Q&A

突如調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック7】調停委員はどこまで離婚を勧めてくるか?

2020.03.30更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。>「理不尽な離婚に対してNO!」旦那様側の夫婦関係総合サイトはこちら<になります。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

 

1.そもそも、調停委員ってどんな人がなるの?


 

 調停が始まると、調停室には男性1名、女性1名の調停委員が座っていて、色々と話を聞いてくれたり、相手の話を伝言してくれるのですが、その調停委員はどんな人なのかは気になるところです。

 調停委員のなり手としては、弁護士や司法書士、鑑定士、大学教授、元書記官、上場企業の元役員や元部長等々様々です。このように必ずしも家事事件の専門知識を有していない方が調停委員になることもありますので、細かな法律問題についてまではよく分からないという方もいらっしゃるのが現実です。ただ、基本的な調停の進め方や基本的な法律問題の知識は皆様お持ちですし、詳しい法律問題については裁判官の意見を聴くことが多いため、このような形でフォローされることが多いです。

 

 

2.調停委員はどこまで離婚を勧めてくるか


 

 これは調停委員の方の個性が出る部分でもありますので、一概には申し上げられないのですが、強烈に離婚を勧めてくる調停委員がいるのも事実です。調停委員によっては、こちらのことを「女の敵」と言わんばかりに責め立ててくる調停委員もおりまして、対応に難儀することもあります(ただ、ここまで極端な対応をしてくる調停委員はごく少数ですが)。

 ここまで極端に離婚を勧めてこないまでも、大半の調停委員は離婚方向で話を進めたがる傾向が強いです。そもそも、離婚調停では、(夫婦円満ではなく)離婚で調停がまとまるケースが多いため、このような傾向が強まることはある程度致し方ない面があります。

 

 

3.このような調停委員への対応方法は?


 

 一番の効果的な対処方法は、「離婚には応じられない」というしっかりとした意思と言葉を持って返答し続けることです。こちらが離婚すべきか悩んでいる姿勢を見せてしまいますと、調停委員の議論に巻き込まれてしまいますので、悩んでいる姿勢を一切見せないと言うことが一番大切になります。

 このようにこちらの一貫した姿勢を見せていると、調停委員も第2回調停期日以降は大きくトーンダウンするというケースも多いです。

 

 

4.調停委員はどこまで離婚理由を話してくれるか?


 

 先ほど解説したような調停委員とは全く正反対で、調整型に徹する調停委員もいます。要するに、奥様の方からはかなり詳しい離婚理由等について尋ねているのに、その詳しい内容をこちらにあまり教えてくれない調停委員と言うことです。

 調停委員があまり詳しいことを語ろうとしない理由としては、①あまり詳細な離婚理由を伝えてしまいますと、こちらが感情的になってしまうと危惧している、②あまり詳細な離婚理由を伝えてしまいますと、こちらの言い分を全く信用していないといった不信感を招くおそれがあるといったことが考えられます。

 

 いずれにしましても、このような調整型の調停委員の場合には、大抵、こちらの言い分は親身に聞いてくれるのですが、こちらの言葉が調停委員の心に響いていないことも多いため、注意が必要です。

 このような調整型の調停委員を相手にする場合、親身に話を聞いてくれるため、こちらの感情を話しがちなのですが、そうではなく、過去にあった具体的事実について話をした方が効果的なことが多いです。

 

 

5.調停委員が注目しているかどうかはメモを取るかどうかで判断できる


 

 調停委員によってはほとんどメモを取らない調停委員もいるのですが、大体の調停委員は、こちらの言い分を詳しくメモすることが多いです。

 ただ、調停を重ねていくと、これまでと重複した話やこちらの感情に関わる話は段々と調停委員もメモを取らなくなっていきます。

 こちらの話を親身に聞いてくれるからと思って色々と話をしても、調停委員がほとんどメモしていないという場合には、調停委員は「あまり新しい話は出ていない」とか「今回の問題を解決するに当たって参考にならない」と考えている可能性がありますので、注意が必要です。

 

 

6.まとめ


・調停委員は色々な有識者がなる。

・ごく少数ではあるが、調停委員によっては強烈に離婚を勧めてくる調停委員もいる。

・いずれにせよ、離婚に応じたくないのであれば、離婚に応じないとはっきりと発言することが最重要である。

・調整型の調停委員だと奥様の離婚理由等の詳細を語ってくれないことも多いので注意が必要である。

・調停委員の関心の高さは、メモの量で分かることも多い。

 

関連記事


>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

>離婚調停って何だ?

>突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ【調停テクニック1】調停申立書の読み方

>突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ【調停テクニック2】答弁書等の書き方

>突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ【調停テクニック3】調停の場は白黒つける場所ではない

>突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ【調停テクニック4】簡単に復縁を諦めない

>突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ【調停テクニック5】調停への臨み方

>突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ【調停テクニック6】手紙の有効性

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!

(仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

【夫が被害者のDV・モラハラ】夫側は親権を獲得できるか

2020.03.16更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

<<弁護士秦の逆DVに関するその他の解説はこちら!>> 

>DV妻との別居を決意!別居のための8つの手順

>ズバリ!!弁護士から見たDV妻の共通点

>【弁護士が解説】DV・モラハラ妻との離婚難易度

>【弁護士が解説】逆DV離婚)解決までにかかる期間はどのくらい?

>弁護士はDV妻とどのように敵対し、向き合っているのか。

>逆DVの被害者が陥りがちな5つの落とし穴

>【弁護士が解説】DV妻のよくある言い分と、弁護士の対応方法

>【逆DV】DV保護命令を申し立てた方が良いかの6個のチェックポイント

 

 

1.逆DV・モラハラのケースでの親権獲得の重要判断要素とは?


 

 インターネットで検索などすると、親権獲得の判断要素として様々な事情が書かれており、逆に、どのような事情が重視されやすいのか、特に逆DVのケースだとどのように判断されるのかがかえって分かりにくいということも多いと思います。

 私の経験上、逆DV・モラハラ(奥様が旦那様へ暴力・モラハラをするようなケース)において親権獲得で重視されるポイントは、①これまでの監護実績、②現在の監護状況、③お子様への虐待の有無・程度、④お子様の意思(但し、お子様の年齢による)ではないかと思います。

 今回は、逆DV・モラハラ離婚のケースに絞って、旦那様側での親権獲得の可能性等について解説していきます。

 

 

2.一番の鍵はお子様への直接の虐待の有無


 

(1)どうしてお子様への直接の虐待有無がキーポイントになるのか

 逆DV・モラハラ離婚のケースで、親権獲得に当たっての重要な判断要素は前述の通り大まかに4項目があるのですが、特に旦那様側で親権獲得を目指す場合、一番の鍵はお子様への直接の虐待の有無ではないかと思います。

 他の判断要素については後述にて詳しく解説いたしますが、奥様がお子様に対して直接の児童虐待を行ってきたということになりますと、端的に奥様が不適格であることを証明できるからです。

 特に奥様が継続的にお子様に対して暴力を振るい続けてきたというケースですと、これまでの監護実績等以上に、お子様の身の安全という観点から検討が行われますので、こちらがかなり有利になります。

 

(2)具体的にはどのような内容のものが必要か

児童虐待の定義は広く、面前DV等も児童虐待の範疇に含まれます。ただ、親権獲得に大きく影響を与える事情としては、奥様からお子様に対して直接の暴力があること(暴言のみだと正直に申しますと厳しい面があります)、その態様が頻度から見て悪質と言えるケースであることが重要なポイントになります。

 親権獲得への影響度を考慮するに当たっては、以下の事情も参考にして下さい。

・お子様への暴力の頻度や回数
・お子様へ暴力を振るってきた期間
・お子様への暴力の内容・程度
・お子様に向けての凶器使用の有無
・お子様が負った怪我の程度
・暴力を振るうシチュエーション(飲酒すると暴力してくるとか)
・DV妻の気質や疾患の有無(特に、精神疾患等を抱えていないか)

 

(3)DVの内容がお子様に向けられたものであること

 ケースによっては、旦那様に対するDVはあるが、お子様へのDVが無いというケースもあります。このようなケースでは、旦那様へのDVがかなり苛酷な内容の場合には、親権獲得に影響を及ぼす場合もありますが、そうではない場合には、「旦那様への暴力」と「お子様への暴力」は別物と捉える裁判官が多いです。

 そのため、お子様への直接の暴力の有無という点が重要なポイントになります。

 

(4)証拠の有無が非常に重要

 奥様の暴力についてこちらが主張しても、奥様側は暴力を否定してくることが多いため、しっかりとした証拠があるかどうかは、重要なポイントになります。

 例えば、お子様が怪我をした診断書や怪我の箇所を撮影した写真の有無は非常に重要なポイントになります。

 

 

3.これまでの監護実績


 

 先ほどご説明しましたとおり、奥様がお子様に対して頻繁に直接の暴力を振るっており、その証拠もあるという場合には、そのことが決定的な要素となって親権を獲得できるケースが多いと思います。

