離婚問題

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑰】皆さんモラハラ夫に慰謝料を請求しているのでしょうか?

2025.02.24更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

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1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.皆さんモラハラ夫に慰謝料を請求しているのでしょうか?


(1)皆さんモラハラ夫に慰謝料を請求しているのでしょうか?

 私が担当した事件の印象としましては、慰謝料を請求していない方の方が多少多い印象です。ただ、慰謝料を請求している方がすごく少ないのかと言いますと、「そこまで少なくはない」という印象です。

 詳しくは後述しますが、少なくとも調停段階では、ご依頼者様が慰謝料を請求しておきたいと考えているようであれば、慰謝料は請求するようにしています。

 

(2)調停申立ての段階で思い悩むことが多い

 慰謝料を請求するかどうかという点は、実際には離婚調停を起こす際に思い悩むことが多いです。

 なぜなら、離婚調停申立書という申請書に、慰謝料を請求するかどうかのチェック欄が設けられていますので、申請の段階で、慰謝料を請求するかどうかを決断しなければならないからです。

 

(3)慰謝料を請求しない方がおっしゃっていること

 私の方から慰謝料を請求しますか?と尋ねると、はっきりと「請求しない」とおっしゃる方も多いです。そのような方がよくおっしゃるのが「夫は自分が絶対正しいと思っているので、慰謝料を請求しても反発してくるだけだと思います」とか「どちらかと言うと、私は財産分与さえしっかりもらえれば、早めに離婚したいので、慰謝料の話をして話を長引かせたくないです」といったお話です。

 

(4)慰謝料を請求する方がおっしゃっていること

 逆に、慰謝料を積極的に請求したい、という方もいます。

 そのような方がおっしゃるのは「これだけのことをされて何もなしというのは納得できません」とか「最初から慰謝料を請求しないと相手になめられそうなので、一旦は慰謝料を請求して下さい」といったお話です。

 

(5)どのような点を考慮して請求するかどうかを決めるのか?

 実際に調停を申し立てる際に、慰謝料を請求するかどうかは、以下のような点を考慮して決定することが多いです。

 ・早めに離婚したいかどうか

 ・モラハラ夫が反発するリスクをどう捉えるか

 ・あなた自身の心情的な問題

 ・最初から一切ナシとすることへの抵抗感

 ・調停委員から見た印象

 ・今後の裁判での見込み

それぞれ詳しく解説していきます。

 

ア)【考慮要素①】早めに離婚したいかどうか

 「早めに離婚したいですか?」と質問された場合、ほとんどの人が「早めに離婚したいです」と回答すると思います。ここで問題となるのは「慰謝料を諦めてでも早く離婚したいですか?」という問題です。

 確かに、あなたがこれまでにされたことを全て振り返ると、とても許せないということかもしれませんが、そのことを考慮しても「早く終わらせたいのか?」ということをお考えいただくようにしています。

 

イ)【考慮要素②】モラハラ夫が反発するリスクの評価

 基本的にモラハラ夫は自分がこれまでしてきたことは「全て正しい」と考えていることが多いです。

 そのため、慰謝料を請求すると「俺がそんなに悪いことをしたって言うのかよ」と強く反発してくることが多いのは事実です。

 ただ、このように反発してくる場合の、具体的なモラハラ夫側の行動の内容に応じて、リスクの大きさを検討することもあります。

 要するに、慰謝料と言うことに反発して、夫側が調停の手続きを完全にボイコットしてしまうとか、長文の反論文章が提出されて、手続きがあまりにも長期化しそうだというような場合には、慰謝料請求にはかなりの覚悟を持った方が良い気がします。

 他方、調停の席で、夫側が反発してくるだろうが、そこまで極端なものではない、という場合には、慰謝料請求の余地があるかもしれません。

 

ウ)【考慮要素③】あなた自身の心情的な問題

 要するに「どうしても許せない」という気持ちがどの程度あるのか、という問題です。

 法律上、モラハラ夫に謝罪を要求するということは難しいので、モラハラに対して何か言うとなると「慰謝料請求という方法しかない」というのが実情ではあります。

 そのため、夫のモラハラに対して「何も罰がないというのはおかしい」という場合には、慰謝料を請求すべきということになります。

 

エ)【考慮要素④】最初から一切ナシとすることへの抵抗感

 調停申立書は、調停を申し立てる際の申請書であると同時に、調停の手続きをしている中で、調停委員が議論の柱を再確認書類でもあります。

 そのため、調停申立書において慰謝料の欄に一切チェックをしておかないと、後から慰謝料を請求しても、調停委員から「本気度」を疑われるといったリスクがあります。

 そのため、「ひとまず慰謝料を書いておくだけはしておく」ということで調停申立書の慰謝料欄にはチェックを入れるということもあります。

 

オ)【考慮要素⑤】調停委員から見た印象

 調停委員は、全体的に、慰謝料の話題は避けたがることが多いです。

 なぜなのかと言いますと、調停は、お互いが一定の譲歩をして解決を導く制度です。これに対して、慰謝料は、どちらか一方が「悪い」と認定した上で、お金を払わせるものですので、「お互いの譲歩」という考えと相いれない面があるのです。

 調停委員を味方につけるという発想から、最初から慰謝料は請求しない、とおっしゃる方もいます。

 

カ)【考慮要素⑥】裁判の実情

 後述のように、残念ながら、離婚裁判ですとモラハラのみを理由とする慰謝料は認められないことの方が多いです。

 そのため、最初から慰謝料を請求しない、という方もいます。

 

(6)請求する場合、いくらと書くか?

 離婚調停の場合、調停申立書の書式の中に「相当額」という印刷文字が入っていますので、申立段階では「相当額」にチェックを入れて、具体的な金額を入れないことが多いかと思います。

 あまり高額を記載すると、相手が強く反発してくるでしょうし、あまり少額を書くと相手が変に安心するという心配もありますので、このように書くことが多いと思います。

 

 

3.裁判での実状


 モラハラよりも悪化して、暴力に及ぶケースなどでは、離婚裁判でも慰謝料が認められることはありますが、モラハラだけを理由とした場合、残念ながら、慰謝料請求は認められないことの方が多いです。

 

 

4.まとめ


・私が担当したケースだと、慰謝料を請求しない方の方が多い印象である。

・慰謝料を請求するかどうかは以下のような要素を考慮して決定する。

 ①早めに離婚したいかどうか

 ②モラハラ夫が反発するリスクをどう捉えるか

 ③あなた自身の心情的な問題

 ④最初から一切ナシとすることへの抵抗感

 ⑤調停委員から見た印象

 ⑥今後の裁判での見込み

・仮に慰謝料を請求する場合、調停の申立て所の「相当額」にチェックを入れることが多い。

・仮に裁判になった場合、モラハラのみを理由とした慰謝料請求は認められにくい。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑯】皆さん別居直後の心境はどのような感じなのでしょうか?

2025.02.17更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

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1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.皆さん別居直後の心境はどのような感じなのでしょうか?


 私が実際に担当したケースですと、やはり、別居直後は不安にお感じになっている方が多いです。一番のご不安は、別居先がモラハラ夫にバレてしまうのではないか、モラハラ夫がこっちに押し掛けてきてしまうのではないか、という不安になります。

 ただ、不安ばかりなのかと言いますと、「夫と一緒に生活していた際には、夫が帰宅時にドアを開けるだけで緊張感が走っていたが、今は、そのように緊張することも少なくなった」とか「同居中は、いつも夫にお伺いを立てながら生活していたが、その必要がなくなった」など負担の軽減を口になさる方も多いです。

 

 

3.お子さんの方が先に別居先の環境に馴染むケースも多い


 あなた自身のご不安もあるでしょうが、お子さんが別居先の環境に馴染めるのか、ということについても同様に不安かと思います。

 ただ、実際には、「新しい小学校にも早く馴染んでくれて、安心した」とか「数回保育園に行きたがらないことがあったが、慣れてしまうと、逆に『あまり早く迎えに来ないで』と言われてしまった」と言ったお話を聞くことも多いです。

 そのため、奥様の方からは「むしろ子供の方が私よりも新しい環境に慣れてしまって、驚いています」といったお話をお聞きすることも多いです。

 

 

4.皆さん別居直後の不安をどのように軽減しているのか?


