離婚問題

【絶対に夫に親権を渡したくない(37)】別居直前、夫の子供へのご機嫌取りが凄かったが大丈夫か?

2023.06.02更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
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1.夫のご機嫌取り


 特に夫側に何も伝えずに別居を開始したという場合には、あまり問題にならないことが多いのですが、別居の前に夫婦喧嘩などがあり、その中で、あなたの口から「別れたい」とか「離婚したい」という発言があると、それに夫側が準備するというケースは相当数あります。
 要するに、夫側としても離婚には応じるけれども、お子様の親権は渡したくないというケースです。
 そのような場合、夫側は、あなたに対しては「出ていくなら一人で出ていけ」とか「親権は譲らない」などと発言していることも多いと思います。

 そんな時に夫側がよくとる手段が、お子様へのご機嫌取りです。
 週末勝手にお子様を連れ出して、遊園地に連れて行ったりするなど、お子様の好きなところに連れて行って、お子様の歓心を買うのです。

 

 

2.親権紛争での夫側の作戦


 前述のように、実際には夫側が親権の紛争で有利になるようにお子様を利用しているのですが、裁判所では「子どもがどうしてもパパと行きたいというから連れて行っていた」とか「妻は、『休日くらいゆっくりさせて』というのが口癖だったので、毎週末、こちらが子供の世話をしていた」といった主張をしてくるのです。
 果ては「子どもは妻とは出かけたがらなかった」といったことまで主張してくることがあります。
 また、夫側は親権を主張するために準備しているので、週末出かけた時の写真を大量に証拠提出してくるケースもあります。

 

 

3.対抗策は大きく二つ


 前述のように夫側が相当に準備してきている場合には、大量の写真が提出されるなど、印象操作をしようとしてくるため、注意が必要です。
 このようなケースでの対抗策は大きく二つあります。一つ目は、週末連れまわされることでお子様が振り回されてしまうという点、もう一つは、週末も含めた家事・育児はあなたが全面的に担ってきたというものです。

(1)お子様が連れまわされているという点
 具体的には、週末夜遅く帰ってくるので、翌日の宿題や課題が終わっていないといった問題点です。
 この点を指摘するLINEやメールを夫側に送っていたとか、小学校へ提出する連絡帳に記載していたといった場合には、重要な証拠になりますので、裁判所の目に触れる形にしていく必要があります。
 また、週末慌ただしいので、お子様が体調を崩してしまったといったことも、重要な証拠になります。
 要するに、連れまわされることで、お子様に悪影響が出ているという点を、証拠とセットで提出していくというのがポイントになります。

(2)普段の家事・育児
 前述のように週末夫がお子様を連れて出るという場合、少なくともその間は、夫は家の中のことをしていないことを意味します(外出中に自宅の掃除等を出来るはずがありません)。
 そのため、その間、あなたが平日の食事の下ごしらえをしたり、掃除・洗濯をしていた場合には、そのことをしっかりと裁判所に訴えていくことになります。

 

 

4.面会交流への対応


 夫にとってはご機嫌取りの側面があったとしても、お子様にとっては「父親との楽しい思い出」になっている側面は否定できないと思います。
 そのため、お子様がまた夫側と出掛けたいと希望するようであれば、極力、そのようなお子様の意思は尊重した方がプラスになります。
 いざ面会交流させるとなると様々に検討しなければならない点があるのですが、お子様が希望するのであれば、交流を実現する方向で検討したほうが良いと思います。

 

 

5.まとめ


・別居が近いと分かると夫側は必死に子供のご機嫌取りをしてくることがある。
・夫が写真を大量に提出してくるなどした場合には、こちらも対抗策を練る必要がある。
・具体的には、①そのことでお子様が振り回されっていたということ、②家事や育児はあなたが全面的に担っていたということを指摘していく必要がある。
・お子様の意向によっては、面会交流にも対応していく必要がある。

 

 

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【絶対に夫に親権を渡したくない(53)】手続き中、子供の友達付き合いの関係で注意すべき点はあるのか?

2023.06.02更新

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1.親権争いの手続き中、お子様の友人付き合い等で注意すべき点はあるか?


 あまりこのような点を意識していない方の方が大半で、そうしますと、「どのような問題なんですか?」と首を傾げられるかもしれません。
 端的に言いますと友達経由でこちらの動向等が夫側に知られるリスク等をどのように考えるのか、といった問題のことです。
 このようなリスクの考え方は、あなたが別居の際に、夫側が全く知らないところに転居したケースと、そうではないケースで対応の仕方が異なってきますので、大別してご説明します。

 

 

2.【ケース①】あなたが、夫側が全く知らない場所に転居したケース


 夫との離婚を決意し、別居する際、別居先としては、①実家(夫も場所は知っている)、②近所だけれども夫は場所を知らないところ(お子様の通学する学校を変えたくないので、結局近所に住んでいるといったパターン)、③全くの新天地といったパターンがあろうかと思います。
 今回は、③の全く夫側が把握していない場所(新天地)に別居したケースを前提に解説していきます。

 このようなケースでは、あなたの現住所(新天地である住居)を夫側に知られないということが非常に重要になってくることが多いと思いますので、そのような切り口から解説します。
そもそも、お子様の友人関係につきましては、基本的にイチから友達を作り直すということかと思いますので、その友人経由で何かしら夫側に情報が洩れるリスクはほとんどないと思います。
 その意味では、特に友人付き合いの関係で神経質になる必要はほとんどありません。但し、全くリスクがないわけではありませんので、注意すべき代表的なケースとともにご説明します。

(1)【注意すべきケース①】以前の友達との接触
 新天地に転居した後も、お子様の希望で、別居前のお友達と会ったり、遊んだりするというケースもあろうかと思います。
 そのご友人が信頼できるママ友、パパ友を介して連絡を取り合う分には、あまりリスクはないと思いますが、家族ぐるみの付き合いをしていて、情報が夫側に漏れるリスクがあるという場合には、注意が必要な場合もあろうかと思います。

 特に、夫側がどうしても離婚したくなくて、そのママ友やパパ友に協力を強く懇願しているような場合には、ママ友やパパ友も「断れない」という場合もありますので、そのママ友やパパ友経由で、あなたの現住所の情報や、現住所につながる情報(例えば、最寄り駅が○○駅であるとか)が漏れないよう注意が必要な場合もあります。

(2)【注意すべきケース②】以前の習い事を続ける場合
 新天地に転居した後も、お子様の希望で、習い事は別居前の習い事を続けるというケースもあると思います。
 その場合には、習い事で接触する友達や講師経由で情報が漏れないかという点に注意すべき場合もあります。
 その習い事での友人や講師が夫側とも親密だという場合には、そもそも、その習い事はやめて、新天地付近で新しく習い事を始めた方が良いかと思います。

