【モラハラタイプ別対処法4】ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)モラハラ夫への対処法
2021.09.01更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)真太郎です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!弁護士秦のモラハラ総合サイトは>>こちら<<になります。
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1.モラハラとは何だ?
「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。
モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。
今回は、このようなモラハラ夫の中でも「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)夫」を取り上げて、その夫との別居や離婚を決意した時、どのように対応すればよいのかについて解説します。
ここでの「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)」というのは、
①以前、夫が間違ったことをしてしまったのに、現在ではそのことをごまかすとか、覚えていないふりをする、とか
②生活方法や育児の方法等について、つい先週言っていたことと今日言っていることが違う、とか
③自分の健康のことや子供の健康のことについて、以前はNGとしていた方法を今は推奨してきたりする、とか
④その場の雰囲気、こちらの態度によって、さっき言っていたことと違うことを言い始める、とか
⑤夫の言うことがともかくすぐに変わるので、それに振り回されることで心理的に疲れてしまう、とか
の例があります。
あまりに言っていることが変わるので「さっきはこう言ってたのにね」などと指摘すると、モラハラ夫側は「(さっき)そんなことは言ってない」「言うはずない」とか「それはお前の聞き間違いだ」とか「あの時の話は冗談に決まっているだろ」などと返答してきて、議論がかみ合わないケースも多いです。そのような場合には、より一層対応に苦慮することになります。
今回のブログは、このようなモラハラ夫との円満生活を目指すということではなく、当該モラハラ夫と別居・離婚する決意を固めた方向けのブログになりますので、ご留意の上、お読みください。
2.「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)」モラハラ夫はかなり多い
私も日頃からモラハラ夫と対峙していると、「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)」夫と対峙することはかなり多いです。
このように、言っていることが変わる頻度や内容については夫側によってかなり異なってくるのですが、いずれにしましても、このようによく変節するモラハラ夫の数はかなり多いという印象で、モラハラ夫の共通項の一つと言っても良いと思います。
ただし、このような変節については、大きく分けますと、①意図的に嘘をついている(よくあるのは、自分に都合が悪い話なので意図して嘘をついているケースが多いです)ケースと、②嘘をついているわけではなく、自身の母親やテレビの知識等の新しい情報を得て、考え方を改めたというケースがあります。
いずれの理由による変節だとしましても、このように普段から言うことがコロコロ変わる夫と生活しなければならないことになりますと、あなたやお子様達も夫の考えに振り回され続けますので、日常生活の中で心理的に疲弊していってしまうケースが多いです。
3.モラハラの証拠集めのポイント
夫側が①以前話していた内容と②今話している内容の両方についてLINEやメールがあれば、モラハラを証明する一つの証拠になり得ます。
ただ、言うことが変わる内容が、些細な内容の場合には、モラハラの証明としては弱いと思います(例えば、先週はカーテンの色は青色が良いと言っていたのに、今日はカーテンの色は緑が良いと言っていると言ったことは、家庭内の重要な出来事とは言えないと思います)。
そのため、家族としての重要な決め事や今後に関わる重要な出来事、お子様にとって重要な出来事等について、モラハラ夫の考えや言い分が大きく変更になっているという視点から証拠集めをすることがポイントになります。
以前の発言と今の発言を比較するにあたっては、モラハラ夫が直接送ってきたLINEやメールが証明にあたって簡便かと思います。
このような変節だけではなく、LINEやメールでの表現方法が「きつい」という場合には、モラハラの悪質性を高める事情になりますので、この点も意識して証拠集めをしてみてください。
いずれにしましても、証拠集めのことなどで迷うようなことがあれば、遠慮なく弁護士秦まで直接ご相談ください。
4.自分で別居・離婚を切り出すべきか
ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)モラハラ夫だとしても、奥様の方から別居を切り出すと、そのことでショックを受けて、一旦は別居を受け入れてくれる可能性もあるということでしたら、ご自身で別居を切り出すということは考えてみても良いかと思います。
ただ、口頭での話し合いで言ったことについては、モラハラ夫は、後から「そんなことは言っていない」とか「あの時の話は冗談だった」と言い始めることが多いので、①お互いに合意した内容(当面別居すると言った内容です)は書面化するとか、②お互いの両親も立ち会う席で相手に認めさせると言った形を作ったほうが良いと思います。このようにしておけば、モラハラ夫も後から「言ってない」と言いづらくなると思います。
他方で、こちらの別居や離婚に断固反対してくる可能性が高いとか、モラハラ夫側が書面に署名押印する可能性が低いという場合には、あなたとモラハラ夫との二人だけでの話し合いで別居話等を切り出すことは避けたほうが良いかもしれません
5.親族等を交えて話をすることは効果的か?