 ただ、暴力はあったけれども、怪我をするほどのものではなかったとか、暴力の端的な証拠が乏しいというようなときには、児童虐待のみが親権獲得の決定的な要素とまではならないこともあります。

 

 そのような場合には、前述した他の3つの判断要素についても重要な判断ポイントになります。

 

 これまでの監護実績という場合には、要するにお子様の身の回りの世話をどの程度実行してきたかということになります。旦那様側ですと、週末お子様と一緒に遊ぶことが多かったということをおっしゃる方も多いのですが、そのような遊びの中でお子様の躾を行ってきたという場合には、その範囲で影響を及ぼしますが、イメージとしましては「どの程度身の回りの世話をしてきたか」が重要なポイントになります。

 ポイントとしましてはお子様の衣食住にどの程度関わってきたかという視点で考慮されることが多いです。要するに、①「衣」とは、お子様の普段着るものや身につけるものを誰が購入し準備していたか(これには学校・保育園の制服や学校用品等の準備も含む)、小さいお子様だと普段のお着替えやおむつ替えは誰が行っていたのか等のことを指し、②「食」は普段のお子様の食事の支度を誰がしていたのか、小さいお子様だと授乳やミルク上げを含むことになります。③「住」はお住まいの賃貸名義が誰かという話ではなく、普段の躾や教育を誰が行っていたのかという問題です。

 

 過去の監護実績についてはご夫婦で主張が大きく対立することも多いので、保育園の連絡帳の記載内容等が重要な判断証拠になることも多いです(要するに保育園の連絡帳を夫婦のどちらが記入し、どのような記入がなされているか)。

残念ながら、旦那様が勤め人で、奥様が専業主婦という場合には、奥様がメインで監護を行っていることが多く、その意味ではこちらが不利に働くケースの方が多いのではないかと思います。

 

 

4.現在の監護状況


 

 現在の監護状況については、家庭裁判所調査官が自宅訪問を実施することになりますので、自宅訪問での様子次第ということになります。

 自宅訪問日は予め相手に伝えてしまいますので、相手も準備した上で自宅訪問に臨むのですが、家庭裁判所調査官はこの手の調査の専門家なので、訪問時に気付く点も多いです。

 いずれにせよこれまでの同居生活中奥様の家事不行き届き、育児不行き届きが顕著な場合には、自宅訪問時にこの部分は注目して見て欲しいといった点をこちらからも予め調査官にしっかりと伝えておく必要があります。

 

 

5.お子様の意思


 

 お子様が15歳以上の場合、裁判所はお子様の意向を確認しなければならない義務があり、そこでお子様の意向が重視されることになります。

 また、15歳になっていなくとも10歳以上の場合には通常はお子様の意向を確認し、その意向が親権獲得に影響することが多いです。

 

 

6.こちらの経済力


 

 特に旦那様のみが働いて、奥様が専業主婦という場合、経済力という面では、旦那様の方が有利であることは間違いがありません。

ただ、このような経済力は残念ながら親権獲得の要素としてはあまり重視されません。

 もちろん奥様にあまりに経済力が低く、お子様を育てていくことが到底できない状況だという場合であれば別ですが、そうでなければ、最悪、生活保護を受けて生活が成り立っているという場合であっても、それでも親権は獲得できます。

 そのため、こちらの経済力の優位性は、あまり真剣獲得の優位性には結びつかないことの方が多いです。

 

 

7.まとめ


・逆DVの親権争いのケースでは、奥様のお子様への直接暴力の有無が重要な鍵を握る。

・暴力の内容として直接暴力であり、かつ悪質なものであると親権争いにて決定的な要素になる可能性が高い。

・暴力については診断書や写真等で証明できるかどうかが重要なポイントになる。

・暴力とはお子様への暴力であって旦那様への暴力とは区別して見極められることが多い。

・DVが直接の決定的要素にならないケースでは、①これまでの監護実績、②現在の監護状況、③お子様の意向等を考慮して親権が決まる。

・経済力はあまり有利な要素にはならない。

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!

(仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分
 

 

 

 

 

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

面会交流実現を主目的とする監護者指定の有効性

2020.03.09更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.残念ながら、迅速に面会交流を強行する手段がないというのが現実


 

 旦那様側が納得行かないと思われるケースの大半は、奥様側がお子様を連れ去って無断別居を開始したケースかと思います。

 このようなケースでは、奥様が正確にどこに暮らしているのかすら分からないと言うことも多く、勝手な連れ去りへの憤りを強めることもやむを得ないと思います。

 他方で、現実にお子様を引き取って自宅で育てられるかというと仕事が多忙で現実的ではないというケースもあろうかと思います。

 

 そういった場合、自身の手でお子様を育てていくことが難しい以上、本来の手続は、監護者指定ではなく、面会交流と言うことになろうかと思います。

 しかし、面会交流の問題は最終的には面会交流審判という手段が用意されてはいるものの、即効性のある手続は存在しないのが実情です。

 即ち、正攻法で面会交流を求めていく場合、まずは、面会交流調停を起こし、同調停が不成立になった場合に、ようやく審判手続きを踏むことができることになりますので、一般的に時間がかかります。

 

 

2.ややこしい手続は抜きにして勝手に会いに行くというのはオススメできない。


 

 たまにご相談にお越しになる方の中には「ややこしい手続は抜きにして、子供が通っている学校は分かっているんだから、直接会いに行かせて欲しい」ということをおっしゃる方もいます。

 確かに、あなたとしては、奥様に連れ去り別居を勝手にされているのですから、それに対抗するためには、多少の強硬手段も許されると考えるのも致し方ないと思います。

 しかし、このような行動に出てしまいますと、奥様側は警察に110番通報するケースが多く、学校などに警察が訪れる事態に発展しますと、お子様にとっても重大な悪影響を及ぼしかねません。

 

 また、日本は法治国家ですので、法律の手続等を無視した行動は、今後の面会交流調停等の手続でもこちらにかなり不利に働いてしまいます。

 そのため、直接会いに行くといった強硬手段は弁護士としては決してオススメできません。

 

 

3.監護者指定手続の活用の可能性


 

(1)監護者指定手続は面会交流実現の即効薬になるか?

 以上のように面会交流を実現する即効薬がないため、その実現の即効薬として監護者指定事件を活用したいとおっしゃる方が出てくるのです。

 確かに、監護者指定審判事件においては、明確な理由もなく面会交流を拒否し続けますと、そのことは、監護者指定にあたって不利に働きますので、一般的に、奥様側に面会交流を促す効果があるといわれています。

 しかしながら、私は弁護士の立場から言いますと、監護者指定手続を面会交流実現の手段として利用することには基本的に反対です。

 

(2)あくまで「促す」ものでしかない。

 前述の通り、奥様側が明確な理由もなく面会交流を拒否し続けますと、裁判所側は、①お子様が父親と接して父親の愛情を受ける機会を奪っているとか、②夫婦の対立感情を面会交流の問題にも持ち出しているといった考え方をすることが多いです。

 しかしながら、奥様のこれまでの監護実績等がかなり優れているというような場合には、面会交流を拒否しているということは一つの不利な事情にはなるでしょうが、決定的に不利な事情にまではなりません。

 あくまで面会交流を促す事情にはなり得ても、「決定的な」事情にはなり得ないのです。

 

(3)奥様の感情を刺激する危険性

 監護者指定事件を起こしますと、こちら側は、①旦那様サイドもしっかりと育児に取り組んできたことや、ときには②奥様の躾の行き過ぎやお子様への暴言等の問題も指摘していかなければならなくなります。

 このようにして監護者指定の事件での対立が激化しますと、奥様側はより一層態度を頑なにしてしまうリスクもあります。

  そうしますと、より一層奥様側は面会交流絶対拒否の姿勢を示す危険性があります。

 

(4)現状のお子様の状況が分からないことのリスク

 確かに、これまでのあなたのお子様との接し方からしますと、お子様はお父さんであるあなたに会いたいと言ってくるだろうと思うのは当然のことだと思います。

 しかしながら、お子様は慣れない別居生活で様々な感情を抱えながら生活していますので、お子様が監護者指定事件の中でどのような意思を示すか図りかねるケースも多くあります。

 特に別居し手間がない時期は、苦しんでいるお母さんのためにも、自分の発言でお母さんを困らせてはいけないと考えて、敢えて頑なに「お父さんには絶対会いたくない」とおっしゃるお子様もいるのです。

 

(5)お子様にも負担をかける手続であること

 前述の通り、お子様は慣れない別居生活を送りながら学校に通うなどして普段の生活をこなしていかなければならないため、そのこと自体でも負担を感じていることも多いです。

 しかし、監護者指定事件は、お子様の年齢によってはその意向確認がなされますし、そうでなくとも、必ず一度は調査官がお子様と会ってその様子の確認等を実施しますので、お子様の負担抜きで手続を進めていくことは不可能です。

 そして、お子様の意向調査を実施する場合には、家庭裁判所にてお子様と調査官がマンツーマンで話を聞くという作業になりますので、お子様の負担は大きいことが多いです。

 そうしますと、お子様のためを思って申し立てた手続が、返ってお子様の負担を増やすというリスクを含んでいるのです。

 

 

4.まとめ


・残念ながら、面会交流を即効的に実現する法律的手段は存在しない。

・以下の理由から、弁護士としては、面会交流実現のための監護者指定申立はオススメしない。

1)監護者指定事件の存在は相手に面会交流を促す効果はあるが決定的ではない。

2)逆に一層奥様側の反発心を強めるリスクがある。

3)現状のお子様の様子が分からない中で手続を進める不確定要素がある。

4)この手続は、お子様にも負担をかける手続である。

 

>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!

(仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

夫側から監護者指定審判を申し立てるべきかの5個の注意ポイント

2020.02.24更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.勝手に別居を始めておいて心情的には全く納得できない。


 

 監護者指定事件は、通常は何も言わずに奥様が自宅を出て行き、しかも、お子様も一緒に連れ去ってしまっているケースが大半です。

 このようなケースでは、奥様が勝手に出ていくことは多少致し方ないとしても、お子様と旦那様を引き裂くことについて強い憤りを覚えるという方も多いのではないかと思います。

 確かに、そのようなご心情は察するにあまりあります。そして、このようなケースでお子様を取り戻すための直接の手段は、監護者指定ということになります。

 ただ、こちらが優位に立つために監護者の指定を申し立てたのに、その結果、意図せぬ結果に陥ってしまうと言うこともありますので、今回は夫側から監護者指定審判を申し立てた方がよいかどうかという視点で解説していきます。

 

 

2.【ポイント1】奥様との復縁を目指す場合にはオススメしない


 

 奥様の連れ去りには納得が行かないものの、奥様との夫婦円満を目指す姿勢にはかわりがないという方もいます。

 離婚するかどうかは、あなたの人生にとっても大変重要な決断になりますので、早急に離婚して良いという結論を出さずに、しっかりと今後のことを見据えた上で、離婚に応じるかどうかは慎重に判断する必要があると思います。

 ただ、奥様との復縁を目指す可能性があるのでしたら、監護者指定審判を起こすことはオススメしません。

 

 なぜなら、後述しますとおり、監護者指定審判においては、同居中のお子様の面倒は誰がみてきたのかと言った点や、連れ去りの違法性等についてしっかりと主張して戦っていく必要があります。

 裏を返すと、奥様側からは、奥様の家事・育児がどれだけ手抜きだったのかを指摘されているような印象を受けますし、奥様として十分悩んだ末での別居だったとしても、そのことを「違法な連れ去り」と批難されることになってしまいますので、奥様からの反発は避けられません。

 そのため、監護者指定審判手続の中で、実質的には夫婦の対立が顕在化していくケースが非常に多いものですから、復縁を目指す場合には監護者指定事件はオススメできないのです。

 

 

3.【ポイント2】親権争いへの影響


 

 監護者指定事件において、旦那様側が誤解しがちな点は後述しますが、仮に監護者指定事件で旦那様側が敗訴する形になりますと、そのことは、今後の親権争いにも大きな影響を及ぼすことになります。

 監護者指定での検討ポイントと親権者指定での検討ポイントは非常に類似していますので、一旦奥様を監護者とするのが適切だとする調査報告書が出てしまいますと、今後の親権争いに致命的な影響を与えるリスクがあるのです。

 

 もちろん、逆も然りでして、監護者指定事件で勝訴の可能性が高いようであれば、早期に審判申立をした方が良いというケースもあります。

 いずれにしましても、監護者指定事件の申立に当たっては、勝訴の見込みについての慎重な検討が必須と言うことになります。

 

 

4.【ポイント3】「違法な連れ去り」の位置付


 

 非常に多くの旦那様が誤解しているのが「違法な連れ去り」の意味です。

 といいますのは、奥様が無断別居をし、同時にお子様も連れ去った場合、旦那様の多くは「違法な連れ去りだ」とおっしゃるのですが、無断別居イコール「違法な連れ去り」ではないのです。

 

 具体的には以下の点が重視されて、違法な連れ去りかどうか判断されるケースが多いです。

1)【違法な連れ去りかどうかのポイント1】連れ去り態様

 お子様と一緒に別居することを余儀なくされたとしても、その態様によっては、お子様の心情をひどく害してしまうというケースもありますので、違法な連れ去りかどうかの重要なポイントの一つが、その「態様」ということになります。

 「態様」というのは、分かりやすく言いますと、「連れ去り方」の問題です。

 例えば、大型のバンの後部座席に無理矢理お子様を軟禁するかのような態様で連れ去るケースだとか、保育園の保育士さんの全く目が届かないところで、勝手に園庭に侵入して連れ去ると言ったケースですと、態様そのものが違法な態様といえますので、違法な連れ去りと認定されるケースが多いかと思います。

 

2)【違法な連れ去りかどうかのポイント2】お子様の意思

 ここでのお子様の意思というのは、別居に対してのお子様の意思と言うことになります。

 あなたが別居を余儀なくされた側だとしても、そのことにお子様が納得しないケースもあると思いますし、ある程度の年頃にいったお子様ですと、明確に別居に反対したり、自宅に残るという意思表示をするケースもあると思います。

 このようなお子様の意思に反して別居を始める場合、違法な連れ去りと認定されるおそれがあります。

 なお、まだ年齢が小さい子は、自身の置かれている状況等をしっかりと把握できていないケースも多いので、お子様の意思の確認は10歳以上を一つの目安として確認することが多いと思います。

 

3)【違法な連れ去りかどうかのポイント3】それまでの監護状況

 同居生活中の監護状況は、違法な連れ去りかどうかの判断にも影響を及ぼします。

 前述の通り、お子様が10歳以上の年齢の場合には、一般的にお子様の意思や別居時の様子についてお子様から直接話を聞くことができますが、お子様の年齢がまだ小さい場合には、お子様の意思確認をすることはあまり期待できません。

 そのため、一般的には、普段お子様の面倒を見てきた奥様がお子様と一緒に別居を開始したという場合には、「違法な連れ去り」とは評価されないケースが多いのが実情です。他方、普段お子様の面倒をほとんど見てこなかった旦那様がお子様と一緒に別居を開始したという場合には、「違法な連れ去り」のおそれがあると見られるケースが相対的に多いように感じます。

 

 

5.【ポイント4】監護実績


 

 同様に誤解されている旦那様が多いのですが、「子供は本当にパパっ子で、パパのことが大好きなんです」というところです。このような点を根拠に、自分の方が監護実績がある、自分の方が過去の監護状況において有利に戦えるというのは不正確と言わざるを得ません。

 

 ここでの「監護実績」というのは、お子様の身の回りの世話をどの程度実施してきたのかという点になります。

ポイントとしましてはお子様の衣食住にどの程度関わってきたかという視点で考慮されることが多いです。要するに、①「衣」とは、お子様の普段着るものや身につけるものを誰が購入し準備していたか(これには学校・保育園の制服や学校用品等の準備も含む)、小さいお子様だと普段のお着替えやおむつ替えは誰が行っていたのか等のことを指し、②「食」は普段のお子様の食事の支度を誰がしていたのか、小さいお子様だと授乳やミルク上げを含むことになります。③「住」はお住まいの賃貸名義が誰かという話ではなく、普段の躾や教育を誰が行っていたのかという問題です。

 

 過去の監護実績についてはご夫婦で主張が大きく対立することも多いので、保育園の連絡帳の記載内容等が重要な判断証拠になることも多いです(要するに保育園の連絡帳を夫婦のどちらが記入し、どのような記入がなされているか)。

残念ながら、旦那様が勤め人で、奥様が専業主婦という場合には、奥様がメインで監護を行っていることが多く、その意味ではこちらが不利に働くケースの方が多いのではないかと思います。

 

 

6.【ポイント5】面会交流目的での監護者指定はオススメしない


 

 たまに監護者指定の申立をすると、相手は面会交流を断りづらくなるから、早期面会交流を勝ち取るために、監護者指定の申立をして欲しいという方もいらっしゃいます。

 確かに、監護者指定審判事件においては、明確な理由もなく面会交流を拒否し続けますと、そのことは、監護者指定にあたって不利に働きますので、一般的に、奥様側に面会交流を促す効果があるといわれています。

 

 他方で、監護者指定事件の中では通常お子様の意向確認等も実施しますので、その中でお子様が面会交流に尻込みしてしまうケースも相当数あり、そのことがこちらに不利に働くケースもあるのが実情です。といいますのは、お子様も本当はお父さんに会いたいと思っていても、そのように発言することがお母さんを困らせることになると言うことを察して、断固会いたくないと発言してしまうケースも多いのです(これを、お子様の葛藤状態ということもあります)。

 監護者指定事件は、別居間もない時期に早急に手続きを取るというメリットがある反面、お子様側も慣れない別居生活で多少不安定な状況で手続に参加させられるという面を持ちますので、お子様が落ち着いて真意に基づく対応ができないケースも生じうるのです。

 

 

7.まとめ


・夫側から監護者指定審判を申し立てるかどうかの判断に当たっては以下の5個のポイントを考慮する必要がある。

1)監護者指定事件は夫婦円満に悪影響を及ぼすことが多い。

2)監護者指定事件の結論は、今後の離婚後の親権争いにも影響があることが多い。

3)無断別居イコール「違法な連れ去り」ではないという認識で臨む必要がある。

4)過去の監護実績の意味を正確に理解した上で臨む必要がある。

5)面会交流目的での監護者指定はオススメしない。

 

>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!

(仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

突如家内が別居した-家内は精神疾患なのでは?

2019.12.23更新

弁護士秦 

 こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>妻からの理不尽な離婚要求に対する旦那側の総合サイトはこちら<<になります。

 神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.別居前の妻の言動に不審な点があった


 

 奥様との同居生活中、奥様が突拍子もない話をし始めるとか、こちらが予想もしないような反応をするといったことがあります。特に、突然の別居直前の時期に奥様の言動に違和感を持ったというケースもあることでしょう。

 そして、その原因が自閉症、抑うつ状態その他何らかの精神疾患の疑いがある場合、それを確認する手段はあるのでしょうか。

 

 

2.妻を措置入院させられないか


 

 措置入院とは対象人物を強制的に入院させる手続になりますので、この手続を活用することができれば、奥様の精神疾患について確定的な診断を得ることができます。

 しかし、措置入院は、精神疾患によって自傷他害の可能性が高い場合にしか利用することができませんので、奥様が自殺を現に実行しようとしているとか、こちらやお子様に危害を加えそうな現実的な危険性がない限り活用することができません。

 そのため、通常のケースでは、措置入院させるという手段は利用できません。

 

 

3.任意に確認する方法


 

 前述の通り、措置入院の活用場面は非常に限られますので、既に奥様が別居を開始してしまった後に、これを活用することは極めて難しいです。

 そうすると、任意に奥様に病院に行ってもらう必要があるのですが、これを実現させられる方法はあるのでしょうか。

 

(1)奥様の病状を確認する意味

 奥様の病状を確認する意味としては、大きく分けて、①今後の夫婦関係を良好なものにしたいので、その原因を突き止める意味で確認したいというケースと、②今後の離婚手続きを有利に進めたい、相手と対立することは厭わないというケースがあろうかと思います。要するに、①夫婦円満を目指すのか、②夫婦対立を目指すのかということです。

 上記②の夫婦対立を目指す場合、対立していく中で奥様に病院へ足を運ばせることはほぞ無理でしょうし、仮に病院に足を運んで病状が明らかになっても、奥様がそのことをこちらに開示してくる可能性は低いと思います。仮に開示してきたとしても、夫婦生活の中でのストレスが大きくて、このような症状になったという言い分を述べてくるのではないかと思います。

 

 そのため、奥様に病院へ足を運ばせるメリットは少ないと思います。

 他方、①のように夫婦円満を目指す場合で、奥様の精神疾患が夫婦対立の根幹になっているようなケースですと、奥様に病院へ足を運んでもらうメリットは大きいと思います。

 

(2)円満を目指す場合に、どのような方法で病院に足を運ばせるか

 ストレートに先方に対して、奥様にはこのような問題行動があった、問題発言があったと主張しますと、奥様の側は攻撃されていると誤解するリスクがあります。また、精神疾患を抱えている場合、感情が高ぶっているときの行動を自分でも覚えていない、とか、こちらからの言葉ばかりがクローズアップされて記憶に残っているというケースもありますので、奥様は「自分のことを棚に上げて」と感じてしまうリスクもあります。

 そのため、建設的な提案としてあり得るのは、夫婦カウンセリングのような形で「お互いに」心療内科に相談に行こうという提案かと思います。

 

 奥様の感情が高ぶっておりますと、このような提案ですら「病院に行くならあなただけが行ってくれ」という返答が戻ってくることもありますので、このような提案の時期やタイミングは慎重に検討する必要があります。

 また、奥様の精神疾患といっても、その可能性が低いと思われるケースや、精神疾患が夫婦不和の直接の要因ではないという場合には、敢えて奥様の精神疾患の問題に言及しない方が良いかもしれません。

 

(3)病院に足を運んで上手く行くか

 正直に申しますと心療内科・精神科の医師には様々な方がいらっしゃいますので、仮に奥様が病院に足を運んだとしても、①明確な診断名が付かない、とか、②じっくりと奥様の様子を見ながら経過観察する(要するに診断名が付くにしても相当先になる)、③奥様が主治医を信用できないと言うことで通院継続を拒否するというケースもあり、こちらの思惑通りに進めていくことは難しいことの方が多いです。

 

 

4.まとめ


・奥様に精神疾患の疑いがあっても措置入院させると言うことは難しいケースが多い。

・奥様と対立していく方向性の場合、奥様に病院へ足を運ばせることは難しい。

・奥様との円満解決を希望する場合でも、夫婦カウンセリングの形のように、お互いに心療内科の相談を受けるという形の方が望ましい。

・ケースによっては、奥様を刺激しないため精神疾患の話題は敢えて持ち出さない方が良いケースも多い。

・仮に、奥様が病院に足を運んだとしても、こちらの思惑通りに進まないケースも多い。

 

関連記事


>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

>【弁護士が解説】ケース別復縁難易度

>家内が「モラハラ夫!」と叫ぶと全部夫が悪者になるのか?

>家内の弁護士からモラハラ夫とレッテルを貼られてしまった-どう対処すればよいか?

>突如家内が家を出てしまった-そんなときの対処法5選

>【弁護士が解説】妻側に弁護士が立つと直接話もできないのか?

>【弁護士が解説】突如妻から離婚要求-黒幕は、妻が雇った弁護士か?

>突如裁判所から離婚調停の書類が届いてしまった1-どう対処すべきか?

>突如離婚調停の相手方にされてしまった方へ-【調停テクニック1】調停申立書の読み方

 

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!!

(仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 事前予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

投稿者: 弁護士秦真太郎

【夫が被害者】モラハラ・DV妻との離婚難易度

2019.09.16更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

<<弁護士秦の逆DVに関するその他の解説はこちら!>> 

>DV妻との別居を決意!別居のための8つの手順

>ズバリ!!弁護士から見たDV妻の共通点

>【弁護士が解説】逆DV離婚)解決までにかかる期間はどのくらい?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(2)】そもそもこちらが家を出ないといけないのか?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(7)】子供のことはどうすれば良いか

>弁護士はDV妻とどのように敵対し、向き合っているのか。

>逆DVの被害者が陥りがちな5つの落とし穴

>【弁護士が解説】DV妻のよくある言い分と、弁護士の対応方法

>【逆DV】DV保護命令を申し立てた方が良いかの6個のチェックポイント

 

 

 正直に申しますと、モラハラ・DV妻が激しく離婚に反対してくる場合、最終的には離婚訴訟を提起しなければならなくなりますので、離婚に漕ぎつくためにはそれなりの期間を要することになります。そのため、あなたの離婚問題が長期化するかは、妻側のキャラクターや心情に大きく左右されます。

 ただ、状況等に応じて、ある程度離婚の難易度がどの程度なのかについては類型化することができますので、一般的な傾向として解説していきます。

 

1.法律的な難易度


 

 民法770条には、法律上の離婚原因が明記されているのですが、法律上の離婚原因は浮気や暴力等かなり限定的です。

 離婚の手順として、協議離婚(離婚届を提出して離婚するケース)できるのであればよいのですが、それが難しい場合には調停離婚(裁判所の調停で離婚するケース)、最後には裁判離婚(裁判所の裁判で離婚するケース)が必要になります。

 

 ただ、裁判をすれば必ず離婚できるのかというと、そうではなく、民法770条の離婚原因の存在が要求されているのです。

 夫婦の問題は当人同士で話し合いをすることが望ましいとの考え方から、裁判所によって強制的に離婚ができる事情は限定されているのです。

 

 逆に言うと、この民法770条の離婚原因がある場合には、裁判をすれば離婚できると言うことになりますので、継続的に暴力が行われたケースになりますと、法律的な難易度は「低い」ということになります。

 他方、暴力があったとしても軽微であったり、お互いが手を出し合ってしまったケース、こちら側が過度に挑発してしまったケース等では、それだけでは直ちに離婚原因とは言えないと評価されてしまうケースもあります。

 また、モラルハラスメントのみのケースですと、当該モラハラのみをもって離婚原因とすることは難しいケースが多いと言えます。その意味では、法律的な意味での離婚難易度は「高い」ということになります。

 

 

2.実際の難易度は?


