離婚問題

【弁護士が本音で話す!】離婚弁護士へのセカンドオピニオンの実際

2016.12.26更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.セカンドオピニオンって?


 

 セカンドオピニオン、医療分野ではよく聞く言葉ですが、弁護士の業界では、それほど普及していない言葉だと思います。

 

 おそらくセカンドオピニオンを積極的に活用しようと考えている弁護士はほとんどいないと思いますが、これは弁護士職務基本規程での制限があるからです。

 つまり、弁護士職務基本規程では、「他の弁護士が担当している事件に対して不当に介入してはならない」と定められているため、現在進行中の事件に対して意見を話しづらいのです。

 

2.セカンドオピニオンはいけないことなの?


 

 上記のように説明すると、「そもそもセカンドオピニオンは、弁護士業界ではタブーなんだ」と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、特にタブーではありません。活用方法によっては、ご相談者様の安心にもつながると思いますので、上手に活用していただければと思います。

 

 要するに、セカンドオピニオンの相談を受けた弁護士が、その情報を不当に利用しなければよいという話です。

 

3.セカンドオピニオンをもらうポイント


 

 

 以下、セカンドオピニオンを得るにあたってのポイントをご説明します。

 

(1)誰にセカンドオピニオンをもらうか

 もちろんセカンドオピニオンをもらうにあたっては、その分野に強い弁護士に相談するに越したことはありません。ただ、上記の通り、セカンドオピニオンがファーストオピニオンへの不当介入にあたってはいけないため、見ず知らずの弁護士に相談すると、ファーストオピニオンに肯定的な答えしか返ってこないことが多いです。

 

 そのため、可能であれば、友人や知人のツテで「知り合い」と言えるような弁護士に相談してみるのが一番かと思います。

 

 弁護士を探される際に、皆さん「知り合いの弁護士なんかいない」とか「弁護士が直接の友人ではない」とおっしゃる方が多いのですが、大学の時の同期、高校の時の同期のツテなどを辿ると、「弁護士の知り合いが一人もいない」と言うことはほとんどないと思います。

 

 ちなみに、弁護士によっては、企業法務しか担当しない弁護士だとか、交通事故しか取り扱わない弁護士等特定の分野のみに特化している弁護士もいます。そのため、少なくともセカンドオピニオンを求める際には、最低限、その分野を取り扱っている弁護士に相談して下さい。

 

(2)いつセカンドオピニオンをもらうのか

 セカンドオピニオンをもらう時期は難しい問題です。ただ、私の個人的な意見としては、現在進行中の事件の進め方に疑問を持った場合、早めにご相談されることをオススメしています。

 

 例えば、私のところにセカンドオピニオンを求めに来る相談者の方の中には、1回目の判決が出てしまった後に相談に来られる方もいらっしゃいますが、控訴の期間は2週間に限定されていますので、極めて限られた時間でセカンドオピニオンを得なければならず、せわしなくなってしまいます。

 

 上記のように、セカンドオピニオンを求める弁護士はできれば友人・知人とツテのある弁護士が望ましいので、その様な弁護士を探すのにも時間がかかるでしょう。また、後述の通り、セカンドオピニオンをもらう際には、いくつか準備しておいた方がよい点がありますから、多少時間的余裕をもってセカンドオピニオンを求めて下さい。

 

(3)セカンドオピニオンの目的意識をキチンと持つ

 私のところには、離婚事件の進め方についてセカンドオピニオンを求めてくる方は比較的多いのですが、ほとんどの方は、現在担当している弁護士への依頼を継続しています。

 

 たまにセカンドオピニオンを求められる際に「今頼んでいる弁護士は役に立たないので、替わってくれる弁護士を探している」とおっしゃる方もいますが、セカンドオピニオンの目的は、現在の担当弁護士の方針が正しいのかどうかのチェックだと思います。そして、多少の行き違いがあるにせよ、ご相談者の方が工夫することで現在担当弁護士との関係が良好になったという事例は非常に多いです。

 そのため、今の弁護士を替えるためにセカンドオピニオンをもらうという考え方はオススメしません。

 

4.セカンドオピニオン相談に行く前の準備


 

(1)資料の準備

 セカンドオピニオンを得る際には、弁護士からの質問に答えられるように資料をキチンと準備しておく必要があります。

 

 ただ、「資料の準備」と言っても難しく考える必要はなく、①持っている資料を全て日付順に並び替える②もっている資料を全てセカンドオピニオンの場所に持っていく、と言うことさえ実行してもらえれば問題ありません。

 

(2)質問するポイントをまとめておくこと

 セカンドオピニオンを求める際、ご相談者の方は「自分が一番質問したい点」についてはキチンと整理されています。

 例えば、離婚であれば、親権を獲得できるのか、面会交流の回数は妥当なのか、慰謝料の金額が高くないか、財産分与の考え方が間違っていないのかなどなど、不安に思っている問題はよく理解されています。

 

 逆に、今担当してもらっている弁護士のどこに不満があるのかという点は、あまり整理されていないと言うことが多いです。

 通常、セカンドオピニオンを求める場合、現在担当している弁護士の弁護活動に疑問を感じていることが多いので、この点は多少掘り下げて質問を準備することをオススメします。例えば、「今担当している弁護士は押しが弱いように感じる」とか「弁護士からの返事が遅い」とか「弁護士が言うことを聞いてくれない」というクレームのような相談もありますが、具体的な場面を設定してもらえませんと、こちらも適確に回答できません。そのため、例えば「押しが弱いように感じる」ということでしたら、離婚調停のどの場面でのどのような行動について言っているのかということはキチンと整理しておいた方が良いです。

 

 事細かく質問事項を準備する必要はありませんが、質問したいポイントを少なくとも5個ほど箇条書き程度でまとめておいた方が、より効果的です。

 

5.セカンドオピニオン相談実施時の注意点


 

(1)セカンドオピニオンを求めていることをキチンと説明すること

 たまに私のところにご相談に来られる際に、相談の終わりかけになってから、実はセカンドオピニオンを求めるものだったという説明をされる方がいます。

 

 セカンドオピニオンというと言いづらいという方もいらっしゃるのですが、むしろ、最初からセカンドオピニオンを求めていることを話してもらった方が、こちらとしても円滑に相談にお答えできます。

 そのため、相談にあたっては、まず始めにセカンドオピニオンを求めるものであるということを説明していただければ有り難いです。

 

(2)メモを取ること

 上記のように、セカンドオピニオンをもらった後は、その結果を今後に活用しなければなりません。

 

 私のところに相談に来られる方の大半は相談時にメモも取らずに「大体分かりました」とおっしゃって帰られることが多いのですが、ご自身が質問したかった点についてはキチンと記憶していても、他の点は曖昧になってしまうということが多いように思われます。そのため、前述のようにまとめた質問時のポイントに沿って、セカンドオピニオンとしてどのようなことを言われたのかキチンとメモを取っておくことをオススメします。

 

