弁護士ブログ

【改正民法施行!!今後モラハラ元夫は何をしてくるか!?】元夫が突然共同親権への親権者変更を申し立ててきた(8)―家庭訪問は避けられないのか?

2026.10.05更新

※離婚後共同親権は改正民法で初めて明記された制度ですので、現時点で実務の対応が定着しているわけではありません。本記事は弁護士秦の私見に基づく解説ですので、そのような前提でお読み下さい※

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。これまで20年以上モラハラ離婚に携わってきた経験に基づき、本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

(この記事は、弁護士秦のオリジナルの記事です。無断転載・無断複製を禁止します)

 

 

1.改正民法施行


 離婚後共同親権等を主とした内容の民法改正は、法律そのものは令和6年5月17日に成立していたのですが、その施行(その法律が効力を発生すること)は令和8年とされていました。この改正は、離婚後単独親権のみとしていた民法の内容を大きく変更するものでしたので、その法律の内容を世間に広く周知し、また、実務的な対応を整備する観点から、法律の施行まで一定の期間を置くことになったのです。

 最終的に民法改正の施行日は令和8年4月1日に設定され、この日から効力が発生することになりました。

 

 

2.離婚後共同親権って何なんだ?


(1)「離婚後共同親権」の法律的な意味合い

仮に、離婚後共同親権を選択したとしても、①夫婦が一緒に住まないといけないというわけではありませんし、②お子さんに半々で関わる制度というわけでもありません。

 そもそも、離婚する際には、ご夫婦は別々に暮らすことを前提に、お子さんが夫婦のどちらと一緒に住むのかを決めると思います。そして、その様に決めると、お子さんの日常的なことは一緒に住んでいる親が決めるということになると思いますので、「共同親権」というのは、以下のような「お子さんにとって大事な事項を夫婦一緒に決める」という意味合いになります。

  • お子さんの転居(引っ越し先の決定)
  • 進路に影響する進学先の決定
  • 心身に重大な影響を与える医療行為の決定
  • 財産の管理(預金口座の開設等)
  • 15歳未満のお子さんの氏の変更
  • 15歳未満のお子さんの養子縁組の代諾

 

(2)緊急時は別扱い

 前述のように、お子さんにとって重要な事項は、共同親権の場合には、夫婦で話し合って決める必要があるのですが、緊急の場合には、別扱いになります。

 例えば、DVや虐待から避難する場合には、あなたの一存で避難及び避難先をどこにするかということを決めて良いということになります。また、お子さんが大きな怪我をしてすぐに医療処置が必要な場合にも、あなたの方で医療処置を受けさせて構いません。

 

 

3.今回の事案設定


今回は、以下のような事案を前提に解説していきます。

  • 離婚そのものは暫く前に成立している
  • 離婚のときの親権者については、妻であるあなたに指定されている
  • その後もあなたがお子さんを育てている
  • 元夫が突如、共同親権への親権者変更の手続きを取ってきた

 

 

4.今回の親権者変更手続きの中で家庭訪問は避けられないのか?


 詳しくは後述しますが、親権者変更手続きの中での「家庭訪問」というのは、家庭裁判所調査官が、あなたのご自宅を訪問する調査のことを意味します。

 それでは、今回の親権者変更手続きの中で家庭訪問は実施されるのでしょうか?

 家庭訪問を実施するかどうかは、この事件を担当する裁判官が決めますので、結局、「裁判官が家庭訪問を実施した方が良いと思うような事情があるかどうか」によって決まることになります。

 このような必要性の有無は、以下の点が重要な考慮ポイントになると思われます。

  ①あなたの単独親権に決める際に家庭裁判所調査官の調査が実施されたか

 ②その後の年月の長さ・お子さんの成長具合

 ③以前の家庭訪問から現在の生活環境の変化の有無・程度

 ④モラハラ元夫側から投げかけられている疑義の内容

 

 

5.【ポイント①】あなたの単独親権に決める際に家庭裁判所調査官の調査が実施されたかどうか


 あなたの単独親権に決める際に、離婚裁判の本格審理が実施された場合には、その際に家庭裁判所調査官の調査が実施されたものと思われます。

 そのように一度家庭裁判所調査官の調査(家庭訪問を含む)を実施した場合には、今回改めて家庭訪問をする必要はないと判断される可能性があります(但し、その後かなり年数が経過しているような場合には、家庭訪問を実施する可能性もあります)。

 他方で、協議離婚や調停離婚している場合、そのような本格的な調査を行わずにあなたの単独親権に決まっていることも多いと思います。

 そのような場合、これまでに一度も家庭訪問等の調査を実施していないということになりますので、今回は家庭訪問を実施するという方向に傾きやすくなると思います(但し、その様にあなたの単独親権と決めてからほとんど期間が経っていないような場合には、わざわざ家庭訪問等は行わないというパターンもあると思います)

 

 

6.【ポイント②】その後の年月の長さ・お子さんの成長具合


 一度あなたの単独親権と決まってからまだ1年も経っていないなど、短期間しか経っていないような場合には、家庭訪問等は実施しない可能性が高まります。

 他方で、一度あなたの単独親権と決まってからもう5年以上が経過したというような場合、既に長期間が経過していますので、家庭訪問等を実施する可能性が高まります。

 また、それほど期間が経過していなくても、お子さんの成長の具合が著しいような場合、例えば、お子さんが2歳から5歳まで上がったような場合には、家庭訪問等を実施する可能性は高まると見込まれます。

 

 