 

 これまでの解説は、「離婚裁判をした場合に勝てるのか?」というお話しです。

 そもそも、離婚裁判をせずに解決できるのであれば、短期間で解決できることになりますし、裁判に要する手数もかからないため、それに越したことはありません。

 そのため、離婚難易度といった場合、どの程度離婚調停で話をまとめられるか(もちろん、協議離婚ができればより一層望ましい)というところにかかってきます。

 

(1)難易度が高くなる要素

 離婚難易度(離婚調停までで離婚できる難易度)を高める要素は様々な要素があるのですが、私が弁護士として事件を担当している際に良く感じる項目として以下のようなものがあります。

①モラハラ・DV妻の独自の発想・こだわりが強い。

②同居中のモラハラ・DV行為が執拗であった。

③モラハラチェック項目の項目に多数該当する。

 これらのケースですと、一般的に離婚難易度は上がる傾向にあると思います。

 

 なお、上記の①については、モラハラ妻の特徴の一つとも言えるものなので、該当する妻も多いと思うのですが、その全てのケースで離婚難易度が上がるというより、「突拍子もないような発想・こだわりを持っている」というイメージで考えてもらえればと思います。

 また、②や③のケースですとモラハラ・DV妻は、自身の行為が問題行為だったという認識に薄いため、離婚に反発する人が多く、離婚難易度を上げる原因になります。

 

(2)特定の妻を対象にした対策

 上記のような事情があると一般的に離婚難易度が上がるのですが、特徴に応じた対策を取ることによって早期離婚につなげる方法もあります。

 

①外面を強く気にする相手の場合

 このような妻を相手にする場合、調停等裁判所の手続を避けたがる人も多いので、そのようなケースであれば、極力協議離婚で解決することを目指します。私が担当したケースでも、3か月ほどで協議離婚にこじつけることができたケースもあります。

 

②慰謝料に対する抵抗感が強い相手の場合

 こちらに身体的暴力の確たる証拠がある場合でも、相手が暴力を否定し、慰謝料の支払いに強く抵抗してくる場合があります。

 その場合、早期解決のために、慰謝料の金額を低めにし、もしくは放棄した上で解決するというケースもなくはありません。

 身体的暴力の確たる証拠がある場合には、離婚裁判をする方法も十分考えられるのですが、裁判となるとかなり長期の紛争になりますので、これを避けるために、慰謝料の金額を減額・放棄することで調整するのです。

 

 他にも夫の特徴に応じて対抗策はありますので、気になる方はお気軽にご相談下さい。

 

 

3.同居中妻の方から「もう離婚だ」と言われることが多かった。


 

 モラハラ妻が離婚というワードを使う場合、こちらの脅し文句として使っている場合も多いため、必ずしもすぐに離婚できるとは限りません。

 もちろん、このような場合、相手がすんなり離婚に応じてくれることもあるのですが、離婚には応じても、離婚の条件(親権・養育費や財産分与の負担等)について対立が激しく、手続に時間がかかってしまうというケースもあります。

 

 

4.まとめ


・法律的な離婚難易度は、継続的な暴力等があれば下がる。

・実際の難易度としては、①独自の発想が強い妻や、②モラハラ・DVが執拗であったケース、③モラハラチェック項目に多数該当するケースだと難易度は上がる傾向にある。

・夫の特徴によっては効果的な対策を取ることで早期離婚にこぎ着けるケースもある。

・同居中モラハラ・DV妻が「もう離婚だ」といっていたからと言って簡単に離婚できるとは限らない。

 

>>このブログを書いた弁護士秦に直接会って相談したい方はこちら!!

 (仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

投稿者: 弁護士秦真太郎

【夫が被害者】ズバリ!!弁護士から見たDV妻の共通点

2019.09.16更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

<<弁護士秦の逆DVに関するその他の解説はこちら!>> 

>DV妻との別居を決意!別居のための8つの手順

>【弁護士が解説】モラハラ・DV妻との離婚難易度

>【弁護士が解説】逆DV離婚)解決までにかかる期間はどのくらい?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(2)】そもそもこちらが家を出ないといけないのか?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(7)】子供のことはどうすれば良いか

>弁護士はDV妻とどのように敵対し、向き合っているのか。

>逆DVの被害者が陥りがちな5つの落とし穴

>【弁護士が解説】DV妻のよくある言い分と、弁護士の対応方法

>【逆DV】DV保護命令を申し立てた方が良いかの6個のチェックポイント

 

 

1.DV妻の共通点って?


 

 私も数多くのDV離婚事件を担当しておりますと、DV妻と直接会って、離婚を説得することも数多くあり、その中で感じるところがありますので、私がDV妻と対峙している際に感じる共通項についてご紹介させていただきます。

 もちろん、共通点・特徴とは言いましても、その様な特徴は、あるDV妻にはあるけれども、あるDV妻にはほとんど見られないというように、個人差がありますが、「大半のDV妻で見受けられる傾向」というものがありますので、以下でご紹介致します。

 なお、ここでの「DV妻」とは、旦那様に対して殴る蹴ると言った直接の身体的暴力を加えてきた妻に限定した用語として用いさせていただいておりますので、そのような前提で解説をお読み下さい。

 

 

2.【弁護士から見たDV妻の共通点1】旦那が悪者で、自分だけが絶対正しいと考える


 

 私がDV妻と直接話をしてきた中で一番よく感じる特徴の一つと言えます。

 私の方からDVを指摘すると、DV妻は、暴力を振るったことそのものを否定してくることが多いです。写真などの証拠があるとの話をしても、旦那の偽装だと言い張る人も多く、DVがあったかなかったかの点だけで議論が全く進展しないことも多くあります。

 

 自分のDVを否定するだけならともかく、DV妻から「弁護士さんは、旦那がしてきたモラハラについてはきちんと話を聞いていますか?」とか「旦那が物に八つ当たりするのは日常茶飯事です」などと、あたかも自分が被害者のように話してくる人もいます。

 また、ここまで身勝手なことを言ってこないまでも、「旦那が訴えている暴力は、お互いに手が出てしまっただけである」とか「先に挑発してきたのは旦那の方である」といった言い訳をし始める女性もいます。

 

 

3.【弁護士から見たDV妻の共通点2】内弁慶で外面が良い


 

 あまりよい表現ではないかもしれませんが、「内弁慶で外面(そとづら)が良い」と言う点もDV妻によく見られる共通点・特徴と言えます。

 このような表現は、むしろDV被害を受けている旦那様からおっしゃられることが多いのですが「うちの夫は内弁慶で外面が良いんです。」と説明を受けることが多くあります。

 

 私は、DV妻が家庭でどのように振る舞っているのか直接見ることはできないのですが、旦那様から詳しくDV被害の状況を伺っている限り、家庭の中と家庭の外ではかなり使い分けていると感じることが多くあります。

 旦那様の話を聞く限り、「このDV妻は社会に馴染んで仕事をできるのだろうか?」と不安に感じることもあるのですが、実際には高キャリアというケースも多くあります。

 

 このように内弁慶の人が多いからでしょうか、私がDV被害を伝えても、DV妻はその様なDVそのものを否定してくる場合もあります。

 また、私がDV妻と話をしていると最初のうちは妻側も冷静に話をしているのですが、何度も話をしていると、段々DV妻も本性を現してきて、語気が荒くなる、不合理な要求をしてくる様になるといった傾向が見られることもあります。

 

 なお、極端なDV妻などでは、家庭内だけではなく、保育園やママ友との間でも頻繁にトラブルを起こしているとか、パート職についても長続きせずパート先が頻繁に変わるというケースもあります。その場合には、「内弁慶」というのは当てはまりません。

 

 

4.【弁護士から見たDV妻の共通点3】急に怒り始めるため、怒り始めた原因が分からない


 

 これも、私がDV被害を受けている旦那様からよく聞く話なのですが、「うちの妻は、急にスイッチが入ると、こちらに暴力を振るってくるのですが、どうしてスイッチが入ったのかが分からないんですよ」という相談を受けることが多くあります。そのため、DV妻の一つの特徴と言えると思います。

 

 DVの最も深刻な問題の一つともいえるのですが、このようにDV妻が何時怒り始めるかが分かりませんので、旦那様としては、常に緊張感を持って生活していかなければならず、それが大きなストレスの原因になることも多いです。

 

 ただ、DV妻によっては、こちらに暴力を振るってくる際に、自分が怒っている原因を告げてくることもあり、その内容で、相手が怒っている理由が分かるというケースもあります。しかしながら、前述のようにDV妻は独自の考え方を持っている人も多いため、DV妻の説教を聞いていても、こちらとして、何故その様なことで怒るのかが理解できないというケースも多くあります。また、DV妻が述べる理由が、誤解・誇張した内容であることも多く、理解できないと言うことも多くあります(例えば、テレビで漫才を見ていて笑ったことに対して、DV妻が家事を失敗したことを笑われたと誤解して、暴力を振るってくるとか、子どもが怪我をしたことを心配する発言をしたところ、妻から「私が怪我させたみたいな言い方をされた」と言ってくるといったケースです)