 前述のように、別居直後は不安を抱えながら生活するという方が多いのですが、そのような中で不安をどのように軽減しているのかについて解説します。

 

(1)【不安軽減策①】実家に避難する

 モラハラ夫も、あなたの実家には頭が上がらないとか、目上の人間に対しては強く出ることができない、というような場合には、実家に避難することで、モラハラ夫が急に来てしまうことを防止するということもあります。

 特にお子様がいるような場合には、ご実家にも育児の一部を分担してもらうというメリットを述べられる方も多いです。

 

(2)【不安軽減策②】モラハラ夫が全く知らない新天地を別居先にする

 前述とは、逆で、元の自宅が実家と近い場合や、実家だろうとこちらの居場所が分かっているとモラハラ夫が来てしまいそうだというような場合には、モラハラ夫が全く知らない新天地を別居先にする場合もあります。

 夫もさすがに見当もつかないだろうということで、安心感を得られることもあります。

 

(3)【不安軽減策③】事前に警察に相談しておいて、何かあったときにはすぐ来てもらえるようにしておく

 夫がこちらの居場所を探し回りそうだとか、万が一来てしまった時にすぐに警察に来てもらえるようにしておいた方が良いというような場合には、別居前に、警察に相談しておくこともあります。

 事前に事情が分かっていると、警察にもすぐ臨場してもらえるので安心です。

 

(4)【不安軽減策④】区役所に継続して相談する

 最近では、区役所内で、女性被害のことを相談できる部署が配置されています。

 そのため、何か困ったことがあった際に気軽に相談できる場所として、予め区役所に相談しておくという方もいます。

 

(5)【不安軽減策⑤】信頼できる弁護士を雇う

 前述のように、別居直後は、モラハラ夫が来てしまうのではないかという不安を感じる方も多いので、別居と同時に弁護士に間に入ってもらうことを希望する方もいます。

 このようにすると、弁護士をモラハラ夫との交渉窓口にすることができますので、あなたが直接モラハラ夫と話をする必要がなくなります。

 

 

5.まとめ


・別居直後は不安もあるが、モラハラ夫と一緒に生活しなくて良いという「安心」を口にする方も多い。

・お子様の方が別居先の生活に馴染んでしまうということも多い。

・別居直後の不安軽減策としては以下のようなものがある。

 ①実家に避難する

 ②全くの新天地を別居先にする

 ③早めに警察に相談しておく

 ④区役所に相談しておく

 ⑤信頼できる弁護士を雇う

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑮】夫は、こちらの主張する離婚理由をどこまで理解するのでしょうか?

2025.02.03更新

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1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.できれば「謝罪して欲しい」というのが本心


 私のところに相談にいらっしゃる方の中にも、「同居中これだけのことをされたので、せめて最後に一言謝って欲しい」とおっしゃる方も多いです。

 モラハラの被害は長期にわたることも多いので、このように謝罪を希望するのも、当然の発想だと思います。

 ただ、法律上、相手に謝罪を要求できるのかと言いますと、厳密には、謝罪を要求することはできません。名誉棄損のように外部に向けてあなたの社会的地位を貶めるような言動をした場合(例えば、SNSなどであなたの名誉を害するような投稿などをした場合とか)は、法律上謝罪を求める権利が与えられることもあるのですが、そうでない場合、法律で明確に謝罪を要求する権利を定める規定はないのです。

 そのため、私の方からも「お気持ちは痛いほどよく分かりますが、相手に謝罪させる法律上の根拠がないので難しいんです」とご説明しています。

 

 

3.謝罪が無理でも、少しでもこちらの気持ちを理解してもらえないものか?


 前述のように謝罪が難しいとしても、少しでもこちらの気持ち・苦しみを理解して欲しいとおっしゃる方は多いです。

 特に、調停などが進んでいくと、こちらの方からモラハラ被害の全容を書面でまとめたり、または、何度か調停委員に対してモラハラ被害の状況を伝えていますので、「流石にこれだけ伝えれば、相手も理解はするだろう」と感じるのです。

 しかし、残念ながら、モラハラ夫の反応は、以下のように、とてもこちらの苦しみを理解しているとは思えない反応のことが多いです。

 ・言い合いの中でそのような発言をしてしまったことはあるが、言い合いの中でのことなのでお互い様である。

 ・妻は私のことが怖かったとか言っているが、実際には一緒に出掛けて楽しく過ごしていることの方が多かった。

 ・多少怒ってしまったことはあるが、原因があってのことなので、原因を作った妻の方が悪い。

 ・妻があまりに家事が苦手なので、注意はしたが、そんなキツイ言い方はしていない。

 ・妻が何度言っても基本的な家事すらもできないので、キツイ言い方をしないと改善しないと思ったので仕方がないことである。

 ・(ひどいケースだと)妻の言い分は全て言いがかりで、どうしてこんなことを言われないといけないのか分からない。

 ・(ひどいケースだと)妻は以前から記憶がすり替わったりすることもあったので、今の妻の言い分もすり替わりの結果である。

 

 

4.証拠を突き付けた時の反応は?


 例え、こちらからこのようなモラハラ被害を受けたと主張したとしても、モラハラの証拠がなければ、前述のように、モラハラ夫は、否定したり、お互い様と述べてくるとしても、証拠があった場合はどうなのでしょうか。

 証拠を提出した場合には、さすがにモラハラ夫も言い逃れができないとして、認める人もいますが、証拠があっても認めない人もいます。

 モラハラ夫がどのように言い逃れしてくるのかと言いますと、①俺ははめられた、録音には私だけがひどいことを言っているように記録されているが、その前に妻が散々挑発したからこうなったんだ、②妻は怪我をさせられたと言っているが、写真だけだと転んだ傷かもしれないし、私が暴力をふるった証拠にはならないといったことを言ってくる人もいるのです。

 

 

5.結局は早めに縁を切った方が良いという結論に至ることが多い


 前述のように、モラハラの証拠を突き付けても、モラハラ夫はモラハラを否定してくることさえあります。

 そのため、モラハラ夫に「モラハラを認めさせる」ということにこだわりますと、そのことだけで解決に時間がかかってしまうということも多いです。

 結局は、「モラハラ夫が理解することに期待はできないから、早く縁を切った方が良いかもしれませんね」とアドバイスさせて頂くことが非常に多いのが実情です。

 

 

6.まとめ


・法律上モラハラ夫に謝罪を要求することは難しい

・モラハラ夫が自身のモラハラを認めることは珍しい。

・モラハラの証拠を突き付けても、モラハラを否定するモラハラ夫もいる。

・結局は、早めに縁を切った方が良いという結論に至ることが多い。

 

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<東京メトロ>
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・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
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・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

 

 

 

 

 

 

 

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【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑭】Xデーまでの過ごし方

2025.01.27更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.Xデーまでの過ごし方


 Xデーつまり別居開始日までの過ごし方は、①別居についてモラハラ夫との合意を得ている場合と、②モラハラ夫に伝えず、もしくは、一度は反対された状態で別居する場合とで異なりますので、場合分けした上で解説していきます。

 なお、モラハラ夫のモラハラ等がひどい場合には、事前に何も伝えずに別居を始めることもやむを得ないとは思いますが、そうでない場合には、極力事前に夫側に話をすることを私は推奨しています。

 

 

3.【Xデーまでの過ごし方①】別居についてモラハラ夫側の同意を得ている場合


(1)モラハラ夫の気分が変わらないような配慮

 モラハラ夫は、意見が変わることも多いため、そのようにならない配慮が必要になることが多いです。

 具体的には、別居開始を早めることが可能なのでしたら、モラハラ夫の気が変わる前に別居を開始できると安心です。

 お子様の都合などで、別居開始を早めることが難しいという場合、モラハラ夫が意見を変えないよう必要以上に刺激しないよう注意する方が良いです。

 

(2)モラハラ夫の両親など説得してもらえる体制を確保しておく

 前述のように、モラハラ夫は、一度は別居に同意しても、時間が経つと意見を変えてくるリスクがあります。

 そのため、もし意見が変わっても、モラハラ夫の両親から説得してもらえるように予め準備しておくなどすると安心です。

 説得してくれる適任者がいないという場合には、この準備は難しいのですが、モラハラ夫の両親だけではなく、モラハラ夫の先輩や上司など、説得してくれそうな人物がいる場合には、予め話をしておくと安心です(ただ、モラハラ夫に事前に話をせずに先輩や上司に話をすると、余計にモラハラ夫が怒り始めることも多いので、進め方には慎重に留意してください)

 

(3)お子様への説明

 別居についてモラハラ夫の了解を得られている場合、お子様への説明についても、夫側と調整して話ができることが多いと思います。

 例えば、あなたの実家に別居するという場合には「おばあちゃんの体調があまり良くないから、一緒におばあちゃんを元気づけに行こうね」とか、夫側が一時自宅を離れるパターンの別居の場合「パパは暫くお仕事でおうちには帰れないからね」とかの説明をすることになります。

 

 

4.【Xデーまでの過ごし方②】別居についてモラハラ夫側の同意を得ていない場合


 「別居についてモラハラ夫側の同意を得ていない場合」というのは、そもそも別居のことを一言も伝えていないケースと、一旦別居の話をしたがモラハラ夫側から断られ、しばらくした後に再度話をせずに別居を実行するケースとがあります。

 

(1)絶対にこちらの動きを察知されないこと

 Xデーまでの過ごし方の中で一番重要になるのが、別居の準備をしていることを夫側に察知されないようにすることです。これを察知されてしまうと、別居を妨害されたり、別居準備を進めていることを厳しく批難されることになりかねません。

 私が担当したケースでも、別居準備中に夫側に察知されてしまい、なかなか別居できなかったというケースもありますので、細心の注意が必要です。

 夫側に別居準備のことを知られてしまった原因としては、①夫が奥様の携帯電話をこっそり盗み見ており、その中で発覚してしまったケース、②別居準備のために子どもの小学校転校の話等を現在の通学先小学校に相談していたところ、夫側が小学校に問い合わせて発覚したケース、③区役所に児童手当や保険切替の相談をしていたところ、夫側が区役所に問い合わせて発覚したケース等があります。