(3)離婚の場合、背景も含め全体観を持って質問すること

 セカンドオピニオンを求める際、「自分が聞きたいところだけ質問する」という方は多いですが、どのような家庭の問題なのか、当事者間で争いがないとしても、どのような点が争点になっているのかといった問題は非常に重要です。

 

 また、相談者御本人様は関係がないと思っていても、ご質問されたい点に密接に関わっている事項が隠されていることもあります。

 

 そのため、「自分の聞きたいところだけ質問したから、もう帰る」という考え方ではなく、一見関係がなさそうな部分についても、セカンドオピニオン弁護士からの質問には丁寧に受け答えして、より良いセカンドオピニオンの場となるように心がけて下さい。

 

(4)今後現在担当の弁護士とどのように接していくのかについてもキチンと質問する

 セカンドオピニオンを求める際、セカンドオピニオン弁護士が「自分では担当できない」という答えを聞くと直ぐに離席される方がいらっしゃいますが、これではセカンドオピニオンの意味がありません。

 

 現在担当している弁護士の方針に疑問や不安を持っているのですから、その様な不安を解消する方法についてもキチンとセカンドオピニオンをもらって下さい。

 そして、その様なセカンドオピニオンの結果を現在担当している弁護士に上手にフィードバックして、より良い関係が築けるようにできればベストです。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

面会交流を一切拒否することは親権獲得にどの程度不利になるの?

2016.12.19更新

 

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1.面会交流と親権はどのように関連するのか


 

 離婚調停などを進めている際、相手からの面会交流の要請に対して、これを一切拒否していると、調停委員から「特別な理由もなく面会交流を拒否することは親権獲得にあたって不利に働きますよ」などと言われることがあります。

 

 お子様の発達にあたっては、母性と父性両方に接する機会があった方が望ましいとされていますので、別居中でご夫婦のいずれかがお子様を育てているとしても、面会交流という方法で相手にもお子様に接する機会を与えた方がお子様のためになると言うことになります。そのため、調停委員が上記のような発言をすることがあるのです。

 問題は、面会交流を一切拒否することは親権獲得にあたってどの程度不利に働くのかという点です。

 

2.面会交流一切拒否が親権獲得にあたってどの程度不利に働くか


 

 率直に言いますと面会交流を一切拒否しているからといって、そのことだけで親権の獲得自体が難しくなるということはないと思われます。

 

 ただ、離婚後も一切お子様との面会交流を拒否する姿勢である場合には、親権獲得にあたっての考慮要素の一つとなることは否定できません。

 

3.まずは面会交流一切拒否の理由の整理が必要


 

 例えば旦那様が共同生活の中でお子様に対して度々暴力をふるっていたというような特別な事情がある場合で、お子様が旦那様に対して強い恐怖感を持っているような場合、お子様との面会交流を拒否したとしても、そのことには合理的な理由があるとされることもあり得ます。

 

 そのため、面会交流を拒否する場合には、具体的にどのような事情があって拒否を希望するのかをきちんと整理しておく必要があります。

 そうでないと、仮に離婚調停中の場合でも調停委員の理解を得ることは難しく、こちらの言い分が我が儘のように捉えられてしまう危険性があります。

 

 そして、面会交流を拒否する理由については、単にDV、暴言、モラハラ、奪取のおそれと言った抽象的なものにとどまらず、より具体的な事情を主張する必要があります。

 例えば、DVであれば、平成○年○月○日どこでお子様に対してどのような暴力をどの程度の時間ふるっていたのか、そのことで病院に行ったのか、警察や女性センターへの相談をしたのかと言った点をできる限り細かく特定し、その様な事情を思い出せるだけ挙げていく必要があります。

 

4.特別な事情がなければ面会交流を認めた方が手続はスムーズに進むことも多い


 

 上記のように面会交流拒否の理由をできる限り思い出していただき、それでも、面会交流を絶対に拒否するほどではない場合、逆に面会交流を認めた方が手続が早く進むことがあります。

 と言いますのは、離婚が成立する前ですらお子様との面会交流が実現しない場合、旦那様側は、離婚後はより一層お子様と会えなくなると心配されている方が多いので、面会交流を認めた方が旦那様の安心に繋がり、手続がスムーズになる可能性があるのです。

 

 また、調停手続中などに面会交流を実施した場合、毎回の面会交流の様子を調停委員に伝えるなどすれば、その際の問題点が洗い出され、離婚後の面会交流も安心して実施できるようになることもあります。

 

 さらに、面会交流が認められない場合、旦那様は養育費を出し渋るケースが非常に多いのですが、面会交流が認められるようになると養育費支払いのモチベーションを少なからず高める効果もあります。

 

5.想像するよりもトラブルは少ない


 

 面会交流一切拒否の理由として一番に挙げられるのは、旦那様によるお子様の連れ去りですが、調停の手続を利用している際に面会交流を認めるケースですと、トラブルが起きるケースは非常に少ないのが実情です。

 もちろんケースによりますし旦那様の性格にもよりますので、面会交流を最大限拒否すべきケースもあるでしょうが、実際に奥様が心配されるほどトラブルは起きていないと言うのが弁護士としての実感になります。

 

6.相手が面会交流の調停を起こしてきた場合は要検討


 

 こちらが面会交流一切拒否の姿勢を貫きますと、相手がお子様との面会交流を求めるという別の調停を起こしてくることがあります。

 

 この場合、通常は家庭裁判所調査官が調停手続に関わってくることが多いのですが、さらに調停が順調に進まない場合には、面会交流について審判手続に移行してしまうことがあります。

 面会交流について審判が言い渡されてしまいますと、裁判所の判断で面会交流を強制されることにもなりかねませんので、相手から面会交流の調停申立がなされた場合には、今後の対応について検討が必要になります。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

仕事が忙しい父親は親権を取得できない?の実際

2016.12.12更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

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1.親権と仕事量の問題


 

 あまりに仕事が忙しく、お子様の養育に十分な時間を取ることができないという場合、親権を取得することはできないのでしょうか。

 

 確かに、毎日仕事が終わるのが深夜に及び土日もなく働いていて、ほとんどお子様と接する機会がないという場合、そのままの状態で親権を取得することは非常に難しいと思われます。しかし、業務が忙しいとはいっても、そこまでの仕事量ではない(お子様の就寝前には帰宅できる等)とか、今後仕事量を調整できるといった場合には、親権取得で大きく不利に扱われることはないと思われます。

 

 仮に奥様が現状専業主婦であったとしても、離婚後は収入を得るために一定程度お仕事をされることになるのでしょうから、仕事をしている人間に親権を委ねられないとなると親権者を決められなくなってしまいます。

 

2.監護補助者の位置付け


 

 現状旦那様の仕事が非常に忙しくほとんどお子様に接することができないという場合、旦那様のご両親様と同居して、ご両親に監護養育の一切を任せるという計画を立てられる方もいらっしゃいます。この場合、旦那様のご両親のことを「監護補助者」と呼んだりします。

 

