ぐと言うことが一番端的な対応策である。

・早めに夫側に婚姻費用の支払いを開始させることが重要である。

・離婚調停の席では、裁判を辞さない旨のしっかりとした強い覚悟を示すことも重要である。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

DV・モラハラ離婚:調停の席にあなたも出席する必要があるか

2019.11.11更新

弁護士秦

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1.弁護士を雇った場合、弁護士に丸投げできないの?


 

 あなた自身で(弁護士を立てずに)離婚調停を申し立てた場合、その調停の席にあなた自身が出席しなければならないのは当然ですが、弁護士を依頼した場合はどうでしょうか。

 要するに、弁護士を雇ったのだから、弁護士に丸投げできないのかという問題です。

 

 ちなみに、遠隔地の裁判所に調停を申し立てた場合には、電話会議方式で調停を行うケースが多いので、その場合にはご本人も裁判所の調停室に直接足を運ばない形にはなります。今回の解説は、このような電話会議の場合ではなく、通常の調停を想定して解説していきます。

 

 

2.原則ご本人に出席して頂く必要がある


 

 DV・モラハラ夫が相手ですので、ご不安もあるとは思いますが、基本的には調停にはご本人にもご出席頂く必要があります。

 理由は以下の通りです。

 

(1)直接顔を合わせない工夫がなされている

 調停というと、DV夫と直接顔を合わせるのではないかと不安に思われている方も多いのですが、調停では相手と直接顔を合わせないような工夫がなされています。

 まず、調停の際、あなたは弁護士と一緒に調停室に入り、調停委員に対して事情を説明するのですが、調停室に入るのはあなたと弁護士のみで、DV夫は同席しません。

 そのため、調停室であなたがDV夫と直接顔を合わせるということはありません。

 

 より具体的には、調停は、あなたとDV夫とが交互に調停室に入りますので、調停室内で直接顔を合わせることがないようになっているのです。

 このように調停室で顔を合わせないとしても、待合室で待っているときにDV夫が入ってこないかという不安もあろうかと思います。

 

 この点は、DVのケースであることを裁判所に予め説明しておけば、こちら側が待機している待合室の階数をずらしてくれたり、集合時間をずらしてくれたりしますので、このようにして回避できるように工夫されています。

 そのため、現実的には裁判所でDV夫と顔を合わせるリスクは少なくなっています。

 

(2)離婚という身分関係に関わる重要な問題であること

 調停で話し合いが行われますのは、夫婦関係を解消させるという重要性の高い議題になります。

 このような重要なお話しになりますので、私の方からは「弁護士に丸投げというわけにはいきませんよ」とお話させて頂くことが多いです。

 

(3)こちらの真剣さを伝える

 調停委員も人間ですから、目の前で話をする人間の表情や仕草、話しぶりに影響されるのは事実です。

 そのため、あなた自身が調停の席に出席して、真剣に離婚したい旨を話すと、調停委員も、その真剣さを受けとめてくれることが多いです。

 

 逆に、あなた自身は出席せずに、弁護士だけが調停の席に出席して話をしたらどうでしょうか。調停委員からは、あなた自身の生の声が聞けていませんし、あなた自身の表情や仕草を確認することもできませんので、あなた自身の真剣度を測ることは難しくなります。

 前述の通り離婚はあなたの身分関係に関わる重要な問題でもありますので、通常の離婚調停ではご本人も調停の席に出席します。

 そのため、あまりあなた自身が欠席を繰り返すことになってしまいますと、調停委員からは「どうしてご本人がいらっしゃらないんだろう」「ご本人の表情が見えないな」と感じてしまうリスクがあるのです。

 

(4)あなた自身に調停手続の内容をリアルに把握してもらう

 弁護士だけが調停の席に出席するという形になってしまいますと、あなたの調停事件を担当してくれる調停委員がどんな人なのかということは分からないと思います。

 そして、弁護士から事後的に、その日の調停の様子の報告を受けても、概要の報告しかできませんので、事細かなやり取りの詳細までは把握できないことが多いと思います。

 

 逆に、あなた自身が調停の席に出席していれば、調停委員の話しぶりから感じるところもあるでしょうし、何よりリアルタイムで調停の詳しいやり取りを把握することができます。

 このようにリアルタイムで理解しながら調停を進めていくことができれば、その都度状況をしっかりと認識しながら、納得しつつ手続を進められると思います。

 

(5)詳しい事実関係の確認は本人でないと対応できない

 調停でどのような話が出るのかについては事前に準備をしますが、相手がどのような言い分を述べるのかを全て事前に把握しきることは不可能です。

 そのため、弁護士のみが調停の席に出席した場合、過去ご夫婦でどのようなことがあったのかを全て事前に把握しておくことは不可能なので、弁護士が把握していない過去の事実について調停委員から質問等を受けた場合に返答することができなくなってしまいます。

 そうすると、詳しくは次回調停期日までに把握してきて下さいと調停委員から指示を受けてるという進行になってしまいますので、調停手続の遅延の原因にもなりかねません。

 

 

3.自分ではうまく話せない不安があるのですが…


 調停の席にあなた自身が出席して欲しい旨をお話すると、「緊張してしまってうまく話せないのではないかと不安」とか「余計な話をしてしまいそうで心配」とおっしゃる方も多いです。

 ただ、調停の席は、面接テストなどの場ではありませんので、私の方からは「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」とご説明することが多いです。また、実際に出席した方からは、「事前に思っていたよりも調停委員が話しやすい方でした」とおっしゃる方が多いです。

 確かに緊張してしまうとは思いますが、弁護士である私が同席して、必要な範囲で修正や補足ができますので、私の方でフォローが可能です。

 また、緊張して十分話せないというデメリットはあるかもしれませんが、前述のように、あなた自身の言葉で実情を伝えるメリットの方が大きいです。

 

 

4.まとめ


・以下の理由からDV・モラハラのケースでもご本人に調停の席に来てもらう必要があるのが原則である。

 ①身分関係という重要な話をする場であるから
 ②調停委員にこちらの真剣さを伝える必要があるから
 ③あなた自身にリアルタイムで調停の場でのやり取りを把握してもらう必要があるから
 ④過去夫婦間でどのようなやり取りがあったのかはあなた自身でないと答えられない事実も多いから

・裁判所ではあなたがDV・モラハラ夫と出くわさないような工夫がされている。

 

 

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ズバリ!!弁護士から見たDV夫の共通点

2019.10.28更新

弁護士秦

 

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1.DV夫の共通点って?


 

 私も数多くのDV離婚事件を担当しておりますと、DV夫と直接会って、離婚を説得することも数多くあり、その中で感じるところがありますので、私がDV夫と対峙している際に感じる共通項についてご紹介させていただきます。

 もちろん、共通点・特徴とは言いましても、その様な特徴は、あるDV夫にはあるけれども、あるDV夫にはほとんど見られないというように、個人差がありますが、「大半のDV夫で見受けられる傾向」というものがありますので、以下でご紹介致します。

 

 

2.【弁護士から見たDV夫の共通点1】自分の考え方に固執する・絶対正しいと考える


 

 私がDV夫と直接話をしてきた中で一番よく感じる特徴の一つと言えます。

 私の方からDVを指摘すると、大概のDV夫は、「原因を作ったのは妻だ」とか「経緯があってこのようなことをしている」という言い訳をすることが多く、自分の非を認めない人が多くいます。

 

 特にあなたとの同居生活での言動や行動の中に顕著でして、家事や育児、果てはあなたの働き方などについてまで「俺の言うとおり(方法)にやれ」「間違ったやり方をするな」「そんなやり方は聞いたことがないから、逆らわずにやれ」といった強要をしてくることが多いです(いわゆるマイルールの強要です)。DV夫側があまりに自信満々で話をしてくるため、奥様の側も、「そうなのかな?」と思ってしまうことも多く、いつの間にかモラハラ夫の言う通りに行動等してしまっているということも往々にしてあります。
 なお、この特徴については、弁護士の前では明確に示して来ないというパターンもあります。と言いますのは、後述のように、DV夫は外面が良い、というよりも、「他人からどのように見られているのかを非常に気にする」という人も多いので、「弁護士の前では大人しくしている」というパターンもあるのです。ただ、私が直接話をしておりますと、表情等から「何かを言いたげである」とか「全く納得している様子がない」という姿勢を読み取れることが多いです。
 