 別居準備中は別居先住所等の情報は最大限外部に知られないようにし、自身の携帯電話等も夫が勝手に見られないようにする等の注意を払って準備を進めていく必要があります。

 

(2)親族・友人等の支援体制を整えること

 別居後にモラハラ夫が、あなたの両親等の親族や親しい友人等に執拗に連絡を取るというケースもあります。

 そのため、少なくとも夫側が連絡をしそうな先については予め別居のことを話しておいた方が良いケースが多いです。合わせて、ご自身の状況等を相談できるようであれば相談すると心強いかと思います。

 このように支援の輪が広ければ心強いとは思いますが、情報が拡散し過ぎますと、どこかで夫側が別居先の情報等を察知してしまう危険性が増して行くことになりますので、支援の依頼先の範囲については慎重な検討が必要です。

 

(3)お子様への説明

 お子様のご年齢にもよりますが、お子様に別居のことを伝えると、お子様がモラハラ夫にそのことを話してしまうリスクがあります。

 そのようなリスクが高い場合には、別居直前までお子様には伝えられないというケースもあります。

 他方で、お子様自身がモラハラ夫と早く別居したいと考えているような場合には、お子様を安心させるために、多少早めに別居のことを伝えてしまうケースもあります。

 いずれにせよ、モラハラ夫側にこちらの別居計画が知られないように慎重にタイミングや伝え方を検討する必要があります。

 

(4)別居時の持ち物リスト

別居の際には持ち出し漏れ等がないよう、以下の関連記事を参照の上、荷物の整理をしてみて下さい。

関連記事>>「ついに別居を決意!これだけは持って出よう!」
 なお、モラハラ夫名義の財産としてどのような財産があるか全く分からない状況で別居を始めてしまいますと、離婚の際に十分な財産分与を貰えなくなってしまうというケースもありますので、別居前に、ある程度夫側の財産がどこにあるのかは把握しておく必要があります。

これはDVのケースですが、別居後程なくして旦那が奥様やお子様の荷物の大半を勝手に捨ててしまったというケースもありますので、ご留意下さい。

 

 

(5)置き手紙の活用

 別居の際には、自宅に置き手紙を残すことを私は推奨しています。古典的ですが、あなたが事故や事件に巻き込まれたわけではないことを伝えておく必要がありますし、執拗に居場所を探されないようする必要があるからです。

 置き手紙の内容は、旦那と一緒にやっていくことができないと考えたので別居を決断したこと、元気にしているので探さないで欲しい、といったことを簡単に記載しておけば構いません。

 私の依頼者の方からは「LINEやメールで伝えるのではダメですか?」と質問されることが多いのですが、置き手紙の方が無難なことが多いです。といいますのは、LINEやメールで伝えると、夫側に対して「LINEやメールが連絡手段として生きている」と伝えるようなものなので、その後、夫側からしつこくLINEやメールが来る危険性が増すからです。

 

 

5.まとめ


・Xデー(別居開始日)までの過ごし方は、事前に夫の同意を得ているかそうでないかで異なる。

・事前にモラハラ夫の同意を得ている場合の過ごし方

  • モラハラ夫の気が変わらないように、可能な限り早く別居をスタートしてしまう
  • もしモラハラ夫の気が変わっても説得してくれる人に事情を話しておく
  • お子様への説明方法などを夫と相談して決める

・事前にモラハラ夫の同意を得ていない場合の過ごし方

  • モラハラ夫に別居計画が知られないように注意する
  • 親族や友人の支援体制を整えておく
  • お子様への説明のタイミングや説明方法を慎重に検討する
  • 慎重に持ち出す荷物の準備も進めておく
  • 置手紙の準備をしておく

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑬】皆さんXデーはいつ頃に設定しているのでしょうか?

2025.01.13更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

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1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.皆さんXデー(別居開始日)をいつ頃に設定しているのでしょうか?


 私のところにご相談に来られる方を見ておりますと、Xデー(ここでは「モラハラ夫に別居などを切り出す日付」ではなく「別居開始日」という意味でXデーという言葉を使っています)について、大きく分けると2パターンがあります。

 一つ目は、既におおよそのXデーを決めてしまっているパターンがあります。

もう一つは、状況等に応じて決めるので、現時点ではいつになるのか定かではないというパターンです。

それぞれについて詳しく解説していきます。

 

 

3.【パターン①】既におおよそのXデーを決めてしまっているパターン


 このパターンは、すでに私のところに相談に来る前に別居先も確保し、ほとんど準備が整っているという場合か、まだそこまで準備が整ってはいないものの、子どもの都合を考慮して既にXデーの目星をつけているパターンとがあります。

(1)ほとんど準備が整っているという場合

 既にほとんど準備が整っていますので、あとは準備の詰めをすればいつでも家を出られるというパターンです。

 この場合は、私に相談に来られてから、2週間とか1か月とか、あまり間を置かずにXデーが設定されていることが多いです。

 

(2)子供の都合などを考慮してXデーの目星をつけている場合

 子供の都合を考慮して目星をつけている場合というのは、あと3か月もすれば、子どもが夏休みに入って動きやすくなるので、そのタイミングで別居を考えているとか、年度の途中で転校するよりは、年度の切り替えのタイミングで別居した方が良いということで、3月下旬とかに別居すると決めているようなパターンが多いです。

 あとは、今あなたが働いているパート先の都合や別居先でのパート先候補の都合などで、既に何か月後に別居を始めることを決めているというパターンもあります。

 

(3)実際には「ほとんど準備が整っているケース」と「子供の都合などを考慮してXデーの目星をつけているケース」のどちらの方が多いのか?

 私のところにご相談に来られる方は、「子供の都合などを考慮してXデーの目星をつけているケース」の方が多い印象です。

 と言いますのは、別居の準備にあたって私のところにご相談に来られる方は、これからの別居の準備にあたって不安や疑問を抱えている方が多く、しっかりと準備した上で別居を始めたいという方が多いからです。

 そのため、夏休みとか進級など、数か月間を空けて、十分な準備期間を確保しているという方が多いのです。

 

 

4.【パターン②】具体的目処を立てていないケース


 このケースで最も多いのは、「一旦モラハラ夫に直接話をしてみるので、その様子によっていつ頃になるのかがまだ見通せない」というパターンです。

モラハラ夫が完全に納得することはないだろうけれども、ある程度は納得させてから別居したいという場合などでは、何度か話し合いをしなければならないので、いつ頃になるのかが見通せないということです。

 あとは、財産分与も考慮した場合、夫側の財産の所在がまだ十分に分かっていないため、その確認などに一定の期間を要するということで、特に目処を設けずに準備するというパターンもあります。

 

 

5.弁護士としては、あまり焦ってXデーを決めないで欲しい。


 あなたとしては、モラハラ夫との別居を決意したのですから、あまり期間を置かずに家を出たいと考えると思います。

 ただ、一度別居してしまいますと、あなたの私物を取りに戻ろうとしても、妨害されてしまうということもありますし、モラハラの証拠を自宅に置いて出てしまいますと、取りに戻ることも難しいケースもあります。

 そのため、「早く別居したい」というお気持ちは分かりますが、「一度家を出てしまいますと、また戻って自宅内を確認するということは難しいので、慎重に準備しましょう」とお話させて頂くことが多いです。

 

 

6.まとめ


・Xデー(別居開始日)については、予め目処を立てている場合と目処を立てていない場合とがある。

・目処を立てている場合とは、既に予め準備がほぼ整っているとか、お子様の都合などで目星をつけている場合などが主なケースである。

・目処を立てていない場合とは、モラハラ夫側と話をしてみるので、その話の行く末によって状況が変わるかもしれないというのが主なケースである。

・弁護士としては、あまり焦ってXデーを決めないで欲しいという話をすることが多い。

 

 

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>【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑧】別居や離婚のことをどのように夫側に伝えているか?

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑫】別居先は遠方にするか近場にするか?

2025.01.06更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.別居先選び


 モラハラ夫との生活に強い恐怖感・不快感や倦怠感を持つようになった場合、別居や離婚が頭によぎるようになると思います。

 夫側に改善を要求したものの、一時的にしか改善されない、もしくは、改善すらされない、酷いケースですと、改善しないばかりか、これまでの被害が余計に悪化していくというケースすらあります。

 このような状況ですと、あなたは夫との生活を断念し、離婚の前提として別居を真剣に考えていくことになると思います。別居先の検討要素等について、以下の通り詳しく解説していきます。

 

 

3.別居先は近くがよいのか遠くがよいのか?


