こんなことで弁護士に相談してもいいんですか?-離婚理由編
2017.06.05更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、モラハラ情報盛りだくさん!>>弁護士秦のモラハラ・DV総合サイトはこちら<<になります。
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1.実際どのような離婚理由で相談があるの?
私が受けるご相談内容としては、深刻なDVや不倫・浮気を離婚原因とするご相談もあります。ただ、このような重大な問題ばかりかというと、性格の不一致を原因とする離婚というものも数多く取り扱っておりますし、統計上も性格の不一致が離婚原因としてはトップになります。
例えば、離婚の調停を起こす際には、裁判所の書式に記載されている申立動機の中から該当するものを選択しなければならないのですが、裁判所の書式には以下の項目が設けられています。
①性格が合わない
②異性関係
③暴力をふるう(以前)
④酒を飲み過ぎる
⑤性的不調和
⑥浪費する
⑦病気
⑧精神的に虐待する
⑨家族をすててかえりみない
⑩家族と折り合いが悪い
⑪同居に応じない
⑫生活費を渡さない
⑬その他( )
この①から⑬をご覧になると、ご自身も複数該当する項目があることに気付くのではないでしょうか。
この①から⑬はそれだけで直ちに裁判での離婚原因になるものではない項目も含まれていますが、その内容が極端な場合には離婚できる十分な理由になることもありますし、複数の該当項目が重なり合って離婚に値するものと判断される可能性もあります。
暴力や不倫・浮気といった顕著な離婚原因がない場合でも、上記の①性格が合わない、⑧精神的に虐待する(例えば暴言を浴びせてくるとか、こちらの仕事や家事を卑下しているとか、脅してくる、こちらを無視し続ける等々)、⑨家族と折り合いが悪い(実家の両親を悪く言う、折り合いが悪い等々)といった項目には該当することが多いのではないでしょうか。
2.離婚するかどうかはご本人の気持ちが一番大事
特にお子様がいらっしゃる家庭ですと、「子供のことを考えると離婚なんてできない。自分が我慢すればいいことだ」とお考えの方も多くいらっしゃいます。確かに、お子様がいらっしゃる場合、お子様のこと、今後の生活のことはしっかりと考えなければいけません。
しかし、離婚しないという選択をした場合、今後何年も、20年も30年も今一緒に生活している夫と一緒の生活を続けなければならなくなります。
そのため、まずは、今後一生この夫と一緒に生活してやっていけるのか、耐えられるのかと言うことをまず一番に考え、離婚するかどうかの軸として考えるべきだと思います。ご自身が考えている夫の嫌いな点、イヤな点は、ときには一般の方の賛同を得られないこともあると思いますし、些細なことと捉えられることもあると思います。ただ、ご本人がどうしても耐えられない部分、心情的に許せないと言うことならば、その点ではご自身のお気持ちに素直に向き合うことがよいと思います。
このようにして離婚を決意されたならば、後はどのような段取りで離婚を進めていくのかを考えなければなりませんが、その際に相手の反対が予想されるのであれば、今後の手順を考えるにあたって弁護士に相談してみるというのも一つの手段なのではないかと思います。
3.実はとても多いのが、いわゆる「隠れモラハラ」のケース
「うちの夫は、感情的になると怒鳴ったりするけれど、暴力や浮気をしているわけではないから」そんなお話をして下さる人もいます。
しかし、よくよく話を聞いてみますと深刻なモラハラに悩まされ続けてきたという方も多くいます。いわゆる「隠れモラハラ」のケースです。
モラハラの概念は広く、一括りで捉えることはできないのですが、代表的なものとしては以下の様なものがありますので、以下の項目にいくつ当てはまるかチェックしてみて下さい。
①あなたに対して侮辱的な発言や差別的発言をする。
②大声を出すなど怒鳴ってくる。
③あなたに危害を加える様な発言をする(悪質なケースだと、包丁等の凶器を持ち出す)
④物を壊す。物に当たり散らす。
⑤急に怒り始めるため理由が分からない。夫に怒られない様に神経を使ってしまう。
⑥長期間無視する。
⑦あなたの行動をチェックしたがる(悪質なケースだと、GPS等でこちらの行動を監視する)。
⑧収入を誇示してくる。
⑨独自の考え方に強く固執する。
⑩外部(あなたの友人や身内)との関係を規制してくる・コントロールしようとしてくる。
⑪被害妄想が強い。
⑫性的要求が強い・異常である。
これらのうち3つ以上に当てはまる様でしたら、モラハラの疑いがあります。また、該当項目が2つ以下の場合でも、その頻度が多かったり、長期間に及ぶ場合にはモラハラに該当することがあります。
あなたがあまり自覚せずに我慢してしまっていないか、じっくりと考えてみて下さい。
4.弁護士に相談することを躊躇っている方へ
アメリカ等では訴訟等の紛争の件数が多いため、弁護士に事件を依頼すること・相談することのハードルは一般的に低いと言われています。
これに対して、日本では、日本人が基本的に紛争や物事を大きくしたくないという国民性も影響してなのか、「弁護士に相談することは敷居が高い」と思われている方が多いのが実情だと思います。
私自身も、友人から相談を受けた際には、「友人に弁護士が居て良かった。全然知らない弁護士に相談するのは気が引ける。」といった話をされることもあります。
確かに、「弁護士に相談する」というと何か事態を大事にするような印象があるかもしれませんし、そもそも、普段弁護士と接点がない場合、敷居が高いという方も多いと思います。
ただ、その様な理由で相談を躊躇っていますと、それによって事態が悪化してしまう危険性もあります。また、弁護士という専門家に相談することで、自分の置かれている状況を客観的に把握できるとともに、今後どのように行動すればいいのかが明確になります。このことはご自身の安心にもつながります。
そのため、まずは気軽にご相談されることをオススメしております。
5.まとめ
・暴力や浮気といった重大な離婚理由がないということで悩む必要はない。
・重要なのはご自身にとって今後夫とやっていけるかどうかという気持ちの問題である。
・「隠れモラハラ」のケースも多いので注意が必要である。
・離婚を決意した場合、今後の段取りの相談を含めて弁護士にアドバイスを求めることができる。
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