 

3.【弁護士から見たDV夫の共通点2】内弁慶で外面が良い


 

 あまりよい表現ではないかもしれませんが、「内弁慶で外面(そとづら)が良い」と言う点もDV夫によく見られる共通点・特徴と言えます。

 このような表現は、むしろDV被害を受けている奥様からおっしゃられることが多いのですが「うちの夫は内弁慶で外面が良いんです。」と説明を受けることが多くあります。

 

 私は、DV夫が家庭でどのように振る舞っているのか直接見ることはできないのですが、奥様から詳しくDV被害の状況を伺っている限り、家庭の中と家庭の外ではかなり使い分けていると感じることが多くあります。

 奥様の話を聞く限り、「このDV夫は社会に馴染んで仕事をできるのだろうか?」と不安に感じることもあるのですが、実際には高キャリアというケースも多くあります。

 

 このように内弁慶の人が多いからでしょうか、私がDV被害を伝えても、DV夫はその様なDVそのものを否定してくる場合もあります。

 また、私がDV夫と話をしていると最初のうちは夫側も冷静に話をしているのですが、何度も話をしていると、段々DV夫も本性を現してきて、語気が荒くなる、不合理な要求をしてくる様になるといった傾向が見られることもあります。

 

 なお、極端なDV夫などでは、家庭内だけではなく、職場でも頻繁にトラブルを起こしていて転職を繰り返しているとか、無職の期間が何ヶ月にも及ぶことがあるというケースもあります。その場合には、「内弁慶」というのは当てはまりません。

 

 

4.【弁護士から見たDV夫の共通点3】言い逃れ・こちらに責任転嫁することが上手い


 これも、DV被害を受けている奥様からよく聞かされるお話なのですが、言い逃れが非常にうまく、話しをしている間にうまく話をすり替えて、奥様の方が悪かったとか、奥様の方が原因になっているからDV夫側は悪くないという方向の話になってしまうということも多いという話が出ることも多いです。これは、DV被害を受けている奥様側に共通する点でもあるのですが、DV夫に責められ続けてきたので、自信を無くしてしまっている方が非常に多いと感じます。これも、DV夫側の責任転嫁の結果と言えます。

 私がDV夫と直接話しをしていても、DV夫側が急に全く違う話題を持ち出してきて、妻のこのような態度はどうだったんでしょうか?といった形で切り返してきたり、こちらの危機感を煽り、自分に優位に話を進めようとしてくることもあります。
 前述の通り、DV夫は高キャリアのことも多く、弁が立つので、上手く言い逃れしたり、いつの間にか奥様側に責任転嫁しているということも往々にしてあるのです。
 もちろん、弁護士として話をする場合には、DV夫側の話には流されませんが、このような特徴はDV夫に共通する部分が多い項目といえます。

5.【弁護士から見たDV夫の共通点4】(なぜか)被害者意識が強い


 これもDV夫と話をしていると思うことが多いのですが、(なぜか)DV夫側の方が強い被害者意識を持っていることも多いです。
 こちらが、切々と奥様のDV被害のことを話しているのに、DV夫側は「妻の話はそうなのかもしれないのですが、私は妻が勝手に出て行ってしまって本当に精神的に苦しくてやりきれないんです。どうか妻と直接会って話をさせて下さい」とか「突如子供とも会えなくなって、仕事も手につかなくなっています。私はそこまでのことをしてしまったんでしょうか」といった返答が返ってくることも多くあります。
 奥様のお話とDV夫側のお話を総合しても、明らかにDV夫側の方が加害者だと感じても、DV夫側は自分がされたこと・言われたことの被害者意識が非常に強いため、「むしろ迷惑をかけられているのは自分の方だ」という考え方の人が非常に多いです。
そのようなこともあって、奥様の方も、「同居中も、夫の被害者意識が強くて話が噛み合わないことが多かったです」とおっしゃることも多いです。

 

6.【弁護士から見たDV夫の共通点5】急に怒り始めるため、怒り始めた原因が分からない


 

 これも、私がDV被害を受けている奥様からよく聞く話なのですが、「うちの夫は、急にスイッチが入ると、こちらに暴力を振るってくるのですが、どうしてスイッチが入ったのかが分からないんですよ」という相談を受けることが多くあります。そのため、DV夫の一つの特徴と言えると思います。

 

 DVの最も深刻な問題の一つともいえるのですが、このようにDV夫が何時怒り始めるかが分かりませんので、奥様としては、常に緊張感を持って生活していかなければならず、それが大きなストレスの原因になることも多いです。しかも、後から聞いてみると本当に些細なことが原因であることも多く、奥様からしてみると「そんな些細なことであれだけ怒っていたの?」と困惑してしまうことも往々にしてあります。

 

 ただ、DV夫によっては、こちらに暴力を振るってくる際に、自分が怒っている原因を告げてくることもあり、その内容で、相手が怒っている理由が分かるというケースもあります。しかしながら、前述のようにDV夫は独自の考え方を持っている人も多いため、DV夫の説教を聞いていても、こちらとして、何故その様なことで怒るのかが理解できないというケースも多くあります。

 なお、弁護士に対しても同様で、DV夫の説得のために何度か話をしていると、DV夫が急に怪訝な顔をし始めるとか、こちらの話を誤解して急に立腹し始めるという方もいます。ただ、弁護士の手前ということもあるのか、DV夫が私に対して直接立腹し始めるという事態はケースとしては少ないです。

 

 

7.【弁護士から見たDV夫の共通点6】急にやさしくなることがある


 

 これも、私がDV被害を受けている奥様からよく聞く話なのですが、DV夫の態度が豹変するという話になります。

 

 極端なケースですと、昨夜は、こちらを殺すとまで怒鳴ってきていた人が、翌朝には、和気藹々と話しかけて来るというケースもあります。

 最初のうちは、奥様の方も、DV夫の機嫌がよい分には助かると考えるのですが、DV夫の機嫌があまりにコロコロ変わるので、段々と心理的に疲弊してしまう人も多くいます。

 

 なお、DV被害を受けている方の中には、このようにDV夫が急に優しくなることがあるため、DV被害を受けていても「また優しい夫に戻ってくれる」と考えて、ズルズルと離婚を先延ばしにしてしまう方もいます。

 ただ、このように問題を先延ばしにしてしまいますと、DV行為がエスカレートしていき、深刻な被害につながりかねませんので、「また優しい夫に戻ってくれる」という幻想は捨てた方が良いと思います。

 

 このようなことは、弁護士である私の目の前でも行われることがあります。例えば、DV夫がお子様の運動会への参加を強く希望しており、そのような希望が叶った後は、私に対しても異常なまでに上機嫌であるといったこともあります。

 

 

8.【弁護士から見たDV夫の共通点7】絶対に自分から謝らない


 これも、奥様からよく話が出る事項の一つなのですが、DV夫は謝らない、ということが言えます。
 実際に、別居を開始したり、弁護士を介して離婚を切り出す場合には、離婚を逃れるために、形式的に謝罪の言葉を述べてくることもあるのですが、そうでもしないと「絶対に謝らない」というDV夫は多いです。
 なお、DV夫も言い過ぎたと思ったときなどには、翌日プレゼントを買ってくるとか、急に家事を手伝ってくるとか、一定の態度の変化が出てくることはあるのですが、絶対に言葉では謝らないということを貫くことも多いです。また、夫婦喧嘩になった時にも、いつも奥様の方から謝って終わるとか、あやふやなまま終わらせて、結局DV夫は謝らないということも多いようです。このようなことが続くことで奥様の方もどんどんと自信がなくなっていくとか、違和感が心のうちに徐々に積もっていくといった悪循環に陥っていくことも多いです。