 別居といった場合にまず考えなければならないのは、別居先の問題だと思います。

 具体的な細かい場所はともかく、別居先選びにあたって大きな視点で、今の自宅の近くが良いのか、遠い場所の方が良いのかという点を検討する必要があります。

 

 別居先を近場とするのがよいのか遠隔地にするのがよいのかは、詳しくは、以下のような要素を総合して検討してみてください。

 

①同居中の夫の行動や言動等

 もちろん、同居中の夫からの暴力が日常的であったような場合には、できる限り遠隔地に転居した方が安全でしょうし、他方、夫のモラハラは無視が主体的であったという場合には、さほど遠隔地にまで転居しなくて良いかもしれません。

 夫の危険性とも言えますが、危険度の高低によって、別居先選択は大きく影響すると思います。

 また、モラハラ夫があなたにどのくらい執着しそうなのかによっても別居先選択の方向性は大きく影響します。この点は、同居中のあなたに対する監視や行動制限がどの程度のものだったのかによって見極めることができます。

 

②経済的問題

 仮に、夫の側から婚姻費用として生活費をもらうことを意図していたとしても、残念ながら、DV・モラハラ夫から生活費を回収するためには時間がかかってしまうこともあります。

 そのため、あなた自身の現在の収入に不安がある場合には、まずは実家に避難して、経済的な不利をカバーするというケースも多くあります。

 いずれにしましても、経済面は、今後のあなたの生活にとって非常に重要な要素なので、今後のあなたの生活が経済的に立ちゆかなくならないよう慎重に別居先を選ぶ必要があります。

 

③お子様の意見や教育面

 お子様が小学校高学年以上になると、小学校での友人が重要な存在になるというケースも多くあります。また、離婚や別居でただでさえお子様に心理的影響を与えるので、せめて教育環境は変化させたくないと考えることは、あり得ることかと思います。同じ学区内で引っ越すとなるとどうしても近場に引っ越す形になってしまうと思います。

 そのため、お子様の意見や教育面も、別居先選びの検討要素になります。

 ただ、最初は転校を嫌がっていたけれども、実際転校してみるとスムーズに馴染むことができたということも多いようです。

 

 

4.実際皆さんは近場と遠隔地どっちに転居したのか?


 私が担当している事件を見ておりますと、比較的自宅近くに別居した方もいれば遠隔地に別居した方もいます。別居先をどのように決めたのかについては、色々なご意見がありましたので、以下で説明を交えながら、詳しくご紹介いたします。

 

(1)夫が暴力を振るうので、シェルターに避難した。

 夫がモラハラにとどまらず、直接あなたに対して暴力を振るうようなケースですと、あなたの居場所が知られることそのものが身の危険を生じさせることになります。

 シェルターに避難することができれば、あなたが住んでいる場所を知られるリスクはほとんどなくなりますので、夫が暴力を振るうようなケースでは、シェルターに避難するケースも多いです。なお、シェルターにいられる期間は限られていますので、その方は、シェルター退所後は母子寮に転居して暮らしています。

 

(2)夫が暴力を振るうので、遠隔地を別居先にした。

 様々な事情からシェルターでの生活を選択しなかった場合や、一時はシェルターに避難した場合でも、通常シェルターにいられる期間は限られていますので、その後に、全く夫が知らない場所に引っ越す(前述の母子寮だけでなく、都営住宅等に転居なさる方などもいます)というケースなどです。

 夫が暴力を振るうようなケースでは、前述同様相手にこちらの居場所を知られないようにする必要がありますので、夫が居場所を探っても分からない場所に別居するのです。

 夫に居場所を推測されないようにする必要がありますので、あなたの実家や親戚の家の近く等は避けることが多いです。

 

(3)夫が暴力を振るうので、遠くの親戚の家に仮住まいさせてもらうことにした。

 これまでの説明同様夫が暴力を振るうため、どこか遠くに別居する必要があるけれども、通常の借家だと家賃が高いという場合などに、遠くの親戚の家に住まわせてもらうということもあります。

 ただ、親戚の家の所在を夫が知っていては避難の意味がありませんので、例えば、親戚名義の建物だけれども、親戚本人は住んでいないし、夫にも所在が発覚していない場所に避難するケースなどです。

 

(4)経済的な問題もあって実家に戻ることにした。

 別居を決断したけれどもすぐにしっかりとした収入を得ていくことが難しいとか、小さいお子さんがいらっしゃって実家の協力が必要だということで、実家に避難するケースです。これらの事情がある場合には、実家への避難が最有力候補になることも多いと思います。

 

 ただ、実家に避難する場合、モラハラ・DV夫に居場所を把握されるリスクが非常に高いので、以下のような要素を総合的に検討して判断するのがよいと思います。

(メリット1)家賃負担を軽減でき、経済的負担を抑えることができる。

(メリット2)お子様がいる場合など実家の協力が期待できる。

(メリット3)モラハラ・DV夫も、こちらの実家には頭が上がらないので、実家にいることで安全性が増す。

(デメリット1)居場所がバレやすく、玄関先で騒がれるケースなどもある。

(デメリット2)元々実家との折り合いがあまり良くないと、家庭内がぎくしゃくするリスクがある。

(デメリット3)お子様の通学先や通園先の当たりがつけやすくなるため、通学途中や通園途中の連れ去りのリスクが生じる。

 

(5)子どもを夫に会わせる手間等も考え、それほど遠くない場所に引っ越した。

 夫が直接の暴力を振るうわけではなく、また普段はほとんど暴言等を発しないというような場合には、自宅近くに引っ越すというケースもあります。

 夫が子どもを可愛がっており、子どもも懐いているという場合、無理に引き離すことはあまり望ましくありませんし、夫と子どもとの関係が良好であれば、円満な離婚につながる可能性もあるので、自宅近くに転居するのです。

 このような場合、引っ越し先が近距離なため、夫が頻繁に引っ越し先まで来て入り浸ると言ったケースが生じやすいため、こちらの離婚意思や別居意思をしっかり伝えておくなどして、半同居状態のような格好にならないよう注意が必要です。

 

 また、夫が普段から暴言ばかりではないとしても、感情的になるとどのような行動に出るか分からないという場合には、例えば、①まずは、2週間程度実家に転居して様子を見て、②ほとぼりが冷めた頃に自宅近くの別居先に避難し、そこで生活を落ち着かせるという方法を取ることもあります。このような場合には、①の別居開始の時点で早めに弁護士から夫宛に通知を送り、夫が感情的な行動に出ないよう予め牽制しておくという方法を取ることも多くあります。

 

(6)子どもの学校を転校したくなかったので自宅近くに住むことにした。

 このケースも、夫が直接の暴力を振るうわけではなく、また普段はほとんど暴言等を発しないというような場合が想定されます。

 特にお子さんが小学校高学年で、ほとんどの同級生が同じ公立中学校に進学するといった環境ですと、お子さんの教育環境に配慮して、学区が変わらない範囲で転居すると言うことです。

 なお、学校と習い事いずれが重要なのかを見極めて検討する必要があるケースもあります。何を言っているのかと言いますと、例えば、学校に馴染んでいるというよりも、実際には、同じサッカークラブの友人と仲が良いという場合、①そのサッカークラブに通い続ける前提で近場に転居するという選択肢もありますが、他方で、②サッカークラブ等ですと、モラハラ夫が見学や観戦に来てしまうリスクが高いということを考慮して、敢えて遠隔地に転居するという選択肢もあるのです。

 

 もちろん、お子さんの教育環境は重要ですが、お子さん自身は夫との接触を強く嫌がっているといった場合には、あまり住居が近いと、夫から面会交流を頻繁に求められるリスクも高くなりますので、そのようなリスクも考慮しながら引っ越し先を検討する必要があります。

 

 

5.まとめ


・別居先選びの検討要素として重要なものは①夫の同居中のDVやモラハラの状況・程度、②あなたの今後の経済面、③お子様の意見や教育面といった点になる。

・モラハラ・DVの案件では、別居先として以下のようなところが選ばれている。

 ①シェルター

 ②遠隔地の親戚の家(夫に居場所が全く判明していない場所)

 ③実家

 ④自宅近くの賃貸マンションを借りた

 

 

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【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑪】別居準備はどのような点に注意しているのでしょうか?

2024.12.23更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

以下では、このようなモラハラ夫と別居するにあたって検討すべき事項11項目について解説していきます。

 

 

2.【検討項目①】事前に夫に相談した方が良いか?


