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【なんとか夫婦のヨリを戻したい(3)】現状の立ち位置を知ろうーケース別復縁難易度

2019.05.13更新

弁護士秦

 こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

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1.ケース別復縁難易度って?


 

 私は、夫婦関係修復のご相談を受けることも多いのですが、ご相談を受けた時点で、どこまで状況が悪化しているのか、一定のケース分けができることに気付きました。

 もちろん、以下は、ケースごとの難易度を目安としてお示しするものであって、「このケースであれば夫婦関係修復確実」などと保障するものではありませんので、この点はご留意の上ご覧いただければと思います。

 

 

2.ケース分け


 

 あなたが起こっている事態に応じて、離婚に向けての深刻度を類型化することができますので、具体的には以下のようにケース分けして解説していきます。

 

①相手(妻又は夫)から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)

②相手から離婚の提案があった(まだ別居はしていない)

③相手から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中

④相手から別居の提案があって、話し合いが決裂、相手が突如別居を開始した

⑤相手から何の提案もなく突如別居を開始した

⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けていない)

⑦相手(別居中)の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた

⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けている)

 

 なお、これら①から⑧は相手が順を追ってこのような手続きを踏むというわけではなく、いきなり⑤と⑧から手続が進むと言うこともあります。そのため、現在あなたが置かれている状況が①から⑧のどの状況なのかを確認して、該当の解説をご覧下さい。

 

 

3.【ケース①または②】相手から、別居または離婚の提案があった


 

 上記のケース分けで①または②に該当するケースです。実際に相手が別居を開始していない段階ですので、上記のケース分けの中では深刻度が一番低い類型になります。

 上記の③から⑧にまで発展していない段階ですので、あなたが対応を誤らなければ十分夫婦関係の修復も期待できる段階と言えます。

 

 ただ、この段階でも、真剣に相手が離婚を切り出してきている場合や、両親等も交えた話し合いを提案してきているような場合には、あなたも空いての声に真剣に耳を傾けないと、別居を実行されてしまうリスクもありますので、その意味では慎重な対応が必要になります。

 また、ここでのあなたの対応が相手を更に傷つけてしまいますと、別居や離婚を決断させる引き金になってしまう可能性もありますので、その点に注意する必要があります。

 

 なお、相手から別居の提案が出されただけというケース(①のケース)と、更に踏み込んで離婚の提案までなされたケース(②のケース)とでは、②の方が多少深刻度が高いということになります。

 また、相手からこのような提案がなされるのが今回が初めてではない、という場合には、深刻度は増しますので、この点にも注意が必要です。

 

 

4.【ケース③】相手から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中


 

 何か別居の引き金になるような出来事が起こって、お互いに冷却期間を置いた方が良いということで、あなたも承諾して別居を開始したというケースです。

 例えば、あなたがついカッとなって奥様に手を出したところ、当たり所が悪くて怪我をしてしまったというときに、お互いに話し合いをして、一時的に奥様が実家で暮らすことにしたというようなケースとか、旦那様があまりに仕事が忙しく、そのストレスで家庭内でもイライラすることが多いので、話し合って、一旦、旦那様だけ社員寮で暮らすことにしたといったケースがこれに当たります。

 いわゆる「ほとぼりが冷めるまで別居する」という内容ですので、あなたが対応を誤らなければ夫婦関係修復も期待できる段階と言えます。

 

 このようなケースでは先ほども解説しましたとおり、別居の引き金になるような出来事が起きていることが多いので、あなた自身もそのような出来事を振り返り、そのこととしっかりと向き合って対応する必要があります。

 ちなみに、相手のことを疑い始めてしまいますとキリがないのですが、残念ながら、冷却期間のための別居だと言いつつ、実際には、そのまま戻ってこないというケースもあります。そのような場合には、相手が別居したいということは伝わってくるものの、別居したい理由があいまいだというケースが多いので、そのような場合には、「別居前にじっくりと話し合おう」ということで、あまり別居に応じない方が望ましいと言えます。

 

 

5.【ケース④】相手から別居の提案があって、話し合いが決裂、相手が突如別居を開始した


 