(3)【注意すべきケース③】新天地で同じ種目の習い事をする場合
 新天地で同じ種目の習い事をする場合(例えば、別居前にお子様がサッカーチームに所属していて、別居後、新しく新天地近くのサッカーチームに入り直すといったケース)、友人経由で夫側に情報が洩れる可能性はほとんどないと思いますが、そのチームの対応等で注意が必要な場合もあります。
 特にスポーツ系の習い事で多いのですが、練習風景や試合での様子の写真をインターネット上で一般公開しているようなところもあると思います。
 そうすると、お子様の写真が一般公開され、夫側に、現在お子様が所属するチームが分かってしまうというケースもあります。
 また、サッカーや野球など他のチームと試合で対戦する場合、元のチーム等と対戦する心配もありますので、注意が必要です。

 

3.【ケース②】別居後も比較的近所に住むケース


 別居後も比較的近所に住むケースとしては、①別居後にこちらが住んでいる場所を夫側にも知らせているケース(もしくは、既に知られてしまっているケース)と、②別居後にこちらが住んでいる場所を知らせていないケースがあろうかと思います。
 ただ、近所に住んでいる場合、共通の友人と顔を合わせたり、スーパー・飲食店その他店舗で夫と偶然顔を合わせてしまうということもあると思いますので、②のケースでも、こちらの住まいを全く知られない状況を保つということは難しいことが多いと思います。
 そのため、以下では、こちらの住まいを知られないようにするという視点よりも、こちらの動向等を探られないようにする、という視点から解説していきます。

(1)結局、どのような形で問題化するのか?
 あなたとしても、今は夫側に住所を隠しているけれども、遅かれ早かれ場所は知られてしまう可能性が高いと考えているような場合、「住所を知られないこと」は、そこまで重要性が高くないかもしれません。
 ただ、親権紛争で争っておりますと、夫側の知人経由、友人経由で様々な情報が飛び交うこともありますので、その点に留意すべき場合もあります。
 例えば、当職が実際に担当した事件では、以下のような点を指摘されることがありました。
① まだ5歳の子供が公園で一人で遊んでいた。こんな小さい子を一人で遊ばせているなんて危険な行為だ。

② まだ小学校に入ったばかりの子が公園で一人で泣いていた。私(知人)が気付いて慰めてあげたが、母親の育児放棄ではないかと思う。

③ 久しぶりにお子様と道で会ったので元気にしているか話しかけたら、母親から殴られたと言っていた、別居して母親が児童虐待している疑いがある。

④ 久しぶりにお子様を見かけたので話しかけたが、何度話しかけても無視し続けられた、別居後の母親の教育には大きな問題があると思う。

 このような①から④の事情を、夫側の知人や友人が、直接見かけた・目撃した、といった形で、裁判所に訴えてくるのです。

(2)どのように対処するのか。
 親権紛争の中での対処法としましては、事実と異なるところはしっかりと誤りであると指摘して毅然と対応していく、ということに尽きます。
 そもそも、夫側の知人や友人が目撃したという事情が、よほどの虐待を疑われるような事情であればともかく、そこまでの事情でなければ、裁判所も、その点を重視する可能性はほとんどありません。
 そのため、お子様の友人関係であまり神経質になり過ぎない方が良いと思います。
 ただ、前述の通り、お子様のお友達の中でも、あなたよりも、どちらかというと夫側と親密だというようなお友達の関係では、こちらの動向が夫側に知られるリスクはある程度意識してお付き合いした方が良いかと思います。

 

 

4.【ケース③】別居後も比較的近所に住むケース(相手に新居の場所を知らせているケース)


 

 このケースは、別居の際に、最初から、こちらの新居の場所を夫側に伝えてしまっているケース、最初は知らせなかったけれども、知られてしまった、又は戦略的に知らせることにしたというようなケースです。

 この場合、夫側に、こちらの居場所も分かってしまっていますので、友人付き合いについても神経質になる必要はないと思われるかもしれませんが、前述のように、夫側の知人や友人が、あなたの虐待だなどと言い始めるリスクは残りますので、ある程度の注意は必要です。

 前述のように、基本的には、あまり疑心暗鬼になっても良くないと思いますので、「基本的には神経質になり過ぎない」というのが良いのですが、お子様の友達付き合いの様子を見ていて不審に感じる点等があった場合には、少し気を付けた方が良いかもしれません。

 

 

5.まとめ


・お子様の友人付き合いについてはあまり神経質になり過ぎない方が良い。
・新天地に引っ越したという場合、現住所を夫側に知られないということが重要なので、その点は母親としてある程度意識しながら生活した方が良い。
・近所に住む場合、現住所を知られないことの重要性は相対的に下がることが多いが、夫側に動向を知られないための配慮が必要なこともある。
・夫側の知人・友人経由で、親権争いの手続きの中で何等か資料を提出された場合でも、事実と異なるところは虚偽である旨をしっかりと伝えて毅然と対応するのが一番である。

 

 

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【絶対に夫に親権を渡したくない(38)】子供の学校は転校した方が良いのか?

2023.06.02更新

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1.子供の強い希望で以前の小学校に登校しているんですが…


 お子様が別居に承諾したとしても、小学校の友達も増えていて転校したくないと強く希望する場合はあります。そのような場合には、学区が同じ地域で転居することもあります。
 ただ、このことは、逆に言うと、夫側もお子様が通う小学校がどこかを知っているということになります。
 特に、夫側が親権を強く主張してくるということは、お子様を自分が育てていきたいという強い意志を持っているということですから、転校等対策が必要なのではないかと不安に思う方も多いかと思います。
 以下、お子様が通う小学校との関係で、どのように対応した方が良いかを解説していきます(※今回の解説は、お子様の小学校を夫に知られているか、知られている可能性が高いというケースでの解説になります。そのような前提でお読みください)。

 

 

2.学校側への情報共有


 別居後、別居に至る事情等について学校との情報共有をしておかないと、学校側からお子様の情報が洩れるといった心配があります。
 そのため、別居前から学校に対して事情を説明し、①今回の別居のこと等でお子様が悩んでいたり異変等がある場合には、学校の方でも声掛け等をし、こちらにも情報共有してもらうこと、②夫側から学校に問い合わせがあっても答えないでほしいこと、③学校で夫を見かけたような場合には情報共有して欲しいこと等を伝えておく必要があります。

 

 

3.転校した方が良いのか?