 何も言わずに別居してしまうと、後から何を言われるか分からないし、他方で、事前に話してしまうとその際にどのような仕打ちを受けるか分からないと言うことで、悩まれている方も多くいます。

 基本的に、これまでにもあなたへの誹謗中傷等がひどく、別居を相談すると、さらにどんな誹謗中傷を受けるか分からないといった場合には、事前に話をすると重大な被害につながりかねないため、自分の身の安全を守るためにも、事前に話をしない方が良いと思います。また、夫からの度重なる暴言であなたが精神的に不調を来しているというような場合にも、無理に事前に話をしない方がよいと思います。

 他方で、そこまで極端な被害はないという場合には、事前に離婚や別居を切り出した方が良いケースの方が多いかと思います。ただ、この場合にも、相手がどのような行動に出るか予測できないという場合には、事前に別居話や離婚話をするか慎重に検討する必要があります。

 事前に何も相談せずに別居を開始してしまうと「悪意の遺棄」になってしまい、後から離婚しづらくなるのではないかと考えている方もいます。しかし、きちんとした離婚の理由がある場合、事前に相談せず別居したからと言って離婚にあたって不利になることはほとんどありません。

 

 

3.【検討項目②】絶対にこちらの動きを察知されないこと


 事前に夫側に別居を切り出さずに別居しようとする場合、別居の準備をしていることを夫側に察知されないようにすることが非常に重要になります。これを察知されてしまうと、別居を妨害されたり、別居準備を進めていることを厳しく批難されることになりかねません。

 私が担当したケースでも、別居準備中に夫側に察知されてしまい、なかなか別居できなかったというケースもありますので、細心の注意が必要です。

 夫側に別居準備のことを知られてしまった原因としては、①夫が奥様の携帯電話をこっそり盗み見ており、その中で発覚してしまったケース、②別居準備のために子どもの小学校転校の話等を現在の通学先小学校に相談していたところ、夫側が小学校に問い合わせて発覚したケース、③区役所に児童手当や保険切替の相談をしていたところ、夫側が区役所に問い合わせて発覚したケース等があります。

 別居準備中は別居先住所等の情報は最大限外部に知られないようにし、自身の携帯電話等も夫が勝手に見られないようにする等の注意を払って準備を進めていく必要があります。

 

 

4.【検討項目③】親族・友人等の支援体制を整えること


 特に夫側に事前に告げずに別居を開始した場合、夫があなたの両親等の親族や親しい友人等に執拗に連絡を取るというケースもあります。

 そのため、少なくとも夫側が連絡をしそうな先については予め別居のことを話しておいた方が良いケースが多いです。合わせて、ご自身の状況等を相談できるようであれば相談すると心強いかと思います。

 このように支援の輪が広ければ心強いとは思いますが、情報が拡散し過ぎますと、どこかで夫側が別居先の情報等を察知してしまう危険性が増して行くことになりますので、支援の依頼先の範囲については慎重な検討が必要です。

 

 

5.【検討項目④】置き手紙の活用


 別居の際には、自宅に置き手紙を残すことを私は推奨しています。古典的ですが、あなたが事故や事件に巻き込まれたわけではないことを伝えておく必要がありますし、執拗に居場所を探されないようする必要があるからです。

 置き手紙の内容は、旦那と一緒にやっていくことができないと考えたので別居を決断したこと、元気にしているので探さないで欲しい、といったことを簡単に記載しておけば構いません。

 私の依頼者の方からは「LINEやメールで伝えるのではダメですか?」と質問されることが多いのですが、置き手紙の方が無難なことが多いです。といいますのは、LINEやメールで伝えると、夫側に対して「LINEやメールが連絡手段として生きている」と伝えるようなものなので、その後、夫側からしつこくLINEやメールが来る危険性が増すからです。

 

 

6.【検討項目⑤】捜索拒否願の提出・警察への事前相談


 これはケースにもよると思いますが、突如別居を開始すると、夫側が大騒ぎをしかねないという場合には、予めあなたの方から警察に対して「捜索拒否願」を提出することも検討して下さい。

 捜索拒否願を提出しておけば、警察が捜索願を受理することはありませんし、夫側が警察に相談しに来た際に「奥さんがどこにいるかは教えられないが無事だから探すようなことはしないように」と伝えてくれますので、安心です。
 なお、警察署によっては、捜索願が出る前の捜索拒否願の受付はしていない、とか、捜索願が出ても旦那さん側にあなたの住所は教えないから、拒否願は出さないで大丈夫だと指導を受けることもあります。そのような場合には警察の指導に従う形で結構かと思います。
 また、夫側があなたの職場を知っていて付きまとい行為をする可能性があるとか、子供の学校を知っていて子供を尾行してきそうだといったケースの場合には、捜索拒否願ではなく、警察署の生活安全課に事前に相談をし、別居時に警察から夫側に電話連絡をしてもらうよう依頼するとか、実際に付きまとい行為が始まった場合には注意・警告をしてもらうということもあります(なお、別居時の電話連絡は、応じてくれる警察署と応じてくれない警察署があります)。

 

 

7.【検討項目⑥】別居のタイミングの見極め


 お子様が小学校に通っているというような場合には、夏休みの時期が最もお子様の休みが長く動きやすいというケースも多いと思います。実際にも夏休みの別居に備えて事前に準備を進めているという方も多くみられます。
 ただ、児童虐待の内容が悪化していて夏休みまで待つことができないということもあると思いますので、別居のタイミングは、①事前の準備がどこまで整っているか、②お子様の長期休みなど身動きがとりやすいタイミングがいつか、③児童虐待がどこまで悪化してしまっているのか、といった点を総合して検討すべきかと思います。

 

 

8.【検討項目⑦】住民票の移動は慎重に


 別居先に転居した際には、住民票を移動すべきかという問題があります。各種行政サービスを受けるにあたっては住民票を移動しておいた方が手続は円滑なことが多いですが、安易に移動してしまいますと夫側に居場所を知られる危険性が生じます。

 夫が同居中暴力をふるってきていたといったような場合、その被害者として役所に申請を提出しておけば、夫側があなたの住民票を入手することはできなくなりますが(これを「支援措置」と言ったりします)、役所のミスで住所が発覚してしまうというケースも実際にはあります(ただ、最近はこのようなミスはほとんどなくなっていると聞きます)。
 そのため、行政サービスを受けるため等、その他現実の必要性が生じてから住民票は移動した方が安全だと思います。

 

 

9.【検討項目⑧】健康保険の件


 あなたやお子様の健康保険が、旦那様の健康保険の被扶養者になっている場合、あなたやお子様が病院にかかると、その情報が旦那様側に通知されます(これは1か月ごとであったり、1年でまとめて通知されたり、健康保険組合によって取り扱いが異なるようです)。
 そのため、今後もその健康保険証を使い続ける場合には、病院にかかる場合には極力別居先付近の病院ではなく、元の自宅付近の病院に通うようにするなどの配慮が必要です。
 なお、同居中から、あなた自身が独自に健康保険に加入していて(要するにあなた自身に相当額の収入があって、勤務先の健康保険に加入しているということ)、お子様の健康保険もその保険に入れたいというケースもあるかもしれませんが、通常は夫側の協力が必要であったり、健康保険組合によっては正式に離婚が成立しない限り被扶養者資格の喪失が認められないということもあります。

 

 

10.【検討項目⑨】お子様の携帯電話


 お子様の利用する携帯電話に位置情報機能が付いており、そのことを失念したままお子さまの携帯電話をもって別居先に転居してしまいますと、当然、位置情報から、夫側がこちらの居場所を知ってしまうケースもあります。
 位置情報機能は解除したつもりでも、夫側の遠隔操作で再設定できるということもあるようですので、この点は細心の注意が必要です。
 そのため、可能な限り、お子様の携帯電話は自宅に置いて別居するとより安全です(お子様の携帯電話の中に、夫側に知られたくない情報が入っている場合にはその消去やデータ初期化も必要です)。

 

 

11.【検討項目⑩】必要に応じて、早めに弁護士に相談する


別居の手順等について悩むような点がある場合には、弁護士を雇うかどうかは別として、直接質問すべく相談することをオススメしています。

このブログでかなり詳しめに解説いたしましたが、ご家庭の状況は皆さま異なると思いますので、ご家庭の状況に応じた疑問点等もあると思いますから、そのような点は直接質問することで初めて解消できると思うからです。

 

 

12.【検討項目⑪】別居時の持ち物リスト


別居の際には持ち出し漏れ等がないよう、以下の関連記事を参照の上、荷物の整理をしてみて下さい。

関連記事>>「ついに別居を決意!これだけは持って出よう!」
 なお、モラハラ夫名義の財産としてどのような財産があるか全く分からない状況で別居を始めてしまいますと、離婚の際に十分な財産分与を貰えなくなってしまうというケースもありますので、別居前に、ある程度夫側の財産がどこにあるのかは把握しておく必要があります。

これはDVのケースですが、別居後程なくして旦那が奥様やお子様の荷物の大半を勝手に捨ててしまったというケースもありますので、ご留意下さい。

 

 

13.まとめ


○事前に夫側に別居する旨を相談した方が良いかはケースによる。
○別居準備は絶対に夫側に察知されないように進める。
○別居にあたっては、親族・友人等の支援体制を整えた方が良い。
○別居の際は自宅に置き手紙を残す方が良い。
○ケースによっては、警察には捜索拒否願を提出したり、付きまとい防止のために相談しておいた方が良い。
○別居タイミングについては、お子様の長期休みを一つの目安として、児童虐待の悪化の程度も見極めながら判断した方が良い。
○住民票の移動は、時期を含めて慎重に検討した方が良い。
○健康保険が旦那側の健康保険の被扶養者になっている場合には、別居後の受診には注意が必要である。
○お子様の携帯電話(位置情報の検索ができるもの)については、自宅に置いて別居したほうが良い。
○別居の方法等で悩むようなことがあるなら、早めに弁護士に相談だけでもしておいた方が良い。
○別居の際には持って出る荷物についても検討しておく必要がある。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑩】別居や離婚話を切り出したときの夫側の反応は?