 このケースは、相手から別居の提案があったという点ではケース③と同じですが、話し合いが上手く行かず、相手が別居を独断で実行したケースになります。

 このような相手の行動心理としては、「話をしていても埒があかないので、最終的には承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース①から③よりも慎重な対応が必要になります。

 

 このようなケースでは、あなたが直接相手と話をすることが相手を刺激する危険性もありますので、相手のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。

 もちろん、別居後も相手から連絡があり、あなたからの連絡に対して相手からの返答もあるようでしたら、相手との直接の話し合いを模索してみても良いかもしれません。それが逆効果になりそうな場合や、相手との直接の話し合いを模索してみたけれども、なかなか難しいという段階で他の方を間に入れることを検討してみて下さい。

 

 

6.【ケース⑤】相手が何の提案もなく突如別居を開始した


 

 このケースは、相手が突如別居を始めたという点はケース④と同じですが、相手が事前に別居の提案をしてこなかったケースになります。

 このような相手の行動心理としては、「直接話をしていても埒があかないので、承諾を得ずに別居を始めた」という心理だと思いますので、上記ケース④よりも慎重な対応が必要になることが多いと思います。

 

 ただ、ケース④よりも深刻度が高いかというと、事前に話し合いをするかは、相手の性格やこれまでのご夫婦での話し合いや夫婦関係等による影響もありますので、あまり深刻度はケース④と変わらないというケースもあります。

 このケースでも、あなたが直接相手と話をすることが相手を刺激する危険性もありますので、相手のご両親や共通の知人と話をするなど交渉窓口を変更することも視野に入れた方が良いかもしれません。

 

 なお、あなたとしては、相手が何の相談もなく勝手に出ていったことに対する怒りの感情を持つかもしれませんが、そのような怒りの感情に支配されて行動してしまいますと、夫婦関係修復の道は遠のいてしまうと思いますので、冷静な対応が必要かと思われます。

 

 

7.【ケース⑥】家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けていない)


 

 このケースは、あなたが普段通りに生活していたところ、突如離婚調停の通知が郵便で届いてしまったというケースになります。

 このケースは更に、①相手が別居した上で、暫くしてから裁判所の書類が届いたケースと、②相手が同居しながら(家庭内別居のまま)裁判所の書類が届くケースに分けることができます。このケース⑥-①の方が、⑥―②よりも深刻度が高いことの方が多いのですが、相手としては色々な事情があってケース⑥-②を選ばざるを得なかったということもあります。例えば、別居資金が不足しているとか、お子様の学区を変更しない場所で別居先を見付けることができなかった、この自宅に住み続けたいとの要望が強いといった事情が考えられます。そのような事情がある場合には、ケース⑥-①もケース⑥-②も深刻度はあまり変わらないと思います。

 

 このケースでは相手が弁護士を立てていないものの、裁判所での話し合いを希望している段階ですので、離婚意思が強いケースが多いと思います。

 この段階にまで発展してしまっていますと夫婦関係修復の難易度はかなり高いと思いますので、夫婦関係修復を希望するのであれば、誠意をもって調停に臨むことをオススメします。

 

 

8.【ケース⑦または⑧】相手が弁護士を付けた


 

 相手が弁護士を付けて離婚を要求してきたケースです。弁護士が手紙を送ってくるケース(ケース⑦)と、弁護士の判子が押された調停書類が裁判所から届くケース(ケース⑧)とがあります。

 ケース⑦とケース⑧どちらの深刻度が高いのかという点ですが、一般的にはケース⑧の方が深刻度が高いのですが、事件の方針として交渉から着手するか調停から着手するかは弁護士の普段の事件処理方法によるところも大きいので、必ずしも深刻度に差があるとは限りません(より分かりやすく言いますと、弁護士によっては「離婚事件は常に離婚調停の申立からスタートする」という事件処理をしている弁護士もいるということです)。

 

 このケース⑦または⑧になりますと、相手は弁護士にお金を払ってでも離婚したいという決意を持っているわけですから、離婚の覚悟は相当固いと考えた方が良いと思います。

 また、この段階にまで発展してしまっていますと、奥様が専門家である弁護士を付けているので、あなたとしてもミスが起きないよう弁護士を立てることを考えた方が良いと思います。

 

 