 しかし、お子様は直接の父母と接する時間が長い方が、お子様の発育にとっては望ましいとされていますので、旦那様ご自身がお子様と接する時間が皆無もしくはほとんどないという場合には、親権を取得して行くことは非常に難しくなると思われます。

 

 監護補助者は、あくまで「補助者」であって、旦那様がメインでお子様の養育をしていくことが前提になります。

 そのため、離婚後の生活プランを考える際には、旦那様が主体的にお子様の養育に参加できるようなプランを立てる必要があります。

 

3.現在お子様とほとんど接していないという現状が不利に働く


 

 それでは、上記の通り旦那様が主体となってお子様の養育を行っていくというプランを立てられれば、安泰かというと必ずしもそうではありません。

 

 今後の計画については妥当であると判断されても、現状のお子様との接し方が問題視される危険性があります。

 すなわち、親権者を決定する際、実務的には、ご夫婦のお子様との接点が非常に重要な考慮要素になりますが、具体的には以下のような点が考慮されます。

・普段の食事の支度をお夫婦のどちらがしているか

・普段のお子様の入浴の世話をご夫婦どちらがしているか

・普段のお子様の衣類の洗濯・購入をご夫婦どちらがしているか

・普段のお子様の保育園等の送迎をご夫婦どちらがしているか

・普段のお子様の寝かしつけをご夫婦どちらがしているか

・普段のお子様の行儀・排便のしつけ、または宿題の面倒をご夫婦どちらがみているか

・普段のお子様の遊技やレジャーにおいてご夫婦どちらがどの程度関与しているか

 

 普段仕事で家庭にいない旦那様の場合、平日のお子様との接点は少ないかもしれませんが、その様な中でも通勤前または帰宅後にお子様とどのように接しているのか、休日お子様とどのように接しているのかという点が重視されます。

 

 そのため、普段からほとんどお子様と接点を持っていないという場合、それが仕事を理由とするものであったとしても、裁判所としては、お子様の監護を任せるにあたって適確ではないと判断してしまう危険性があります。これは今後の養育プランがしっかりとしたものであったとしても、現状を考慮すると、その様なプランを実行できるのか疑問視されたり、奥様がお子様を養育して行く方がお子様のためになると判断されてしまう危険性があると言うことです。

 つまり、仕事で忙しいとしても、家庭にいる間に積極的にお子様との関わりを持つようにすることが重要になります。

 

4.親権獲得にあたっては早めに専門家である弁護士にご相談を 


 

 

 実際に自分が親権を獲得できるものなのか、獲得できる可能性はどの程度なのかということをご自身で客観的に判断することは難しいと思います。

 他方で、お子様が可愛く、離婚してもお子様の親権は絶対に譲りたくないと思っておられる旦那様も多くいらっしゃると思います。

 親権獲得にあたっては、確実な将来の養育計画などを練り上げるなど専門知識が必要になりますので、親権獲得について争いになりそうな事件では早めに弁護士に相談することをおすすめします。

 

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不倫してしまった人は親権を獲得できない?の実際

2016.12.05更新

 

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1.不倫された側の心境


 

 円満な夫婦生活を送っていたと思っていたのに、奥様(旦那様)に隠れて旦那様(奥様)が浮気をしていた。その事実を知った時、不倫被害者側としては大変なショックを受けると思います。

 

 不倫の事実を受けて、今後一緒に生活して行くことが不可能であると判断した場合、離婚の話し合いをして行くことになります。

 その際、不倫被害者の方の中には「先方は隠れて浮気をするような人間なので貞操観も倫理観も持ち合わせていない。そんな人間に子供を養育させていくと、教育上良くないことは明らかなので、絶対に親権は渡さない」とおっしゃる方が相当数いらっしゃいます。

 

 それでは、不倫当事者はお子様の親権取得にあたって不利に扱われるのでしょうか。

 

2.不倫したことそのものはあまり考慮されない


 

 結論から申しますと、不倫してしまったことそのものは親権取得にあたってはあまり考慮されません。

 

 ただし、不倫を契機として、お子様の養育に悪影響を及ぼすような場合には、その限度で親権取得に影響を及ぼします。

 例えば、奥様が不倫男性に入れ込んでしまい、1週間や2週間単位で自宅を留守にすることが頻繁に続くようになったといった場合、自宅を留守にして家事育児を放棄しているということが親権取得に大きな悪影響を及ぼすことになりますし、旦那様が不倫女性との新しい生活に前のめりになってしまい、お子様に対して八つ当たりをしたりつらく当たってしまうといった場合、親権獲得に影響が出てくるでしょう。

 

3.相手の不倫で受けた精神的ショックは慰謝料で解決する問題


 

 それでは、浮気された方としては納得できないということも多いと思いますが、パートナーの浮気で受けた精神的ショックは、慰謝料を受け取ることで解決するというのが原則になります。

 奥様(旦那様)にとって相手が「良い旦那様(奥様)」ではなかったとしても、お子様にとっては「良いお父様(お母様)」であるということがあり得るということです。

 

4.不倫をしてしまった側から見た今後の手続の流れ


 

 不倫をしてしまった側からしますと、相手は不倫の被害者として、こちらの言い分に耳を貸さないと思いますので、当事者間での話し合いは難航が予想されます。

 そのため、相手がどうしても不倫の問題と親権の問題を関連づけて主張してくる場合には、家庭裁判所の調停を利用したり、弁護士を立てるなどして、できる限り不倫の問題と親権の問題を切り離して話し合いができる環境を整える必要があると言えます。

 

5.不倫された側から見た今後の手続の流れ


 

 上記の通り、不倫の事実は親権獲得にあまり影響を及ぼしません。そのため、普段のお子様の養育状況からして調停などを経ると親権の取得が難しいと思われる場合には、できる限り当事者間の話し合いで協議離婚によって解決する道を選んだ方がよいと思われます。

 

6.不倫のケースはできるだけ早めに弁護士にご相談を


 

 いずれにしても、不倫のケースでは当事者間で冷静な話し合いをして行くことが難しいですし、慰謝料の金額でも争いになるケースが多いので、できる限り早めに弁護士にご相談されることをオススメします。

 

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【弁護士が本音で話す!】離婚調停を弁護士に頼むデメリット&メリット

2016.11.28更新

弁護士 秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.インターネットを見ていると離婚調停を弁護士に頼む場合のメリットの話が多い


 

 インターネットを見ていると離婚調停を弁護士に頼むメリットばかりが書かれているサイトをよく見かけます。

 ただ、物事にはメリットもあればデメリットもあるもので、当然離婚調停を弁護士に依頼する場合にもデメリットがあります。

 

 そこで、弁護士の立場から敢えて離婚調停を弁護士に依頼するデメリットに踏み込んでみようと思います(次いでメリットの話も致しますので、できれば、そちらまでお読みいただけると有り難いです(笑))。

 

2.【弁護士に離婚調停を頼むデメリット1】高い弁護士費用がかかる


 