2024.12.16更新

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1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 以下では、あなた自身がモラハラ夫に対して別居や離婚の話を切り出したときにモラハラ夫がどのように反応することが多いのかについて解説していきます。なお、実際に別れ話を切り出してみると、こちらが予測していたのとは異なる反応を示すこともありますので、予め心の準備をしておくという意味でも参考にして頂けるとありがたいです。

 

2.【ケース1】モラハラ夫が全く真剣に受け取ってくれない


 私が事件を担当していて、モラハラ夫の反応として一番多いと思われるのが、真剣に受け取らないという反応です。
 特に、あなたが専業主婦であったり、パート勤務で収入が少ないような場合には、「離婚しても自分の収入だけで生活できるはずがない」などと考えるモラハラ夫が多いようです。
 また、これは別れ話のタイミングにもよるのですが、夫婦喧嘩の際などに、別れる旨を話した場合には、モラハラ夫は、こちらが一時的な感情で離婚や別居を口にしたと誤解しているケースも多いです。
 このようにモラハラ夫が真剣に受け取らないという場合には、真剣に受け取るような伝え方をしていくのが良いと思います。例えば、お互いの両親を交えた大家族会議のような形式をとるとか、具体的な別居開始日を決定してしまって話をするとか、もしくは、別居開始後に改めて話をするといった方法が考えられます。

 

 

3.【ケース2】モラハラ夫が急に神妙になる・謝ってくる


 モラハラ夫は、家庭内ではモラハラ発言等ばっかりであっても、家庭の外では、まるで別人のように社交的にふるまうというような人物も多いです。そのようなモラハラ夫の共通点としては、「自分がどのように行動すると自分に有利になるのか」と言ったことを計算できるということです。
 そのため、あなたが真剣に別居や離婚のことを伝えると、一旦はあなたを落ち着かせたほうが良いと考え、モラハラ夫は神妙になったり、急に謝ってくるのです。

 

 このような場合によく質問を受けるのが「今は神妙にしているけれども、演技なので長続きしませんよね?」といったご質問です。
 私は実際にあなたの夫に直接会ったことも直接話したこともないため確証をもってお話しできないのですが、「これまでのモラハラ行為の重症度に応じて推測するしかありません」とお答えすることが多いです。これまでのモラハラの重症度が重い場合には、残念ながら、今は神妙にしていても長続きしなかったり、モラハラ行為が再燃する確率が高いと言えますし、逆に、これまでのモラハラの重症度がそこまで重くない場合には、モラハラ行為が再燃する確率は高くはないかもしれません。

 

 実際に私が担当したケースですと、反省が長続きしないケースだと「数日で元に戻ってしまった」というケースもあります。

 なお、モラハラ夫がこれまで一度も謝ったことがなかったような場合には、今回初めてモラハラ夫が謝ってきたことであなたも嬉しくなってしまい、安心してしまうということもありますが、残念ながらそれが演技の可能性もありますので、今後も多少なりとも用心しながら生活したほうが良いと思います。

 

 

4.【ケース3】モラハラ夫が猛反発してくる


 重症のモラハラ夫でよくあるケースですが、あなたが真剣に別れ話をしたことで、猛反発してくるケースです。
 そもそも、モラハラ行為をする人間は、自分が悪いことをしていないと考えている人が多いです。「あなたが俺を怒らせるのが悪い」「怒らせる原因を作ったのはあなただ」「あなたの家事があまりに不十分なので注意しただけで、感謝されても責められる謂れがない」といった発想です。
 このようにモラハラ夫としては何も悪いことをしていないと考えていますので、突如あなたから離婚や別居を突き付けられて、信じられない思いや、もっと家族円満にできるようあなたの方が努力すべきだなどと強く反発してくるのです。

 このような場合、あなた一人でこれ以上別れ話を進展させていくことは難しいですし、あなたのモラハラ被害が拡大していくだけなので、他の親族の協力を得るなど話の持って行き方や、離婚に向けての手順等をしっかりと検討していったほうが良いと思います。

 

 

5.【ケース4】表面的に波風を立てないようにしつつ離婚準備を始める


 表面的にモラハラ夫側の動きが見えにくくなるので、一番油断がならないケースです(ただ、私が実際に担当した事件でも、このように対応するモラハラ夫はごく少数です)。

 例えば、①表面的にはこちらへの圧が大きく軽減されたが、子供への関わりが非常に積極的になったケース(最悪離婚になっても、新件を獲得すべく準備しているケース)、②表面的にはモラハラ発言等が大きく減ったが、預金をインターネットバンキングに変更したり、これまで置いてあった共用スペースから勝手に移動し始めた(最悪離婚になっても、財産分与でなるべくお金を渡したくないので、財産隠ぺいを目論んでいるケース)といったものが考えられます。
 モラハラ夫はこちらの予想以上に計画的に準備を開始している可能性もありますので、十分用心する必要があります。

 

 

6.上記のケースはあくまで代表例であること


 上記で詳しく解説したケースはこれまで私が直接担当した事件での実際の事例なのですが、あくまで代表的なものに過ぎません。
 そのため、前述のケースの枠に入らない反応を示すケースもあると思います。
 また、前述のケースは、必ずしも、どれか一つのみが当てはまるということではありません。複数が当てはまるというケースも往々にしてありますので、この点も留意が必要です。

 

 

7.まとめ


・奥様が直接モラハラ夫に別れ話などを切り出したときの夫側の反応としては以下のようなものがある。
 ①全く真剣に受け止めない
 ②急に神妙になる・謝罪してくる
 ③猛反発してくる
 ④表面的には波風を立てないようにしつつ離婚準備を進める
・これらはあくまで代表例なので、違うケースもあり得るし、複合的なケースもあり得る。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑨】夫側に何も伝えずに別居を始める人は多いのでしょうか?

2024.12.02更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

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1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.実際に何も伝えずに別居を始める人は多いのか?


 結論から申しますと、事前に何も伝えずに別居を開始する人はかなり多いです。

 特に離婚調停の席で、この話題が出ると、調停委員は、「事前に何も話さずに家を出る人はかなり多いですよ」と答えてくることが多いです。

 事前に話をすることでこれまで以上にモラハラ被害を受ける危険性があると感じたとか、事前に話をすると別居を妨害されそうだと感じたというようなことで、事前に話をせずに別居を開始しているようです。

 

 

3.夫や調停委員から責められないのか?


(1)モラハラ夫は責めて来ることが多い

 まず、モラハラ夫から責められないのか?という点ですが、お察しの通り、モラハラ夫からは、「突然妻が出て行ってびっくりした」「こんなひどい仕打ちはあんまりだ」という言い方をしてくることが多いです。

 ただ、事前に話をしていれば責められないのかと言いますと、「多少妻から話はあったが、しっかりとした話し合いをする前に出て行かれた」とか「何回か話をしたというけど、こちらはいつも反対していた。はっきりとした理由も言わないし、こちらは別居に同意していない」などと言ってきて、結局こちらが責められることは変わらないというケースも多いのが実情です。

 後述の通り、私は、モラハラDVがひどいケースでなければ、事前に話をすることを推奨してはいますが、事前に話をしても、結局別居後にモラハラ夫が責めてくることが多いのも事実です。

 

(2)調停委員は?

 前述の通り、離婚調停になっているケースですと、事前に何も話をしないとかほとんど話をせずに別居を開始するケースの方が多いので、調停委員があなたを責めて来ることはほぼありません。

 そのため、「調停委員から責められるかしれない」という心配はありません。

 

 

4.弁護士としては、モラハラDVがひどくないようなら事前に話をすることを推奨している


モラハラ離婚のケースで一番悩まれるのは、離婚することや別居することを事前に相手に伝えるべきかという問題だと思います。
 何も言わずに別居してしまうと、後から何を言われるか分からないし、他方で、事前に話してしまうとその際にどのような暴言・態度を受けるか分からないと言うことで、悩まれている方が多いです。

 基本的に、モラハラの内容がDVの一歩手前といえる様な深刻な内容の場合には、事前に離婚や別居を切り出さずに別居を開始した方が良いことが多いと思います。事前に話をすると重大な被害につながりかねないため、自分の身の安全を守るためにも、事前に話をしないのです。また、度重なるモラハラで精神的に不調を来しているというような場合にも、無理に事前に話をしない方がよいと思います。

 

 他方で、モラハラ被害がそこまで大きくはないという場合には、事前に離婚や別居を切り出した方が良いケースの方が多いかと思います。ただ、この場合にも、相手がどのような行動に出るか予測できないという場合には、事前に別居話や離婚話をするか慎重に検討する必要があります。

 事前に何も相談せずに別居を開始してしまうと「悪意の遺棄」になってしまい、後から離婚しづらくなるのではないかと考えている方もいます。しかし、モラハラ被害防止というきちんとした理由がある場合、事前に相談せず別居したからと言って離婚にあたって不利になることはほとんどありません。
 ただ、事前に何も伝えておかないと、①こちらの真意がいつまでもモラハラ夫に伝わらない、②離婚協議を始めても、先方の反発が強くて手続が大きく遅延していってしまうというリスクもありますので、事前に話ができるようなら、極力話はしたほうが良いと思います。

 以下では、基本的な注意点について詳しく解説していきます。 

 

 

5.最低限置き手紙は残す


(1)何も残さずに別居することは混乱のもとである。
まず、置き手紙も何も残さずに別居を開始してしまいますと、モラハラ夫は、あなたの職場や実家、親族、果ては警察など様々なところに電話をかけまくったり、直接訪問してくることもありますので、混乱を避けるためには、少なくとも置き手紙くらいは残したほうが良いと思います。

 

(2)置き手紙には何を書くか?