(1)連れ去りのリスクは?
 夫側が本気で監護権を取りに来ているという場合、登下校の際にお子様を連れ去ってしまうのではないかと不安に感じる方も多いと思います。
 ただ、親権争いの手続き進行中に強引に連れ去り行為をすると夫側にとって不利になるので、連れ去り行為に及ぶ可能性は、そこまで高くはないと思います。

(2)お子様の自発的意思での家出
 ただ、夫側が黙ってお子様を学校に通わせているかというと、連れ去りではなく、お子様の自発的家出を誘発しようとする人もいます。
 お子様が小学校高学年というような場合には、自身の判断能力もそれなりにありますので、お子様自身の判断で、母親であるあなたではなく、父親である夫側のところに住みたいと強く希望した場合、それを止めることは難しいです。
 夫側は登下校の際などに待ち伏せをして、そのように働きかけてくるのです(夫側は、待ち伏せではなく、偶然遭遇したと言ってくることが多いです)。

 このような夫側の働きかけに対する対策としては、登下校の際にあなた自身が見送りをするとか、登校時には登校班での登校や登校班がない学校ですとお友達との登校とする、下校時には学童の先生に直接迎えに来てもらうなどの対応をすることもあります。
 合わせて、お子様自身にも、お父さんと会ったら、どんな話をしたのか等について、情報共有するように伝えておくこと、今後どうしていくかは裁判所で相談中なので、お父さんについていっちゃ駄目であることを伝えるといった対応が必要になります。

(3)待ち伏せへの対策
 前述のような待ち伏せが起きた場合には、すぐに弁護士を通じてクレームを入れることが大切です。
 夫側はお子様に対して「パパと会ったことは、ママには内緒でな」と伝えることが多いのですが、実際にはお子様があなたに事情を話しているということを伝えていくことが待ち伏せ行為の一番の抑止になります。
 このように地道にクレームを入れることで、夫側も待ち伏せを繰り返しにくくなります。
 このようにクレームを繰り返していると、夫側の待ち伏せも減っていくケースが多いのですが、それでも待ち伏せを完全にはやめないという人もいます。
 そのような場合には、クレームを入れる際に、警察への通報も考えている旨を伝えていくことになりますし、それでも待ち伏せする場合には、実際に警察へ通報して対応していくことになります。

(4)転校までは要しないことが多い
 前述の通り、夫側の待ち伏せに対しても、弁護士を通じてのクレームや警察の対応で撃退できることが多いため、転校までは要しないケースが多いです。

 

 

4.まとめ


・別居の前に学校には事情を説明しておく。
・夫側は、連れ去りはしてこなくとも、家出を誘発してくる人はいる。
・登下校時に夫側が待ち伏せしてくるケースも多いので、その都度対応が必要である。
・弁護士を通じてクレームを入れても待ち伏せが続くようであれば、警察に通報して対応していくことになる。
・このように対応することで、転校までは要しないケースが多い。

 

 

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【絶対に夫に親権を渡したくない(54)】夫がやたらと細かいことを主張してきているが、どこまで対抗すべきか?

2023.06.02更新

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1.裁判所から分厚い書類が届いた!


 離婚問題・親権問題では、通常女性側の方が離婚を希望し、男性側はあまり離婚を希望していないというケースの方が多いものですから、夫側から離婚調停を起こされるとか、離婚裁判を起こされるというケースは相対的に少ないと思います。

 ただ、最初は、夫も離婚を希望してなかったけれども、婚姻費用(要するにあなたやお子様の生活費)の金額が高いと感じて、早く離婚したいというようになったというようなケースもあります。また、相対的に件数が少ないとは言っても、夫側の方が夫婦関係に不満を持っていて、積極的に離婚調停や裁判を起こしてくるケースもあります。

 そのように夫側が積極的に離婚を希望する場合でも、離婚調停の場合には、親権について詳細な主張をすることは稀だと思います。離婚調停については、裁判所の書式が決まっていて、詳しく事情を書こうとしても、「記入する欄がほとんどない」というのが実情だからです。

 そのため、奥様の方で「夫がとても細かいことを言ってきた」と感じるのは、離婚裁判のケースが圧倒的に多いです。そのような場合には、夫側が自分がどれだけ育児にかかわってきたのかということで資料を大量につけて離婚裁判を起こしてくることもあり、受け取ったあなたの方は「分厚い書類が届きました」と感じることになります。

 

 

2.夫側がやたら細かい言い分ばかり述べてきているがどう対処すべきか


 離婚訴状や準備書面は、夫側の言い分を示す書類ですので、その確認も重要なのですが、大きく二つに大別して検討する必要があります。
 即ち、①言い分は細かいけれども、裏付け証拠があまりない場合と、②言い分が細かく、その裏付け証拠も非常に細かい場合に大別できます。
 まず、裏付け証拠があまりない場合には、夫側の言い分をこちらから否定する必要はありますが、そこまで事細かに対応しなくても問題ないケースが多いです。仮に、夫側の言い分が緻密に練り上げられているとしても、裏付けがない言い分については、裁判官も関心を持たないことが多いので、そこまで心配しなくても良いことが多いのです。
 これに対して、夫側が裏付け証拠を沢山提出してきている場合には、その証拠のしっかりとした整理が必要になります。

 

 

3.夫側の証拠を検討する視点


(1)まずは、証拠の分類
 夫側の裏付け証拠を漫然と通読・確認していても、分量が多いので、逆に整理が難しくなってしまいます。
 そのため、監護者指定における重要な6個のポイントに沿って整理するのが有効です。
 即ち、監護者指定にあたっては、以下の6個のポイントが重要視されますので、夫の証拠がどの項目にどの程度影響を与える証拠なのかを分類していくのです。
 【6個の重要ポイント】
1)監護実績
2)連れ去りの違法性
3)現在の監護状況
4)過去の児童虐待の有無・程度
5)子供の意思

6)今後の監護計画

7)面会交流の姿勢

 例えば、別居直前に娘様が夫側に対して「お父さん大好き、お父さんのお嫁さんになる」と書き、夫の似顔絵も書いてある手紙が証拠で出された場合、上記の「5)子供の意思」に関係する証拠になります。

(2)分類にあたっては、証拠の重要性を見極めつつ分類
 前述のように証拠の分類をするのですが、夫側が大量に証拠を提出してきている場合、それを全て分類するのは、かなりの労力が必要になります。
 そのため、ある程度夫側の証拠の重要性を見極めた上で、重要なものを優先して整理する方が得策です。
 また、実際問題、夫が提出してきた証拠が、関連性が乏しい証拠という場合もあり、それに対して逐一対抗していくことは、手続きを複雑にしていくだけで得策でもありません。

 

 