9.まとめ


・夫婦関係の悪化の状況に応じて復縁難易度には差が生じる。

・一般的には以下の数字が大きくなるほど復縁難易度は上がる傾向がある。

①相手から別居の提案があった(実際にはまだ別居していない)

②相手から離婚の提案があった(まだ別居はしていない)

③相手から別居の提案があって、こちらも応じたので、現在別居中

④相手から別居の提案があって、話し合いが決裂、相手が突如別居を開始した

⑤相手から何の提案もなく突如別居を開始した

⑥家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けていない)

⑦相手(別居中)の弁護士を名乗る人物から書留郵便(内容証明)が届いた

⑧家庭裁判所から離婚調停の書類が届いた(相手は弁護士を付けている)

・上記の①から⑧はあくまで目安なので、ご家庭の状況によっては復縁難易度に差が生じ得る。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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2019.05.07更新

弁護士秦

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【なんとか夫婦のヨリを戻したい(5)】相手が弁護士を立てると、本人と直接話もできないのか?

2019.04.22更新

弁護士秦

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1.突如相手が弁護士を立てたという連絡


 

 相手配偶者が自宅を出て行って暫くしたところで、その弁護士を名乗る人物から手紙が届くということが実際に起こります。あなたにも、急にこのような手紙が届けば当然驚くことかと思います。

 

 ただ、相手が付けた弁護士は、別にあなたを驚かせようとしてやっているわけではなく、弁護士が間に入ったという挨拶も含めて書面を送っているということになります。もちろん、あなたが受け取った文面には挨拶どころか、相手が同居期間中どれだけ苦労してきたのか、といった話が記述されており、納得いかないと思われる部分もあるかと思います。ただ、弁護士が何か行動を起こす場合、急にあなたに電話連絡をしても、最近は振り込め詐欺等が横行している時代ですので、あらぬ誤解を招く危険性があります。そのため、まずは書面にて通知するという形が一般的に取られているのです。

 

 そして、このような弁護士からの書面には通常「今後は当職が窓口になったので、奥様への直接のご連絡はお控え下さい」といった文章が含まれることが多いです。

 

 

2.相手と直接会って話をすることは不可能なのか?


 

 たまに、私のところにご相談に来られる方の中には「『直接会うな』なんてけしからん。そんなことを向こうが決める権限はないから、私は本人に直接連絡を取り続けます」とおっしゃる方もいます。

 それでは、相手弁護士の言うことを聞かずに、相手に連絡を取り続けた場合、どのようなデメリット等があるのでしょうか。

 

(1)【デメリット1】相手を頑なにしてしまうリスク

 弁護士は、相手本人に対して、「もし電話がかかってきても電話に出ないで下さい」とアドバイスしていることが多いです。

 それにも関わらず、あなたが相手へと電話やメールを送り続けてしまいますと、相手からしてみると「直接話をしたくないという私の気持ちを考慮していない」とか「弁護士を立てているのに直接連絡してくるなんて信じられない」と思われるリスクがあります。

 そうしますと、相手はより気持ちが頑なになってしまい離婚の決意を固めてしまうリスクがあります。

 

(2)【デメリット2】相手に有利な証拠として利用されてしまうリスク

 また、あまり頻繁に電話等をかけてしまうと、相手の弁護士から「ストーカーまがいの行動はやめて欲しい」といった文書が届くケースもあります。

 このような場合、相手の弁護士は、あなたからの着信数やメール、LINEメッセージの内容等を入手して、必要に応じて、あなたに不利な証拠として提出してくることがあります。

 要するに、同居しているときから執着心や嫉妬心が強かった、そのため、弁護士を立てたのに頻繁に直接連絡を取ってきており、異常であると言ってくる可能性があるのです。

 そうなってしまいますと、あなたからの頻繁な電話等の着信履歴は、相手の主張の裏付けとなってしまうのです。

 

(3)【デメリット3】相手本人から「怖い」と主張してくる発端になるリスク

 あまりあなたの方から頻繁に相手本人に対して電話連絡等をしてしまいますと、「ストーカーのようだ」という言い分が出されるリスクが出てきます。

 それとともに、電話連絡だけではなく、こちらの居場所を探ろうとしているのではないか等々恐怖を覚えているという言い分を生み出す危険性があります。

 

