【絶対に離婚したくない(12)】でも離婚すべきか悩んでいる自分がいるーどうすればよいか?
2023.07.17更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。
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1.絶対に離婚したくないと思いながらも、心の奥底では、離婚した方が良いのかもしれないと思ってしまっている
絶対に離婚したくないと思いながらも、心の奥底では、離婚した方が良いのかもしれないと思ってしまっている、というと、相矛盾しているようにも聞こえてしまいます。
しかし、実際には、このような思いを抱えて私のところにご相談に来られる方はかなりの数いらっしゃいます。
「絶対に離婚したくないのですが、これが私のエゴなんじゃないかと考えてしまうことがあります」とか「離婚はしたくないのですが、そのことで相手を苦しめてしまうのかと思うと、どうすれば良いのか分からなくなってしまいます」、「本音としては離婚したくないのですが、この状況ではヨリを戻すなんて無理なんじゃないかと考えてしまうことがあります」などというお話を聞くことも多いのです。
2.離婚に応じるイコール何もなかったかのように離婚の手続きが進んでいく
この点は良くお話させて頂くのですが、あなたが素直に離婚に応じてしまいますと、相手が離婚を希望する理由や経緯といった点はほとんど吟味されることがなく、離婚の条件(親権者を夫婦どちらにするのか、養育費をいくらにするのか、財産分与をどのようにするのかといった点)の議論ばかりがなされていくことになります。
離婚することが決まっているのでしたら、離婚理由を深堀りして議論する必要がなくなってしまうからです。
そのため、あまり安易に離婚に応じてしまいますと、あなたとしては「消化不良」のまま、各種手続きが進んでいくことになりかねません。
3.「今後後悔しない」というところまで意思が固まったときに離婚に応じれば良い
前述のように、離婚に応じるイコール何もなかったかのように離婚の手続きが進んでいくということを意味しますので、性急に離婚に応じる姿勢を示すことは得策ではありません。
そのため、実際に離婚に応じるのは、「今後後悔しないというところまで離婚意思が固まったときで構いません」とアドバイスすることも多いです。
4.節目は離婚調停開始のタイミング、離婚調停終了のタイミング
前述のようにアドバイスをしますと、「そうすると何時まで粘れますか」と質問を受けることがあります。
そのような際に節目としてお話をするのが、①離婚調停開始のタイミングと②離婚調停終了のタイミングということになります。
離婚調停開始のタイミングというのは、いよいよ家庭裁判所で調停手続きが始まってしまうというタイミングですので、裁判所での手続きをどうしても避けたいという場合には、調停開始前に離婚に応じるという方もいます。
他方で、調停の手続きは、裁判所での話し合いの手続ですから、ひとまず調停には参加し、調停終了間際になった段階で離婚に応じるという方もいます。
もちろん、離婚に応じなければならないということではありませんので、そのまま、離婚裁判を闘っていくという方もいますし、離婚裁判の中で勝訴を目指すという方もいます。
ただ、離婚裁判に発展してしまいますと、証拠をもとに、法律上の離婚原因があるかどうかを突き詰めていくことになってしまいますので、仮に勝訴しても、夫婦として大きなしこりが残ってしまうことは事実です。そのため、そこまではせずに対応するという方が多いのも事実です。
5.離婚調停の際の注意点
相手が離婚調停を起こしてきた場合、基本的にはその調停に出席すべきことになります。
「離婚の土俵で話をしたくない」ということで敢えて欠席するという人もいますが、そうしますと、あなたの気持ちを裁判所でしっかりと伝えていくことができませんので、私は、「出席はした方が良い」とアドバイスすることが多いです。
その場合の最大の注意点が、「悩んでいる姿を調停委員に見せないこと」です。
何を言っているのかと言いますと、調停委員は、「説得しやすい方を説得する」という進め方が多いものですから、あまりあなたが悩んでいるようですと、あなたを説得して離婚で決着させてくる危険性が高まったしまうのです。
そのため、仮に、内心悩んでいるとしても、少なくとも、調停の場では、表情や言葉に表さないよう注意する必要があります。
6.まとめ
・絶対に離婚したくないと思いながらも、心の奥底では、離婚した方が良いのかもしれないと思う方は相当数いる。
・離婚に応じるイコール何もなかったかのように離婚の手続きが進んでいくということなので、注意が必要である
・「今後後悔しない」というところまで意思が固まったときに離婚に応じれば良い
・節目は離婚調停開始のタイミングと離婚調停終了のタイミングである
・調停の席では、悩んでいる姿を見せないよう注意が必要である
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