 

 なお、弁護士に対しても同様で、DV妻の説得のために何度か話をしていると、DV妻が急に怪訝な顔をし始めるとか、こちらの話を誤解して急に立腹し始めるという方もいます。ただ、弁護士の手前ということもあるのか、DV妻が私に対して直接激怒し始めるという事態はケースとしては少ないです。

 

 

5.【弁護士から見たDV妻の共通点4】急にやさしくなることがある


 

 これも、私がDV被害を受けている奥様からよく聞く話なのですが、DV妻の態度が豹変するという話になります。

 

 極端なケースですと、昨夜は、こちらを殺すとまで怒鳴ってきていた人が、翌朝には、和気藹々と話しかけて来るというケースもあります。

 最初のうちは、旦那様の方も、DV妻の機嫌がよい分には助かると考えるのですが、DV妻の機嫌があまりにコロコロ変わるので、段々と心理的に疲弊してしまう人も多くいます。

 

 なお、DV被害を受けている方の中には、このようにDV妻が急に優しくなることがあるため、DV被害を受けていても「また優しい妻に戻ってくれる」と考えて、ズルズルと離婚を先延ばしにしてしまう方もいます。

 ただ、このように問題を先延ばしにしてしまいますと、DV行為がエスカレートしていき、深刻な被害につながりかねませんので、「また優しい妻に戻ってくれる」という幻想は捨てた方が良いと思います。

 

 このようなことは、弁護士である私の目の前でも行われることがあります。例えば、DV妻がお子様の運動会への参加を強く希望しており、そのような希望が叶った後は、私に対しても異常なまでに上機嫌であるといったこともあります。

 

 

6.【弁護士から見たDV妻の共通点5】離婚理由を理解しようとしない


 

 これは正確には「理解できない」という方が正しいかもしれませんが、こちらから旦那様が離婚したがっている理由を説明しても、相手が理解できないケースが多くあります。これは、DV妻の方も多少は理解しているのですが、離婚するほどの話ではないと考えるケースと、そもそもこちらの話にピンと来ていないというケースがあります。

 

 なお、DV妻が相手の場合、こちらが離婚したいと考える理由をきちんと正確に理解させることは難しいことが多いため、旦那様の方でやり直すつもりが全くないということを伝えて離婚の説得をすることが多いように感じます。

 また、「夫の言うことも分かりますよ」といいながら「だけど、…」と自分の言い分を主張して、結局問題の根本を全く理解していないというケースも数多くあります。

 

 

7.【弁護士から見たDV妻の共通点6】自分がしてきたことのアピールを始める


 

 これは、大半のDV妻で見られるというほどの共通点ではないのですが、私の方でも驚かされるエピソードでもあります。

 と言いますのは、DV妻は、それなりの頻度で旦那様に対して身体的暴力を振るっているのですから、多少はそのことについての反省があって然るべきなのですが、反省の弁を述べるどころか、自分が行ってきたことをアピールしてくる方もいるので、そのような場合には、私も驚いてしまうと言う経験が何回かあります。

 

 例えば、旦那様が2,3週間入院したことについて、足繁く見舞いに行ったとか、入院中の子育てを一手に担ったといった話や、旦那様の上司を自宅に招いて接待したから今の旦那様の地位があるなど、自分がしてきたことをかなり誇張して話してくるのです。

 

 

8. DV妻の共通項を活かした対策


 

 これまで紹介してきましたとおり、DV妻の弁護士に対する態度は上記の様になります。そして、一番の鍵になるのは、DV妻が暴力を振るってくる様な場合には、その証拠を押さえておくことになります。

 診断書や怪我の写真等きちんとした証拠がありますと、DV妻も言い逃れができなくなり、スムーズに離婚できるケースも多いです。

 

 そのため、まだ、あなたの方でDVの証拠を取得していない様な場合には、極力DVの証拠を確保する様に努めることをオススメします。もちろん、怪我をするほどのDVではないという場合には、証拠化しにくいというケースも多くありますので、そのような場合には、どのような手順、手続で別居や離婚を進めるのがよいかは、弁護士に相談してみると良いでしょう。

 

 

9.まとめ


○弁護士から見たDV妻の共通点は以下の通り

 ・自分の考え方に固執する・自分の考えが絶対に正しいと考える。

 ・内弁慶で外面が良い。

 ・急に怒り始めるため、怒り始めた原因が分からない。

 ・急にやさしくなることがある。

 ・こちらの主張する離婚理由を理解できない・理解しようとしない。

・自分がしてきたことのアピールを始める。

○このようなDV妻の特徴を考慮し、先回りして証拠を集められるとベストである。

 

>>このブログを書いた弁護士秦に直接会って相談したい方はこちら!!

 (仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

投稿者: 弁護士秦真太郎

【夫が被害者】離婚解決までにかかる期間はどのくらい?

2019.09.16更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

<<弁護士秦の逆DVに関するその他の解説はこちら!>> 

>DV妻との別居を決意!別居のための8つの手順

>ズバリ!!弁護士から見たDV妻の共通点

>【弁護士が解説】モラハラ・DV妻との離婚難易度

>【モラハラ・DV妻との別居準備(2)】そもそもこちらが家を出ないといけないのか?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(7)】子供のことはどうすれば良いか

>弁護士はDV妻とどのように敵対し、向き合っているのか。

>逆DVの被害者が陥りがちな5つの落とし穴

>【弁護士が解説】DV妻のよくある言い分と、弁護士の対応方法

>【逆DV】DV保護命令を申し立てた方が良いかの6個のチェックポイント

 

 

1.やはり解決までにかかる期間はとても気になる


 

 離婚にあたっては、親権を獲得できるのか、養育費や財産分与でいくらもらえるのか、慰謝料はもらえるのかどうか、といった点については、今後の生活に直結する問題なので、皆様の大きな関心事の一つだと思います。

 そして、自分のDV離婚の問題がどの程度の期間で解決するのかという点も重要な関心事だと思います。正式に離婚が成立するまでは、いわば中途半端な状態とも言えますので、このような状態から早く抜け出したいと考えるのは当然のことだと思います。

 

 離婚の問題は、①協議離婚→協議離婚が上手く行かない場合に②調停離婚→どうしても調停離婚が上手く行かない場合に③裁判離婚という流れを踏みますので、最終解決が協議離婚で済むのか、調停離婚での解決なのか等手続に応じて、要する期間も異なってきます。

 

 このような期間はケースによって様々なので一概には申し上げにくいのですが、各手続に応じてどの程度の期間を要するのかの目安と、どのような問題が争点になると長期化しやすいのかについて解説します。

 

 

2.協議離婚で解決する場合


 

 協議離婚というのは、離婚届を役所に提出して解決する場合を言います。

 たまに依頼者の中には、弁護士が間に入る場合には、協議離婚にはならない(調停離婚で手続を進める)と誤解されている方もいらっしゃいますが、基本的には、弁護士が間に入った場合にも、協議離婚による解決を目指すことが多いです。

 

 では、協議離婚の場合、解決までにどの程度の期間を要するかというと、おおよそ2か月から6か月程度というのが一つの目安かと思われます。ただ、これもケースによりけりですので、一つの目安と考えて頂ければと思います。

 

 通常、協議離婚で解決したという場合には、離婚条件について大きな対立はないことが多いのですが、協議離婚が長期化する傾向があるのは、緻密な離婚協議書を作成する場合や公正証書を作成する場合ではないかと思います。

 特に養育費などの金銭の支払いに強制力を持たせたい場合には公正証書を作成する必要がありますが、公正証書を実際に作成するのは公証人になります。そのため、公正証書を作成する場合には、公証人との折衝や公証人に提出する資料なども必要になってくる関係で最終解決までの期間が延びる傾向にあります。

 

 なお、DV妻との離婚協議の場合、相手が自分の考え方に強く固執している場合も多く、協議離婚での解決は難しいケースも多いように感じます。

 

 

3.調停離婚で解決する場合


 

 前述の協議離婚が上手く行かない場合、調停手続で離婚を目指すことになります。

 特に相手がモラハラ妻またはDV妻で、離婚協議をしていても、話がうまく進展しない場合には、早期に調停を申し立てることになります。

 

 調停での解決にどの程度の期間を要するかですが、これもケースによって千差万別なのですが、一般的にはどんなに早くとも3か月、長い場合には1年、または1年を超えることもあるという回答になると思います。

 それでは、DV離婚の調停の場合、どのような問題で長期化しやすいのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

 