(4)【デメリット4】ストーカー規制法で対応されるリスク

 ストーカー規制法は、夫婦間でも適用されます。また、離婚に関連するトラブルが増加傾向であることは警察も認知していますので、ストーカー規制法違反の相談があった場合には、厳正に対処する傾向が強まっています。

 そのため、あまり相手本人への連絡頻度が高かったりすると、警察からストーカー規制法違反での警告を受けてしまうということもありますので、注意が必要です。

 

(5)以上のようなデメリットがありますので、相手に弁護士が立っているのに、本人に直接連絡を取ることは避けた方が良いと思います。

 

 

3.それでは、相手の弁護士に要求することは?


 

 次に考えられるのは、相手の弁護士に対して「しっかりと本人と向き合って話ができていないので、直接会って話をする機会をセッティングして欲しい。弁護士さん立会でも構わないので、お願いしたい」という要望を伝える方法です。

 残念ながら、相手の弁護士に対して、相手本人と一対一で話をしたいと伝えても、断られる可能性が非常に高いです。

 そのため、「弁護士さん立会でも構わない」ということを伝えた方が良いと思います。

 それでも、断られてしまうリスクは高いのですが、 何も伝えないよりは、あなたが直接話したいと考えていることは相手に伝わりますので、このようなアプローチはした方が良いと思います。

 

 

4.こちらも弁護士を立てれば、相手と直接会いやすくなるか?


 

 それでは、あなた自身も弁護士を立てれば、相手と直接会って話をする道筋は付けやすくなるのでしょうか。

 この点は、正直に言いますと「あまり確率は上がらないと思います」という返答になります。

 

 もちろん、私も弁護士なので、相手の弁護士に対しては直接相手本人と会って話をしたい旨伝えますが、無理強いさせることは難しいというのが現状です。

 そのため弁護士を立てたから、相手本人と直接会う確率が上がるということにはなりません。

 

 

5.どうして弁護士は会わせたくないのか?


 

 前述のように、相手が弁護士を立てると、その後、相手本人と直接会って話をすることは、かなり難易度が高いというのが事実です。

 ただ、あなたとしては、「急に出て行かれて、これでは気持ちの整理が全くできない」とか「夫婦なのに、一言も離婚や別居の相談もなくて、こんなのはおかしくないですか」「これだけ会いたくないって、何か向こうに後ろ暗いこと(実は浮気しているとか)があるんじゃないか?」などと色々と考えてしまうかと思います。

 そもそも、どうして相手の弁護士は、本人と会わせないようにするのでしょうか。

(1)【理由1】直接やり取りするなら弁護士がいる意味がない

 離婚のケースでは、夫婦間で直接やり取りをしたくないので、弁護士に間に入ってもらうというケースがかなり多いです。

 それなのに、簡単に直接のやり取りを認めてしまいますと、依頼者としては「これでは弁護士を頼む意味がないじゃないか」と感じてしまうと思います。

(2)【理由2】直接やり取りすると混乱する危険性がある

 直接のやり取りを認めてしまいますと、本人の言っていることと弁護士が言っていることとが、違ったニュアンス等で伝わってしまうこともあります。

 そうしますと、本人はこう言っているのに、弁護士は違うことを言っている、というように話し合いが混乱してしまうリスクがあります。

(3)【理由3】弁護士としてはトラブルを避けたい

 一対一で会う席を設けると、その際に暴力沙汰になるなど、依頼者の身に危険が及ぶリスク等が生じるケースもあります。

 いずれにせよ、トラブルが生じる危険性を冒す理由がない、ということで「会わせない」というスタンスの弁護士が多いのも事実です。

 

 

6.まとめ


・相手が弁護士を立てているのに、本人に直接連絡を取ることには以下のようなデメリットがある。

 ①相手を頑なにしてしまうリスク

 ②相手に有利な証拠として利用されてしまうリスク

 ③相手から「怖い」と言われる発端になるリスク

 ④執拗な連絡を取ってしまうと、ストーカー規制法違反で警告を受けるリスク等がある。

・そのため、相手の代理人弁護士宛てに連絡を取って、直接会うことを要望した方が良い。

・相手の弁護士も一定の理由があって断っているケースが多い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【弁護士が解説】突如妻から離婚要求―黒幕は、妻が雇った弁護士か?