 置き手紙のボリュームをどの程度にするかは、あなた自身の考え方にもよるのですが、大きく分けると以下のようなことを盛り込むことが多いと思います。以下、詳しく解説していきます。

 ①離婚を前提とした別居であることの明記

 ②別居を決意した理由の説明

 ③子ども達と一緒に家を出るが元気にしている旨

 ④くれぐれも探さないでほしい旨

 ⑤今後の連絡先(担当弁護士の電話番号等)

 詳しく説明していきますと、①については、離婚を前提としていることはしっかりと伝えることが多いです。一旦冷却期間を置くための別居だと誤解されては困りますので、この点を明記するのです。
 次に、②につきましては、どこまで細かく記載するかはあなた次第です。ただ、あまり細かい事情を書いても、モラハラ夫がそのことを理解するとはとても思えませんので、簡潔に記載することが多いと思います(短い場合には、2,3行で済ませるケースも多いですが、しっかりと気持ちを伝えておきたいということで何十行も書く人もいます)。私としては、モラハラ夫が反発してくることを想定して、簡潔に書くようアドバイスすることが多いです。

 

 上記の③については、モラハラ夫側が、妻は置いておくとしても、子供達が安全なのかが心配ということで騒ぎ立てることを防止するために、この点を記載することも多いです。
 また、④については、前述の通り、納得いかないとモラハラ夫はあなたを探し回る人もいるため、くれぐれも探さないよう伝える文言です。
 なお、実際にはあなたは浮気などしていないのに、同居中から、妻があなたの浮気を執拗に疑っていたケースとか、あなたの居場所を伝えないと職場に迷惑がかかりそうだといったケースですと、④の箇所で「今後は実家で暮らします」というように、あなたの居場所を伝えてしまうケースもあります。
 ただ、このように書いてしまうと、モラハラ夫が実家に乗り込んでくることも多いので、どこまで書くかは慎重に検討したほうが良いと思います。

 

 最後の⑤については、あなたの別居先住所を伝えるという意味ではありません(ケースによっては、あなたの住所は絶対に伝えないほうが良いというケースも多いかと思います)。担当の弁護士が決まっているようでしたら、弁護士の連絡先を書いたり、「追って近日中に弁護士から手紙が届きます」と書いたりします。また、あなたのご実家のお父様に間に入ってもらう場合には「今後は父の携帯電話までご連絡下さい。私宛の直接の連絡はお控えください」と書いたりします。

 

 

6.まとめ


・実際上、事前に話をせずに別居を始める人は多い。

・事前に話をしないとモラハラ夫は後から責めて来ることが多い。

・ただ、事前に話をしてもモラハラ夫は後から責めて来ることが多い。

・調停委員から責められることはほとんどない。

・モラハラDVがひどいケースでない場合、弁護士としては事前に話をすることを推奨している

・最低限置き手紙は残して家を出たほうが良い。

・置手紙には最低限書いておいた方が良い事項がある。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑧】別居や離婚のことをどのように夫側に伝えているか?

2024.11.25更新

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1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.事前にモラハラ夫に話した方が良いか?


モラハラ離婚のケースで一番悩まれるのは、離婚することや別居することを事前に相手に伝えるべきかという問題だと思います。
 何も言わずに別居してしまうと、後から何を言われるか分からないし、他方で、事前に話してしまうとその際にどのような暴言・態度を受けるか分からないと言うことで、悩まれている方が多いです。

 基本的に、モラハラの内容がDVの一歩手前といえる様な深刻な内容の場合には、事前に離婚や別居を切り出さずに別居を開始した方が良いことが多いと思います。事前に話をすると重大な被害につながりかねないため、自分の身の安全を守るためにも、事前に話をしないのです。また、度重なるモラハラで精神的に不調を来しているというような場合にも、無理に事前に話をしない方がよいと思います。

 

 他方で、モラハラ被害がそこまで大きくはないという場合には、事前に離婚や別居を切り出した方が良いケースの方が多いかと思います。ただ、この場合にも、相手がどのような行動に出るか予測できないという場合には、事前に別居話や離婚話をするか慎重に検討する必要があります。

 事前に何も相談せずに別居を開始してしまうと「悪意の遺棄」になってしまい、後から離婚しづらくなるのではないかと考えている方もいます。しかし、モラハラ被害防止というきちんとした理由がある場合、事前に相談せず別居したからと言って離婚にあたって不利になることはほとんどありません。
 ただ、事前に何も伝えておかないと、①こちらの真意がいつまでもモラハラ夫に伝わらない、②離婚協議を始めても、先方の反発が強くて手続が大きく遅延していってしまうというリスクもありますので、事前に話ができるようなら、極力話はしたほうが良いと思います。

 以下では、基本的な注意点について詳しく解説していきます。 

 

 

3.モラハラ夫から猛反発される危険性が高いなら、事前に話さないほうが良いかもしれない


 前述の通り、モラハラ被害がどの程度のものなのか、あなた自身の体調面を考慮して、事前に話をするかどうかは決めたほうが良いと思いますが、モラハラ夫がどのような反応を示すのかということも考慮要素にしておいたほうが良いと思います。

 

 と言いますのは、こちらから別居話をした際に、モラハラ夫が猛反発してくることが強く予測される場合には、「話をしたことで余計に別居しづらくなる」という事態に陥りかねませんので、そのような場合には、事前に話をしない方が良いかもしれません。
 モラハラ夫が猛反発し始めた場合、そんな中で別居を開始すると、「こちらが大反対している中で勝手に出ていった」と言われるリスクが高まってしまうと思います。

 

 

4.実際皆さんどうしているのか?


 これは全体的な傾向になるのですが、ご相談に来られる方が、弁護士への依頼をどこまで真剣に考えているかによって大きく異なるように感じます。

 既に弁護士に頼むことを決断している場合には、多少はモラハラ夫に話をするけれども、その後の話は弁護士に任せてしまうとか、ほとんど話をしないで別居をする(置き手紙だけを残す)というパターンが多いように感じます。

 これに対して、弁護士を立てるとモラハラ夫が強く反発してきそうだと考えて、自分でできるところまで話をしたいという方の場合は、時間と根気をかけて話をしている方が多い気がします。

 どちらが絶対的な正解ということはありませんので、あなた自身でよく考えて決断して欲しいと思います。

 

 

5.自分で夫に話をすると決意した場合、伝え方の工夫等はあるか?


 自分でモラハラ夫に話をすると決意した場合、どのように伝えるべきかと相談を受けることがあります。その場合、私からは以下のようにアドバイスしています。

 

(1)【離婚を切り出すポイント1】お互いが冷静な状況・環境で離婚を切り出す

 夫婦を長年続けておりますとどうしてもカッとなってしまうこと、喧嘩をしてしまうこともあると思います。

 そんなときに、つい「離婚してやる」とか「離婚して欲しい」と口走ってしまうこともあるかもしれませんが、これではお互いに冷静な話し合いは期待できません。

 

 また、酔った勢いで離婚を申し入れても相手は真剣に受け取らないでしょうし、相手が酔った状況で話をしても、話は進展しないと思います。

 上記のシチュエーションは極端な例ですが、そうでなくとも、①家庭内別居の期間が長く、モラハラ夫が何を考えているのか、何を言い出すのかわかりにくい状況や②モラハラ夫が不機嫌で冷静な話し合いが期待できない状況の場合もあると思います。モラハラ夫が不機嫌な場合には一定期間を置いて冷静になるのを待ったり、事前にメールやLINE等にて「大切な話があるので時間を取って下さい」と伝えた上で話し合いの日時を決めるなどすることも考えてみて下さい。 

 

 いずれにしましても、お互いが冷静な状況・環境で話をすると言うことは当たり前のことのようでも重要なことです。

 

 

(2)【離婚を切り出すポイント2】具体的なエピソードを思い出す

 離婚のご相談を受けておりますと、抽象的な理由ばかりで具体的に相手のどのようなところが悪いのか、合わないのかがはっきりしないということがあります。

 例えば、「頻繁に暴言を浴びせてくる」とか、「相手はモラハラ夫なんです」と訴えてくる方もいらっしゃいますが、具体的にどのくらいの頻度で(ほぼ毎日なのか、1週間に1回程度なのか等)どのようなことを言ってくるのかが分かりませんと、対応ができません。

 

 ただ、モラハラ夫の嫌いなところを列挙すると、とりとめがなくまとまらなくなってしまうと言うこともあります。

 そのため、まずは、自分が相手とやっていけないと思う「一番の理由」を考えてみて下さい。

 その理由を選び出したら、婚姻中、具体的にどのような行動や言動があったのか重要なことだけでも良いので良く思い出して列挙してみて下さい。

 

 例えば、以下の様なものになります。

(参考例)