4.夫側の証拠に対する対抗策


 前述の通り、裁判官は、どのような裏付け証拠があるのかという点を重視しますので、夫側の証拠に対抗するために、こちらも一定の証拠を準備し、提出していくことになります。
 その場合には、夫側の証拠に対して直接対抗していくものと、逆に、こちらがかなり不利な証拠の場合には、敢えてその証拠には言及せず、こちらがアピールすべき項目についての裏付けを集めていくという作戦をとる場合もあります。
 このあたりの判断・見極めは弁護士でないと難しいことが多いので、弁護士にご相談されることをオススメします。

 

5.最も重要なのは、文章の量や表現の上手さの問題「ではない」ということ


 たまに、私が事件を担当しておりますと、夫側が30ページの主張書面を書いてきた場合、「こちらは30ページ以上の文章を返してください」とか「もっと沢山書いてください」と言われることもあります。
 また、文章の表現についても、「もっと裁判官に訴えかけるような書き方をお願いできないでしょうか」とおっしゃる方もいます。

 確かに、文章の表現が良い方が、裁判官も読みやすいでしょうが、前述からお話しております通り、裁判官が最大の関心を持つのは「どんな裏付けがあるのか」という点です。
 夫側の言い分を読んでいると、「負けないためにも、それ以上に反論しないといけない」という気持ちに駆られることも多いのですが、そのことでこちらの文章が冗長になってしまっては元も子もないと思います。
 そのため、文章の分量や表現の上手さという点にとらわれ過ぎずに準備することが大切です。

 

 

6.まとめ


・夫側がやたら細かいことを言ってきている場合でも、裏付け証拠を伴うものなのかで対応が異なってくる。
・あまり裏付けを伴わない言い分は重視されないことが多い。
・夫側の証拠は、その重要性も考慮しながら、重要7項目に照らし合わせて検討・分類するのが良い。
・夫側の証拠に対して、どのように対抗していくかは専門性が高いので、弁護士に相談しながら検討すると良い。
・文章の分量や表現の上手さで勝負するものではないという視点が最も重要である。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【絶対に夫に親権を渡したくない(39)】夫は、こちら(妻)の飲酒や喫煙を指摘してきそうだが大丈夫か?

2023.06.02更新

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1.親権紛争の特徴


 親権を強く主張してくる夫は、本気で親権者になることを目指しているというケースや、そうでなくとも、あなたがお子様と別居したことに対して「やられっぱなしでは気が収まらない」という人が多い印象を受けます。
 そのため、夫側は「自分に有利な事情は何でも主張してくる」というのが親権紛争の一つの特徴と言えます。

 

 

2.飲酒・喫煙その他こちらの行動について細かく指摘してくるパターンも多い


(1)飲酒等の何が悪いの?
 家事や育児に差し支えない範囲で晩酌を楽しむことや、仕事のお付き合いでたまに飲み会があるといったことは、特にこちらに不利になる事情ではありません。
 また、喫煙についても、お子様の横で喫煙することはお子様の健康との兼ね合いで望ましくはありませんが、ベランダで喫煙するといったことは、特に大きな問題として取り上げる事情でもありません。
 しかし、親権紛争では、飲酒や喫煙は育児怠慢といった主張に結び付けやすいこともあって、実態よりも誇張した主張が展開されることも多いです。

(2)飲酒について
 飲酒については、晩酌等の家庭内での飲酒と、職場の飲み会などの外での飲酒の2パターンがありますが、家庭内での飲酒については、①晩酌を始めると子供への対応が杜撰になる→②そのうちリビングで寝てしまう→③子供の入浴や寝かしつけ、それどころか、夕飯の支度までしないで寝てしまうことが度々あったといった主張が展開されるのです。
 また、外での飲酒については、①妻は普段は時間短縮勤務だが、部内の飲み会には必ず出席しなければならないということなので許容してきた→②どんどん部内の飲み会というものの頻度が多くなっていった→③飲み会の時には日付が変わってからとか翌朝帰宅することも多かったといった主張が展開されるのです。

 このような主張については、あなたが夫側に対して飲み会参加のお願いをしているLINEやメール等が証拠提出されることが多いです。
 このように、夫側は「何でも有利になる事情を言ってくる」というスタンスなので、主張してきているのですが、あなたが「頻繁に」飲酒していたという証明は非常に難しいため、「そのような事実はない」と反論しておけば、大きな問題となるケースはほとんどないと思います。

(3)喫煙について
 最近は喫煙スペースもかなり減ってきており、喫煙者にとっては風当たりが強い社会時勢になっている面があります。ただ、あなたが女性として喫煙していたとしても、そのことだけで裁判所から悪印象を受けるということは基本的にありません。
 ただ、夫側は、①妻は、ベランダで喫煙していたが、何本も吸うので一度ベランダに出ると1,2時間は部屋に戻ってこない→②その間はこちらが家事と育児を一手に担っていたといった主張をしてくることがあります。

 夫側は、あなたがたばこを購入したレシート等を証拠として提出してくることもあります。
 ただ、これも、飲酒と同様で、1,2時間もベランダで喫煙していたとか、頻繁に喫煙していたということを直接証明することは非常に難しいため、「そのような事実はない」と反論しておけば、大きな問題となるケースはほとんどないと思います。

(4)エステや美容院
 飲酒や喫煙と並んで、これも主張されることがあるのが、エステや美容院です。
 要するに、夫側の方から、妻は頻繁にエステや美容院に行くので、週末家を留守にすることが非常に多かったというような主張をしてくるのです。
 なお、エステや美容院については、そのお店のカード等があって、施術日等が記載されているため、それを先方が提出してくると、施術の頻度を争うことは難しくなります。ただ、その頻度が月1回や2回のことでしたら、親権紛争の中で特にこちらに不利になることは少ないと思います。

(5)夫側は印象操作を狙っている気もするが…
 飲酒や喫煙は、素行があまり良くない女性という印象操作、エステや美容院は、華美であったり散財する女性という印象操作を狙っているケースもあります。
 ただ、多少の飲酒・喫煙やエステ等は、そのことだけで、裁判官や家庭裁判所調査官の印象を大きく害するということはありませんので、あまり気にする必要はないかと思います。

 

 

3.夫の行動を指摘してもよいが、そこに重点を置き過ぎない


 前述のように飲酒や喫煙の習慣が、親権紛争にあたって大きく重視させることはあまりないと思います。

 ただ、妻の飲酒や喫煙を厳しく追及してきている夫張本人が実は飲酒好きだったりヘビースモーカーだったりするケースもあります。また、飲酒や喫煙ではないが、趣味のスポーツをしていたり、スポーツ観戦に行ってしまったり、外出機会が多いという夫もいます。

