お子さんのこと

2年以上粘り強く養育費を支払わせ続けたケース

2015.12.25更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士の秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.養育費は支払われなくなっても仕方ないもの?


 

 私は、離婚事件を多数手がけていますが、ご夫婦の離婚の問題について最初からご相談を受けるケースと、協議離婚の後に、元夫との紛争についてご相談を受けるケースとがあります。

 

 特に、離婚して数年間が経過してしまい、元夫から養育費が支払われないといったご相談を受けることも多くあります。

 

 その様な場合に、もう離婚して期間が経ってしまっているのだから、養育費が支払われなくてもある程度仕方ないと思っていますと言った話をされる方も多くいらっしゃいます。本当にそうでしょうか。

 

 

2.私が担当した事件        


 

・ご依頼者様 : 40代後半の女性(Kさんと言います)

・ご依頼内容 : 家庭裁判所の調停によって離婚し、養育費も支払うと約束したのに、支払がストップしたので、養育費を回収してほしいとのご依頼内容でした。

 

なお、この事件の相手 : 40代後半の元夫、お子様 :  小学校高学年の息子様と小学校低学年の息子様の合計2人、家庭環境 : 離婚済み、別居中でした。

 

 

3.この事件での私の活動     


 

 この事件で、私はまず、元夫に対して、養育費の支払いを催促する文書を内容証明郵便にて送付しました。

 すぐに、元夫から連絡があり、現在失職しており、失業手当しか収入がないから払えないとの内容でした。

 

 これに対しては、本当に失職しているのか、失業手当受給の証明を送付してもらい、その確認を取ると共に、差押えを示唆しながら粘り強く交渉を行いました。

 

 特に交渉にあたっては、元妻に支払うのではなく、お子さんの生活費のために払って欲しいということを強調しました。

 

 最初のうちは、元夫は、私に対して「私は差し押さえられる様な財産なんて持ってないんだから、やれるもんならやってみろ」と言っていましたが、私の方も粘り強く話をしたところ、最終的には、元夫も養育費の支払いに渋々納得しました。

 ただ、元夫が失業中という事情もありましたので、離婚時に約束した養育費よりも金額は下げる形で折り合うことになりました。

 

 

4.その後の活動          


 

 上記の通り、元夫は、月々の養育費を支払うようになったのですが、弁護士の目が届かなくなりますと直ぐに支払いがストップする危険性があるケースでしたので、毎月私から催促をして、養育費の支払を継続させています(このような催促は、もう2年ほどになります)。

 

 なお、私の方から毎月催促をする際には、その都度元夫が再就職していないのか、現在の収入を証明する書類はないのかと言った点を尋ねていましたので、元夫も収入が多いときなどは、多少多めに養育費を支払ってきました。このことも、粘り強く催促を続けてきた一つの成果ではないかと思います。

 

 

5.離婚後の養育費請求には落とし穴が多い


 

 詳しくは別のブログで触れますが、離婚後の養育費請求には、落とし穴が多いので注意が必要です。

 差押えを実施していくためには離婚が調停で終了しているといった条件が必要になりますし、離婚後の元夫の環境によっては養育費減額請求がなされるといった危険性もあります。

 

 そのため、養育費の件でお悩みの方は、リスクもきちんと理解していただく必要がありますので、お気軽に弁護士秦真太郎までご相談下さい。

 

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関連記事

 


>>「元夫に養育費を支払わせる4つの方法」

>>「離婚後養育費請求の落とし穴(1)-元夫の反論QA」

>>「弁護士が取り扱う離婚問題の3つのステップ」 

 

 

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雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

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投稿者: 弁護士秦真太郎

親子関係不存在確認調停が認められたケース

2015.12.04更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

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1.私の担当した事件

・ご依頼者様 : 20代後半の女性

・ご依頼内容 : 旦那様からの暴言に耐えられないので離婚したいということで、離婚問題のご相談を受けていたのですが、奥様が他の男性とのお子様を妊娠してしまい、出産することになってしまいましたので、そのお子様との親子関係不存在の事件も担当することになりました。

 

なお、相手方 : 20代後半の旦那様、お子様 : 高校に通う息子様、中学校に通う娘様、小学校に通う娘様の合計3人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

2.嫡出否認は旦那様から訴えるもの

 

 前週のブログにて「嫡出否認」のケースをご紹介しましたが、嫡出否認は、奥様が勝手に出生届を提出した場合に、旦那様の側から、「自分の子供ではない」と訴えるケースになります。

 そのため、奥様の側から訴える場合には、嫡出否認の調停、裁判を起こすことはできず、親子関係不存在の調停や裁判を起こしてゆくことになります。

 

 今回のケースでは、奥様が出生届を役所に提出してしまいますと、旦那様との子供として受理されてしまいますので、出生届は提出せずに、親子関係不存在の調停を申し立てました。

 

 

3.親子関係不存在の調停

 

 今回の親子関係不存在の調停申立時に一番懸念していたのは、旦那様が出席しないのではないかという点、お子様との父子関係についてDNA鑑定に協力しないのではないかという点でした。

 

 しかし、旦那様としても明らかに自分の子供ではない者が、自分の子供として戸籍に登録されることを非常に嫌がっており、DNA鑑定等には積極的に協力を得ることができました。

 

 その当時のDNA鑑定の費用は、5万円程度で済みました。

 

 DNA鑑定の実施には、裁判所の協力を得ることができ、裁判所の調停室を利用して、鑑定業者を介して、円滑に鑑定資料の採取を行うことができました。

 

 

4.旦那様からの主張

 

 上記の通り、旦那様は、DNA鑑定には協力したものの、奥様と関係を持った男性を明らかにするよう執拗に迫ってきました。

 

 この点は、ご夫婦の別居から5年以上が経過しており、浮気にはならないことを理由として、相手の男性の情報を公開せずに済みましたが、この部分に関する旦那様とのやり取りには非常に神経を遣いました。

 

 

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