【絶対に離婚したくない(37)】いきなり離婚調停って、どうしてこんな目に遭わなければいけないのでしょうか?
2024.11.18更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避のために尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。※実際の夫婦修復成功実績は文末の「関連記事」をご覧下さい※
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1.いきなり離婚調停の案内が来た
相手が弁護士を立ててきたので、話し合いをするのかと思いきや、いきなり離婚調停の案内が来ることもあります。相手の弁護士から手紙が届き、その手紙の中に、離婚調停を起こすことにした旨と、追って裁判所から連絡が来るのであなたの言い分はその調停で述べてくださいといった旨が書かれているといったケースです。
相手が急に出て言って驚いているところに、相手の弁護士は話し合いの余地すら認めないような態度で、二重に驚いたという感覚に陥ってしまうと思います。
2.暴力や浮気ならまだ分かるけど…
あなたが相手に暴力をふるって怪我をさせてしまったとか、浮気をしてしまったということなら、相手にこのような対応を取られても、ある程度はやむを得ないと割り切れるかもしれません。
しかし、あなたの方としてこのような重大な離婚原因を作っていないような場合には、割り切れませんし、私に対しても、「暴力をふるったり、浮気をしたわけでもないのに、このような仕打ちはあんまりだと思います」とおっしゃる方も多くいます。経緯に鑑みますと、このように感じてしまうことは当然のことだと思います。
3.どうしていきなり調停なのか?
いずれにせよ、あなたとしては、どうしていきなり調停なのか、相手が何を考えて調停を起こしてきたのかについては非常に気になるところかと思います。
実際、どのようなパターンが多いのかという観点から解説していきます。
(1)【大前提】いきなり裁判は起こせない
最も強硬な手段としては、いきなり離婚裁判を起こすという進め方になるのですが、日本の法律は調停前置主義を取っていますので、離婚調停をせずにいきなり離婚裁判を起こすということはできません。
そのため、まずは、離婚調停を起こす必要があります。
(2)【相手弁護士の思惑①】自身の言い分にかなり自信を持っているのか?
前述のように、いきなり相手の弁護士から離婚調停を予告されたので、びっくりしてしまうという方が大半ではないかと思います。
私のところにも、このように驚いて、ともかく事態を把握したいので相談にいらっしゃるという方も多くいます。
このようにご相談に来られた方がよく口にするのが「これは、よほど自信があるからいきなり調停を起こしてきたんですよね」というご質問です。
要するに、相手が自身の言い分にかなり自信があるから、離婚協議等を経ずにいきなり調停を起こしても大丈夫だと考えた、という発想のようです。
しかし、離婚調停手続きは、裁判所を利用しますが、あくまで話し合いの手続です。
そのため、自身の主張に自信があるかどうかとはあまり関係がないというケースの方が多いと思います(要するに、裁判の手続でしたら、普通はかなり自信がないといきなり裁判は起こしてこないと思いますが、裁判と調停は別の手続ですから、同じようには考えられないということです)。
(3)【相手弁護士の思惑②】相手弁護士の普段のスタイルなだけ
実際の相手弁護士の様子を見ていると、何か特別な思惑があってやっているというよりも、相手弁護士の普段のスタイルなだけであるということがかなり多い印象です。
つまり、弁護士には、それぞれ自分なりの仕事の進め方がありますが、今回相手が雇った弁護士は、離婚事件を処理する際には、離婚協議等はせずにいきなり調停を起こすという進め方をしているということです。
そのため、相手弁護士としてみれば、特に特別な進め方をしているという認識はないのです。
私がご相談を受けている印象ですと、最近は、このようにいきなり調停を起こすという進め方をする弁護士がかなり増えてきているよう印象です。
そのため、いきなり調停を起こされたからと言って、それほど不安に感じなくても良いと思います。
(4)【相手弁護士の思惑③】相手の言い分がDV等の場合
前述のように、相手弁護士が普段からいきなり調停を起こすというスタイルの弁護士もいれば、そうでない弁護士もいます。「そうでない弁護士」の場合でも、今回でけは理由があって、いきなり調停を起こしてきているというケースもあります。
このような理由としてよく挙がるのが、DVのケースです。
要するに、相手の言い分だと、「夫からのDVがひどい」とか「妻はヒステリックで暴れ始めると手が付けられない」というものなので、弁護士も、話し合いによる解決は難しいだろうと判断して、いきなり調停を起こしてきているのです。
もちろん、離婚協議が順調に進んで、協議離婚によって解決できれば、その方が時間の短縮になるというメリットがあります。しかし、話し合いの可能性が低い場合、協議離婚にかけている時間は、かえって早期解決の妨げになることもあるのです。
また、調停という裁判所の手続中であれば、こちら側の行動を一定程度牽制できると、相手が考えているケースもあります。
4.それほど「まずい」と考えない方が良い
前述の通り、いきなり調停が起こされたとしても、それが相手弁護士の普段のスタイルなだけであるとか、相手本人の言い分に引きずられて、いきなり調停を起こしてきているなど、特段大きな意味合いはないということの方が多いと思います。
いきなり調停を起こされてしまいますと、あなたとしては「本当にまずいことになった」と感じてしまうかもしれませんが、前述のようにそこまで重大な意味はないことの方が多いため、まずは落ち着いて冷静に対応した方が良いと思います。
5.まとめ
・いきなり調停を起こされたからと言って、一概に、相手が自信満々というわけではない
・いきなり調停を起こすことが相手弁護士の普段のスタイルということも多い。
・相手弁護士が相手本人の言い分に引きずられて、いきなり調停を起こしていることもある。
・いずれにせよ、いきなり調停になったからと言って「本当にまずいことになった」と思う必要はない。
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