2019.04.15更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>妻からの理不尽な離婚要求に対する旦那側の総合サイトはこちら<になります。

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1.私のところに相談に来られる旦那様からのご発言の中にも…


 

 私のところにご相談に来られる旦那様は、皆様お考えは異なるものですし、言い分や事情等も異なる部分が多くあります。

 ただ、ご相談を聞いておりますと、旦那様側から「心優しい妻がこんな事を言ってくるとは思えない。妻が付けた弁護士がいけないんだ」とか「妻が付けた弁護士が全てをぶち壊した」という意見や、更には「妻の弁護士は金目当てで離婚を唆しているので許せない」というお話しが出ることもあります。

 

 それでは、妻側の弁護士が黒幕と言うことはあり得るのでしょうか。

 私も、奥様側から離婚の弁護をすることもございますので、そのような経験も踏まえて解説していきます。

 

 

2.「弁護士は敷居が高い」ことから分かること


 

 私の弁護士経験は13年以上(平成31年4月時点)ですが、弁護士をしておりますと、一般の方々は「弁護士は敷居が高い」と考えている様に感じる場面が多くあります。

 例えば、私の友人がリフォームでトラブルを抱えた際にも、その友人は私に相談せず、自分で問題解決の努力をしていました。私が聞いたのはトラブルが解決した後のことでした。

 

 また、初めてご相談にいらっしゃるお客様でも、「こんな事でお手を煩わせてしまって申し訳ないのですが…」という形で恐縮されている方も多くいらっしゃいます。

 弁護士費用は安い金額ではありませんし、ビジネスでのお付き合いなら別として、あなた自身のプライベートで弁護士に相談する場面というのは、人生で1回や2回ということも多いでしょうから、まだまだ「弁護士は敷居が高い」と考えている方は多いのではないでしょうか。

 

 どうしてこのようなお話しをさせて頂くのかと言いますのは、弁護士に相談する奥様の側の心境も「弁護士は敷居が高い」と思いつつ、その弁護士に頼らざるを得ないと考えて相談している可能性が高いということです。

 このような高い敷居を乗り越えて相談をしているので、奥様も覚悟を決めて相談しているのではないか、という話です。

 

 私が、女性側から相談を受ける際、離婚するか悩んでいるという方も多くいますが、最初から弁護士に頼むつもりで相談に来られている方は、かなり離婚の覚悟を強く決めて相談に来ている方が多い印象を受けます。

 

 

3.女性が相談する場所は無数にあるということ


 

 奥様が訴える事情の内容にもよりますが、今は「旦那のモラハラで苦しんでいます」と言えば相談する場所はいくつもあります。

 インターネット上の相談サイトだけでも沢山ありますし、女性相談センターや子育て支援センター等電話や対面で親身に相談に乗ってくれる機関もあります。

 

 本当に悩んでいる奥様はこのような色々な相談窓口に相談をし、最終的に行き着くところが弁護士のところになります。なぜなら、弁護士は法律手続きを踏むという決断をしたときにどうしても頼らざるを得ない場所だからです。

 

 そのため、あなたにとっては、「突如妻の弁護士から手紙が来た」とか「突如家内の弁護士が調停を申し立ててきた」と感じるかもしれませんが、奥様はそれより何ヶ月も前から色々な場所に相談しているというケースもあるのです。

 

 

4.弁護士がけしかけると言うよりも、復縁のリスク面を話すことはある


 

 私が女性側から相談を受ける際には、上述の通り離婚の相当な覚悟を決めて相談を受けることが多いように感じます。

 そのため、弁護士が奥様に対して「離婚を唆す」とか「弁護士が黒幕である」というケースはほとんどないのではないかと思います。

 

 ただ、奥様から「やっぱりヨリを戻すのはどうでしょうか?」と質問されたときには、これまで一緒に生活してきた中で離婚を決断したような出来事が今後起きないかしっかりと見極めた方が良い旨アドバイスすることはあると思います。この時にも、奥様が当初から話をしていた離婚原因というものが、ありふれた夫婦の間で一般的に起こるような話であれば、私も、ヨリを戻すことも検討してみて下さいと話をしますが、そうでなければ、上記のようなアドバイスをすることが多いように思います。