 私のところに離婚の問題を相談に来られる方で、一番ご心配されているのは、弁護士費用の問題です。

 弁護士に頼むとお金がかなりかかるというイメージが強いのが実情かと思います。また、弁護士費用が高いか安いかは別として、「そもそも自分で対処できるなら、自分で対処した方が、無駄な弁護士費用を払わなくて済む」とお考えの方も多く、そのことは一面で正しいと思います。

 

 ちなみに、私がご担当させていただく場合には、どのような費用がいくらかかるのかは丁寧にご説明し、ご依頼者様と行き違いがないように注意しております。

 

3.【弁護士に離婚調停を頼むデメリット2】結局本人が裁判所に足を運ばなければいけない


 

 弁護士に離婚調停をご依頼される方の中には、「仕事が忙しくて自分では調停に出席できないので、弁護士に代わりに出席して欲しい」といった要望をお持ちの方がいらっしゃいます。

 ただ、離婚調停は、夫婦生活の中でのやり取りなどを調停の場で直接確認しなければならない関係で、ご依頼者様御本人も調停に出席していただく必要があります。

 

 そして、離婚調停は平日の日中に開催されますので、多くの場合、ご依頼者様は、その日は会社を休んで調停に出席しなければならなくなります。

 

 いわゆる「弁護士に丸投げ」ということはできませんので、この点も弁護士に離婚調停を依頼した際のデメリットになります。

 なお、調停の際には基本的に調停室には別々に入室しますので、調停室で旦那様(奥様)と顔を合わせなければならないということはありません。

 

4.【弁護士に離婚調停を頼むデメリット3】相手が意固地になる危険性もある


 

 このデメリットはケースにもよるのですが、弁護士を雇うと言うことは、相手から見ると「本格的に攻めてきた」という印象を与えることがあります。

 そうしますと、相手が必要以上に反発してしまい、意固地になってしまうこともあります。

 もちろん、このように相手が反発して意固地になるケースばかりではないのですが、実際上は、このようなケースも散見されます。

 

5.【弁護士に依頼するメリット1】弁護士の調停での役割


 

 

 上記のように弁護士に依頼するデメリットを羅列しますと、弁護士に頼むメリットは何もないように見えてしまいますが、もちろん、弁護士に依頼するメリットも沢山あります。

 

 上記のように弁護士を就けても結局本人も出席しなければならないとすると、「弁護士に依頼するメリットがどこにあるのか分かりにくい」と思われた方も多いと思います。

 その様な場合に、私の方からご説明させていただくのは、サッカーや野球の監督のイメージです。サッカーも野球もプレイするのは選手本人ですが、作戦を立て、試合中も適切な指示を出す監督の仕事は大切だと思います。離婚調停における弁護士の役割も、この監督に似ていると思います。

 

 調停期日に向けて調停委員から質問を受けそうな点を整理した上で作戦を練り、調停当日も摘示に必要なご助言をすることができるからです。特に調停の席では弁護士がご依頼者様御本人の横に座って、必要に応じて弁護士自身が発言することができますので、この点はスポーツの監督より一歩進んでいると言えます。

 

6.【弁護士に依頼するメリット2】相手の論法に巻き込まれない


 

 まず、御本人が自ら調停に臨む場合のデメリットは、相手が口が立つ場合、もしくは相手が自分の主張を断固として曲げない場合に、「離婚できるなら、多少の譲歩は致し方ないかな?」と思ってしまうことです。このような態度や言葉を口にしてしまいますと、調停委員は離婚をまとめるためにあなたを説得する場面も出てきますので、大きなデメリットになります。

 しかし、一見すると筋が通っているような話でも、法律的には認められない主張の場合、弁護士が就いていれば、相手の主張を強気で拒否することができるようになります。

 

 このようにして、弁護士に依頼すると、相手の論法に巻き込まれないため、必要以上に譲歩することを防止することができます。

 特に、相手に弁護士が就いている場合には、相手のペースで話が進みがちですので、こちらも弁護士を就けることを検討したが方がよいと思います。

 

7.【弁護士に依頼するメリット3】常に道標があるため安心して調停に臨める


 

 御本人が調停の席に着く場合、調停委員がどうしても専門用語を使ってしまうことがあり、うまく理解できないということがあります。また、調停委員の話の内容が分かったとしても、その内容が正しいのかどうかを即座に判断することは難しいです。

 

 調停委員は中立的な立場で間に入ってくれるのですが、相手の言い分はそのままあなたに伝えなければなりません。相手の言い分があまりにも無理な要求の場合には、調停委員も、相手の言い分には無理がある旨を助言してくれるでしょうが、そうでない場合には「相手はこのように言っていますが、あなたのご意見はどうですか?」と質問してきます。

 相手の言い分が法律的に正しいのであれば、こちらも多少譲歩しなければならないでしょうが、相手の言い分が法律的に間違っているのであれば、即座に相手の要求は拒否すべきです。

 

 弁護士が隣にいますと、このように相手の言い分や、調停委員の話が法律的に正しいのか間違っているのかを即座に判断できますので、これを道標として安心して手続が進められます。

 

8.【弁護士に依頼するメリット4】裁判に進む可能性が高い事件での準備


 

 事件によっては、離婚調停で話がまとまる可能性が低く、訴訟に進む可能性が高いというケースもあります。例えば、①理不尽なDV被害を受けており、相手との常識的な話し合いが非常に難しいケース、②相手が親権獲得について激しく争っており、調停の場での話し合いが難しいケース、③浮気・不倫の慰謝料額の考え方についての開きが大きく、調停の場での話が難しいケースなどです。

 

 裁判に進む可能性が高い場合には、ご依頼者様にとって有利な事件なのか不利な事件なのかをきちんと見極めた上で、どのタイミングで裁判を起こすのかを正確に判断しなければなりません。

 そのため、裁判を見越した上で、調停の進め方についても工夫しなければならないため、調停の段階から弁護士を就けた方が望ましいと言えます。

 

 これまでご説明してきましたとおり、離婚調停を弁護士に依頼することにはメリットもデメリットもありますので、よく考えてご依頼されることをオススメします。なお、ご自身で弁護士に頼んだ方がよいのか判断に悩まれているという場合には、是非、無料相談をご利用下さい。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【弁護士が本音で話す!】離婚弁護士選びのコツ

2016.11.21更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.インターネット上には弁護士の情報が溢れている。


 

 インターネットが普及し、スマートフォンでもパソコンのネット情報が閲覧できる時代ですから、ふとした疑問点・不明点をスマートフォンで簡単に調べることができるようになりました。

 そのため、弁護士を探す際にも、「離婚に強い弁護士」「離婚専門弁護士」といったキーワードで探せば沢山の弁護士のサイトが見付かります。

 

 このように大量の情報に触れることができるため、逆に、どの弁護士に依頼するのか迷ってしまうことも多いと思います。

 今回は、弁護士でありながら、どのような観点から弁護士を選べば失敗しないのか、本音でお話ししたいと思います。

 

2.自分がどのような弁護士を求めているのかをよく考えてみる


 

