離婚問題

夫が突然監護者指定審判を申し立ててきた(26)ー審問や調査官面接についてどこまで対策しておくべきか

2022.08.22更新

弁護士秦

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。

 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

 

2.「審問」・「調査官面接」って何?


 「審問」や「調査官面接」と言われましても、ピンとこない方の方が多いと思いますので、ご説明しますと、「審問」とは、裁判所が事件を審理するために、口頭弁論によらずに、当事者等から事情を問いただすこと、などと言われます。
 よくドラマなどで、法廷の真ん中に座って、裁判官が話を聞く手続きがあると思いますが、その手続きに似たようなものとイメージすると分かりやすいかと思います。

 ただ、一般のドラマやっているのは「尋問」でして①公開の法廷で行われます(端的に言いますと、傍聴席で傍聴人が傍聴できるということ)し、②通常の尋問は弁護士の方が主体的に質問します(ドラマなどでも、主人公役の弁護士などが決定的な質問などをしていると思います)が、「審問」は①非公開の法廷で行われ、②主な質問者は裁判官ということになります(弁護士からの質問は補助的)。
 いずれにしましても、審判廷にて質問が行われますので、イメージとしましては「尋問」に近いです(但し、東京家庭裁判所では、審問はほぼ審判廷にて行われますが、地方の裁判所などでは、会議室のようなところで実施するところもあります)。

 これに対して、調査官面接というのは、事件を担当する家庭裁判所調査官が、会議室のようなところで事情を確認する手続きです。
 「審問」と「調査官面接」の大きな差は、①実施場所、②相手側当事者の手続参加、③所要時間、④代理人の関わり、⑤秘匿可否、⑥その結果がどのような書面に登載されるかという点ではないかと思います。

 詳しく整理しますと
① 実施場所…「審問」は審判廷、「調査官面接」は会議室のようなところ(面接室が多い)
② 相手当事者の手続参加…「審問」は、相手当事者側が見ているところで実施、「調査官面接」は、相手当事者側が見ていないところで実施
③ 所要時間…「審問」は短いことが多い(長くても通常は30分程度)「調査官面接」は長いことが多い(一般的には1時間半から2時間程度)
④ 代理人の関わり…「審問」では、当事者の回答に対して、代理人が何か口を挟むことは基本的にできないのですが、「調査官面接」の場合、代理人もその場で意見を差し挟むことができます。
⑤ 秘匿の可否…「審問」では基本的に秘匿不可、「調査官面接」では一部秘匿可
⑥ 結果として作成される書面…「審問」では、その概要について審問調書が作成され、「調査官面接」の結果は、調査報告書に登載されることになります。

 

 

3.監護者指定事件で実施されるのは?


 監護者指定事件では、ほとんどの事件で「審問」または「調査官面接」のいずれかが実施されます(事件によっては、両方実施することもありますし、審問を何度か実施するケースもあります)。
 ただ、そのいずれを実施するかは裁判官の裁量に委ねられていますので、基本的に裁判官の判断に従うことになります。

 

 

4.「審問」または「調査官面接」は何時頃に実施されるか?


「審問」または「調査官面接」は、本格的な調査実施前に行われることが多いです(イメージを持ちやすくご説明しますと、家庭訪問実施前とイメージすると分かりやすいかと思います)。
 一般的に監護者指定事件では、子の監護に関する陳述書等にて詳しい事情を書面で事前に提出していることが多いのですが、その書面からは分かりにくい事情や、念のため、その内容に補足して確認するために、「審問」または「調査官面接」が行われることになります。

 

 

5.どこまで準備すべきか?


率直に申しますと、「調査官面接」の場合には、その事件のポイント等を押さえておけばよく、そこまで詳しい準備まではしないことの方が多いです。調査官面接の場合には、あなたの横に弁護士が座って、適宜フォローすることができるからです(但し、あくまで調査官に対して主体的に話をするのは、あなた自身です)。
これに対して、「審問」は、あなたの弁護士がその場でフォローすることが難しいので、ある程度の準備をして臨むことが多いです。
準備事項としては、「調査官面接」同様、その事件の大きなポイントの確認をし、更に、各証拠の中でこちらに不利な点等もフォローしておくことが多いかと思います。

 

 

6.まとめ


・監護者指定事件では、ほとんどの場合、「審問」または「調査官面接」のいずれかを実施する。
・「審問」と「調査官面接」のいずれを選択するかは裁判官の裁量で決まる。
・「審問」と「調査官面接」とでは、様々な違いがある。
・「審問」と「調査官面接」いずれにせよ、本格的な調査実施前に実施することが多い。
・「調査官面接」のときより、「審問」の方がしっかり準備したほうが良い。

 

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