 

9.【弁護士から見たモラハラ夫の共通点8】妻や子供のことを監視・制限したがる


 これもDVのケースを扱っているとよく聞く話なのですが、奥様の行動等を制限したり、監視・支配したがる、もしくは、お子様の行動を制限等したがるDV夫は多いです。
 このような制限の態様は大小あるのですが、極端なケースですと、妻に携帯電話を持たせてくれないというケースもありました(もしかしたら男性と会話するかもしれないから、携帯電話は持たせないと言うのです)。また、お子様との関係では、お子様の習い事や部活動などに事細かく指図してくるというようなケースも多いです。

 このような監視・制限の厄介なところは、DV夫側が、妻や子供に対する愛情だとか、妻や子供のためを思ってやっていると誤解していることも多いという点です。こちら側が不満を述べると、夫側は「妻や子供達のためを思ってやっているのに」と感じて逆上してくるケースが多いのです。
 なお、私がDV夫と対峙していて、この「監視・制限」については、人によって個人差が非常に大きいと感じる項目でもあります。前述の奥様に携帯電話を持たせないというのは最たる例ですが、非常に監視が厳しいご家庭もあれば、監視が緩いご家庭もありまして、「程度の差が大きい」と感じるのです。

10.【弁護士から見たDV夫の共通点9】離婚理由を理解しようとしない


 

 これは正確には「理解できない」という方が正しいかもしれませんが、こちらから奥様が離婚したがっている理由を説明しても、相手が理解できないケースが多くあります。これは、DV夫の方も多少は理解しているのですが、離婚するほどの話ではないと考えるケースと、そもそもこちらの話にピンと来ていないというケースがあります。

 

 なお、DV夫が相手の場合、こちらが離婚したいと考える理由をきちんと正確に理解させることは難しいことが多いため、奥様の方でやり直すつもりが全くないということを伝えて離婚の説得をすることが多いように感じます。

 また、「妻の言うことも分かりますよ」といいながら「だけど、…」と自分の言い分を主張して、結局問題の根本を全く理解していないというケースも数多くあります。

 

 

11. DV夫の共通項を活かした対策


 

 これまで紹介してきましたとおり、DV夫の弁護士に対する態度は上記の様になります。そして、一番の鍵になるのは、DV夫が暴力を振るってくる様な場合には、その証拠を押さえておくことになります。

 診断書や怪我の写真等きちんとした証拠がありますと、DV夫も言い逃れができなくなり、スムーズに離婚できるケースも多いです。

 

 そのため、まだ、あなたの方でDVの証拠を取得していない様な場合には、極力DVの証拠を確保する様に努めることをオススメします。もちろん、怪我をするほどのDVではないという場合には、証拠化しにくいというケースも多くありますので、そのような場合には、どのような手順、手続で別居や離婚を進めるのがよいかは、弁護士に相談してみると良いでしょう。

 

 

12.上記が「全て」ではない


 今回は、私がDV夫と直接対峙してよく感じる共通項について解説いたしましたが、DV夫の特殊な行動や言動の幅は非常に広いため、上記の解説に含まれないような話も多々あります。上記の解説に含まれていないと、「自分の被害はモラハラ・DVに当てはまらないんじゃ」とか「マイナーな話なので、話をしても理解してもらえないかも」と不安に感じるかもしれませんが、私自身、上記以外での被害のお話を聞くことも多いので、是非そのような不安は抱かないで頂きたいと思います。
 私が、被害を受けている方からお話を聞いておりますと、上記のようなお話以外にも特殊な被害を受けていて「こんなやり方をする人がいるんですね?」と驚いてしまうこともあります。これは、私が知らない被害だから「モラハラ・DVにあたらない」ということでは決してありませんので、勇気を持って話をしてもらえればと切に願っています。

 

13.まとめ


〇弁護士から見たDV夫の共通点は以下の通り

 ・自分の考え方に固執する・自分の考えが絶対に正しいと考える。

 ・内弁慶で外面が良い。

 ・言い逃れ・こちらに責任転嫁することが上手い。

 ・(なぜか)被害者意識が強い

 ・急に怒り始めるため、怒り始めた原因が分からない。

 ・急にやさしくなることがある。

 ・絶対に自分から謝らない。

 ・妻や子供のことを監視・制限したがる。

 ・こちらの主張する離婚理由を理解できない・理解しようとしない。

〇このようなDV夫の特徴を考慮し、先回りして証拠を集められるとベストである。

〇これらがモラハラ・DVの「全て」ではないので、安心して話をしに来て欲しい。 

 

 

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【弁護士が解説!】DV離婚)解決までにかかる期間はどのくらい?

2019.10.14更新

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1.やはり解決までにかかる期間はとても気になる


 

 離婚にあたっては、親権を獲得できるのか、養育費や財産分与でいくらもらえるのか、慰謝料はもらえるのかどうか、といった点については、今後の生活に直結する問題なので、皆様の大きな関心事の一つだと思います。

 そして、自分のDV離婚の問題がどの程度の期間で解決するのかという点も重要な関心事だと思います。正式に離婚が成立するまでは、いわば中途半端な状態とも言えますので、このような状態から早く抜け出したいと考えるのは当然のことだと思います。

 

 離婚の問題は、①協議離婚→協議離婚が上手く行かない場合に②調停離婚→どうしても調停離婚が上手く行かない場合に③裁判離婚という流れを踏みますので、最終解決が協議離婚で済むのか、調停離婚での解決なのか等手続に応じて、要する期間も異なってきます。

 

 このような期間はケースによって様々なので一概には申し上げにくいのですが、各手続に応じてどの程度の期間を要するのかの目安と、どのような問題が争点になると長期化しやすいのかについて解説します。

 

 

2.協議離婚で解決する場合


 

 協議離婚というのは、離婚届を役所に提出して解決する場合を言います。

 たまに依頼者の中には、弁護士が間に入る場合には、協議離婚にはならない(調停離婚で手続を進める)と誤解されている方もいらっしゃいますが、基本的には、弁護士が間に入った場合にも、協議離婚による解決を目指すことが多いです。

 

 では、協議離婚の場合、解決までにどの程度の期間を要するかというと、おおよそ2か月から6か月程度というのが一つの目安かと思われます。ただ、これもケースによりけりですので、一つの目安と考えて頂ければと思います。

 

 通常、協議離婚で解決したという場合には、離婚条件について大きな対立はないことが多いのですが、協議離婚が長期化する傾向があるのは、①緻密な離婚協議書を作成する場合や②財産分与の対象が多くて整理に時間がかかる場合、③公正証書を作成する場合ではないかと思います。
 補足しますと、「①緻密な離婚協議書を作成する場合」というのは、特にお子様との関わりが問題になることが多いのですが、例えば、離婚後のお子様と夫との交流について、直接会う頻度は2か月に一回までしか認めないけれども、メールのやり取りは週1回まで認める等々何をどこまで認めるのかについてきめ細かく記載する場合などが代表例です。きめ細かく離婚協議書の内容を詰めていかなければならなくなりますので、交渉に期間を要することが多いです。

 ③はどのようなケースなのかといいますと、特に養育費などの金銭の支払いに強制力を持たせたい場合が代表例です。その場合、公正証書を実際に作成するのは公証人になります。そのため、公正証書を作成する場合には、公証人との折衝や公証人に提出する資料なども必要になってくる関係で最終解決までの期間が延びる傾向にあります。 

 なお、DV夫との離婚協議の場合、相手が自分の考え方に強く固執している場合も多く、協議離婚での解決は難しいケースも多いように感じます。

 

 

3.調停離婚で解決する場合


 

 前述の協議離婚が上手く行かない場合、調停手続で離婚を目指すことになります。

 特に相手がモラハラ夫で、離婚協議をしていても、話がうまく進展しない場合には、早期に調停を申し立てることになります。

 

 調停での解決にどの程度の期間を要するかですが、これもケースによって千差万別なのですが、一般的にはどんなに早くとも3か月、長い場合には1年、または1年を超えることもあるという回答になると思います。

