お子さんのこと

面会交流への立ち会い

2015.07.08更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.面会交流とは? 


 

 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

 例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流の問題は、ご夫婦の間で離婚について協議している時にクローズアップされることが多いので、お互いに感情的になり、なかなか話し合いが進まなかったり、条件面で折り合えないと言うことも多々あります。

 

 

2.面会交流への立会い


 

 私は、様々な離婚事件を取扱い、何度か面会交流の現場に立ち会ったこともあります。なお、面会交流の条件について詳しく取り決めをしたケースについては、「面会交流について詳細に定めて和解した離婚事件」のブログでご紹介しました。

 

 弁護士が面会交流に立ち会うのは、依頼者である奥様からご依頼されることが多いです。特に、別居後何か月間か旦那様にお子様を会わせていないケースでは、面会交流時に旦那様がお子様を連れ去る危険もあり、その際、奥様の女手だけでは連れ去り防止に不安があると言うことで面会交流の立会を要望されるのです。

 

 弁護士としても、お子様が父親と接触している様子を見れば、一定程度父親の人柄やお子様の反応を見ることもできますので、その後の親権の主張や、面会交流の条件決めにも参考になると言うメリットがあります。

 

 私が面会交流に立ち会ったケースとしては、公園で父親がお子様と面会交流(一緒に遊具等で遊ぶ)するのを見届けたり、喫茶店で父親とお子様が面会交流(一緒に軽食などを頂く)する席に立ち会ったり、私の弁護士事務所の会議室で面会交流(お子様と一緒にお話しされます)を実施したこともあります。

 

 たまに誤解されている方もいらっしゃって、「秦先生が立ち会って下さるので、私は立ち会わなくても良いのでしょうか?」とご質問を受けることがありますが、奥様にも立ち会っていただく必要があります。

 

 奥様からしますと、旦那様に対する恐怖感をお持ちの方もいらっしゃいますので、面会交流に立ち会うイコール旦那様とも一定の時間顔を合わせなければならないと言うことを強く不安に思われるのはよく分かります。

ただ、面会交流中、お子様の体調が急変するといった事態もゼロとはいえませんので、そのような場合に、私だけで対応することは困難です。また、奥様にも旦那様とお子様との面会交流の様子は直接見ていただくことは、お子様の意外な一面を見ることができることもあって、有益なことが多いです。

そのようなことから奥様の立ち会いも必要になります。

 

 

3.面会交流に立ち会って思うこと


 

 私が面会交流に立ち会ったケースでは、特に旦那様がお子様を連れ去ろうとしたことはなく、その意味では大きなトラブルもなく経過しています。

 

 また、事前に奥様から得ていた情報では、旦那様がお子様ときちんとコミュニケーションが取れるか心配していたケースでも、実際にはきちんとコミュニケーションを取れているケースが大半だと思います。その意味では、お子様の成長にとってはプラスになったことが多いようにも思えます。

 

 このようなことも、現実に私自身が面会交流に立会い、短くとも30分、長い時には2時間程度同席してお子様の表情や会話を直接見聞きしているからこそ分かることでもあると思っております。

 

 なかなか弁護士も多忙なものですから、このような面会交流には一切立ち会わないという弁護士もいると思いますが、私は、その様な方針はとっていません。

 

 ただ、依頼者様の強い要望があり、私が立ち会った方が望ましいというケースかどうかは良く見極めるようにしております。お子様にとって、私は全くの他人になりますので、私が立ち会うことでお子様が強く緊張してしまうということも多いからです(なお、面会交流に立ち会う際には、奥様のお友達と言った形で立ち会わせて頂くことが多いです)。

 

 

4.児童養護施設でのお子様との面会


 

 なお、面会交流時の立会とは異なりますが、依頼者様のお子様が児童養護施設に保護されており、同施設内でお子様と面会したこともあります。その際には担当の児童福祉士、児童心理士も立会って面会を実施しました。

 このように通常の環境とは異なる環境にいるお子様と面会することは、依頼者様に親権を取得させる動力源にもなり、極めて有意義な機会であったと思いました。

 

>>離婚事件を多数手がける弁護士秦真太郎への無料相談はこちら

 

関連記事

 


>>「面会交流って旦那様にお子様を会わせるだけだと思っていませんか?」

>>「弁護士が取り扱う離婚問題の3つのステップ」

 

  

>>兜町の弁護士秦真太郎の離婚問題に関する情報はこちら 

 

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

面会交流について詳細に条件を定めて和解した離婚事件

2015.07.06更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.面会交流とは?


 

 面会交流(めんかいこうりゅう)という言葉は普段耳にしないと思いますが、ご夫婦(または元夫婦)の一方がお子様を育てている場合に、他方配偶者がそのお子様と会って交流することを意味します。以前は「面接交渉」という用語を用いることが多かったのですが、最近は「面会交流」という用語を用いるのが一般的です。

 

 例えば、夫婦の折り合いが悪くなって、奥様がお子様と一緒にご実家に別居しているときに、旦那様がそのお子様と会って話をしたり、一緒に遊んだりすること等を「面会交流」と呼びます。

 面会交流は、ご夫婦が別居されている時にも問題になりますが、離婚した後にも問題になります。

 

 

2.私が担当した事件 


 

・ご依頼者様 : 30代前半の女性(Iさんと言います)

・ご依頼内容 : 旦那様からの暴言に耐えられず離婚したい、旦那様も離婚には応じる姿勢だけれども、娘様の親権を譲る意思はないとのことでしたので、親権を獲得して欲しい、親権獲得時には、面会交流についてもきっちりと約束したいとのご依頼内容でした。

 この事件は、離婚協議、離婚調停がいずれもまとまらず、離婚裁判に発展して争われました。

 