 これらの事情は、素行不良といった形で大きく重視される可能性は低いですが、「夫はほとんど育児をしてこなかった」という事実の裏付けになり得る事情ですので、これらの事情も一応指摘した方が良いと思います。

 ただ、これらの事情があったからと言って、直ちに育児参加が不十分だと言いきれない所でもありますので、この点に重点を置き過ぎない方が良いと思います。

 

 

4.夫を言い負かすことがゴールではない


 前述のように、激しい親権紛争ですと、夫側は、必要以上にこちらを責め立ててきますので、こちらもついつい夫側を言い負かせたくなる気持ちに駆られることが多いです。

 しかし、現在の親権紛争で最も大切なのは、「しっかりと親権を獲得する」ということでして、「夫を言い負かす」ことではありません。あくまで親権を獲得するというゴールに向けて、こちらの言い分も準備すべきですし、そのための裏付けを準備するという姿勢が非常に大事になります。

 

 

5.まとめ


・夫側は自分に有利になるように主張できることは何でも言ってくることが多い。
・飲酒や喫煙については頻繁なものだと夫が証明することはほぼ無理なので、あまりに気にしなくて良い。
・エステや美容院については頻度を争うことが難しいケースもあるが、頻繁なものでなければ、あまり気にする必要はない。
・印象操作という点もあまり気にする必要はない。

・逆に、夫側の行動等を指摘してもよいが、そこに重点を置き過ぎない方が良い。

・夫側を言い負かすことがゴールではないことを意識したほうがよい。

 

 

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【絶対に夫に親権を渡したくない(55)】子供の勉強は主に夫が見てきたが、夫に有利に働くか?

2023.06.02更新

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1.同居中、子供の勉強は主に夫が見ていた


 同居中は、お子様の勉強は主に夫側が見ており、あなたが同水準で勉強を見ることができるかというと難しい場合もあろうかと思います。特に、夫がモラハラ夫だという場合には、同居中、あなたに対して「お前じゃ子供の算数を教えることはできないから、中学受験で不合格になるぞ」とか「お前はただでさえ日本語が下手だから、子供に国語などを教えられるはずがない。子供に変な日本語が身についてしまうと困るから教えないでくれ」などと発言している場合もあり、不安に感じるケースも多いと思います。
 ただ、皆さん、別居後は、夫がいない状況でも、お子様の教育面をケアできている方が大半だと思いますので、過剰に不安にならない方が良いと思います。

 

 

2.親権争いでの「勉強面」の位置付け


 親権争いでは、お子様の衣食住にどの程度親御さんが関わってきたのか、という点が重視されることが多いです。
 「衣」というのは、お子様がまだ小さい年齢の時には、おむつ替えや着替えの補助、もう少し年齢が上がったお子様の場合には、季節に合った服装をさせること、そのような洋服を購入すること、および身だしなみや清潔さの確保を意味します。
 次に「食」というのは、お子様の食事の支度を意味し、お子様の栄養バランスを確保し、少なくとも平均的な健康状態や成長を保つことができているのかどうかという点です。お子様が持病を持っていたり、アレルギーを持っているような場合には、それに対してどのようにケアしているのかという点も重要な要素になります。

 最後に「住」というのは、お子様の安心できるような清潔かつ整理整頓された住環境が確保されていることを意味しますが、この中には、お子様の躾や教育面も含めた意味で使うこともあります。
 このように、お子様の勉強面・教育面は、上記の「住」に関連する項目なのですが、衣食住全体が考慮されますので、あくまでその中の「一つの項目」という扱いになります。

 

 

3.対策の基本的な視点


 このような場合の対策の基本的な視点は「同居の時と同じ成績順位を維持すること」とか「同居時の志望校にしっかり合格すること」ではありません。
 お子様の教育面には関心が高い方も多いので、「成績が落ちてしまうと夫から何を言われるか分からない」とか「息子にはこの学校に合格させてあげたい」といったことをおっしゃる方もいます。
 ただ、監護者指定事件で重視されるのは、学校で問題となるような成績・素行ではないことです。簡単に言いますと、同居時学年トップの成績で、別居後にある程度成績が落ちたとしても、「担任教師が問題視するような悪い成績ではない」ということなら、ほとんど問題視されることはありません。

 

 

4.夫の教育熱心さがお子様の負担になっていた場合には、それを逆用すると効果的


 夫側が非常に教育熱心で、自宅でも熱心に指導・教育してきたというケースもあります。
 ただ、そのような熱心さは、お子様のためというよりも、夫自身のため(自分の子供なので、このくらいの成績は取ってもらわないと困るとか、自分と同じくらいの社会的地位を確保するために、この学校に行かせる必要があるとか)であるというケースも多くあります。
 そうすると、夫が目指す目標に、お子様の意識がついて行っていないというケースも往々にしてあります。

 そのことで、時に夫がお子様に対して暴言を吐いたり、果ては暴力を振るっているような場合には、勉強を見ることはプラス要素ではなく、むしろマイナス要素と言えます。
 そのような場合には、夫の勉強の面倒が、逆にお子様の大きな心の負担になっていたこと、モラハラやDVに陥っていた場合には、明らかな有害行為であることをしっかりと指摘して対抗していくことになります。

 

 

5.あなた自身の学歴等はあまり重視されない


 お子様の勉強面との兼ね合いでは、教育面を重視する夫側は、あなたの学歴と夫の学歴を比較して、夫側の方が学歴が上で、お子様の教育面を充実させられるといったことを強調してくることもあります。このような学歴の差から、お子様の教育のケアは夫側が見た方が良いなどと主張してくるのです。
 しかし、学歴の差といった点は、監護者指定事件であまり重視されませんので、この点であまり不安にならない方が良いと思います。

 

 

6.重要なのは教育資源をしっかりと活用すること


 むしろ、今は、様々な教育資源がありますので、それをしっかりと活用することの方が重要です。あなたが自分で勉強を教えるということに固執し、無理をし過ぎてしまいますと、逆にそのことで家事・育児が疎かになるなど、悪影響を生じかねませんので、そうであれば、教育資源を活用した方が良いのです。
 例えば、学校の宿題のケアは、学童がしっかりと確認してくれるところもありますし、受験に関しても、課題が多くない塾に通塾させることで対応できることも多いです。
 お子様の心理面のケアなどは、スクールカウンセラーや子ども家庭支援センターに助言を受けるといった方法もあります。
 このように教育資源をしっかりと活用して、少なくとも学校教育に遅れがなく、宿題や課題もしっかりと提出できていれば、教育面で、あなたのケアが不十分だと指摘される可能性は低いと思います。

 

 

7.まとめ


・親権争いの場面では、お子様の衣食住の面倒を誰が見ていたかが重要であるが、教育面は「住」に関連する要素として考慮されることがある。
・基本的には、別居後、学校で問題になるような成績・素行でなければ問題ない。
・夫の教育熱心さが逆にお子様の心理的負担になっていた場合には、その点をしっかりと指摘していくのが良い。
・あなた自身の学歴等はあまり重視されない。
・現在は教育資源が充実しているので、それを活用することも重要である。

 

 

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【絶対に夫に親権を渡したくない(40)】子供が「パパとママ3人で暮らしたい」と言い出しそうだが大丈夫か?