 それでは、DV離婚の調停の場合、どのような問題で長期化しやすいのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

 

①離婚するかどうかの部分、または離婚原因の部分で対立が激しい場合

 特に深刻なDV夫のケースで多いのですが、DV夫は基本的に自分が悪いことをしてきたという認識が薄いです。

 そのため、こちらからDVを離婚原因に掲げると、DV夫側からは、以下のような反発を受けることが多くあります。例えば以下のようなものです。

・妻の我慢が足りない。

・暴力の原因を作ったのは妻の方である。

・そこまでひどいことをしていない。

・普段から暴力を振るっているわけではないから問題ない。

・汚い言葉は使ってしまったかもしれないが、暴力は振るっていない(虚偽を述べてくるケース)

 果ては、離婚調停の申立書の書き方が悪いとか、事細かに揚げ足を取ってくる場合もあります。

 このようにDV離婚そのものを争ってきたり、その詳しい離婚原因に強く反発してくる場合には、詳しい離婚条件を話し合う前の段階で調停手続がストップしてしまいますので、長期化の原因になりかねません。

 

②お子さんとの関係で嫌がらせをしてくる場合

 DV夫が離婚には応じたとしても、渋々合意したと言うことが多いため、何かしらの形で嫌がらせをしたいと考えてくる人もいます。例えば、以下のような形になります。

・実際自分では育てられないと分かっているのに親権獲得を希望してくる。

・親権は争わないが、今後の監護計画を事細かに聞いてくる。

・頻繁な面会交流を要求してくる。

・しきりに学校行事や習い事の発表会への参加を要求してくる。

・養育費を出し渋る。

 DV夫から以下のような要望が出された場合には、長期化要因になりますが、どの程度期間が延びるかは、夫側がどこまで執拗に要求してくるのかにも大きく左右されます。

 

③財産分与の対象財産が多い場合、争点が多い場合

 財産分与の対象財産が比較的少ない場合や、そもそも婚姻期間が短く財産分与の必要がない場合には、その分短期決着が見込めます。

 他方で、財産が多い場合や、特有の争点が生じる場合には長期化要因になります。財産分与で争点となるケースというのは、①自宅購入時の頭金の金額・性質等に争いがある場合、②相手が一部の財産しか開示しない場合(対象財産の範囲に争いがある場合)、③婚姻前の財産の範囲や額に争いがある場合等になります。

 特にDV夫は、離婚する妻に対しては極力金銭を渡したがらないことが多いため、財産分与が大きな争いになるケースも多くあります。

 

④慰謝料が争点になる場合

 DVを明確に裏付ける証拠がある場合には、相手に慰謝料を請求すべきということになります。

 ただ、DV夫は通常自身の行動を正当化してくることが多いため、慰謝料を支払わないばかりか、こちらが慰謝料を請求してきたことそのものに不満をぶつけてくることもあります。

 この慰謝料の問題で対立する場合も紛争が長期化する要因になります。

 

 

4.裁判離婚で解決する場合


 

 上記のような調停手続でも離婚が成立しない場合には、やむを得ず裁判を選択せざるを得ない場合もあります。

 

 裁判に要する期間については、それこそ千差万別であって一概に申し上げることは非常に困難です。

 ただ、裁判を申し立てる前に、既に離婚協議、離婚調停を経ているため、訴訟提起の段階で数か月は経っていることが多いと思います。そして、裁判そのものがスタートしても、さらに1年近い期間が経過することは覚悟しなければならないことが多いと思います。そのため、弁護士が事件に着手してからのトータル期間で見ますと、①裁判の申立前に既に数か月、②裁判スタート後に1年というイメージですと、1年数か月は覚悟しなければならないというイメージになると思います。

 

 なお、離婚訴訟を起こすとなると、裁判で勝てるだけの離婚原因があるのかという点の検討も必要になります。

 具体的には、DVの証拠を精査・整理することはもちろんですが、ある程度別居期間を稼ぐという観点から、多少訴訟提起の時期を遅らせるという場合もあります。そのため、調停が成立してからすぐに裁判を起こすのではなく、調停終了から裁判の申立までに一定期間を空ける場合もあります。

 

 裁判離婚の場合、原則として相手も徹底的に争ってくるケースが多いため、各離婚条件について反論や証拠集めの労を要するというように考えた方が良いと思います。

 

 

5.スピードよりも、「より良い解決」を!


 

 たまに弁護士が間に入ったのだから早急に解決して欲しいという要望をお持ちの方もいらっしゃいますが、結論を急ぐあまりに十分納得できない結論で解決してしまうのでは本末転倒だと思います。

 

 もちろん、離婚という問題を長期間抱えることは、それだけで心理的ストレスになると思いますので、早急な解決が望ましいことは間違いありません。

 ただ、結論を急ぐあまりに不十分な内容で解決してしまうと、2年後、3年後に振り返ったときに後悔してしまうのではないかと思います。

 

 そのため、解決を急ぎつつも、ご自身が納得いく解決(DV離婚)を目指すことができればと考えております。

 

 

6.まとめ


・協議離婚はあまり長期化せずに解決できるケースが多い。

・ただ、協議離婚でも、離婚協議書に細かな内容を盛り込む場合や公正証書を作成する場合、長期化要因になることがある。

・調停離婚はいくつか長期化する項目があり、DV夫の態度が大きく影響する。

・裁判離婚に発展した場合には、それなりの期間かかることを覚悟する必要がある。

・迅速な解決が望ましいが、迅速性よりも「より良い解決」の方が大事である。

 

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DV夫から婚姻費用(生活費)は取れるか。

2019.09.23更新

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1.旦那の性格からして「ビタ一文払わない」と言ってきそう


 

 DV夫は、基本的に自己中心的な考え方をしている人が多いので、こちらから生活費を要求しても「勝手に出て行っておきながら、生活費なんて払うつもりはない」だとか「お前が戻ってくれば今まで通り生活費は渡すからすぐに帰ってこい」といったことを平気で言ってくる人も多いです。

 ただ、あなた自身、もしくは、お子様がいらっしゃる場合には、あなた達の生活の問題でもありますので、相手の反発が予想されるとしても、必要な生活費は要求していく必要があります。 

 

 

2.生活費をいくら要求すべきか


 

(1)何か参考になる数字はないの?

 相手に生活費を要求する場合、いくらぐらいが妥当なのか?相場はいくらぐらいなのか?というのが気になるところかと思います。

この点は、実務では婚姻費用算定表で計算することが一般的です。

 

 裁判所がオフィシャルにて公表している算定表は下記の通りになりますので参考になさって下さい。

 家庭裁判所:算定表

 なお、離婚成立前の生活費は、法律用語としては「婚姻費用」と言いまして、離婚成立後は「養育費」になります。算定表をご覧になる際にも、「婚姻費用」の表をご覧下さい。

 

 

(2)算定表の数字をそのまま要求するのがよいか?

