【こんな小さい子がいるから絶対離婚できない(21)】不倫夫から「セックスレスだったじゃないか!」と責められるのですが、私が悪いのでしょうか?
2025.09.08更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。
※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※
神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。
【こんな小さい子がいるから、絶対に離婚できない】
私がご相談を受けておりますと、このようにおっしゃられる奥様は相当数いらっしゃいます。
それでは、どのような心境で、このようにおっしゃられるのでしょうか。私が直接お話を聞いている中でお聞きした内容は以下のようなものです。
①子供にとって両親が揃っていた方が良いに決まっている
②親の事情で片親というのは子供が不憫
③子供が成長した時に、友達から揶揄されたりいじめられたりと不利益が生じそう
④シングルマザーだと、私が体調を崩したときなどに大変
⑤片親だと将来の選択肢が狭まる(幼稚園入園や私立小学校への入学等)
⑥私の収入は少ないので、夫の収入なしでの生活は経済的に厳しい
⑦子供が生まれた途端に離婚なんて、夫は無責任
⑧子供のことを第1に考えられるなら簡単に「離婚」なんて言えないはず
⑨世間体、周囲の目が気になる
このようなご意見は、全てが法律上そのまま正しいというわけでもないのですが、「ご心情はお察しして余りある」というのが実情です。
以下では、①お子様が乳幼児(概ね0歳から3歳)で、②あなたが奥様(旦那様側ではない)というケースを前提として、以下の通り解説していきます。
1.相手の浮気の話題が出ることは多い。
弁護士にご相談されるケースでは、夫が突如家を出てしまったというケースが多いので、浮気を疑っている方も多いと思います。何も事情がなければ、あなたと直接話し合いをするはずなので、そのような話し合いを何もせずに出て行ったところから、「浮気しているんじゃないか?」と疑ってしまうのです。
ただ、私が相談を受けたり、実際に担当したケースでは、相手が浮気している確たる証拠が得られないケースの方が大半です。
パートナーが突然出て行ってしまったのですから、浮気を疑う気持ちもやむを得ないとは思いますが、浮気の確たる証拠がない状態で、夫側の浮気を責める戦い方は難しいのが実情です。
2.まずは浮気の証拠集め
浮気の疑いがある場合、まずは、その証拠集めが非常に重要になります。
なお、「浮気の証拠」というのは、俗な言い方になってしまいますが、パートナーが第三者と性交渉を持ったことの証拠でして、例えば、「第三者と二人で食事に行った」といった証拠ですと不十分ということになります。
調査会社に依頼して調査してもらうという方法もありますが、かなりコストがかかってしまいますので、費用との相談ということになろうかと思います。
また、夫側の了解を得た上で、携帯電話やクレジットカードの明細書などを見ることができれば、そこから、浮気の証拠を得られる場合もあります。
更に、夫との会話を録音し、その中で浮気、すなわち第三者との性交渉を明確に自白した場合には、それも立派な証拠になります。
このような証拠集めが重要になってくるのは、裁判などになった場合、夫や不倫相手が浮気の事実を否認してくるケースが多いからです。そうなった場合、こちらからしっかりとした証拠を突き付けないと、裁判所で浮気の事実を認めてもらうことができません。
3.夫の浮気のことを問い詰めたところ、「セックスレスだったじゃないか!」と言われてしまった。
前述のように、夫の浮気の証拠を掴んで、夫を問い詰めたところ、逆に、夫の方から、セックスレスだったのだから仕方がないとか、セックスレスだったあなたの責任だといった反論が出されることもあります。
あなたの方として、夜の性交渉が全くのゼロだったわけではないのでしたら、特に心配はないのですが、確かに長期間性交渉がなかったという場合には、そのことをどのように評価すべきかについて考える必要があります。
4.セックスレスだとマズイのか?
セックスレスというのは、長期間夫婦の間で性交渉がない状況が続くことを言います。この「長期間」について、法律で何か明確な期間が決まっているわけではありません。
(1)夫は「セックスレスは離婚原因になるんだぞ」と言っているのですが?