なお、この事件の相手方 : 30代前半の男性、お子様 : 保育園に通う娘様お一人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 この事件は最終的には裁判所が仲介する形で和解が成立し、事件解決したのですが、この事件では和解の際に面会交流の条件をきめ細かく定めた事が特徴的な事件でした。

 

 

3.この事件で面会交流の条件を、きめ細かくした理由


 

 Iさんの旦那様は、結婚生活の中で、Iさんに対してだけではなく、娘様に対しても暴言を発することがあり、また、そのことを誤魔化す傾向がある、嘘をつくことも多いという事情がありました。

 

 このような事情がありましたので、Iさんは、旦那様に対する強い不信感を持っており、面会交流の条件をきめ細かく取り決めて欲しいと強く希望していました。

 

 また、Iさんがおっしゃっていたのは「旦那は、ずる賢いので、口約束だけでも離婚して暫くは約束を守るけれども、期間が経つと、約束を守らなくなるのではなないかと不安です」ということでした。その意味では単なる口約束よりも、裁判所の公的な書類である和解調書に約束事項をきちんと書き込んで欲しいと話していました(裁判中の和解手続きで、当事者間の話し合いがまとまった場合、その内容は、「和解調書」という書類にとりまとめていくことになります。)

 

4.実際の面会交流条項


 

 実際の裁判の和解条項では、以下のような形で面会交流の条項が盛り込まれました。

 

■原告(旦那様)と○○(お子様)との間の面会交流について、以下のとおり定める。

(1)頻度           1ヶ月に1回

(2)時間           1回につき9時間以内、終了時間は午後7時以前とする。

(3)場所           (2)の時間帯でおさまる限度で移動可能な場所

(4)方法       原告(旦那様)が被告(奥様)方に○○(お子様)を迎えに行き、面会交流ができる場所に移動する。面会交流終了時には被告(奥様)が原告方(旦那様)に○○(お子様)を迎えに行き帰宅する方法

(5)連絡方法 日程の連絡は、原告(旦那様)が被告(奥様)に対して、実行日の2週間前までに連絡する。その上で、面会交流の日時や面接場所等について、協議を行う。

                             なお、協議については、メールを用いて行なうこととする。

(6)その他      

①原告(旦那様)は面会交流の実施にあたっては、○○(お子様)の年齢、性別、体調、意思、保育園・学校等の行事に配慮しなければならない。

②当事者は、協議により、前記日時、場所、方法等必要な事項を変更することができる。

 

 

5.面会交流の条件は細かい方が良いのか簡単な方が良いのか。


 

 当職の長年の弁護士経験からしますと、上記のように面会交流の条件を事細かに定めることは稀で、もっと簡単な形で合意することの方が多いように思われます。例えば、簡単な面会交流条項とする場合には、「被告(奥様)は、原告(旦那様)に対し、月1回程度○○(お子様)との面会交流を認める。原告(旦那様)は面会交流の実施にあたっては、○○(お子様)の体調、意思、行事等に配慮しなければならない。」といった表現しか盛り込まないということもあります。

 

(1)面会交流の約束を簡単にするメリット

 面会交流の条件を簡単にするメリットは、今後のお子様の成長に応じて面会交流の条件を柔軟に変更することが可能になるというのが最大のメリットといえます。「月1回程度」としておけば、必ず1ヶ月に1回面会交流させなければならないと言うこともないので安心でもあります。

 また、離婚の際には、養育費や財産分与と言った様々な問題を議論していることが多いので、面会交流の条件を細かくしますと、その条件の当否が新たな火種になることがあり、問題を複雑化しないために、面会交流の約束は簡単にすると言うことがメリットになり得ます。

 

(2)面会交流の条件をきめ細かく約束するメリット

 他方、簡単な条件しか決めませんと、実際面会交流させる際に、詳しい条件などについて細かなやり取りをしなければならなくなってしまいます。そのため、あらかじめ面会交流の骨組みを決めておけば、その都度の面会交流で細かいやりとりをする必要がなくなります。

 また、離婚後の面会交流において、面会交流の条件などを電話などで伝えるだけですと、後から「言った」「聞いていない」の論争が起きる可能性があります。そのため、あらかじめ面会交流の条件をきめ細かく決めておきますと、その内容は、和解調書にきちんと書いてありますから、約束に違反したのかしていないのかが明確になります。

 

5.面会交流の条件の決め方


 

 上記は、面会交流の条件について詳しく定めたケースですが、面会交流の定め方は、そのご夫婦が抱えている問題点等を考慮して、総合的かつ漏れがないように定める必要があります。もちろん、上記のように面会交流の定め方は簡単に定める方法の方が一般的ではあるのですが、簡単な定め方では不安があるという方も多いと思います。

 

 その様な方は、是非、面会交流の条件付けについてノウハウのある弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

 

 

関連記事 


>【弁護士が徹底解説!】面会交流で問題となる全事項

>【弁護士秦の解決実績1】乳児との面会交流を断固拒否し続けたケース

>【弁護士秦の解決実績2】面会交流の回数を明記せずに離婚したケース

>【弁護士秦の解決実績3】面会交流の行事参加について明記したケース

>面会交流って、旦那様にお子様を会わせるだけだと思っていませんか?

>面会交流を一切拒否することは親権獲得にどの程度不利になるの?

 

 

>>面会交流の問題にも力を入れている弁護士秦(はた)に直接相談したい方はこちら!

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

弁護士 秦真太郎 -雨宮眞也法律事務所- 受付時間 9:30~18:00 定休日 土日・祝日 住所 東京都中央区日本橋兜町1-10日証館3階

※事前予約があれば平日夜間(22時まで)も対応可能です。