 上記の算定表の数字はあくまで基礎値となる数字です。あなたやお子さんの生活上、標準的な家庭よりも余分にお金がかかっている場合には、その分の加算を要求したり、敢えて算定表ではなく、一緒に生活していた時の生活費と同額という形で請求するといったケースもあります。

 なお、ここでの「標準的な家庭よりも余分にお金がかかっている場合」というのは、教育関係費や医療費で問題となることが多いです。たまに、「うちの子はよく食べる子で食費が高額なんです」といった話をなさる方がいますが、そのことで婚姻費用を加算させることは難しいことが多いです。

 

 例えば、教育関係費で言いますと、幼稚園の費用、習い事の費用、私立学校の学費や通学のための交通費などが問題になることが多いです。

 医療費については、あなたやお子様が持病を抱えているとか、夫からのDVやモラハラのトラウマ等で心療内科への定期通院が必要だといったケースが問題になりやすいです。

 これら教育関係費や医療費が余分にかかっている場合には、一定範囲で加算を要求するケースが多いです。

 いずれにしましても、一度あなたが要求した数字は、今後の交渉にあたって非常に重要ですので、あまり低めの数字を提示すべきではありません。

 

 

3.相手にどのような方法で要求するか


 

 相手はDV夫ですので、あなたが直接話をするということは危険を伴います。

  ましてや婚姻費用を請求するのは、あなたが別居を開始した後と言うことになりますので、相手は非常に感情的になっている危険性もあります。

 そのため、婚姻費用を要求する場合でもご実家のご両親その他の親族等を経由して伝えるとか、あなたが直接矢面に立たない形で請求した方が良いと思います。

 

 

4.相手が支払いを拒んできた場合


 

 上記のように身内等を間に入れても話が進まない場合や、間に入れる的確な人物がいないという場合には、家庭裁判所に対して婚姻費用分担調停を起こすことも検討せざるを得ません。

  そして、至急生活費を得たいという場合には、早めに調停を申し立てることをオススメします。但し、突如調停を起こしますと、DV夫側が強く反発する可能性もありますので、少なくとも一度は「生活費を払ってくれないのであれば、裁判所に調停を起こすことを考えている」という最後通告をした方が良いと思います。

 DV夫は自分の考えが絶対に正しいと考えている人が多いので、簡単に婚姻費用を支払ってこないことの方が多いと思います。そのため、早期に婚姻費用分担調停を申し立てるケースの方が多い傾向にあります。

 

 

5.婚姻費用分担調停で話がまとまらなかったらどうなる?


 

 せっかく調停を起こしたのに、相手が調停に出席しないとか、調停に出席はしたけれども一切支払いに応じないというケースもあります。

 

 このようなケースを懸念して、「最初から調停なんて起こさない方が良い」と考えている方もいますが、これは大きな誤解です。

 と言いますのは、婚姻費用分担調停は、調停がまとまらなかった場合、手続は審判に移行し、最終的に裁判所がきちんとした金額を決めてくれるのです。

 そのため調停が上手く行かなくても、あなたが泣き寝入りしなければならないと言うことは、あまりないと思います。

 

 別居中であっても、あなたやお子様の生活費を払うのはDV夫の当然の務めになりますので、積極的に婚姻費用分担調停を活用して下さい。

 

 

6.審判が出たのに夫が婚姻費用を支払わない場合どうすればよいか。


 審判で夫側が支払う婚姻費用の額が明確に決まったのに、それでも婚姻費用を支払わないという場合には、まず、裁判所に連絡をして、裁判所経由で支払うよう伝えてもらう(履行勧告や履行命令)という方法があります。

 ただ、それでもDV夫が支払いを拒むような場合には、給料の差押えと言った強制手段を取ることになります。相手の勤め先が分かっていれば、このように最終的には差押えによって回収できます。

 

 

7.実際にお金をもらえるまでにどのくらいかかる?


 婚姻費用は、あなたの生活費に関わる問題ですので、裁判所も極力早めに手続を進めてくれます。

 しかし、法律的な論点が発生しますと、どうしてもその解釈等で争いが生じますので、時間がかかってしまうことになります。

 

 例えば、①別居後もこちらの生活費の一部がDV夫側の口座から引き落とされている場合(例えば、あなたの携帯電話代やお子様の習い事の費用、学校給食費等)、②DV夫が転職等を繰り返しており、収入の判断が難しい場合、③お子様の私立学校の学費があり、その負担割合で争いがある場合等には、時間がかかる傾向があります。

 婚姻費用分担調停を起こしても、第1回期日は1か月以上先になりますし、通常は第1回期日で審判移行することはまずありませんので、争いが少ないケースでも審判の結論が出るまでには4,5か月はかかってしまうのではないかと思います。もちろん、上記のような争点が多い場合等には、もっと期間がかかってしまうことになります。

 

 

8.早く離婚したい場合には、婚姻費用にはあまりこだわらない方が良いか?


 私がDVの案件を扱っていますと、奥様の側から、「早く離婚したいので、婚姻費用の請求にはこだわらない」とか「婚姻費用を請求すると相手を刺激して解決に時間がかかる危険性が高いので、請求したくない」とおっしゃる方も相当数います。

 ただ、婚姻費用を請求しなかったとしても、DV夫側は「勝手に出て行ったんだから当たり前だ」などといって、他の問題でもめるというケースも多いです。

 また、DV夫が相手の場合、離婚による最終解決までにかかる期間は残念ながら長期化しやすい印象です。

 そのため、あなた自身十分な収入があるなどのケースは別として、そうでない場合には、婚姻費用をしっかりと要求するケースが大半ではないかと思います。

 

 

9.まとめ


・いくら婚姻費用を要求するかは、裁判所の算定表を一つの目安とするのがよい。

・相手への婚姻費用の要求は両親その他の身内等を介して請求した方が良く、あなたが直接DV夫と話をしない方が良い。

・DV夫が支払いを拒否するようであれば早めに婚姻費用分担調停を起こした方が良い。

・調停で話がまとまらなかった場合、審判で裁判所が妥当な金額を正式に決めてくれる。

・DV夫が審判結果にも従わない場合には、最終的には給料差押え等で回収していくことになる。

・審判での最終の結論が出るまでには早くとも4,5か月はかかることの方が多い。

・早く離婚したい場合でも、しっかりと婚姻費用を要求した方が良いことの方が多い。

 

 

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DV夫から子供を守る方法

2019.09.09更新

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1.DV夫から子供を守りたい


 

 DV夫があなたに対しても暴言を吐くけれども、子供に対する暴言の方がひどい、ときには暴力を振るうというような場合には、あなた自身というよりも、まずは、お子様の身の安全を最優先に確保したいと考えるのは当然のことです。

 なお、奥様によっては、自分は暴力を受けても耐えられるけれども、子供が暴力を受けるのは不憫でならないという方もいらっしゃいます。もちろん、お子様への暴力を防止する必要もありますが、あなた自身の身の安全もとても大切ですので、あなた自身の身の安全という視点も必ず忘れずにお考え下さい。

 

 

2.同居したままお子様の身の安全を確保する


 

(1)警察への通報が最も現実的な手段

 別居に踏み切ってもその後の生活力に不安があるとか、今すぐ離婚したいというところまでは気持ちが固まっていない等の理由で、早急な別居を躊躇っている場合、DV夫と同居しながらお子様の身の安全を図っていく必要があります。

 その場合には、DV夫がお子様に暴力を振るうようなケースですと、躊躇せずに警察に通報するということが重要ではないかと思います。

 

 警察に通報すると、DV夫を刺激してしまうと不安に思われたり、仕返しが怖いという方も多いと思いますが、その場その場で対処しておきませんと、DV夫からの暴力はエスカレートする一方ですから、躊躇せずに通報するということは大事なことではないかと思います。具体的な相談方法ですが、DV夫がお子様に直接暴力を振るっているタイミングや暴力を振るい終わったばかりのタイミングであれば、警察に110番通報をして臨場してもらう形を取ることになると思いますし、110番通報をしようとしても夫に妨害されるような場合ですと、暴力の翌日などにあなたとお子様とで警察署に出向いて相談するという形を取ることになると思います。

 なお、あなた自身が身を呈してお子様を守るという方もいらっしゃると思いますが、お子様への直接の暴力は防止できたとしても、お子様に対して、お母さんであるあなたが暴力を受けているという場面を見せる形になってしまいますから、お子様にとっても精神的負担が大きいと思います。また、あなた自身の身の安全の問題もあります。

 

 ちなみに、警察に相談すると、被害届を提出するか質問されることが多いです。しっかりと処罰してもらって懲りさせるという観点から被害届を提出する場合もありますし、逮捕等になると職を失うリスクもあることから、一旦は被害届は出さないという場合もあると思います。

 

 ただ、いずれにしましても、DV夫と同居したままですと、警察に通報して対処することにも限界がありますから、DV夫からの暴力の頻度が増してきたような場合には、速やかに別居を考えるということの方が現実的ではないかと思います。

 

