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夫が突然監護者指定審判を起こしてきた(47)―手続き中、どこまで普段の生活で神経をつかうべきか? | 雨宮眞也法律事務所

離婚問題

夫が突然監護者指定審判を起こしてきた(47)―手続き中、どこまで普段の生活で神経をつかうべきか?

2023.04.03更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。
 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

2.監護者指定手続き中は何かと気をもむことが多い


 監護者指定審判の手続き中は、裁判官や調査官からどのように言われるのだろうか?とか、審判廷でどのように話せばよいのだろうか?など何かと気をもむことが多いと思います。
 更に、私が事件を担当しておりますと、奥様の方から、「大切な手続き中なので、子供に怪我をさせないよう細心の注意を払っています」といったお話を聞くこともあります。
 それでは、手続き中だからということで、普段のお子様の生活との関係で、何か注意しなければならない点等があるのでしょうか。

 

 

3.基本的には、あまり神経質にならない方が良い


 先ほどの例のように「大切な手続き中なので、子供に怪我をさせないよう細心の注意を払っています」とか「子供が病気にうつらないよう注意しています」といったことをおっしゃる奥様もいますが、基本的には、あまり神経質にならない方が良いと思います。
 例えば、家庭裁判所調査官が家庭訪問する際に、お子様が公園で転んで膝を擦りむいていたといった場合でも、その怪我が虐待等で生じたようなものでない以上、特に、そのことが重視されることはありません。
 むしろ、あまり神経質になり過ぎてしまいますと、普段の生活がぎこちなくなってしまうと思いますので、逆効果だと思います。
 そのため、基本的には「普段通りの生活」を心がけるようにして下さい。

 

 

4.「普段通りの生活」って?


 たまに、私が相談に乗っておりますと、奥様の方から「普段通りの生活ということなのですが、うちが標準的な家庭の『普段通りの生活』と入れるのかがよく分からないのですが、大丈夫でしょうか?」という質問を受けることもあります。
 この点についても、あまり細々と確認し始めてしまいますと際限がないと思いますので、「他のママ友の方とお話になって、特に違和感がなければ普段通りで大丈夫ですよ」とお答えすることが多いです。

 ただ、そこから一歩進んで、夫側が追及してきている主張を参考にするということもあります。
 要するに、夫側は、自分が監護者になるために、こちらの弱点となるような要素について強く追及してきていると思いますので、そのような「夫側の主張」を読むと、こちらが対策・対応すべき点が浮き彫りになるということです。

 ただ、監護者指定事件では、生活上のかなり細々とした点がクローズアップされることもあって、それに一つ一つ対応することができないということも多いと思います。
 そのため、前述の通り、基本的には「普段通りの生活」「普段通りの我が家の生活」というスタンスで良いと思うのですが、気になる点がありましたら、今雇っている弁護士に「夫はこう言っていますが、こちらも改善した方が良いのでしょうか?」などと質問して、検討していくということで良いと思います。

 そもそも、このような生活上の細々とした点は、それが標準的な家庭のやり方と違うからと言って、そのことで、こちらが大きく不利になってしまうということはほとんどないと思います。

 

 

5.実家でお住まいの場合、ご実家との喧嘩等にはご注意


 前述の通り、普段の生活でお子様に怪我をさせてはいけないとか、病気にしてはいけないということは全くないのですが、①現在あなたのお住まいがご実家で、②ご実家のご両親と少し折り合いが悪いという場合には、ご両親との喧嘩等には注意が必要です。
 特に、夫との別居を機に実家に戻るというケースの場合、ご両親様にも、お子様の世話を分担してもらうなど一定の負担をかけてしまうということもあって、少し折り合いが悪くなってしまうというケースはあります。

 ただ、そのことで言い合いや喧嘩をしてはいけないということではありませんし、一定の意見の相違が出てくるのもやむを得ないと思います。
 そうはいっても、あなたがご両親と口喧嘩をしている様子をあまりお子様に見せてしまいますと、お子様もそのことが印象に残ってしまい、今後のお子様の成長にとっても悪影響になると思いますので、そのような喧嘩は極力お子様が見ていないところで行うなど、一定の配慮をした方が良いかと思います。

 

 

6.まとめ


・監護者指定審判手続中であったとしても、基本的には普段通りの生活を心がけた方が良い。
・「うちの普段通りというのが標準的な家庭の普段通りか分からない」というご質問を受けることもあるが、他のご父兄の話等から違和感がなければ問題ないことが多い。
・しいて言うのであれば、夫側の追及点を参考にすると、こちらの対応策が浮き彫りになることもある。
・あなたが今おお住まいなのがご実家の場合には、ご両親との喧嘩の場面はお子様に極力見せないよう配慮した方が良い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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