 

 また、私が奥様から相談を最初に受けた時点で、奥様が悩んでいる様子がある場合、私はそのような事件は担当せず、奥様に対して「まだ悩んでいるようでしたら時間をかけて結論を出した方が良いですし、旦那さんともあなたの口から話をした方が良いと思いますよ」というアドバイスをすることが多いです。そのため、私の場合は、そのような事件は最初から担当しないことの方が多いと思います。

 

 

5.まとめ


・弁護士は敷居が高いと思われている方が多い。

・女性側の相談場所は無数にある。

・そんな中で弁護士に頼んでいると言うことは相当離婚の決意を固めている可能性が高い。

・弁護士がけしかけると言うよりも、復縁のリスク面を話すことはある

 

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>家内の弁護士からモラハラ夫とレッテルを貼られてしまった-どう対処すればよいか?

>突如家内が家を出てしまった-そんなときの対処法5選

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性格の不一致だけでは離婚理由にならない?の実際

2019.04.01更新

 

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1.性格の不一致は離婚理由になるか?


 

 「離婚理由」という場合、大きく分けて二つの意味があります。一つめは、相手に離婚を切り出す理由になるかという意味、二つめは、裁判で勝てるだけの理由になるかという意味です。 

 

 まず、一つめの離婚理由という意味で言いますと、あなた自身性格の不一致で夫との今後の生活に限界を感じているという場合、『性格の不一致』は立派な離婚理由になります。ただし、実際に相手に離婚を切り出すとなると、具体的にどのような夫の言動や動作から今後一緒にやっていけないと感じたのかをしっかりと整理して旦那に話す必要が出てくると思います。

 

  次に、「裁判で勝訴できるだけの理由」という意味での離婚理由になるかというと再度詳しく検討していく必要があります。

 と言いますのは、離婚裁判ですと、裁判所が強制的に離婚を命じることができるのですが、本来離婚するかどうかは当人同士の意思に委ねるべき話ですから、「裁判で勝てるだけの離婚理由」というのは法律で厳格に制限されているのです。そのため、本当に性格の不一致以外に一切離婚理由が存在しないという場合、「裁判で勝てるだけの理由とは言えない」と言われてしまうリスクが非常に高くなってしまいます。 

 

 

2.別に裁判をしたいわけではないんだけれど…


 

 私の経験上離婚のケースで大半は裁判にまで行かずに調停または協議で解決しています。

 そのため、あまり裁判ということで身構えて考えて頂く必要性は少ないと思います。

  しかし、少数ですが相手の反発が大きく裁判を避けられないと言うこともありますので、事前に裁判になることを考えながら準備を進めていけると安心です。

 

 

3.そもそもそれってモラハラでは?


 

 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージを持たれる方も多いと思います。しかし、あなた自身がモラハラの意味をしっかりと理解していませんと、あなたの本当の離婚理由を見極めることはできませんし、夫からも軽く見られてしまう可能性があります。本当はモラハラなのに、モラハラの意味がよく分からないがために離婚できないということは絶対に避けなければいけません。 

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。

 

 これだけではなかなかピンと来ないと思いますので、ある程度類型化して整理しますと、以下のようにまとめられると思います。

 

①直接こちらに暴言を吐く(「お前なんかと結婚したのは失敗だった」、「バカが移るから近付かないでくれ」等々)

②こちらに危害を加えるような発言をする(「一度殴られないと直らないのか?」、「むしゃくしゃしてお前を殺してしまいそうだ」等々)

③家事や育児の些細な問題を執拗に責め立てる(「棚に埃が付いてたけど、ちゃんと掃除しているのか?」「いつも言っているけどお前の料理は味が濃すぎて食べれない」「小学校の教科書を忘れて行かせるなんて母親失格だ」等々)

④こちらの容姿を侮辱する(「まるでオランウータンみたいな顔してるよな」「足が太くてドラム缶かと思った」等々)

⑤金銭感覚が自分に甘く、こちらに対しては厳しい(しょっちゅう飲み会に出かけているのに、こちらがランチに行くというと不機嫌な態度を取る等々)