(2)児童相談所の一時保護について

 警察に対して夫のお子様に対するDVを通報すると、警察の方から児童相談所に対して通告が行われます。

 そうすると、児童相談所の方からも事情を聴かれ、児童相談所の方で一時保護(要するに一時的にお子様を預かる)という事態に陥る危険性があります。

 

 児童相談所で保護されている分には、お子様の身の安全は確保されるのですが、他方で、①一時保護中は、現在通学している小学校に通うことができなくなる、②面会交流の頻度も限定されることが多く、あなた自身自由にお子様に会えなくなるリスクが高い、③一時保護の後、児童養護施設等での保護に移行した場合、離婚等の解決まで保護が解除されないリスクがあるといった難点もあります。

 

 特に、別居や離婚等について夫婦の意見の対立が深く、そのことが夫婦ケンカやお子様への暴力の原因になっているような場合には、児童相談所側も簡単には一度預かったお子様を帰してくれないというケースもありますので、児童相談所への対応という点では十分注意が必要になります。「一時保護」の「一時」という言葉で、「数日保護してくれるのかな?」と想像するかもしれませんが、一度一時保護されますと、(数日どころではなく)なかなか戻してもらえないというケースも多いので注意して下さい。

 

 

3.別居した上でお子様の身の安全を確保する


 

 前述しましたとおり、DV夫のお子様への暴力の頻度が増してきているような場合には、あまり期間を置かずに別居するという形の方が現実的な選択肢と言えます。

 

(1)別居先の安全性確保

 簡単に言いますと、相手方にこちらの住所を知られないということです。

 最も安全性が高いのはシェルターということになりますが、お子様の年齢が高い場合にはシェルターには入れないということもありますので、詳しくは最寄りの市役所や区役所に相談してみて下さい。

 

 なお、一時シェルターに避難できたとしても、シェルターにいられる期間は限定されていますので、シェルターを出た後の住居について検討しなければいけません。

 いずれにせよ、相手に知られないような住所に移り住むことが非常に重要になります。

 お子様の身の安全を最大限に優先するのであれば、学校を転校することはもちろんのこと、習い事等も一旦やめた上で、別居先近くの習い事に通わせるという形にする必要があります。

 

 ちなみに、実家が遠隔地の場合、実家に避難するということも考えてよいかもしれませんが、DV夫からの暴力がひどいような場合には、全くDV夫が知らない場所の方が安全性が高いです。

 

(2)保護命令の申立

 DV夫がお子様のみならずあなたにも暴力を振るって来るという場合には、あなた自身の保護命令を申し立てるのと同時にお子様への接近も禁止する旨の保護命令を同時に発令してもらうという方法が考えられます。

 この場合には、あなた自身が暴力被害を受けた診断書や写真等の客観的証拠と共に、お子様も同様に被害を受けた証拠が必要になりますので、保護命令の審理に耐えられるだけの証拠の準備ができるのかということが重要な鍵になります。

 なお、お子様への接近禁止の命令のみを申し立てることはできませんので、必ず、あなた自身への接近禁止等の命令と一緒で申立をする必要があります。

 

 

4.お子様の心理的ケア


 DV夫が全く知らない新天地に転居して新しい生活をスタートすれば、一定の身の安全は確保できますが、お子様の心理的ケアも大事です。

 転居して暫くの間は、お子様も、DV夫が追いかけて来るのではないか?こちらの居場所がバレてしまったらどうしようという不安を抱くことも多いと思います。新天地での慣れない環境でのストレスと、DV夫に居場所がバレるかもしれないというストレスを抱えながらの生活はお子様にとっても大変だと思いますので、その心理的ケアのために児童精神科等を受診する必要があることもあります。

 なお、前述のような警察の通報等を通じて児童相談所にも相談できる体制が整っている場合には、児童相談所に在籍する児童心理士のアドバイスなどを受けると、より的確にお子様の心理状態を把握し得る場合もあります。前述の通り、一時保護ということになるとデメリットも多いのですが、一時保護に至らず、児童相談所と上手に付き合っていけるようでしたら、色々と相談しながらお子様の心理的ケアなどを図れると思います。

 

 

5.まとめ


・同居しながらお子様の身の安全を守るためには、警察への通報が重要である。

・ただ、警察に通報すると、警察経由で児童相談所に情報が共有されるリスクがあるため、注意が必要である。

・同居しながらお子様の身の安全を確保することには限界もあるので、暴力が頻繁な場合には速やかに別居した方が良い。

・別居後は、別居先をDV夫に知られないということが再重要である。

・あなた自身が保護命令を申し立てた上で、合わせてお子様への接近禁止等の命令を申し立てる方法もある

・別居後は、お子様の心理的ケアも大事である。

 

 

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DV保護命令にDV夫は従うか?

2019.08.23更新

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1.DV保護命令とは?


 

 DV保護命令とは、DV夫があなたに接触すべく付きまといや徘徊することを禁止したり(接近禁止命令と言ったりします)、一定期間DV夫に自宅から退去させる(退去命令と言ったりします)裁判所からの命令になります。

 DV保護命令を発令させるためには、保護命令の申立書を提出し、裁判所はDV夫からも事情を聴く必要があります。

 

 

2.そもそもDV保護命令の効力は?


 

 あなたは、DV夫と共に生活し、夫からの理不尽な要求や非難等を浴びせられ、とてもではないが、裁判所の保護命令に従うとは思えないという方もいらっしゃると思います。

 私のところに相談に来られる方も、「夫は自分の考えを絶対曲げないので」とか「夫は自分が一番だと考えているので、とても保護命令に従うとは思えない」ということをおっしゃる方は多いです。

 

 それでは、保護命令の実効性を検討する前提として、保護命令にどのような効力が認められるのかについて解説します。

 

(1)罰則の存在

 DV保護命令に違反した場合、1年以下の懲役、100万円以下の罰金という罰則が設けられています。

 要するに保護命令に違反した場合、刑事罰を科すことができるということです(刑事裁判を経る必要がありますが)。

 

 もちろん、DV夫があなたに対して暴力を振るったり脅迫をした場合には、暴行罪や脅迫罪として処罰の対象になるのですが、このような暴行や脅迫に至らなくとも、保護命令に違反した場合、要するに、あなたの新しい住まいの周りを徘徊しただけで、上記のような保護命令違反の処罰が可能になっているのです。

 このことは、保護命令の実効性を確保する手段としてはかなり強力なものと言えます。

 

(2)警察との連携

 上記の通り、保護命令に違反した場合、それだけで刑事罰の対象になりますから、保護命令の制度には警察も密接に連携して対応してくれます。

 通常は、保護命令が発令されると、その日の当日に警察官がDV夫に対して直接電話連絡をし、保護命令を遵守するよう伝えてくれますし、近日中に(または当日)警察署に来るように指示され、呼び出される形でDV夫は警察署で話をすることになります。

 

 当然、DV夫が接近してきていると疑われる事情が発生した場合には、警察は親身に対応してくれます。

 このような警察との密接な連携は、DV夫に対する牽制の効果としては大きいです。

 

 

3.結局DV夫に知られない場所に引っ越す必要があることがほとんど


 

 上記の通り、保護命令の効力は強いのですが、限界もありますので、いずれにせよ、DV夫に知られない場所に引っ越す必要が出てくるケースがほとんどです。

 まず、保護命令を申し立てた際、裁判所は必ず夫側からも事情を聴く必要があります。保護命令は上記の通り強力な手段なのですが、他方で、夫側の行動の自由を制限するものになりますので、必ず夫側の言い分を確認する必要があるからです。

 

 その前提として、裁判所は夫側に、こちら側が提出した保護命令申立書や証拠類を事前に送っておく必要があります。こちらの言い分が分からないと夫側も十分な反論ができないからです。

 そのため、少なくとも、夫側に保護命令申立書が送られてきてから保護命令が発令されるまでの期間は、あなたは夫に知られないような場所に避難しておく必要が出てきます。夫が保護命令申立のことを知った場合、間違いなく、あなたに対して強く立腹するでしょうから、身を隠して身の安全を確保する必要があるからです。

 

 また、保護命令が発令したとしても、接近禁止命令についていいますと有効期間は6か月ですので、有効期間経過後、DV夫があなたに対してコンタクトを図る危険性があります。

 そのため、いずれにせよ、保護命令があったとしても、あなたとしては、夫側に所在を知られないような場所に転居する必要があるのがほとんどです。

 

 

4.DV夫はDV保護命令に従うか?