2023.06.02更新

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1.お子様の意向確認


 親権紛争では、お子様が就学年齢以上の場合には、その意向確認を実施するケースが大半で、就学年齢未満の場合でも、お子様の理解力によっては、その意向確認を実施するケースも多々見受けられます。
 お子様の意向確認は、まだ年齢が小さい子の場合には、家庭訪問時にご自宅で行うこともありますが、年齢が上がっていくにつれて、裁判所の一室で行うことが多いです。
 このような意向確認は、家庭裁判所調査官が行います。
 お子様の年齢が小さい場合、過去の経緯等について詳しく事実確認をすることはほとんどないのですが、現在の生活についてどう考えているのか、今後の生活についてどうしたいのかといったことは質問することが多いです。
 そういった時に、お子様の口から「パパとママ家族3人で暮らしたい」という言葉が出ることもあります。

 

 

2.こういう発言って多いの?


 あなたにとって良き夫でなかったとしても、お子様にとっては良き父親であるということもあります。
 そのため、お子様が素直な気持ちとして家族全員で暮らしたいと主張することはやむを得ないことだとも言えます。
 また、私もこのような仕事をしていますと、お子様が家族全員で暮らしたいという意見を述べることも相当数あります(全体的な傾向としては、お子様の年齢が小さい場合の方が、お子様がこのような意見を述べやすいように感じます)。

 

 

3.そのことで直ちに夫に有利にはならない


 このようなお子様の発言があると、夫側は、妻であるあなたよりも夫の方がお子様の意思に沿っていると主張してくることが多いです。
 つまり、夫は妻との復縁、家族全員での暮らしを希望しており、子どもも同じ気持ちである、これに対して、妻だけが、夫とバラバラの生活を希望しているというように主張してくるのです。
 ただ、あなた自身が夫が待つ自宅に戻る意思が全くないことを裁判所に伝えると、裁判所としても、家族全員での暮らしは難しいという前提で、夫と妻どちらが親権者としてふさわしいかを判断して行くことになりますから、夫の希望と子供の希望が合致するからと言って、夫側に有利にはなりません。

 夫側は、あなたの別居が「わがままである」とか「子どものことを考えていない」と主張してくることも多いですが、あなたにとっては、やむを得ない理由があって別居を始めているのですから、このことを責められる理由はありません。

 

 

4.面会交流への対応


 上記のようなお子様の発言は、夫に対する親しみ等を表現しているものとも言えますので、お子様が夫との面会交流を希望しているような場合には、極力、そのようなお子様の意思は尊重した方がプラスになります。
 いざ面会交流させるとなると様々に検討しなければならない点があるのですが、お子様が希望するのであれば、交流を実現する方向で検討したほうが良いと思います。

 

 

5.まとめ


・家庭裁判所調査官によるお子様の意向確認の中で今後の生活の希望も尋ねることは多い。
・お子様が家族全員での生活を希望するケースは相当数ある。
・夫側とお子様の意向が合致するからと言って、夫側に有利になるわけではない。
・ただ、お子様が父親との面会交流を希望するようであれば、実現した方がプラスに働く。

 

 

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【絶対に夫に親権を渡したくない(56)】子供の遊びの面等では、夫の方が熱心に対応していたという場合、夫に有利に働くか?

2023.06.02更新

弁護士秦こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
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1.要するにどういう話?


 これは、お子様との関わり方のどこに重きを置くのかの違いでもあるのですが、お子様と一緒に遊ぶこと、一緒に出掛けることに強い重きを置く夫もいます。
 そして、このことを実践している夫側からは、夫の方が妻よりも子供に強くかかわっているという主張をしてくるのです。
 この説明だけですと、やや抽象的ですので、実際に、夫側がどのような言い分を述べてくるのかをご説明します。

 (1)子供は、いつも週末は私(夫)と出かけていて、妻とは出かけたがりませんよ。

 (2)子供は、知人や友人の目から見ても「パパっ子」で、どこに行くにも着いてきますよ。

 (3)地元の知人や友人に聞いてもらえば良いですが、子供がいつも公園で一緒に遊んでいるのは私(夫)で、妻が一緒に遊んでいることは見たことがないと口を揃えて言いますよ。

 (4)子供の好みに合わせてプレゼントや企画をするのはいつも私(夫)で、妻はいつも任せきりですよ。

 (5)パパ友やママ友との交流は、ほぼ私(夫)しかしておらず、妻は、ほぼ全く交流がありませんよ。

 (6)子供の長期休み(夏休みや冬休み等)も、子供は私と出掛けて、妻とは出掛けませんよ。

 (7)家族で室内で過ごすときにも、子供は私(夫)に○○をしようと、遊びをせがんできますが、妻にはせがんでいませんよ。
 そして、夫の方がお子様と過ごす時間が圧倒的に長いなどと言って、夫とお子様で撮った写真などを沢山証拠で提出してくることもあります。

 

 

2.結局「子どもとの関わり」って?