(1)どういう人柄の弁護士を求めているのかを考えてみる

 ご自身が離婚の問題で困っている時、上記の通り、離婚に詳しい弁護士を探しがちです。ただ、離婚に詳しい弁護士といっても、色々な人柄の弁護士がいます。

 そこで、まず、ご自身がどういう人柄の弁護士を求めているのかを考えてみることから始めるのがよいと思います。

 

 例えば、①どんなときでも絶対に相手に言い負けないような「ともかくこちらの主張を強く言ってくれる頼もしい弁護士」を探しているだとか、②親身に相談に乗ってくれて一緒に話をしていて安心感が得られる弁護士を探しているだとか、③事件の進め方についてビジネスライクかつドライに進めてくれる弁護士、④自分と同じ女性できめ細かく相談に乗ってくれる女性弁護士といった具合です。

 

  なかなか弁護士のイメージが掴みにくい場合には、ご自身の年齢と同世代の弁護士を探しているのか、より年配の弁護士を探しているのかといったところからイメージを膨らませる方法もあると思います。

 

 また、インターネット上で「離婚弁護士」だとか「離婚相談」と言ったキーワードで検索すると沢山の弁護士の情報が出てきますが、その弁護士自身が過去に解決したケースを細かく説明している弁護士は案外少ないものです。このような解決事例を読んでみると、多少なりともその弁護士の人柄を知るチャンスになりますので、イメージを膨らませるきっかけにしてみて下さい。

 

(2)どの問題に強い弁護士を探しているのかを考えてみる。

 離婚と一口に言っても、問題となっているポイントは他の点にあることも多くあります。

 そのため、離婚の中でもどのような問題を多く取り扱っている弁護士を探しているのかについてはよく考えておいた方がよいと思います。

 

 例えば、旦那が浮気したので、離婚したいという場合、浮気を理由とする離婚や不倫慰謝料の請求に強い弁護士を探す必要があるでしょうし、モラハラを理由とする離婚の場合、モラハラ旦那の特長等についての理解が深い弁護士を探すべきということになります。他にも親権について激しく争われそうであるとか、財産分与の対象財産が多いなど、ご自身が悩んでいる問題点を整理しておいた方がよいと思います。

 

3.イメージが沸いたらまずは弁護士に相談してみる


 

 上記のような頭の整理ができたならば、次に行動すべきことは、弁護士に会ってみるということです。

 

 弁護士を探す方法については、以下のような方法を検討してみて下さい。

①自分の直接の友人や知人に弁護士がいないかよく考えてみる。
②自分の親戚・友人等で弁護士を知っていそうな人物がいないか考えて、弁護士の紹介を受ける。

 

 このようにして具体的な弁護士の名前が出てくるのであれば、その弁護士の特徴が、自分の依頼したい弁護士像に合致するかを考えてみて下さい。

 

 第2項でご説明した自分が頼みたい弁護士のイメージに合うかどうかを考えてみるのです。多少イメージが違う場合でも、弁護士と直接会って話をしてみると、安心感を持てるという場合もありますので、知り合いの弁護士がいる場合には、極力会って相談してみることをオススメします。

 

 知り合いの弁護士が見付からないという場合には、
・インターネットにて弁護士を探してみる
・法テラスや弁護士会の法律相談を利用してみる
・区役所・市役所の法律相談を利用してみる

という方法もありますので、検討してみて下さい。

 

 なお、弁護士会の法律相談は有料相談であることが多いので、事前に必ず料金を確認して下さい。また、区役所・市役所の法律相談は、事件の依頼は受けられない(相談だけ)というシステムの区役所・市役所もありますので、事前に確認した方がよいと思います。

 

4.初回の相談で絶対に即決しない


 

 率直に申しますと弁護士に支払う手数料は一般の方からすると高額です。

 御本人からすると重大な問題を抱えていて「一刻も早く弁護士を就けて安心したい」と考えている人もいると思いますが、このような「高い買い物」をするわけですから、初めてあった弁護士に「その場で依頼する」ということは絶対に避けた方がよいと思います。

 

 時間的な余裕があるようであれば、複数の弁護士の相談を受けてみることをオススメします。実際に弁護士に会ってみますと、どの程度親身に話を聞いてくれるのか、どの程度丁寧に説明してくれるのか、といった点は自ずと分かると思いますし、会話のやり取りをしている中で弁護士の人柄を多少なりとも掴むことができると思います。

 

 ご自身の知人であったり、知り合いからの紹介の場合、依頼を断りにくいと言うこともあると思います。その場合には、まず、相談日時の電話予約をする際に、「まだ弁護士に依頼する段階ではないと思うのだけれども、ちょっと相談に乗って欲しい」といった伝え方をしておくのがよいと思います。

 

5.最初のイメージにとらわれすぎない


 

 第2項で、依頼したい弁護士のイメージをしてみて欲しいとご説明しました。

 ただ、実際に複数の弁護士に会ってみると、当初思っていた弁護士のイメージと違う、思ったよりも敷居が低いことが分かったといった意見を述べる方も多くいらっしゃいます。

 

 そのため、最初のイメージは大事にして欲しいのですが、そのイメージにとらわれすぎないで弁護士選びをして下さい。

 

 特に、私が弁護士選びで一番オススメしているのは、弁護士と話した時の相性を判断の目安にすることです。

 短時間の相談時間においても、会話のやり取りをする中で相性の善し悪しをフィーリングで感じると思いますが、このフィーリングは大事にして欲しいと思います。

 

6.その分野に詳しいかどうか確認する方法


 

 上記の通り、あなたの抱えている悩み・問題点について得意な弁護士を選ぶことも一つのポイントだと思います。

 

 その際に、たまにこのようにご質問される方がいらっしゃいますが、このような質問は避けた方がよいと思います。つまり「先生は、離婚の問題だけを取り扱っているのですか」という質問です。おそらく離婚事件を担当する弁護士の大半は、他の一般民事事件なども担当しておりますので「離婚の問題だけを取り扱っている弁護士」は非常に少ないと見込まれます。

 そのため、「離婚の問題だけを取り扱っている弁護士」というよりも「浮気の問題の取扱は多いのですか?」だとか「この手のご相談は多いですか?」といった質問の方がよいと思います。

 

7.その弁護士の忙しさも、できるならば確認する。


 

 弁護士の中には大量の案件を抱えており、事件の処理が後れがちになってしまうという方もいらっしゃいます。弁護士の事件処理が後れてしまいますと、そのことで解決が先延ばしになってしまい、悩みの種にもなってしまいがちですから、弁護士の忙しさも考慮した方がよいです。

 

 ただ、弁護士に対して「お忙しいですか?」と質問すると十中八九「忙しいです」という回答しか返ってきませんので、あまり得策ではありません。

 

 そのため、まずは、相談日時を予約する電話から実際の相談までに要した日数というのは一つの判断要素になります。相談予約の電話から実際弁護士に会うまでに1か月以上もかかったという場合、その弁護士は非常に多忙であることが想像できますので、依頼するかは慎重に検討した方がよいかもしれません。

 