 私が担当した事件を見ておりますと、DV夫は、保護命令に従っています。DV夫も、警察に逮捕されてしまうと、非常に不便な生活を強いられますし、場合によっては仕事を辞めざるを得なくなってしまいますので、渋々保護命令に従わざるを得ないと考えるようです。

 また、前述のように、保護命令が出るようなケースですと、奥様の方も、DV夫が知らない場所に避難することがほとんどですから、DV夫がコンタクトを取ろうとしても、「居場所が分からないから接触できない」というのが実態だというケースも多いです。

 

 

5.まとめ


・保護命令に違反した場合には刑事罰があり、効果は強い。

・保護命令が発令した場合、警察と密接に連携して対応できる。

・保護命令が発令された場合でもあなたのみの安全を守るためには、結局、DV夫に知られない場所に転居する必要性が生じる。

・保護命令が出ると、DV夫側も渋々従うことが多い。

 

 

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>DV夫から慰謝料は取れるか?

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投稿者: 弁護士秦真太郎

DV保護命令を申し立てた方が良いかの5個のチェックポイント

2019.08.23更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>「DV・モラハラの連鎖を断ち切る!!」DV・モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<<になります。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.DV保護命令とは?


 

 DV保護命令とは、DV夫があなたに接触するために付きまといや徘徊することを禁止したり(接近禁止命令と言ったりします)、一定期間DV夫に自宅から退去させる(退去命令と言ったりします)裁判所からの命令になります。

 

 DV保護命令を発令させるためには、保護命令の申立書を提出し、裁判所はDV夫からも事情を聴く必要があります。

 DV保護命令が発令されますと、警察も連携して対応してくれますので、実効性の高い手段になります。

 

 

2.DV保護命令を申請した方が良いかの検討ポイント


 

 DV保護命令を申請した方が良いかの検討ポイントは主に以下の5個のポイントがあります。

 

①DV夫の危険性の程度

 まず、一番検討しなければならないのは、保護命令の対象になる夫の危険性の程度ではないかと思います。

 普段から手や足が出ることが多かったという場合には、これまで怪我することが少なかったとしても危険性は高いと思いますし、他方で、これまでの長期間の婚姻生活の中で暴力を振るってきたのは1回だけという場合には、保護命令を申し立てるほどではないかもしれません。

 

 このような危険性の程度は、以下のような要素を総合的に検討して判断して下さい。
・暴力の頻度や回数
・暴力を振るってきた期間
・暴力の内容・程度
・凶器使用の有無
・あなたが負った怪我の程度
・暴力を振るうシチュエーション(飲酒すると暴力してくるとか)
・DV夫の気質や疾患の有無(特に、精神疾患等を抱えていないか)

 

 なお、たまに豹変するけれども普段は優しい旦那なので大丈夫という発想は危険ですので、前述のような要素を慎重に検討して、危険性を判断して下さい。

 また、保護命令の申立まではしなくとも、警察署から警告してもらえば十分であるというケースもあります。そのような場合には、あなたの方で自宅の最寄りの警察署に相談に行ってもらい、警察官の方からDV夫を警察署まで呼び出してもらい、直接注意してもらったり、DV夫から誓約書を提出させるという方法で済ませて一旦は様子を見ることもあります。

 

 
②現住居の安全性

 例えば、あなたが現在シェルターに居住しているというような場合には、現住居の安全性は非常に高いということになりますので、敢えて保護命令の申立までする必要性に乏しいということになる可能性もあります。

 他方、実家という場合、相手にこちらの所在は分かってしまっているのですが、ご実家のご両親等もいるため、実家で暴力まで振るう危険性は高くないというケースもあると思います。

 ただ、相手にこちらの住所が知られてしまっている場合には、裏を返すと相手がこちらの現住居付近を訪れることはできてしまうことになりますから、現住居を知られているか否かが、現住居の安全性の判断にあたって一番のポイントではないかと思います。

 

③弁護士費用の負担

 DV保護命令の申立をする場合、ご本人だけで申立をすることは難しいため、通常は、弁護士を立てて申請することになります(あなた自身の身の安全のためにもそうすべきかと思います。)

 そして、通常は、保護命令の申立事件は、離婚事件等とは別の事件として別途弁護士費用が発生することが多いため、あなた自身の負担が増えます。

 そのため、弁護士費用の負担についても保護命令申立の一つの判断材料にすべきかと思います。

 

④手持ち証拠の確認

 DV保護命令は申立をすれば簡単に認められるというものではなく、あなたが暴力を受けたことの証明をする必要があります。診断書や怪我をしたときの怪我の写真等の客観的な証拠が一切ない場合、保護命令が認められる可能性は残念ながら低いと言わざるを得ません。

 なお、暴言のみと言う場合にも、保護命令が認められることがありますが、あなたの生命や身体に危害を加えるような暴言がなされる必要がありますし、その暴言について録音データが複数存在しないと難しいことが多いかと思います。

 いずれにせよ、保護命令事件の審理に耐えられるような証拠の有無はしっかりと検討する必要があります。

 

⑤有効期限

 保護命令は、一度認められると半永久的に効力が認められるというものではありません。

 接近禁止命令は6か月、退去命令についても2か月が有効期間とされています。

 接近禁止命令、退去命令いずれについても再度申立をすることはできますが、当初の保護命令の有効期間中に相手方に何も問題行動がないという場合には、認められないことも多いです。

 そのため、上記のように有効期間が限定されるということは認識した上で、保護命令を申し立てる必要があります。

 

 

3.保護命令を申し立てるかは慎重に検討する必要がある


 事実としてあなたがDV夫から頻繁に暴力被害を受け続けてきたような場合、保護命令を申し立てて身の安全を確保したいと思うでしょう。しかし、前述のように、証拠が不十分ですと、折角保護命令を申し立てても、保護命令が認められないということもあります。

 そのため、申立をする前に、しっかりと保護命令発令という結論を得られるかを慎重に見極める必要があります。

 なお、前述の接近禁止命令が認められるとしても、退去命令までは認められないというケースもあります。

 そのあたりも、事前にしっかりと見極めた上で、申立を行うかどうかを慎重に検討する必要があります。

 保護命令が認められるかどうかは、専門的な検討が必要になりますので、弁護士に相談して見極めるようにして下さい。

 

 

4.まとめ


・DV保護命令を申し立てた方が良いかどうかは以下の点を考慮して判断すべきである。

 ①DV夫の危険性の程度

 ②現住居の安全性

 ③弁護士費用の負担

 ④手持ち証拠の確認

 ⑤保護命令の有効期間

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

モラハラ夫との別居準備(1)―別居先は近場が良いか遠くが良いか?

2019.07.29更新

弁護士秦

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こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>「モラハラの連鎖を断ち切る!!」モラハラ被害女性のための総合サイトはこちら<になります。

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1.別居先選び


 

 モラハラ夫との生活に強い恐怖感・不快感や倦怠感を持つようになった場合、別居や離婚が頭によぎるようになると思います。

 夫側に改善を要求したものの、一時的にしか改善されない、もしくは、改善すらされない、酷いケースですと、改善しないばかりか、これまでの被害が余計に悪化していくというケースすらあります。

 このような状況ですと、あなたは夫との生活を断念し、離婚の前提として別居を真剣に考えていくことになると思います。別居先の検討要素等について、以下の通り詳しく解説していきます。

 

 

2.別居先は近くがよいのか遠くがよいのか?


