婚約者が浮気した!請求できる慰謝料額はどのくらい?
2018.08.21更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。
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円満な婚約関係を続けていたつもりだったのに、婚約者が陰で浮気をしていたという場合には、大変な精神的ショックを受けると思います。浮気によってもう相手を信じることができなくなり、婚約解消に発展することも多くあります。その様な場合、浮気の問題は、慰謝料という形で金銭的に精算することになります。
1.不倫慰謝料に相場ってあるの?
浮気の問題は、慰謝料で精算するしかないと分かっていても、次に浮かぶ疑問は「一体いくらぐらい請求すれば良いんだろう?」という疑問だと思います。
慰謝料の金額がどのように決まるかは後で詳しく説明しますが、様々な事情が絡んできます。そのため、一概にいくらということは言いにくいです。これはイメージというようなレベルになりますが100万円から150万円程度というのは一つの目安にして良いかもしれません。なお、法律上の婚姻関係があるケースですと200万円前後というイメージだと思いますが、残念ながら、婚約関係の場合には慰謝料額は低くならざるを得ないというのが現状です。
ただ、繰り返しの説明になりますが、慰謝料額は個別の事件によって大きく異なりますので「最低でも100万円は確実にもらえるのですね」とお考えにならないようにして下さい。私が扱った事件でも数十万円しか慰謝料を得られなかった事件もありますし、逆に200万円以上の慰謝料を得られた事件もあります。
2.婚約の場合、婚約破棄に至っていることが前提
特に法律で、婚約が解消されていないと慰謝料を請求できないといった定めはありません。しかし、相手が浮気したのに、そのことを認識した上で婚約関係を続けると言うことになると、法律的には①浮気が婚約関係に与えた打撃は大きくなかった、もしくは、②まだ婚約していると言うことは相手のことをあなたも許していると評価される危険性が高いと言えます。
そのため、婚約を継続したまま相手に慰謝料を請求しても、慰謝料請求そのものが認められない(要するに慰謝料額はゼロ円でよい)と言われてしまうことが多い様に思われます。
夫婦間の不倫慰謝料の問題の場合、完全に離婚していなくとも慰謝料請求が認められますが、婚約の場合には、やはり正式な夫婦よりは法律的な保護が弱くなりますので、婚約が解消していないと慰謝料請求は一般的に難しいことになります。
3.慰謝料の金額はどのように決められるのか。
先ほどご説明しましたとおり、慰謝料の金額は「色々な事情」を考慮して決定されます。それでは、この「色々な事情」というのは具体的にどのような事情になるのでしょうか。
大きく分けますと、以下のような事情になります。
①浮気をした婚約者側の悪質性
②被害者側が受けた精神的苦痛や肉体的苦痛
③交際期間の長さ・浮気による打撃の大きさ等
これだけではピンと来ないと思いますので、詳しくご説明致します。
①の「浮気をした婚約者の悪質性」の判断では、以下のような要素が考慮されます。
・浮気の発端(婚約者の側から不倫相手に積極的にアプローチしたのか等)
・不倫期間や頻度
・浮気相手の人数
・あなたを裏切った回数(例えば、一度目の不倫発覚時に今後一切不倫をしない旨誓約したのに何度もその誓約に違反した等)
・浮気によって浮気相手に妊娠させたのかどうか
・浮気後の生活状況(浮気相手の自宅に入り浸りになるとか、浮気相手に生活費の大半を貢ぐようになったとか)
・婚約者による関係修復の努力の有無(客観的証拠上浮気の事実が明らかなのに、浮気を否定し続けたり、浮気を認めたのに開き直って浮気相手と安定した生活を築く旨発言した場合などは慰謝料額は増額される傾向にあります)
②の被害者側の精神的苦痛や肉体的苦痛としては、例えば、うつ病その他の精神疾患を患うようになったとか、胃潰瘍になってしまったといった事情が、浮気と直接関係しているような場合には、慰謝料の増額要因になり得ます。
③の交際期間の長さは、単純に男女地して交際していた期間の長さと婚約した後の期間の長さを考慮する必要がありますが、婚約した後の期間が長い方が慰謝料増額要因になります。なお、浮気による婚約関係への打撃の大きさというのは、他に婚約破棄に至る原因がないかという問題です。例えば、お互いの性格の不一致が大きく、交際が円滑に行われておらず、相手の浮気がなくても婚約解消に至っていた可能性が高いという場合、浮気による打撃は少ないと評価されます。
このように「色々な事情」が考慮されることが分かっていただけたかと思います。
自分がいくらの慰謝料を期待できるのかについては、先ほどのご説明を読んだだけでは、なかなか分かりにくいと思いますので、お悩みの際にはお気軽にご相談ください。
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4.通常は婚約破棄の事情も考慮されることになる。
不倫慰謝料の決め方は上記の説明の通りなのですが、相手に慰謝料を請求する場合、婚約が破棄されてしまっているため、その経緯等に関する慰謝料もすべて含めて相手に請求するケースがほとんどだと思います。
いわゆる「不倫慰謝料」と言った場合、相手の浮気に関係する事情を考慮して慰謝料額が決まるのですが、婚約破棄の慰謝料になりますと、考慮される事情が拡大します。
具体的には、①婚約中の妊娠や中絶等の事情の有無、②結婚に向けた準備の程度と言った事情も考慮されることになります。もちろん、相手の浮気というのは通常は婚約解消の決定打になっているでしょうから、浮気という事情がもっとも重視されるべき事情なのですが、これまでの婚約期間の様子も考慮されるという様にイメージすると分かりやすいかもしれません。
5.まとめ
・婚約者が浮気した場合の不倫慰謝料額に相場というものは基本的にないと考えてもらった方がよい(ケースバイケースのため)
・不倫慰謝料額は以下の様な要素を考慮して決定される。
①浮気をした婚約者の側の悪質性
②被害者側が受けた精神的苦痛や肉体的苦痛
③交際期間の長さ・浮気による打撃の大きさ等
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