夫があなたを責めてくる場合、どこで調べて来たのか不明ですが、「セックスレスは離婚原因になる」と言い放ってくることも多いです。
確かに、セックスレスが離婚原因になったケースも過去の判例上少なからずあります。
ただ、過去にセックスレスが問題になった判例は、①性交渉の拒否だけではなく小児性愛という特殊な性癖があったとか、②性交渉の拒否だけではなく、拒否の際の罵詈雑言や暴力もあったなど、特殊な事例が多く、セックスレスのみで離婚原因を認めた事例はかなり少ない印象です。
また、夫婦の暗黙の了解で、長期間セックスレスの状況が続くことも多く、それをいきなり「離婚原因だ」と言われても困惑してしまうと思います。
以下では、セックスレスが、あなたの方の「落ち度」と見られてしまう可能性があるのか、3つのポイントに絞って解説していきます。
(2)【ポイント①】夫側から積極的に求められていたのか?
前述の通り、これまで夫からほとんど求められてもいないのに、浮気がバレた瞬間に、突如「セックスレスだったじゃないか」と言われても、あなたの方の落ち度とは言えないと思います。
少なくとも、浮気問題になる以前から、①夫側が積極的に求めてきていたこと、②それをあなたが拒否し続けたという状況が必要になります。
このような状況がない場合、仮に性交渉が長期間存在しなかったとしても、それが夫婦の形として成り立っていたのですから、後から責めることなどできません。
(3)【ポイント②】正当な理由があって応じられなかった場合
仮に、①夫側が積極的に求めてきていたこと、②それをあなたが拒否し続けたという状況があったとしても、そのことに正当な理由がある場合、あなたを責めることはできません。
例えば、以下のような事情は正当な理由になると思います。
- 子供がまだ小さく夜泣き対応等で睡眠も十分とれておらず、性交渉するような心理的余裕がなかった
- こちらから要望しても、避妊を受け入れてもらえず、妊娠リスクを考えると性交渉を拒否せざるを得なかった
- 夫の方が仕事や会食と言って朝帰りや出張などが続いていて、性交渉を持つようなタイミングがほとんどなかった
(4)【ポイント③】証明の問題
そもそも、前述の①夫側が積極的に求めてきていたこと、②それをあなたが拒否し続けたという状況については、夫側が証明する必要があります。
ただ、実際には、性交渉を求める際に、いちいちLINEで誘ってくるというようなことはほとんどないと思いますので、その証明は難しいことが多いです。
そして、その証明がしっかりできませんと、裁判などで夫側の言い分が認められることは基本的にありません。
5.まとめ
・相手の浮気を疑われる方は多いが、実際にその証拠を掴むことができたケースは少ない印象である。
・浮気の疑いがある場合、まずはその証拠集めをする必要がある。
・セックスレスが離婚原因になることはあるが、ごく少数である。
・セックスレスが夫婦の暗黙の了解による場合、離婚原因にはならない。
・セックスレスが離婚原因になるためには、少なくとも①夫側が積極的に求めてきていたこと、②それをあなたが拒否し続けたという状況が必要になる。
・セックスレスに正当な理由がある場合、離婚原因にはならない。
・セックスレスは夫側が証明しなければならず、その証明は難しいことが多い。
関連記事
>【初めてでも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<
>
>【弁護士秦の夫婦関係修復事例1◆夫側の事例◆】婚姻費用分担調停と並行して協議し、夫婦円満で決着したケース
>
>【弁護士秦の夫婦関係修復事例2◆夫側の事例◆】妻から申し立てられた夫婦円満調停で無事円満成立したケース
>
>【弁護士秦の夫婦関係修復事例3◆妻側の事例◆】妻側からの夫婦円満調停申し立て-一旦は諦めたものの最終的に夫婦円満で解決したケース
>
>【弁護士秦の夫婦関係修復事例4◆妻側の事例◆】妻側から離婚するか悩んだ結果、最終的に円満合意をしたケース
>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!
(事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)
雨宮眞也法律事務所
弁護士 秦(はた) 真太郎
TEL03-3666-1838|9:30~18:00
(事前予約があれば、平日夜間22時まで相談可能)
東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号
【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分
投稿者:
最近のブログ記事
entryの検索
月別ブログ記事一覧
- 2025年9月
- 2025年8月
- 2025年7月
- 2025年6月
- 2025年5月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年7月
- 2022年7月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年8月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2019年12月
- 2019年9月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2018年11月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2015年11月
- 2015年6月