⑥こちらの意見を聞き入れない、自分の考えが正しいと固執する(「お前みたいな考え方する奴今まで見たことがない」「お前の常識、世間の非常識」といった発言等々)

⑦自分の労働や給料を誇示してくる(「誰の給料で飯が食えてると思っているんだ」「俺の仕事は特別なんだからな、そのことに毎日感謝しろよ」等々)

⑧機嫌が悪いと物に当たり散らす。大きな物音を立てる(席を立つ際に椅子を乱暴にテーブルにぶつける、大きな音を立ててドアを閉める等)

⑨唐突に怒り始めるため、その理由が分からない、理由を話してくれないので、いつも旦那の動向を気にしながら緊張感を持って生活しなければならない。

⑩相手の生活態度等を注意すると逆ギレする、聞き入れてくれない(トイレのドアをいつも開けっ放しで出てくるため、注意すると「その方が喚起になって良いんだ」と強弁する等)

⑪友人や親戚の前でこちらの悪口を言う。

⑫子供の前でこちらの悪口を言う(通常はこちらにも聞こえるように言ってくる)

⑬一定期間意図的にこちらを無視してくる。

⑭こちらの行動を制限してくる(門限を23時と決めて、それ以降の帰宅を認めない、生活が苦しいのにパート勤務に出ることを許してくれない、毎日の食事の献立を事細かに指定してくる等々)

⑮気に入らないことがあると舌打ちやため息をついてくる。

⑯家庭の重要事項の決定(住居の購入、引越先の選定、自動車等の大きな買い物、子どもの進学や習い事等)をこちらに任せつつ、後から文句を言う

⑰性交渉の際の要望や要求が多い、性欲が旺盛であり対応に苦慮する。

⑱身内や友人を侮辱する(「お前の親は貧乏人だから価値観が合わない」「お前の友人は知識レベル低いよな」等々)

⑲異常なまでに話を誇張してくる、大げさに言う(風邪を引いただけなのに「俺はもう長くないかもしれないから、娘のことをよろしく頼む」と言ってくるとか、すれ違いで通行人の肩がぶつかっただけなのに「今殺されそうになった。この道は危ないから今後二度と通らない方が良い」と発言する等)

  夫との日常生活の中で、上記のようなモラハラ行為のいくつかを実際に体験しているのではないでしょうか。そうしますと、あなたの離婚理由は「性格の不一致」ではなく「モラハラ被害」になる可能性があります。

 

 

4.モラハラ内容の整理


  上記のようなモラハラの項目に当てはまる場合、夫婦生活の中で具体的にどのようなエピソードがあったのかをしっかりと思い出す必要があります。

具体的には5W1Hの要領で「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「何故」「どのように」したのかを思い出すようにして下さい。特にモラハラ夫から心ない言葉を浴びせられたという場合、具体的なセリフまで思い出すのが望ましいです。

 このようにして思い出す作業を通じて、あなたとしても離婚の意思を固めることができると思いますし、夫側にも詳しい話をしやすくなると思います。

 

 

5.いざ離婚という場合どのように手続を進める必要があるか


 

 通常、離婚は直接あなたの口から夫側にしっかりと伝える必要があります。そして夫婦でしっかりと話ができるようでしたら離婚に向けた話し合いをしてみて下さい。

 当人同士での話し合いが難しい場合、身内や友人等間に入ってくれる人間を探して、話し合いをすることも検討してみると良いでしょう。

 その様な身内等を入れての話し合いも難しいという場合には、家庭裁判所への調停も検討対象になります。調停は裁判所で行われる手続になりますから、不安があるようでしたら弁護士に依頼することもいよいよ考えなければなりません。 

 

 

6.まとめ


・性格の不一致も、そのことであなたが夫とやっていけないと考えるのであれば、離婚を切り出すに当たっては十分な理由になる。

・ただし、相手が激しく抵抗してきて離婚裁判も視野に入れなければならない場合、離婚裁判に耐えられるかの検討が必要な場合もある。

・性格の不一致のつもりでも、実際にはモラハラというケースも多いので、その様な観点から検討する必要がある。

・モラハラの項目に当てはまる場合、その具体的エピソードを5W1Hの要領で思い出していくと良い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

突如裁判所から離婚調停の書類が届いてしまったー調停に出席する必要があるのか?