前述の通り、あなたと夫の二人での話し合いが可能であれば実践してみたほうが良いと思いますが、二人での話し合いが難しいとか、一旦話して見たが折り合いがつかなかったというような場合には、あなたのご両親や夫側の両親、その他兄弟姉妹等を交えて話をするという方法も考えられます。
ただ、モラハラ夫は、あなたの親族を交えても、平気で噓を並べ立ててくる可能性もありますので、事前の準備が欠かせません。つまり、あなたの方で、家庭内でどのような被害を受けてきたのか、どのくらいの期間そのようなことが続いてきたのかをしっかりと親族に伝えて、きちんと理解を得ておく必要があります。
また、親族があなたの話に懐疑的な場合には、モラハラの証拠なども見てもらって、理解を深めてもらっても良いと思います。
このように事前に家庭内の実情をしっかりと理解してもらっておけば、あなたの親族が、モラハラ夫の嘘に騙されてしまうということは避けられると思います。
6.別居のタイミングは?
前述のように、あなた自身がモラハラ夫と直接話をするか、親族を交えた話をすることが可能な場合には、その話し合いの進捗を見つつ、別居のタイミングを検討していくことになります。話し合いが順調に進むようでしたら、先に離婚届を提出して、その後に別居するという手順になることもあります。
逆に、モラハラ夫と直接話をすることが難しいような場合には、まずは、何も告げずに別居するところからスタートするというケースの方が多いと思います。その場合の別居のタイミングについては、①あなた自身が今の生活にどの程度の期間耐えられるのかという点と、②別居後の生活を経済的にどのように成り立たせるのか、③お子様への説明等との兼ね合いで時期を検討していくことになります。②の経済面については、夫側から婚姻費用を得られるという点を考慮しても良いのですが、モラハラ夫は、こちらの別居後は生活費を出し渋るケースが非常に多いため、少なくとも別居後数か月の生活は維持できる経済的基盤を整えておく必要があります。
7.弁護士はどのような進め方をするのか
奥様に対しては、言うことがコロコロ変わるモラハラ夫も、弁護士を相手にすると言うことがあまり変わらないというケースも多いです。そのような場合には、特に相手の言うことに振り回されるようなこともなく事件処理を進めていくことができます。
他方で、奥様に対してもそうであったように、弁護士に対しても「ともかく言うことがコロコロ変わる夫」というモラハラ夫もいます。
その場合には、基本的な離婚して良いのか、とか親権を譲るつもりがあるのかといったことですら、先週と言っていることが変わっているということもありますので、そのような場合には、モラハラ夫の発言に一喜一憂せずに進めていくことが多いです。
このように言い分がコロコロ変わる夫とは、仮に協議離婚の話し合いができたとしても、その内容を反故にしてきたり、実際にこちらが離婚届を提出しようとすると妨害してくる(例えば、離婚届不受理申請をしてくるとか)ことも多いので、極力協議離婚には時間をかけず、調停で離婚を目指すケースが多いです。
なぜ、調停での離婚を目指すのかと言いますと、裁判所の調停室で先方が合意した内容は、調停調書という書面が作成され、その内容については、後から先方も不服を申し立てることが基本的にできなくなるからです。そのため、後から先方が「そんなつもりではなかった」といったとしても、内容を簡単に変更できなくなりますので、調停という手段を用いるのです。
8.まとめ
・「ともかく言うことがコロコロ変わる(平気で嘘をつく)」というのは、モラハラ夫の中でもかなり多い印象である。
・モラハラ夫の以前の発言と今の発言両方についてLINEやメールがあれば、一つの証拠になるが、モラハラの証明という観点からは、家庭にとっての重大事なのか、お子様にとっての重大事なのかといった視点で絞り込みが必要である。
・約束した内容を書面化してくれるのであれば、あなたが直接別居を切り出すということを考えてみても良い。
・親族等を交えて話をする場合にも、事前にしっかりと話をして、深く理解してもらったうえで間に入ってもらうべきである。
・弁護士が間に入ると、そこまでコロコロと言うことが変わらないというケースの方が多い印象である。
・他方で、弁護士が間に入っても、言うことがコロコロ変わるモラハラ夫は相当数いて、そのような場合には早めに調停を起こすことが多い。
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