7.【ポイント③】以前の家庭訪問から現在の生活環境の変化の有無


 以前家庭訪問を受けた時と現在の家庭環境に変化が大きい場合には、家庭訪問を実施する方向に傾きやすくなると思います。例えば、転居して、地方から都心部での生活に変わったとか、以前は実家で暮らしていたが、今はあなたとお子さんの二人暮らしに変わっているといったようなケースです。

 逆に、以前の家庭訪問時と現在とで家庭環境に全く変化がないという場合には、家庭訪問は実施しない方向に傾きやすいと一応言うことができます。ただ、この場合でも、お子さんの成長によって生活の様子は変化することが多いと思いますので、以前の家庭訪問からかなり年数が経っているような場合には、住居が変化していなくても、家庭訪問を実施することも多いと思います。

 

 

8.【ポイント④】モラハラ元夫側から投げかけられている疑義の内容


 モラハラ元夫側から投げかけられている疑義の内容は、裁判官も家庭訪問を行うべきかの重要な検討要素になると思います。

 元夫側は通常親子交流を通じてお子さんと関わっていると思いますが、その際のお子さんの様子に異変等があり、そのことが今回の親権者変更手続きに結びついている場合があります。例えば、お子さんが元夫に対して、あなたからの暴力を訴えていたり、ネグレクトを受けている恐れがあるというようなことを、元夫が言い始めるケースがあり、そのような場合には、裁判官も「念のため家庭訪問を実施した方が良い」と判断する可能性があるのです。

 逆に、元夫がお子さんの今後の進学面に熱心に関わりたいとか、あなたの普段のお子さんの監護に疑問や関心を抱いていない場合には、家庭訪問までは実施しなくて良いという方向に傾きやすくなる可能性があります。

 

 

9.実際の家庭訪問は?


 それでは、家庭訪問を実施することになった場合、実際の家庭訪問はどのように行われるのでしょうか。

(1)誰が来るのか?
 家庭訪問と聞くと、「実際誰が来るの?」というのが一番の疑問かと思います。
 家庭訪問は家庭裁判所調査官が訪問します。この家庭裁判所調査官とは、家庭裁判所の手続きで必要な調査を行うことを主な業務とする裁判所職員のことを言います。
 家庭裁判所調査官は、心理学といった人間科学の知見を持っていますので、そのような知見を活かした調査を実施していくことになるのですが、その調査の一環として家庭訪問も実施するのです。

 通常は、家庭訪問の前に、調査官面接を実施するのですが、その調査官面接を担当した調査官が家庭訪問するケースが多いです。

 

(2)何をしに来るのか?
 イメージとしては、お子様の生活環境や普段の生活ぶりを確認しに来るということになります。
 いわゆる小学校の先生が自宅訪問に来た際には、母親であるあなたやお子様と話をして帰るというイメージだと思いますが、家庭裁判所調査官の調査は、現在の生活環境がお子様の福祉にかなうものかという観点から行いますので、より分かりやすく言いますと、より突っ込んだ調査になります。

 このように言いますと、「いろいろと根掘り葉掘り質問されるのか?」と身構えてしまいそうですが、たくさん質問されるというよりは、家庭訪問の際のお子さまの様子やあなたとお子様との接し方等について細かくチェックしているというイメージになります。
 実際の家庭訪問にはチェック項目があり、事前に対策を行っておく必要がありますので、詳しくご確認になりたい方は弁護士秦(はた)までお気軽にご相談ください。

 

 

10.家庭訪問の回数は1回だけ?


 通常、一つの親権者変更手続きについては、家庭訪問は1回というケースが多いです。
 複数回家庭訪問をすると、対応するあなたやお子さんにとっても負担になることが多いからです。

 

 

11.家庭訪問が行われてしまうとこちらの所在がバレてしまう?


 あなたが旦那様に対して現住所を秘密にしている場合、家庭訪問を行うことで現住所がバレてしまうことを心配すると思います。
 ただ、実際こちらの住所を秘密にしている場合、家庭裁判所調査官も、調査報告書に盛り込む内容等をこちらに相談してくれることが多いので、家庭訪問をしたからと言って、こちらの住所がバレる可能性は非常に低いとお考え下さい。

 

 

12.まとめ


・家庭訪問を実施するかは、以下の点が重要な考慮ポイントになると思われる。

 ①あなたの単独親権に決める際に家庭裁判所調査官の調査が実施されたか

 ②その後の年月の長さ・お子さんの成長具合

 ③以前の家庭訪問から現在の生活環境の変化の有無・程度

 ④モラハラ元夫側から投げかけられている疑義の内容

・家庭訪問は家庭裁判所調査官が訪問してくる。
・家庭訪問は、お子様の生活環境や生活ぶりを調査しに来る。
・一つの親権者変更手続きの中で行う家庭訪問は1回きりのことが多い。

 

 

関連記事


>>弁護士秦のモラハラ総合サイトはこちら!!

>

>>【弁護士が解説】これってモラハラ?(夫婦の間でどこまでが許されるか?)

>

>>ズバリ!!弁護士から見たモラハラ夫の共通点

 

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!

(仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力で簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所
弁護士 秦(はた) 真太郎
TEL03-3666-1838|9:30~18:00
東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

 

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

entryの検索

カテゴリ

弁護士 秦真太郎 -雨宮眞也法律事務所- 受付時間 9:30~18:00 定休日 土日・祝日 住所 東京都中央区日本橋兜町1-10日証館3階

※事前予約があれば平日夜間(22時まで)も対応可能です。