①離婚するかどうかの部分、または離婚原因の部分で対立が激しい場合

 特に深刻なDV妻のケースで多いのですが、DV妻は基本的に自分が悪いことをしてきたという認識が薄いです。

 そのため、こちらからDVを離婚原因に掲げると、DV妻側からは、以下のような反発を受けることが多くあります。

 

・夫の我慢が足りない。

・夫が暴力被害を訴えるのは被害妄想であって、事実ではない。

・むしろこちらの方が暴言被害を受け続けてきた

・そこまでひどいことをしていない。

・私は旦那のためにここまで尽くしてきた。(虚偽を述べるケース)

・多少もみ合いのようになったことはあるが、私の方から一方的に暴力を振るったことは一度もない

 

 果ては、離婚調停の申立書の書き方が悪いとか、事細かに揚げ足を取ってくる場合もあります。

 このようにDV離婚そのものを争ってきたり、その詳しい離婚原因に強く反発してくる場合には、詳しい離婚条件を話し合う前の段階で調停手続がストップしてしまいますので、長期化の原因になりかねません。

 なお、DV妻によっては、あなたが真剣に離婚したいのに、その真剣さを全く受けとめずに、何度も「旦那は本当に離婚したい気持ちなのか?」と尋ねてくるケースもあります。

 

②お子さんの親権獲得で激しく争われる場合

 DV妻が離婚に応じたとしても、お子さんの親権を譲ることについては、あなたに負けたとの印象を持つため、親権を激しく争ってくるケースも多いです。

・これまで育児放棄を繰り返してきたのに、子育ては自分が行ってきたと嘘を言ってくる。

・子どもに対する自身の暴力を全面的に否定してくる。

・旦那様側の母親が育児をほぼ行ってきたのに、その事実を一切否定してくる。

・妻からのDVで旦那が体調を崩しているのに、旦那の精神状態では子育てはできないと主張してくる。

 DV妻が自身の暴力を全く反省せず、親権獲得を主張してくる場合、調停はかなり長期化することになります。

 

③財産分与の対象財産が多い場合、争点が多い場合

 財産分与の対象財産が比較的少ない場合や、そもそも婚姻期間が短く財産分与の必要がない場合には、その分短期決着が見込めます。

 他方で、財産が多い場合や、特有の争点が生じる場合には長期化要因になります。財産分与で争点となるケースというのは、①自宅購入時の頭金の金額・性質等に争いがある場合、②相手が一部の財産しか開示しない場合(対象財産の範囲に争いがある場合)、③婚姻前の財産の範囲や額に争いがある場合等になります。

 特にDV妻は、離婚する夫に対しては極力金銭を渡したがらないことが多いため、財産分与が大きな争いになるケースも多くあります。

 

④慰謝料が争点になる場合

 DVを明確に裏付ける証拠がある場合には、相手に慰謝料を請求すべきということになります。

 ただ、DV妻は通常自身の行動を正当化してくることが多いため、慰謝料を支払わないばかりか、こちらが慰謝料を請求してきたことそのものに不満をぶつけてくることもあります。

 この慰謝料の問題で対立する場合も紛争が長期化する要因になります。

 

 なお、逆DVのケースの場合、旦那様の方から「妻は自分が絶対正しいという人なので、裁判をしないと離婚できないと思います」というお話しが出ることも多いです。ただ、実際に調停を起こしてみると、期間はかかったけれども調停離婚でまとまるというケースも相当数ありますので、粘り強く調停手続を進めるべきケースもあります。

 

 

4.裁判離婚で解決する場合


 

 上記のような調停手続でも離婚が成立しない場合には、やむを得ず裁判を選択せざるを得ない場合もあります。

 

 裁判に要する期間については、それこそ千差万別であって一概に申し上げることは非常に困難です。

 ただ、裁判を申し立てる前に、既に離婚協議、離婚調停を経ているため、訴訟提起の段階で数か月は経っていることが多いと思います。そして、裁判そのものがスタートしても、さらに1年近い期間が経過することは覚悟しなければならないことが多いと思います。そのため、弁護士が事件に着手してからのトータル期間で見ますと、①裁判の申立前に既に数か月、②裁判スタート後に1年というイメージですと、1年数か月は覚悟しなければならないというイメージになると思います。

 

 なお、離婚訴訟を起こすとなると、裁判で勝てるだけの離婚原因があるのかという点の検討も必要になります。

 具体的には、DVの証拠を精査・整理することはもちろんですが、ある程度別居期間を稼ぐという観点から、多少訴訟提起の時期を遅らせるという場合もあります。そのため、調停が成立してからすぐに裁判を起こすのではなく、調停終了から裁判の申立までに一定期間を空ける場合もあります。

 

 裁判離婚の場合、原則として相手も徹底的に争ってくるケースが多いため、各離婚条件について反論や証拠集めの労を要するというように考えた方が良いと思います。

 

 

5.スピードよりも、「より良い解決」を!


 

 たまに弁護士が間に入ったのだから早急に解決して欲しいという要望をお持ちの方もいらっしゃいますが、結論を急ぐあまりに十分納得できない結論で解決してしまうのでは本末転倒だと思います。

 

 もちろん、離婚という問題を長期間抱えることは、それだけで心理的ストレスになると思いますので、早急な解決が望ましいことは間違いありません。

 ただ、結論を急ぐあまりに不十分な内容で解決してしまうと、2年後、3年後に振り返ったときに後悔してしまうのではないかと思います。

 

 そのため、解決を急ぎつつも、ご自身が納得いく解決(DV離婚)を目指すことができればと考えております。

 

 

6.まとめ


・協議離婚はあまり長期化せずに解決できるケースが多い。

・ただ、協議離婚でも、離婚協議書に細かな内容を盛り込む場合や公正証書を作成する場合、長期化要因になることがある。

・調停離婚はいくつか長期化する項目があり、DV妻の態度が大きく影響する。

・裁判離婚に発展した場合には、それなりの期間かかることを覚悟する必要がある。

・迅速な解決が望ましいが、迅速性よりも「より良い解決」の方が大事である。

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!!

  (仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

 

投稿者: 弁護士秦真太郎

【夫が被害者】DV・モラハラ離婚:調停の席にあなたも出席する必要があるか

2019.09.16更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

<<弁護士秦の逆DVに関するその他の解説はこちら!>> 

>DV妻との別居を決意!別居のための8つの手順

>ズバリ!!弁護士から見たDV妻の共通点

>【弁護士が解説】モラハラ・DV妻との離婚難易度

>【弁護士が解説】逆DV離婚)解決までにかかる期間はどのくらい?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(2)】そもそもこちらが家を出ないといけないのか?

>【モラハラ・DV妻との別居準備(7)】子供のことはどうすれば良いか

>弁護士はDV妻とどのように敵対し、向き合っているのか。

>【弁護士が解説】DV妻のよくある言い分と、弁護士の対応方法

>【逆DV】DV保護命令を申し立てた方が良いかの6個のチェックポイント

 

 

1.弁護士を雇った場合、弁護士に丸投げできないの?


 

 あなた自身で離婚調停を申し立てた場合、その調停の席にあなた自身が出席しなければならないのは当然ですが、弁護士を依頼した場合はどうでしょうか。

 要するに、弁護士を雇ったのだから、弁護士に丸投げできないのかという問題です。

 

 ちなみに、遠隔地の裁判所に調停を申し立てた場合には、電話会議方式で調停を行うケースが多いので、その場合にはご本人も裁判所の調停室に直接足を運ばない形にはなります。今回の解説は、このような電話会議の場合ではなく、通常の調停を想定して解説していきます。

 

 

2.原則ご本人に出席して頂く必要がある


 

 DV・モラハラ妻が相手ですので、ご不安もあるとは思いますが、基本的には調停にはご本人にもご出席頂く必要があります。

 理由は以下の通りです。

 

(1)直接顔を合わせない工夫がなされている

 調停というと、DV妻と直接顔を合わせるのではないかと不安に思われている方も多いのですが、調停では相手と直接顔を合わせないような工夫がなされています。

 まず、調停の際、あなたは弁護士と一緒に調停室に入り、調停委員に対して事情を説明するのですが、調停室に入るのはあなたと弁護士のみで、DV妻は同席しません。

 そのため、調停室であなたがDV妻と直接顔を合わせると言うことはありません。

 より具体的には、調停は、あなたとDV妻とが交互に調停室に入りますので、調停室内で直接顔を合わせることがないようになっているのです。

 

 このように調停室で顔を合わせないとしても、待合室で待っているときにDV妻が入ってこないかという不安もあろうかと思います。

 この点は、DVのケースであることを裁判所に予め説明しておけば、こちら側が待機している待合室の階数をずらしてくれたり、集合時間をずらしてくれたりしますので、このようにして回避できるように工夫されています。

 そのため、現実的には裁判所でDV妻と顔を合わせるリスクは少なくなっております。

 

(2)離婚という身分関係に関わる重要な問題であること

 調停で話し合いが行われますのは、夫婦関係を解消させるという重要性の高い議題になります。

 このような重要なお話しになりますので、私の方からは「弁護士に丸投げというわけにはいきませんよ」とお話させて頂くことが多いです。

 