 親権争いで重視されるのは、お子様の「育児」という面で、どこまで関与していたのかという点です。
 具体的には、お子様の衣食住にどの程度親御さんが関わってきたのか、という点が重視される傾向が強いです。

 「衣」というのは、お子様がまだ小さい年齢の時には、おむつ替えや着替えの補助、もう少し年齢が上がったお子様の場合には、季節に合った服装をさせること、そのような洋服を購入すること、および身だしなみや清潔さの確保を意味します。
 次に「食」というのは、お子様の食事の支度を意味し、お子様の栄養バランスを確保し、少なくとも平均的な健康状態や成長を保つことができているのかどうかという点です。お子様が持病を持っていたり、アレルギーを持っているような場合には、それに対してどのようにケアしているのかという点も重要な要素になります。
 最後に「住」というのは、お子様の安心できるような清潔かつ整理整頓された住環境が確保されていることを意味しますが、この中には、お子様の躾や教育面も含めた意味で使うこともあります。

 このように、お子様の遊びに熱心に関わってきたという点は、直ちにお子様の衣食住に関わる話ではありません。

 

 

3.「遊びに付き合っている」ということをどう評価するか


(1)単純に「遊び」と言い切れるのか
 前述の通り、「お子様と一緒に遊ぶ」ということは直ちにお子様の衣食住に関わる話ではありません。
 ただ、お子様と関わる時間が長くなれば、ただ単に遊んでいるだけではなく、間に一緒に昼食をとったり(食事の支度という意味での「食」に関わる)、遊んでいる途中で洋服が汚れてしまって着替えたり、帰宅後に汚れた洋服を洗ったりということも出てくると思いますし(これを夫側が担当すれば「衣」に関わったものと言える)、他のお友達との関わりで躾を学んだりすることもあるでしょうし(広い意味での「住」に関わる)、遊びに行く先では、学校で必要な文房具を購入したり、お子様のスポーツなどにも関わる機会が生まれるかもしれませんから(広い意味での「住」に関わる)、単純に「一緒に遊んでいるだけ」ではないことも多くなると思います。
 その意味で、衣食住と完全に切り離せないということも多いかと思います。

(2)お子様の意識・希望への影響
 お子様の年齢にもよりますが、家庭裁判所調査官が、お子様と直接話をして、お子様にとって父親がどんな父親なのかといったことを確認することも多いです。
 その際には、お子様にとって、よく遊んでくれる父親だという場合には、好印象を持っている場合もあり、このような心情調査で夫側が多少有利になる可能性はあります。

(3)以上のように、夫が長時間お子様と遊ぶなどしている場合には、多少なりとも夫側の有利に働くことにはなります。ただ、前述した「衣食住」の中心的な出来事ではありませんので、そこまで夫側に大きく有利になる話ではありません。

 

 

4.どのように対策するのか?


 親権争いにおいて、裁判官は、夫婦の言い分を鵜呑みにするのではなく、どの裏付けからどのようなことが言えるのかということを重視します(要するに、単なる「言い分」よりも裏付け証拠の方を重視するという意味です)。
 特に、夫側がお子様の遊びに関わってきたという場合には、遊んでいるときの写真などを大量に提出してくるパターンが多いです。
 そのため、まずは、この写真について問題があるようでしたら、それを指摘して切り崩すという作業をすることが多いです。また、逆に、こちらからお子様との写真を提出して対抗する場合もあります。

 

 

5.まとめ


・夫がお子様の遊びに熱心に関わっていたという事情は、お子様の衣食住に直接かかわる話ではない。
・ただ、衣食住に全く無関係と割り切れないことも多いし、少なくとも、お子様の心情には影響がある。
・そのため、遊びでの関わりも、監護者指定事件に多少なりとも影響はある(大きな影響ではない)。
・夫側が遊びに熱心に関わってきたという場合、写真などを証拠提出してくるパターンが多い。
・対抗策としては、写真の問題点を指摘したり、逆にこちらからも写真を提出するといった方法がある。

 

 

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【絶対に夫に親権を渡したくない(41)】子供に手をあげてしまったのだが、敗訴確定なのか?

2023.06.02更新

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1.私は子供に手をあげてしまったので、もう許されないのでしょうか?


 どんな理由があろうとお子様に対して手をあげてしまうことは、決して望ましいものではありません。
 ただ、お子様を傷つけたくて暴力を振るうというケースはむしろ稀で、やむを得ない事情や状況等を伴うことも多いです。
 暴力を振るってしまったという事情は、こちらにとってかなり不利な事情であることは間違いがありませんが、それでもケースによっては戦い方はありますので、諦めずに対応していく必要があります。

 

 

2.どのような作戦で臨むのか


 このようなケースでの対策は大きく3つあります。一つ目が①監護実績等、こちらに有利な点をクローズアップするという作戦、二つ目が②暴力の悪影響を最小限に抑える作戦、3つ目が③改善としてどのようなことをしているのかという作戦になります。
 具体的な対策は、事案や状況によって大きく違ってくるのですが、概要を以下の通り解説します。

 

 

3.【作戦1】こちらに有利なところ(特に「監護実績」)で優位に立つ


 暴力という事情は、こちらにとって不利な事情ですが、親権者は、暴力という一つの事情だけで決まるわけではありません。特に、過去の監護実績については、裁判所も重要視する項目ですので、この「監護実績」で優位に立てるのでしたら、優位に立てるだけの必要十分な資料を提出して行くことになります。
 要するにこれまでの子育てをこちらが頑張って担ってきたということを証拠とともに提出して行くのです(暴力という事情がこちらにマイナスに働いてしまっていますので、そのマイナスを他の項目のプラスで取り返していくというようにイメージして頂くと分かりやすいかもしれません)。

 

 

4.【作戦2】暴力の悪影響を最小限に抑える


 暴力の悪影響を最小限に抑える作戦というのは、暴力に至る経緯にやむを得ない事情があったとか、暴力の態様等、こちらがこれ以上悪く見られないようにしっかりと説明するということです。
 夫側は、こちらの暴力について、強く主張してくると思いますので、そんなに日頃から暴力を振るっていないとか、むしろ夫が育児に無関心だったのでストレスが限界まで貯まって暴力を振るってしまったとか、詳しく事情を説明していくのです。
 暴力の悪影響を最小限に抑えていくためのキーポイントになるのは大きく以下の点です。

① 暴力の態様や強度

② 怪我の有無・程度

③ 暴力の頻度

④ その経緯

⑤ その動機

⑥ 暴力がお子様に与えた影響の程度

⑦ あなた自身の反省の程度

 これらのポイントの中から、自身に有利なものを徹底的に探して、指摘していく作業が重要です。そのことに加えて、そのような指摘に裏付け等があるようであれば、しっかりと裏付けの提出をしていく必要があります(例えば、夫側とのLINEやメールのやり取り等)

 なお、たまに「私は小さいころ父親から殴られて育ちましたから、このくらいのことを大げさに言われても困ります」とか「あまりに子供が言うことを聞かない場合には、実力行使(暴力の行使)をしないと収まらないのですから、必要悪です」などとおっしゃる方もいますが、このようなスタンスは、裁判所から「反省していない」「また暴力を繰り返す危険性がある」とみなされてしまうリスクが高いので、今後暴力は絶対厳禁というスタンスが良いかと思います。

 

 

5.【作戦3】改善計画の作成


 お子様への暴力について深く反省した上で、再発防止のためにどのようなことをしていくのかの計画を立てるということです。
 例えば、①アンガーマネジメントの講習やカウンセリング等を受けて、突発的に感情的にならないよう努力していくとか、②今後のお子様の育児等にあたっては、ご実家のご両親にも同居してもらって、ご両親にも監督してもらうといったことが考えられます。