 

 別居といった場合にまず考えなければならないのは、別居先の問題だと思います。

 具体的な細かい場所はともかく、別居先選びにあたって大きな視点で、今の自宅の近くが良いのか、遠い場所の方が良いのかという点を検討する必要があります。

 

 別居先を近場とするのがよいのか遠隔地にするのがよいのかは、詳しくは、以下のような要素を総合して検討してみてください。

 

①同居中の夫の行動や言動等

 もちろん、同居中の夫からの暴力が日常的であったような場合には、できる限り遠隔地に転居した方が安全でしょうし、他方、夫のモラハラは無視が主体的であったという場合には、さほど遠隔地にまで転居しなくて良いかもしれません。

 夫の危険性とも言えますが、危険度の高低によって、別居先選択は大きく影響すると思います。

 また、モラハラ夫があなたにどのくらい執着しそうなのかによっても別居先選択の方向性は大きく影響します。この点は、同居中のあなたに対する監視や行動制限がどの程度のものだったのかによって見極めることができます。

 

②経済的問題

 仮に、夫の側から婚姻費用として生活費をもらうことを意図していたとしても、残念ながら、DV・モラハラ夫から生活費を回収するためには時間がかかってしまうこともあります。

 そのため、あなた自身の現在の収入に不安がある場合には、まずは実家に避難して、経済的な不利をカバーするというケースも多くあります。

 いずれにしましても、経済面は、今後のあなたの生活にとって非常に重要な要素なので、今後のあなたの生活が経済的に立ちゆかなくならないよう慎重に別居先を選ぶ必要があります。

 

③お子様の意見や教育面

 お子様が小学校高学年以上になると、小学校での友人が重要な存在になるというケースも多くあります。また、離婚や別居でただでさえお子様に心理的影響を与えるので、せめて教育環境は変化させたくないと考えることは、あり得ることかと思います。同じ学区内で引っ越すとなるとどうしても近場に引っ越す形になってしまうと思います。

 そのため、お子様の意見や教育面も、別居先選びの検討要素になります。

 ただ、最初は転校を嫌がっていたけれども、実際転校してみるとスムーズに馴染むことができたということも多いようです。

 

 

3.実際皆さんは近場と遠隔地どっちに転居したのか?


 

 私が担当している事件を見ておりますと、比較的自宅近くに別居した方もいれば遠隔地に別居した方もいます。別居先をどのように決めたのかについては、色々なご意見がありましたので、以下で説明を交えながら、詳しくご紹介いたします。

 

(1)夫が暴力を振るうので、シェルターに避難した。

 夫がモラハラにとどまらず、直接あなたに対して暴力を振るうようなケースですと、あなたの居場所が知られることそのものが身の危険を生じさせることになります。

 シェルターに避難することができれば、あなたが住んでいる場所を知られるリスクはほとんどなくなりますので、夫が暴力を振るうようなケースでは、シェルターに避難するケースも多いです。なお、シェルターにいられる期間は限られていますので、その方は、シェルター退所後は母子寮に転居して暮らしています。

 

(2)夫が暴力を振るうので、遠隔地を別居先にした。

 様々な事情からシェルターでの生活を選択しなかった場合や、一時はシェルターに避難した場合でも、通常シェルターにいられる期間は限られていますので、その後に、全く夫が知らない場所に引っ越す(前述の母子寮だけでなく、都営住宅等に転居なさる方などもいます)というケースなどです。

 夫が暴力を振るうようなケースでは、前述同様相手にこちらの居場所を知られないようにする必要がありますので、夫が居場所を探っても分からない場所に別居するのです。

 夫に居場所を推測されないようにする必要がありますので、あなたの実家や親戚の家の近く等は避けることが多いです。

 

(3)夫が暴力を振るうので、遠くの親戚の家に仮住まいさせてもらうことにした。

 これまでの説明同様夫が暴力を振るうため、どこか遠くに別居する必要があるけれども、通常の借家だと家賃が高いという場合などに、遠くの親戚の家に住まわせてもらうということもあります。

 ただ、親戚の家の所在を夫が知っていては避難の意味がありませんので、例えば、親戚名義の建物だけれども、親戚本人は住んでいないし、夫にも所在が発覚していない場所に避難するケースなどです。

 

(4)経済的な問題もあって実家に戻ることにした。

 別居を決断したけれどもすぐにしっかりとした収入を得ていくことが難しいとか、小さいお子さんがいらっしゃって実家の協力が必要だということで、実家に避難するケースです。これらの事情がある場合には、実家への避難が最有力候補になることも多いと思います。

 

 ただ、実家に避難する場合、モラハラ・DV夫に居場所を把握されるリスクが非常に高いので、以下のような要素を総合的に検討して判断するのがよいと思います。

(メリット1)家賃負担を軽減でき、経済的負担を抑えることができる。

(メリット2)お子様がいる場合など実家の協力が期待できる。

(メリット3)モラハラ・DV夫も、こちらの実家には頭が上がらないので、実家にいることで安全性が増す。

(デメリット1)居場所がバレやすく、玄関先で騒がれるケースなどもある。

(デメリット2)元々実家との折り合いがあまり良くないと、家庭内がぎくしゃくするリスクがある。

(デメリット3)お子様の通学先や通園先の当たりがつけやすくなるため、通学途中や通園途中の連れ去りのリスクが生じる。

 

(5)子どもを夫に会わせる手間等も考え、それほど遠くない場所に引っ越した。

 夫が直接の暴力を振るうわけではなく、また普段はほとんど暴言等を発しないというような場合には、自宅近くに引っ越すというケースもあります。

 夫が子どもを可愛がっており、子どもも懐いているという場合、無理に引き離すことはあまり望ましくありませんし、夫と子どもとの関係が良好であれば、円満な離婚につながる可能性もあるので、自宅近くに転居するのです。

 このような場合、引っ越し先が近距離なため、夫が頻繁に引っ越し先まで来て入り浸ると言ったケースが生じやすいため、こちらの離婚意思や別居意思をしっかり伝えておくなどして、半同居状態のような格好にならないよう注意が必要です。

 

 また、夫が普段から暴言ばかりではないとしても、感情的になるとどのような行動に出るか分からないという場合には、例えば、①まずは、2週間程度実家に転居して様子を見て、②ほとぼりが冷めた頃に自宅近くの別居先に避難し、そこで生活を落ち着かせるという方法を取ることもあります。このような場合には、①の別居開始の時点で早めに弁護士から夫宛に通知を送り、夫が感情的な行動に出ないよう予め牽制しておくという方法を取ることも多くあります。

 

(6)子どもの学校を転校したくなかったので自宅近くに住むことにした。

 このケースも、夫が直接の暴力を振るうわけではなく、また普段はほとんど暴言等を発しないというような場合が想定されます。

 特にお子さんが小学校高学年で、ほとんどの同級生が同じ公立中学校に進学するといった環境ですと、お子さんの教育環境に配慮して、学区が変わらない範囲で転居すると言うことです。

 なお、学校と習い事いずれが重要なのかを見極めて検討する必要があるケースもあります。何を言っているのかと言いますと、例えば、学校に馴染んでいるというよりも、実際には、同じサッカークラブの友人と仲が良いという場合、①そのサッカークラブに通い続ける前提で近場に転居するという選択肢もありますが、他方で、②サッカークラブ等ですと、モラハラ夫が見学や観戦に来てしまうリスクが高いということを考慮して、敢えて遠隔地に転居するという選択肢もあるのです。

 

 もちろん、お子さんの教育環境は重要ですが、お子さん自身は夫との接触を強く嫌がっているといった場合には、あまり住居が近いと、夫から面会交流を頻繁に求められるリスクも高くなりますので、そのようなリスクも考慮しながら引っ越し先を検討する必要があります。

 

 

4.まとめ


・別居先選びの検討要素として重要なものは①夫の同居中のDVやモラハラの状況・程度、②あなたの今後の経済面、③お子様の意見や教育面といった点になる。

・モラハラ・DVの案件では、別居先として以下のようなところが選ばれている。

 ①シェルター

 ②遠隔地の親戚の家(夫に居場所が全く判明していない場所)

 ③実家

 ④自宅近くの賃貸マンションを借りた

 

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2019.05.07更新

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