(3)こちらの真剣さを伝える

 調停委員も人間ですから、目の前で話をする人間の表情や仕草、話しぶりに影響されるのは事実です。

 そのため、あなた自身が調停の席に出席して、真剣に離婚したい旨を話すと、調停委員も、その真剣さを受けとめてくれることが多いです。

 

 逆に、あなた自身は出席せずに、弁護士だけが調停の席に出席して話をしたらどうでしょうか。調停委員からは、あなた自身の生の声が聞けていませんし、あなた自身の表情や仕草を確認することもできませんので、あなた自身の真剣度を測ることは難しくなります。

 前述の通り離婚はあなたの身分関係に関わる重要な問題でもありますので、通常の離婚調停ではご本人も調停の席に出席します。

 

 そのため、あまりあなた自身が欠席を繰り返すことになってしまいますと、調停委員からは「どうしてご本人がいらっしゃらないんだろう」「ご本人の表情が見えないな」と感じてしまうリスクがあります。

 

(4)あなた自身に調停手続の内容をリアルに把握してもらう

 弁護士だけが調停の席に出席するという形になってしまいますと、あなたの調停事件を担当してくれる調停委員がどんな人なのかということは分からないと思います。

 そして、弁護士から事後的に、その日の調停の様子の報告を受けても、概要の報告しかできませんので、事細かなやり取りの詳細までは把握できないことが多いと思います。

 

 逆に、あなた自身が調停の席に出席していれば、調停委員の話しぶりから感じるところもあるでしょうし、何よりリアルタイムで調停の詳しいやり取りを把握することができます。

 このようにリアルタイムで理解しながら調停を進めていくことができれば、安心・納得しつつ手続を進められると思います。

 

(5)詳しい事実関係の確認は本人でないと対応できない

 調停でどのような話が出るのかについては事前に準備をしますが、相手がどのような言い分を述べるのかを全て事前に把握しきることは不可能です。

 そのため、弁護士のみが調停の席に出席した場合、過去ご夫婦でどのようなことがあったのかを全て事前に把握しておくことは不可能なので、弁護士が把握していない過去の事実について調停委員から質問等を受けた場合に返答することができなくなってしまいます。

 そうすると、詳しくは次回調停期日までに把握してきて下さいと調停委員から指示を受けて帰るという進行になってしまいますので、調停手続の遅延の原因にもなりかねません。

 

 

3.まとめ


・以下の理由からDVのケースでもご本人に調停の席に来てもらう必要があるのが原則である。

 ①身分関係という重要な話をする場であるから
 ②調停委員にこちらの真剣さを伝える必要があるから
 ③あなた自身にリアルタイムで調停の場でのやり取りを把握してもらう必要があるから
 ④過去夫婦間でどのようなやり取りがあったのかはあなた自身でないと答えられない事実も多いから

・裁判所ではあなたがDV妻と出くわさないような工夫がされている。

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!!

 (仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

 【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

投稿者: 弁護士秦真太郎

【夫が被害者】DV保護命令にDV妻は従うか?

2019.09.16更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

>【初めての相談でも安心】動画解説:弁護士秦への法律相談って何だ?はこちら<

<<弁護士秦の逆DVに関するその他の解説はこちら!>> 

>DV妻との別居を決意!別居のための8つの手順

>ズバリ!!弁護士から見たDV妻の共通点

>【モラハラ・DV妻との別居準備(2)】そもそもこちらが家を出ないといけないのか?

>【弁護士が解説】モラハラ・DV妻との離婚難易度

>【弁護士が解説】逆DV離婚)解決までにかかる期間はどのくらい?

>弁護士はDV妻とどのように敵対し、向き合っているのか。

>【弁護士が解説】DV妻のよくある言い分と、弁護士の対応方法

>【逆DV】DV保護命令を申し立てた方が良いかの6個のチェックポイント

 

 

1.DV保護命令とは?


 

 DV保護命令とは、DV妻があなたに接触すべく付きまといや徘徊することを禁止したり(接近禁止命令と言ったりします)、一定期間DV妻に自宅から退去させる(退去命令と言ったりします)裁判所からの命令になります。

 DV保護命令を発令させるためには、保護命令の申立書を提出し、裁判所はDV妻からも事情を聴く必要があります。

 

 

2.DV妻は、保護命令に従うか?


 

 あなたは、DV妻と共に生活し、妻からの理不尽な要求や非難等を浴びせられ、とてもではないが、裁判所の保護命令に従うとは思えないという方もいらっしゃると思います。

 私のところに相談に来られる方も、「妻は自分の考えを絶対曲げないので」とか「妻は自分が一番だと考えているので、とても保護命令に従うとは思えない」ということをおっしゃる方は多いです。

 それでは、保護命令が発令された場合には、どのような効力が認められるのでしょうか。

 

(1)罰則の存在

 DV保護命令に違反した場合、1年以下の懲役、100万円以下の罰金という罰則が設けられています。

 要するに保護命令に違反した場合、刑事罰を科すことができるということです。

 

 もちろん、DV妻があなたに対して暴力を振るったり脅迫をした場合には、暴行罪や脅迫罪として処罰の対象になるのですが、このような暴行や脅迫に至らなくとも、保護命令に違反した場合、要するに、あなたの新しい住まいの周りを徘徊しただけで、上記のような保護命令違反の処罰が可能になっているのです。

 このことは、保護命令の実効性を確保する手段としてはかなり強力なものと言えます。

 

(2)警察との連携

 上記の通り、保護命令に違反した場合、それだけで刑事罰の対象になりますから、保護命令の制度には警察も密接に連携して対応してくれます。

 通常は、保護命令が発令されると、その日の当日に警察官がDV妻に対して直接電話連絡をし、保護命令を遵守するよう伝えてくれますし、近日中に(または当日)警察署に来るように指示され、呼び出される形でDV妻は警察署で話をすることになります。

 

 当然、DV妻が接近してきていると疑われる事情が発生した場合には、警察は親身に対応してくれます。

 このような警察との密接な連携は、DV妻に対する牽制の効果としては大きいです。

 

 

3.結局DV妻に知られない場所に引っ越す必要がある


 

 上記の通り、保護命令の効力は強いのですが、限界もありますので、いずれにせよ、DV妻に知られない場所に引っ越す必要が出てきます。

 

 まず、保護命令を申し立てた際、裁判所は必ず妻側からも事情を聴く必要があります。保護命令は上記の通り強力な手段なのですが、他方で、DV妻側の行動の自由を制限するものになりますので、必ずDV妻側の言い分を確認する必要があるからです。

 その前提として、裁判所は妻側に、こちら側が提出した保護命令申立書や証拠類を事前に送っておく必要があります。こちらの言い分が分からないと妻側も十分な反論ができないからです。

 

 そのため、少なくとも、DV妻側に保護命令申立書が送られてきてから保護命令が発令されるまでの期間は、あなたはDV妻に知られないような場所に避難しておく必要が出てきます。DV妻が保護命令申立のことを知った場合、間違いなく、あなたに対して強く立腹するでしょうから、身を隠して身の安全を確保する必要があるからです。

 また、保護命令が発令したとしても、接近禁止命令についていいますと有効期間は6か月ですので、有効期間経過後、DV妻があなたに対してコンタクトを図る危険性があります。

 そのため、いずれにせよ、保護命令があったとしても、あなたとしては、DV妻側に所在を知られないような場所に転居する必要があるのです。

 

 

4.まとめ


・保護命令に違反した場合には刑事罰があり、効果は強い。

・保護命令が発令した場合、警察と密接に連携して対応できる。

・保護命令が発令された場合でもあなたの身の安全を守るためには、結局、DV妻に知られない場所に転居する必要性が生じる。

 

 

>>このブログを書いた弁護士秦(はた)に直接会って相談したい方はこちら!!

 (仕事帰りでも安心!事前予約があれば平日夜間22時まで相談可能 : 相談予約は入力フォームで簡単日程調整)

 

雨宮眞也法律事務所

弁護士 秦(はた) 真太郎

TEL03-3666-1838|9:30~18:00

東京都中央区日本橋兜町1-10日証館305号

【アクセス】
5路線直結で便利です。
<東京メトロ>
・東西線 「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・日比谷線「茅場町」駅(11番出口)より徒歩5分
・銀座線「日本橋」駅(C5出口)より徒歩6分
・半蔵門線 「三越前」駅(B6出口)より徒歩7分
<都営地下鉄>
浅草線 「日本橋」駅(D2出口)より徒歩5分

投稿者: 弁護士秦真太郎

弁護士 秦真太郎 -雨宮眞也法律事務所- 受付時間 9:30~18:00 定休日 土日・祝日 住所 東京都中央区日本橋兜町1-10日証館3階

※事前予約があれば平日夜間(22時まで)も対応可能です。