 

 

6.早めに弁護士を見付けて依頼すること


 あなたがお子様に暴力を振るってしまったという事情は、かなり不利な事情になりますので、これを打ち消すだけの主張、証拠集めを早急に実施する必要があります。その際には、弁護士の適切な助力がないと対応が難しいと思いますので、早めに信頼できる弁護士を見付け、準備していくようにして下さい。

 

 

7.まとめ


・暴力を振るってしまったという事情は、こちらにかなり不利な事情ではあるが、ケースによって戦いようはある。
・大きな作戦は、①他の項目で優位に立つ、②暴力の悪影響を最小限に抑える、③しっかりとした改善計画を立てるということである。
・難しいケースになると思うので、早めに弁護士を見付けて依頼した方が良い。

 

 

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【絶対に夫に親権を渡したくない(57)】子供の習い事の面では、夫の方が熱心に対応していた場合、夫に有利に働くか?

2023.06.02更新

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1.夫が習い事に関して熱心に関わっていた


 夫側がお子様の習い事に熱心に関わっていたというのは、男の子のお子さんの場合、サッカーを習っていて、そのサッカーチームの送迎を手伝ったり、自主練習の時に練習の手伝いなどをしたとか、女の子のお子さんの場合、ピアノのレッスンの送り迎えをしたり、発表会に向けての自主練習の手伝いをするといったものです。
 なお、今回の解説は、夫側がかなりの割合で習い事に関わり、相対的にあなたの関わりが少ないというケースを想定して解説します。
 要するに、お子様が複数の習い事をしていて、その一つは夫側が直接かかわり、他の習い事はあなたが直接かかわるように、夫婦で習い事の関わり・負担をうまくシェアしていたようなケースは除きます(このようにシェアしていたケースですと、習い事の面で夫婦間で優劣がつかないと思われるからです)。

 

 

2.親権争いで重視される「子どもとの関わり」って?


 親権争いで重視されるのは、お子様の「育児」という面で、どこまで関与していたのかという点です。
 具体的には、お子様の衣食住にどの程度親御さんが関わってきたのか、という点が重視される傾向が強いです。

 「衣」というのは、お子様がまだ小さい年齢の時には、おむつ替えや着替えの補助、もう少し年齢が上がったお子様の場合には、季節に合った服装をさせること、そのような洋服を購入すること、および身だしなみや清潔さの確保を意味します。
 次に「食」というのは、お子様の食事の支度を意味し、お子様の栄養バランスを確保し、少なくとも平均的な健康状態や成長を保つことができているのかどうかという点です。お子様が持病を持っていたり、アレルギーを持っているような場合には、それに対してどのようにケアしているのかという点も重要な要素になります。
 最後に「住」というのは、お子様の安心できるような清潔かつ整理整頓された住環境が確保されていることを意味しますが、この中には、お子様の躾や教育面も含めた意味で使うこともあります。

 このように、お子様の習い事は、「住」にある程度関連する項目になってくると思います。

 

 

3.「習い事に関わっている」ということをどう評価するか


(1)衣食住にある程度関連してくる
 習い事は、スポーツですとお子様の身体づくりに役立ちますし、学校教育との関係でも体育等の科目にも影響があります。音楽関係ですと、学校教育との関係でも音楽の科目に影響があります。
 また、集団行動に関わってくることも多く、お子様の躾に関わってくる側面もあります。

(2)お子様の意識・希望への影響
 お子様の年齢にもよりますが、家庭裁判所調査官が、お子様と直接話をして、お子様にとって父親がどんな父親なのかといったことを確認することも多いです。
 その際には、お子様にとって、習い事によくかかわってくれる父親だという場合には、好印象を持っている場合もあり、このような心情調査で夫側が多少有利になる可能性はあります。

(3)以上のように、夫が習い事に熱心に関わっている場合には、多少なりとも夫側の有利に働くことにはなります。ただ、直接的な教育等とは別ですので、その内容がよほど特徴的な場合を除き、そこまで夫側に大きく有利になる話ではありません。

 

 

4.どのように対策するのか?


 親権争いの場面において、裁判官は、夫婦の言い分を鵜呑みにするのではなく、どの裏付けからどのようなことが言えるのかということを重視します(要するに、単なる「言い分」よりも裏付け証拠の方を重視するという意味です)。
 特に、夫側が習い事に関わってきたという場合には、習い事に関わっているときの写真などを提出してくるパターンが多いです。
 そのため、まずは、この写真について問題があるようでしたら、それを指摘して切り崩すという作業をすることが多いです。

 

 

5.習い事への関与がお子様の心理的負担になっている場合


 夫側が習い事に関わることがお子様の大きな負担になっているというケースもかなり多いです。
 実際に私が担当した事件では以下のようなものがあります。
① 野球の試合でミスをすると夫に強く叱責されるので、子供は試合に出たくないと言うことが多かった。

② 野球のレギュラーを取れないとペナルティーを与える(例えば誕生日やお年玉がなしになるとか)ので、息子が泣いてしまうことも多かった。

③ 夫からサッカーの自主練習に付き合わされて、子供は常にへとへとだった。

④ サッカーの練習の送迎の際、夫の小言がひどく、いつも子供は憂鬱そうであった。

⑤ 娘は嫌がっているのに、夫がいつもダンス教室の送迎をしたがるので困っていた。

⑥ 夫は楽譜も読めないのに、娘の自宅でのピアノ練習に口を挟んでくるので、練習の邪魔になっていた。

⑦ 娘のスイミングの送迎を夫が担当していたが、迎えの際にはビール片手に酔っぱらっていることが多く、娘はかなり嫌がっていた。

 程度の大小はあるのでしょうが、夫が習い事に関わることでお子様にとって心理的な負担になっていたという場合には、夫側の貢献というよりも、むしろ悪影響とも言えますので、このような問題がある場合には、しっかりと指摘していく必要があります。

 

 

6.まとめ


・夫がお子様の習い事に熱心に関わっていたという事情は、お子様の衣食住の「住」に関連する事情である。
・そのため、習い事での関わりも、監護者指定事件に多少なりとも影響はある(特別な関わりでもない限り、大きな影響はない)。
・夫側が習い事に熱心に関わってきたという場合、写真などを証拠提出してくるパターンが多い。
・対抗策としては、写真の問題点を指摘したりすることが多い。
・また、夫の関わりがお子様の心理的負担になってしまっているケースも多いので、そのような事情がある場合にはしっかりと指摘していく必要がある。

 

 

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