 次に、相談の際に「先生にご依頼した際、先生の方から相手に通知を送るまでにどのくらい日数がかかりますか?」と質問してみるのも方法の一つです。

 と言いますのは、弁護士が仕事に着手する場合、通常は相手に内容証明郵便という通知を送ることから始めますので、このような通知の発送があまりに遅いという場合には、その弁護士の多忙さが伺えます。

 

 

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妻に不倫がバレてしまった!関係修復のための3つのポイント

2016.11.14更新

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1.不倫発覚はある日突然やってくる


 

 御本人としては奥様に発覚しないように上手に不倫をしているつもりでも、普段の行動や言動等から奥様が不審に思い、あなたの不倫に気付いてしまっていると言うこともあります。

 通常、奥様は何の裏付けもないままあなたに不倫していないか尋ねることは少なく、ある程度の裏付けを取った上で質問してくるケースの方が多いです。

 あなたとしては、ある日突然不倫の事実を突きつけられると言うことになります。

 

 それでは、このようにして奥様が不倫の確証を持ってあなたに詰問してきた場合、どのように対応すべきなのでしょうか。

 私は、不倫が発覚した後自分のしてきたことの誤りに気付き「やり直したい」「不倫は遊びであって本気で家庭を壊したいという気持ちではなかった」という方の相談も多く受けますので、このような方々の相談を元に、どのように対応するのがベターなのか、以下の通りご説明いたします。

 

 もちろん、以下のご説明は一般論になりますので、奥様の性格や普段の言動、不倫発覚の経緯等々によっては、対応方法が異なってくる場合も当然ありますので、以下の説明が「間違いのない一つだけの正解」とは思わないようにして下さい。

 

2.【ポイント1】下手に嘘をつかない方が良い


 

 奥様があなたに不倫の事実を突きつけてきたという場合、通常はそれなりの裏付けを取った上で行動しているケースの方が多いです。

 そのため、奥様の裏付けがしっかりしている場合には、下手に嘘をつかずに、どのような行為をしてしまったのか正直に話した方が良い結果に繋がることが多いです。

 

 上記の通り、奥様から不倫の事実を突きつけられるのは唐突なことになりますので、混乱して正確な対応ができないことも多いかと思います。

 不倫発覚後は奥様と時間を取って何度も話し合いをすることになりますので、あなたとしても冷静さを取り戻した後は、正直に事実関係を話した方がよいと思われます。

 

 冷静になった後も不倫の回数を誤魔化したりだとか、不倫相手の女性と知り合った経緯を捏造したりだとか嘘をついてしまう人は多いのですが、そのような嘘は後で発覚することが多いため、あまりオススメできません。

 仮に一度奥様と話し合って、当面離婚しないという結論に至ったとしても、その後にこちらの嘘が発覚してしまいますと、奥様もあなたのことを信じられなくなってしまいますので、「嘘をつく」ということは、非常にリスクの高い行為と言えます。

 

3.【ポイント2】夫婦関係の不満は極力言わない


 

 不倫に及ぶ場合、通常は、夫婦関係に何らかの不満を持っていることが多いです。

 奥様との性生活に不満があったり、普段の行動に納得できない、夫婦の今後に多少なりとも不安がある等々、何らかの不満があり、外にその不満のはけ口を求めた結果不倫に繋がってしまったといったことです。

 

 ただ、夫婦生活を営んでおりますと、何の不満も生じないと言うことはないのであって、大なり小なり不満を抱く事象が生じるのが普通です。

 そのため何らかの不満があったとしても、そのことは不倫を正当化する理由にはなりません。

 

 私が不倫被害者側の代理人として不倫加害者側である旦那様や奥様にお会いすると、平然と夫婦関係の不満を述べたり、言葉には出さないまでも不満を持っているという雰囲気を強く感じると言うこともあります。

 ただ、このような姿勢では夫婦関係を建て直すことは非常に難しくなります。

 

 不倫被害者側からしますと、相手の不倫という事実でショックを受けているのに、相手から夫婦関係の不満まで述べられてしまいますと「傷口に塩を塗られる」ようなもので立て直しが難しくなるのです。

 なお、不倫発覚後、奥様の方から逆に夫婦関係に不満があったのか質問されることがあります。奥様によっては「何かきっかけがないと夫が不倫に走ることもない」と考える方もいるため、このような質問がなされるのです。このような形で明確に質問された場合には、夫婦関係の不満点を1,2点述べることは良いと思います。

 

4.【ポイント3】誓約書の作成などには最大限協力する


 

 不倫が発覚しますと今後同じような不倫を繰り返さないようにということで誓約書の作成を求められることがあります。

 その内容があまりにこちらの生活を縛るようなものであれば、拒否せざるを得ないと思いますが、そうでなければ極力誓約書の作成には協力した方が、良い結果を生むことが多いです。

 

 ただ、相手の言うとおりに誓約書の中身も確認せずに署名押印すると言うことは絶対に避けた方がよいと思います。

 例えば不倫の経緯や回数等について全くの嘘が書かれているだとか(例えば、1か月に1回くらいしか会っていなかったのに、毎週会っていたと書かれているなど)、今後違反した場合の罰金が高額すぎる場合には、修正を求めることも検討すべきです。

 

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低収入だと親権を取得できない?の実際

2016.11.07更新

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1.親権と収入の問題


 

 私のところにご相談に来られる方の中には、現在専業主婦で、今離婚しても収入がないために子供を育てていく自信がないだとか、パート収入は微々たるもので、この収入だけでは子供を育てていくことが難しいので親権を取得できないのではないかとご心配されている方も多くいらっしゃいます。

 結論から申しますと、低収入だからといって親権を取得できないということはありませんし、収入面は、親権者決定にあたって大きな影響を与える事情にはなりません。

 

 現に私が担当した事件でも、生活保護を受けて生活されている方が親権を取得する判決を勝ち取ったケースもあります。

 

2.養育費の額を考慮して良いこと


 

 ご夫婦とお子様の現在の生活は、おそらく収支のバランスが取れているのだと思いますが、これは一重に旦那様の収入があるからだと思います。

 

 よく旦那様からご依頼を受ける際に、旦那様から「私の方が圧倒的に家内よりも収入があるので、私が親権を取得した方が子供の未来の選択肢が増える。そのことは子供の幸せに繋がる」ということをおっしゃる方もいらっしゃいます。

 確かに、十分な収入があった方がお子様の将来の選択肢が拡がる面はありますが、逆に言いますと、その分旦那様が奥様に高額の養育費を支払えば解決する問題とも言えます。

 

 もちろん、通常養育費の金額はいわゆる算定表で算出した金額を軸にして話し合いを行うことが多いのですが、養育費さえきちんと支払われれば奥様やお子様の生活が十分安定するというケースですと、収入格差や奥様の低収入は必ずしも親権取得にあたって大きく不利にはなりません。

 

3.重要なのは離婚後の生活プラン


 

 上記の通り、奥様の低収入が親権取得にあたって大きな考慮要素にならないとしても、今後の生活プランについてはきちんと調えておく必要があります。旦那様が離婚後も養育費を毎月しっかりと支払う保障はありませんので、多少養育費の支払いが滞ることがあっても生活できるだけの基盤を調える必要があります。