 先月上旬にモラハラ夫から「お前のように家事ができない女は要らないから今すぐ出て行け」と言われた。このような発言は、モラハラ夫の指示通りの献立で夕食を準備したのに、帰宅すると「今日はこんなに暑かったんだから涼しいメニューを作れ」などと発言してきて上記の発言につながった。

 相手の言うとおりに作り直していると、モラハラ夫は、空腹に耐えられないと言って家を出て、一人外食をして帰ってきた。

 

 このようにあなたが考える離婚理由を整理しておきますと、いざモラハラ夫と話をする際にも離婚話にメリハリをつけることができます。

 相手がモラハラ夫なのですから、こちらが離婚したい理由を話すと、即座に反論してくる、こちらを批判してくると言うことも予想されます。その反論や批判にすぐには負けないだけの準備をしておいた方がよいでしょう。

 

 なお、口頭だと十分に自分の意見を伝えられないという場合には、事前に手紙を作成しておいて、その手紙を渡してその場で読んでもらうという方法を取ることもあります。

 

(3)【離婚を切り出すポイント3】こちらが本気だと分かってもらう工夫をする

 離婚を切り出す相手はモラハラ夫なので、最初からこちらを下に見ていると言うことも往々にしてあります。特にこちら側が専業主婦という場合には、現状収入を得ていないと言うこともあって、モラハラ夫の側は本気にしてくれないと言う可能性も出てきます。そのため、こちらとしては悩んだ末に、やっていけないと考えて離婚を真剣に切り出しているのに、モラハラ夫からほとんど相手にされないという事態が発生し得ます。

 このような事態を避けるために、どのような方法が考えられるのかを、以下の通りご説明します。

 

①きちんと「離婚」というフレーズを使う

 長い間モラハラ被害受け続けていると、モラハラ夫の機嫌を損なう発言をしにくいというケースも多いです。そのため、遠慮がちに「もうやっていけないと思ってるんだけど」とか「夫婦の今後のことについてどう思ってるの?」と言った曖昧な表現になってしまうこともあります。

 しかし、このような曖昧な表現ですと、モラハラ夫はこちらの離婚意思をしっかりと受けとめてくれないかもしれません。

 そのため、あなたの口から離婚を切り出すと決めたのでしたら、きちんと「離婚」というフレーズを使ってモラハラ夫にきちんと話をして下さい。

 

②実家の両親などに間に入ってもらう 

 あなた自身の口で離婚のフレーズを伝えたのにモラハラ夫が真剣にとらえてくれないというケースもあります。そのような場合には、こちらが真剣に離婚したいと思っていることをアピールするため、ご実家の両親や親戚なども交えて離婚の話をするという方法が考えられます。

 この場合には、相手の両親も一堂に会して家族会議のような形で話をしてみるのもよいと思います。

 ご夫婦同士の直接の話し合いだと、相手が真剣に受けとめないという場合には、このような方法は有効打となることがあります。

 

③どうしても真剣に捉えてくれない場合「別居する」というのも選択肢の一つ

 身内が間に入って話をしてもモラハラ夫が真剣に受けとめないとか、自分に都合の良い捉え方しかしないため話が進まないという場合、別居という手段を取ることも検討してみて下さい。

 この場合は、一時的に実家に戻るという形が多いと思います。

 なお、相手に無断で別居を強行してしまいますと、相手がこちらの実家まで乗り込んでくるなど、話が複雑になりがちなので、別居については相手に相談をした上で進めるのが望ましいと言えます(もちろん、モラハラ被害が深刻な場合等には、くれぐれも無理をせず、場合によっては夫に事前に告げずに別居することもご検討下さい)。

 

④家庭裁判所に調停の申立をする

 ご夫婦が直接話し合うだけでは話が進展しないという場合、家庭裁判所に調停を申し立てるという方法もあります。

 ただ、調停の申立が必要かもしれないと迷われているという場合には、まずは、弁護士に相談してみることをオススメします。

 

 

(4)【離婚を切り出すポイント4】メールやLINEで切り出すことは避ける

 私が相談に乗っておりますと、たまに「もう何年も夫と家庭内別居生活で、必要なことはLINEでやり取りするようにしていますので、離婚のこともLINEで切り出そうと思います」とお話になる方もいます。

 しかし、離婚という重大なトピックですので、メールやLINEでは、モラハラ夫側にこちらの意図が伝わらないケースが多いと思います。

 家庭内別居期間が長い場合、急に夫と顔を合わせて話をすることが難しいということも多いと思いますので、例えば、事前に「大事な話がありますので、今週末時間を作って下さい」とLINEをし、その週末に顔を合わせて話をするとか、あなたの実家のご両親にも立ち会ってもらって、話をするなどの方法も検討してみてください。

 

 

(5)【離婚を切り出すポイント5】冷静な話し合いを維持する工夫をする

 前述の通り、離婚を切り出す際には、冷静に話ができる状況で切り出すべきだと思いますが、話をしていると、お互いにヒートアップしてしまうというケースも往々にしてあります。

 特に、前述のように、あなたの方から離婚の理由を説明し始めると、モラハラ夫側からは「そんなことは言っていない」「誤解している」とか「そんな昔の話を持ち出すなんておかしい」「その話は解決済みだから今更持ち出さないで欲しい」等々様々な反論が返ってくることもあります。売り言葉に買い言葉で夫婦喧嘩になってしまいますと、折角最初は冷静な状況だったのに、途中から、あの時はこうだった、どうだったという話が延々と続いて、収拾がつかないというケースも多いです。

 いずれにしましても、話をしている途中で冷静な話し合いを維持できなくなりそうになった場合には、一旦話は打ち切って、後日改めて、前述のように両親にも立ち会ってもらって話をするとか、冷静な話し合いを維持できる工夫をした方が良いと思います。

 

(6)【離婚を切り出すポイント6】今後の経済面についても考えておく

 元々、モラハラ夫が自分の稼ぎを誇示してきたり、こちらの稼ぎがない・もしくは低いことを酷評してきているような場合には、離婚を切り出したときにも、「離婚してもお前だけでは生活できない」と言われてしまう事が強く懸念されます。

 また、いずれにしても、離婚した後の生活費のことはある程度計画を練っておく必要があります。

 現状専業主婦という場合には、離婚後、実家で暮らし、再就職先を探しつつ生活をしていくという形が一番現実的かもしれませんが、いずれにしましても、離婚後の経済面のことは具体的にイメージしておかないと、モラハラ夫側から、つけ入る隙を与えてしまいます。

 

(7)【離婚を切り出すポイント7】あまりズルズルと引き延ばさない

 離婚というトピックは重たいトピックになりますので、「話しづらい」「気が重い」「夫の反応が怖い」といったことで、ついつい先延ばしにしてしまう事もあります。

 もちろん、現状の生活に決定的な不満があるわけではないということでしたら、離婚を切り出すタイミングを急ぐ必要はないのですが、離婚を固く決意しているようでしたら、あまり話を先延ばしにするメリットはないと思います。

 そのため、しっかりと離婚を決意した場合には、あまり先延ばしにせず離婚話を切り出した方が良いと思います。

 また、一度離婚を切り出した後は、一定期間モラハラ夫側の反応や様子を見る必要があると思いますが、あまり長く引き伸ばしてしまいますと、こちらの離婚の本気度が疑われてしまいます。

 そのため、一度離婚を切り出した後も、あまり長期間間を置かずに、改めて話をしたり、話が進展しない場合には、伝え方を変えるなどの工夫をしていった方が良いかと思います。

 

 

6.伝える前の準備


 あなたの方から別れ話を切り出すと決意した場合、どのように話を持って行ったほうが良いか、どこまで話をするのかという点についてはしっかりと準備することが多いと思いますが、その前に別の準備が必要になります。
 と言いますのは、こちらが別れ話をすると、先方は、最悪離婚になっても良いように自分名義の資産を隠し始めるといったケースがあるのです。
 そのため、別れ話を切り出す前に、①集められるモラハラの証拠は集めておく、②相手の財産のありかを把握しておくということが必要になります。

 

 

7.まとめ


・モラハラの被害が深刻な場合には、事前に別居のことを伝えないほうが良いことが多く、逆に、深刻とまでは言えない場合には、伝えたほうが良いことの方が多い。
・モラハラ夫が猛反発しそうなら、事前に話をしないほうが良いかもしれない。

・これは全体的な傾向だが、既に弁護士に頼むことを決めているような場合には、自分ではあまり深く話をしないことが多く、逆に一旦は頼まない前提の場合には、しっかりと話をすることが多い印象である。
・ ご本人で離婚を切り出す場合、お互いが冷静な状況・環境で離婚を切り出す。

・ 具体的なエピソードを元に離婚の理由を話す。

・ こちらが本気だと分かってもらう工夫をする。

・メールやLINEで切り出すことは避ける。

・冷静な話し合いを維持する工夫をする。

・今後の経済面のことも考えておく。

・あまりズルズルと引き延ばさない。

・別れ話を切り出す前に、①集められるモラハラの証拠は集めておく、②相手の財産のありかを把握しておくということが必要

 

 

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