別居中の生活費を勝ち取る全手順
2018.04.13更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「本当に分かりやすい詳しいブログ解説」を目指して解説していきます。
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1.旦那に無断で別居を開始したけれど…
旦那様に無断で別居を実行した場合、生活費を要求することが躊躇われると言うこともあると思います。生活費の話をすると、旦那様から「勝手に出ていっておいて生活費なんて渡すはずがない」と言われてしまいそうです。
しかし、相手から生活費をもらわなくとも生活に不自由がなければ別ですが、現実の生活に苦労がある場合には、早めに相手に生活費を要求すべきです。
2.生活費をいくら要求すべきか
(1)何か参考になる数字はないの?
相手に生活費を要求する場合、いくらぐらいが妥当なのか?相場はいくらぐらいなのか?というのが気になるところかと思います。
この点は、実務では婚姻費用算定表というものが普及しておりまして、参考になります。
裁判所がオフィシャルにて公表している算定表は下記の通りになりますので参考になさって下さい。
なお、離婚成立前の生活費は、法律用語としては「婚姻費用」と言いまして、離婚成立後は「養育費」になります。算定表をご覧になる際にも、「婚姻費用」の表をご覧下さい。
(2)参考の数字をそのまま要求するのがよいか?
上記の算定表の数字はあくまで参考の数字になります。例えばお子様の習い事や塾の費用がかかるとか、個別の事情がある場合には、実際に、あなたが生活に必要な費用を相手に請求する方が良いケースもあります。
また、お子様が私立中学校や私立高校に在学中といった場合には、上記の婚姻費用とは別に学費等を請求すべき場合もあると思います。
いずれにしましても、一度あなたが言った数字は、今後の交渉にあたって非常に重要ですので、あまり低めの数字を提示すべきではありません。
3.相手がすんなり支払いに応じた
当初の想定だと、相手が抵抗してくると思っていたけれども、すんなり支払ってくれるというケースもあります。
特に旦那さんが復縁を希望している場合には、生活費を支払わないという行動そのものが不利に扱われますので、そのことを意識して生活費を渡してくると言うケースもあります。
いずれにしましても、「相手がすんなり払ってくるとは思わなかった」というケースの場合、今後もしっかり支払ってもらうために、相手に念書や合意書を書いてもらうと安心です。念書等には、月々いくら支払うのか、毎月何時までに支払うのか、振込先口座はどこなのかをきちんと明記して下さい。
4.相手が支払いを拒んできた場合
旦那さんが明確に支払いを拒んできた場合、どなたかを間に入れて話ができないかを、まず模索してみて下さい。間に入ってもらう方としては、通常あなたの両親や相手の両親、兄弟姉妹や友人等が思い当たるかと思います。
このようにして身内や友人を間に入れても話が進まない場合や、間に入れる的確な人物がいないという場合には、家庭裁判所に対して婚姻費用分担調停を起こすことも検討せざるを得ません。
5.婚姻費用分担調停を起こすタイミングは?
至急生活費を得たいという場合には、早めに調停を申し立てることをオススメします。但し、突如調停を起こしますと、旦那さんが強く反発する可能性もありますので、少なくとも一度は「生活費を払ってくれないのであれば、裁判所に調停を起こすことを考えている」という最後通告をした方が良いと思います。
他方、今後の離婚の話もスムーズに進めたいという場合には、あまり急いで調停を進めない方が良いかもしれません。調停は裁判所で行われますので、調停が起こされたということ自体で、相手が身構えてしまう危険性もあるからです。
婚姻費用分担調停だけでしたら、あなたご自身でも対応できると思いますので、ご検討されて下さい。
6.婚姻費用分担調停で話がまとまらなかったらどうなる?
せっかく調停を起こしたのに、相手が調停に出席しないとか、調停に出席はしたけれども一切支払いに応じないというケースもあります。
このようなケースを懸念して、「最初から調停なんて起こさない方が良い」と考えている方もいますが、これは大きな誤解です。
と言いますのは、婚姻費用分担調停は、調停がまとまらなかった場合、手続は審判に移行し、最終的に裁判所がきちんとした金額を決めてくれます。
そのため調停が上手く行かなくても、あなたが泣き寝入りしなければならないと言うことは、あまりないと思います。
別居中であっても、あなたやお子様の生活費を払うのは旦那さんの当然の務めになりますので、積極的に婚姻費用分担調停を活用して下さい。
7.まとめ
・別居中の生活費に不安がある場合、早めに相手に生活費を要求すべきである。
・生活費(婚姻費用)の金額については、裁判所の算定表の数字が参考になる。
・算定表の数字をそのまま相手に伝えるのではなく、あなたの生活実態を考慮して提示額を判断すべきである。
・旦那と金額が折り合った場合には念書等を作成した方が良い。
・旦那が強く支払いを拒絶している場合には調停の利用も考えた方が良い。
・調停が上手く行かなくとも審判で最終的には裁判所が生活費の金額を決めてくれるので、あまり失敗を怖れずに調停を利用した方が良い。
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