 専業主婦をしていた期間が長く、離婚後直ぐに仕事を見付けることが難しいという場合には一度ご実家にお戻りになって生活を建て直すという方もいらっしゃいます。

 

 そして、今後の生活プランという場合には、漫然と実家に戻って生活するというだけではなく、実家近くのどの保育園や学校にお子様を通わせて、奥様としてはどのような仕事に就くべく就職活動をするのか、ご実家からどの程度の距離の職場をターゲットにして、勤務時間をどの程度にするのか、どなた(ご実家のご両親や近隣の兄弟姉妹等)の協力をどの程度得て生活して行くのかといった点を具体的にイメージして行く必要があります。

 このように今後の生活プランを具体的にして行けば、ご自身の安心にも繋がりますし、相手の説得材料にもなります。

 

 また、離婚して母子家庭になりますと児童扶養手当や児童育成手当などの公的扶助を受けられる可能性もありますので、具体的にどの程度の金額公的扶助を得られるかについても予め確認しておく必要があります。

 

4.モラハラ旦那との紛争は早めに弁護士にご相談を


 

 低収入で親権取得に悩まれている方の中には、共同生活の中で、旦那様の方から「誰の給料で生活できていると思っているんだ?」とか「離婚してもお前は収入がないんだから生活できないだろう」といったモラハラ発言を受けているケースも見られます。

 このようなケースではご夫婦間で対等な話し合いをすることは非常に難しいと思いますので、早めに弁護士にご相談されることをオススメします。

 

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離婚裁判って何だ?

2016.10.24更新

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1.離婚裁判って何だ?


 

 離婚調停がご夫婦同士の話し合いを前提としているのに対して、離婚裁判は裁判所による判決を得ることを目的とする手続になります。そのため、同じ裁判所で行う手続であっても調停と裁判とでは全く異なる手続ということになります。

 判決には強制力がありますので、判決の内容には従わなければならなくなります。例えば、「原告と被告とを離婚する」という判決が言い渡されて、その内容が確定した場合、その判決文を持っていけば一人だけで離婚届を提出することができるようになります(相手が反対しても離婚届は受理されます)。

 

 離婚調停と比較していくと離婚裁判がどのようなものか、概要を掴むことができると思いますので、比較しながらご説明します。

 

2.離婚裁判と調停の違い


 

 離婚裁判と離婚調停との間にはいくつもの違いがあるのですが、大きな違いとしては以下のような点が挙げられます。

①裁判は判決を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②裁判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われます。

③裁判には控訴という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④裁判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤裁判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

 それぞれについて具体的に説明して行きます。

(1)裁判は判決を目指す

 冒頭でも説明しましたとおり、裁判は判決を得ることを目的としており、判決が言い渡されて、その内容が確定すると、不満のある当事者も判決の内容に従わざるを得なくなります。

 調停の場合には、相手の提案に納得が行かない場合には、納得いかない旨を述べれば調停は成立しませんので、相手の言い分を強要されることはありませんので、この点が裁判と調停の一番大きな違いと言えます。

 

(2)裁判は原則公開法廷で行われる

 調停は調停室という会議室のような部屋で行われるのですが、裁判は原則として法廷(テレビドラマなどに出てくるのは通常この「法廷」になります)で行われます。但し、裁判の途中から弁論準備手続という手続に入ることも多く、弁論準備手続は基本的に非公開で行われます。

 

(3)判決に対しては控訴という不服申立ができる

 離婚裁判の結論として判決が言い渡された場合でも、その判決に不満がある当事者は、控訴をして、その判決内容を争うことができます。

 これに対して、調停が成立した場合、後で気持ちが変わったとしても調停の内容を覆すことはできません(不服申立手段がありません)。

 なお、離婚裁判の中で当事者間の話し合いが上手くいった場合には、「和解」が成立することがありますが、この和解に対しては不服申立ができません。

 

(4)裁判では書類のやり取りが中心になる

 離婚裁判では、最終的には裁判官が判決を書くことになりますので、当事者の言い分が不正確にならないように、お互いの言い分は準備書面といった書面に書き起こして主張してゆくことになります。

 離婚調停の場合には、特に調停委員が希望する場合を除いて、言い分は調停室内で口頭にて述べられますので、この点も裁判との違いになります。

 このように裁判では本人の言い分が裁判官にきちんと届くように書面をまとめることが非常に重要になりますので、裁判期日当日というよりも当日よりも前の準備書面の準備が重要になります。

 実際上も、裁判期日当日は、短い時には5分程度で終わってしまうこともあります(「事前に書類を提出したとおりです」と発言するだけで終わってしまうこともあるからです)。

 

(5)裁判には原則本人は出席しなくて良いし、通常は出席しない

 離婚調停の場合、仮に弁護士が代理人に就いたとしても、本人が調停手続に出席する必要があります(弁護士も同席します)。

 これに対して、離婚裁判の場合、代理人が法廷に出席すれば良く、本人が出席する必要はありません。

 離婚裁判の場合、上記の通り、書類のやり取りが中心になりますので、期日当日本人に事実確認をする必要がなく、御本人に出席していただく必要はなくなるのです。

 

3.裁判の具体的イメージは?


 

 裁判というと、よくドラマでやる様な相手を証言台に立たせて尋問することをイメージする方も多いと思いますが、実際の裁判は少し違います。

 大きなイメージとしては、①お互いの言い分を言い尽くすステップ→②必要な証拠を出し尽くすステップ→③尋問手続→④判決という流れになります。この説明だけでは、今一ぼんやりとしか分からないと思いますので、より具体的にご説明します。

 

①お互いの言い分を言い尽くすステップ

 前述の通り、裁判は調停とは違って口頭で説明するのではなく書面を提出して説明していくことになります。要するに、どうして離婚したいのか、どうして親権を獲得したいのかといった点を詳しく説明する書類を裁判所に提出するのです。

 このような説明書類はいったん説明すれば済む気もするのですが、このような説明書類に対しては相手も反論してきます。相手の反論に対して再反論し、また相手から反論がありと言ったやりとりを何度か繰り返していくことになります。

 

②必要な証拠を出し尽くすステップ

 上記の言い分を言い尽くすステップの中で通常は、裏付け証拠も一緒に提出していくことになります。例えば、相手からのモラハラがあった証拠として相手からのLINEを証拠で提出したり、と言った具合です。

 前述の言い分を再度振り返って、提出が漏れていた証拠などを発見することもありますので、最後に、証拠を出し尽くすステップが設けられるのが通常です。

 

③尋問のステップ 

 上記の様なやりとりを経て、ようやく尋問のステップに到着します。いわゆるドラマでよくやる証言台で相手から話を聞くステップです。

 このように尋問のステップは、かなり終盤で実施されるステップとお考えいただければよいと思います(ただし、親権の獲得で激しい争いがあって、家庭裁判所調査官の調査が入る場合には、尋問の後に調査官調査が行われたりします)。

 

④判決

 上記の様なすべてのステップが終わると、裁判所の方から判決が言い渡される期日が指定されます。お互いの言い分と証拠がすべて出そろったので、裁判官が、言い分や証拠をもとに判決文を書き上げるのです。前述の通り判決文には強制力がありますので、それには従う必要があります(但し、判決に不服がある場合には控訴することが可能です)。

 

 

4.ケースにもよるが弁護士としてはあまり裁判をオススメしない


 

 もちろんケースにもよりますので一概には言えないのですが、私が弁護士としての立場で申し上げさせてもらいますと、裁判はあまりオススメしません。大きな理由は以下の通りです。

 

①最終解決までに時間がかかる

 裁判の手続を進めますと細かな資料の提出を求められるなどして相当期間を要することが多いため、最終的な離婚までに時間がかかってしまいます。

 

②御本人にとって精神的負担が大きくなる

 ①の点にも増して、裁判になると御本人の精神的負担が大きくなります。

 といいますのは、裁判になりますとお互いが主張の出し惜しみをしなくなりますので、お互いに夫婦生活でイヤだと思った点、傷ついた点、不十分であった点などを最大限主張してゆくことになるので、このような書面を見るたびに気持ちが滅入ってしまいます。

 

 相手の言い分が事実ならば多少はよいのですが、裁判になりますと誤解に基づく発言や当時のシチュエーションを無視した主張などがなされますので、余計に精神的な負担が大きくなります。

 もちろん当事者間の対立が激しく、相手が不合理な言い分に固執しているような場合などは裁判に手続を進める他ないでしょうが、そうでない場合には基本的に調停による決を目指す方が望ましいと思います。

 

 離婚調停が行き詰まるなどして、今後の進め方に不安があるような場合には早めに弁護士にご相談下さい。

 

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離婚調停って何だ?

2016.10.11更新

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1.離婚調停って何だ?


 

 離婚調停とは、一般的には、ご夫婦間で直接のお話し合いが難しい時に、家庭裁判所の調停委員を間に入れてご夫婦間の話し合いを円滑に行いお互いの合意を目指す手続などと言われたりします。

 しかし、この説明だけでは漠然としていて離婚調停のイメージを掴むことは難しいと思いますので、できる限り具体的に離婚調停というものがどのようなものなのかをご説明します。

 

2.調停委員ってどんな人?


 

 離婚調停は、裁判官1名と調停委員2名(男性1名、女性1名)の合計3名が間に入って執り行われます。と言っても、裁判官は複数の事件を担当していますので、実際に調停室で直接話をするのは基本的に調停委員2名と言うことになります。

 

 では、この調停委員というのはどういう人なのかと言うことですが、原則として40歳以上70歳未満の人で、社会生活上の豊富な知識経験や専門的知識を有する裁判所職員になります。弁護士、大学教授や裁判所書記官OBなどが調停委員になるなどしています。

 

3.離婚調停ってどこで行うの?


 

 離婚調停は家庭裁判所の建物内の一室で行われます。調停委員に、ご夫婦の自宅などに出向いてもらって話し合いをするということはできません。

 

 テレビのドラマなどを見ていますと、いわゆる裁判所の法廷の場面が映し出されていますが、調停が行われるのは一般的な法廷ではなく、イメージとしては会議室のような場所で行われます。

 会議室と言っても何十人も座れるような広い会議室ではなく、6人掛け(いわゆる誕生日席2席を加えると8名が座れる程度)のテーブルが入って多少余裕がある程度の部屋とイメージしていただければ分かりやすいと思います。

 

4.離婚調停って何時行うの?


 

 調停が開催される期日は完全事前予約制なので、予め日時を決定しておき、その日に裁判所に足を運ぶという方式になります。

 調停が行われるのは平日の日中ということになりますので、土日祝日や夜間に調停を行うことはできません。そのため、平日お仕事をされている方は、調停の日はお仕事を休むか早退するなどして出席することになります。

 

 この調停期日は一方的に裁判所から決められることはなく、基本的にはご夫婦の都合を聞いて日時が決定されます(但し、第1回調停期日については、相手方の都合は聞かずに日時が決定されます)。

 

 ただ、担当調停委員によって担当曜日が決まっているのが一般的ですので、その曜日の中から日時を選択するという形式が一般的です。つまり、担当曜日が月曜日と木曜日というように決まっているという場合、月曜日か木曜日の中から期日を選択して行くことになります(逆に言うと水曜日を希望しても水曜日に調停を開催することは難しいということになります)。

 

5.1回の調停はどのくらいの時間がかかるの?


 

 1回の調停は2時間程度で終わります。ただ、話し合いの状況に応じて2時間よりも長くなったり短くなったりすることもありますので、2時間というのは一つの目安だと考えて下さい。

 

6.当日の調停の流れは?


 

 調停の流れは裁判所や調停委員によって差があるので画一的ではないのですが、一般的には以下のような流れで進むケースが多いです。

①ご夫婦は別々の待合室で待機

        ↓

②調停委員に名前を呼ばれるので、調停委員の案内で調停室に入室

        ↓ 

③ご夫婦が揃った調停室にて調停委員から調停手続の概要を説明(第2回目の場合、前回の調停での話し合いのおさらい及びその日の調停での目標等の確認)

        ↓

④申立人のみが調停室に残って調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑤申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑥相手方が調停室を退室し、入れ替わりで申立人が調停室に入室、申立人のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑦申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑧ご夫婦が揃った調停室にて調停委員と次の調停の日時を決定し、同時に次回までの宿題などの確認をする。

 

 なお、上記の③と⑧については、調停委員によってはご夫婦別々で確認を行うということもあります。特に旦那様からのDVやモラハラに悩んでいるという場合には、③と⑧について夫婦別々で行いたいと強く希望を出した方がよいと思います。通常は、この希望を受けて別々で行われることになります。

 

7.調停室内に入れるのは誰?


 

 よく自分一人で調停室に入っても上手に話ができるか不安があるので、ご自身のお姉様やお母様も同席させて欲しいとおっしゃる方もいます。

 しかし、調停の手続は非公開の手続(御本人以外の方の傍聴などが認められていないということです)ですので御本人以外が入室することはできません。

 なお、弁護士に事件を依頼した場合には、弁護士も調停室に同席することができますので、その面では安心です。

 

8.調停が開催される頻度は


 

 調停の期日の間隔は1か月程度になります。ただ、夏期や年末年始は調停を行わない時期がある関係で、この時期の調停の間隔は1か月以上空くことが多いです。

 

 

9.調停が成立した場合の拘束力は?


 

 よく「調停が成立すると判決と同様の拘束力がある」と言われたりします。

そのため、例えば養育費をいくらだとか、財産分与をいくらと定めたのに、相手が約束を破った場合、強制執行をして強制的に取り立てることができるようになります。強制執行とは裁判所の手を借りて、相手の預金や給料からお金を取り立てることをいいます。

 そのため、調停での結論には強い効力が認められています。

 

 

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