2019.03.25更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。>「理不尽な離婚要求に対してはNO!」旦那様側の情報総合サイトはこちら<になります。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.全て相手のペースで話が進んでいることに納得いかない。


 

 突如奥様が別居を開始し、暫くしたら、一方的に裁判所から離婚調停の書類が届いた。

 夫婦でしっかりと離婚の話すらできていないのに、急に調停と言われても到底納得できないという方もいらっしゃると思います。

 全て相手の一方的な要望で話が進んでいますので、あなたがその様に考えるのも当然のことだと思います。

 

 

2.そもそも、こちらは離婚する気がないのだから調停に出席する必要があるのか?


 

 こちらとしては唐突なことであり、一切離婚に応じる気持ちがないという場合、「相手の土俵に乗ってやる必要はない」と考えることも自然なことだと思います。

 それでは、離婚調停を全て欠席する(ボイコットする)という方法もあり得るのでしょうか。

 

 

3.まずチェックすべきなのは、相手が弁護士を就けているかどうか


 裁判所から届いた書類の中には、夫婦関係調整調停申立書という書類が入っています。そこに判子が押されていると思いますが、奥様の判子なのか、弁護士の判子なのかを確認して下さい。

 弁護士の判子が押されている場合、既に奥様は弁護士を雇っていると言うことになります。

 

 逆に、奥様の判子が押されている場合、とりあえずまだ弁護士は雇われていないと思われます。但し、調停だけは奥様の方で申立をして、第1回調停期日の前までに弁護士を雇うというケースも少なからずありますので、この点は留意する必要があります。

 

 仮に、奥様がまだ弁護士を雇っていないという場合、あなたとしては奥様と調停外で話をできるチャンスもありますので、調停の外で話ができないのかと言うことを模索しても良いと思います。逆に、奥様が弁護士を雇っている場合、弁護士は奥様に対して「旦那と直接話をしないように」と指示していますので、奥様側と直接話をすることは困難なことが多いです。

 なお、奥様側にコンタクトする場合、奥様に直接電話やLINE、メールをするといった方法はあまりオススメできません。奥様ご本人で調停を起こしている訳ですから、本人同士での話し合いを希望していない可能性が高いからです。そのため、奥様のご両親や兄弟姉妹、親戚等の身内か、友人等に間に入ってもらって、橋渡しをしてもらった方が望ましいです。

 

 

4.調停に欠席することのデメリットとメリット


 

 相手が弁護士を立てているとか、弁護士を立てていないけれども奥様側が取り付く縞がないという場合、調停外での話し合いは結局実現しないと言うことになります。

 そうすると、いよいよあなたとして調停に出席した方が良いのかという問題に直面します。

 

 ここでは、調停に欠席した場合のデメリットとメリットについて解説します。

(1)【デメリット1】調停に代わる審判

 調停に欠席する最大のメリットとも言えるのですが、勝手に裁判所が離婚の審判を下してしまうというケースです。ケースとしては一般的には稀ですが、いくつかの事情が揃いますと、裁判所が審判をしてしまうリスクがあります。

 

①【条件1】これまでにあなたが明確に離婚及び親権者について合意した事実があること

  例えば、一旦はあなたの方で離婚届にサインし、親権者を奥様とすることにもチェックを入れてしまったという場合で、奥様がその離婚届を持っているという場合などです。

  夫婦喧嘩の際にあなたが「もう離婚だ」と口走った程度では、この「条件1」は満たさないことが多いです。

 

②【条件2】あなたが調停の席に出席する可能性が非常に低いこと

  あなたの方から裁判所に「絶対に調停には行かない」と電話連絡を入れるとか、逆に、一切裁判所に連絡もせずに調停期日に欠席するといった場合に「条件2」を満たします。

 

 このような審判が下されてしまいますと、あなたの方で異議期間内に異議を述べないと離婚が成立してしまいますので最大限の注意が必要です。

 

(2)【デメリット2】誤ったメッセージを送ってしまうリスク

 これは奥様が調停を申し立てた意図にも寄りますが、調停委員という中立な第三者を入れて話をしたいというだけの場合、あなたが欠席し続けますと、あなたの方が「話し合いを一切拒否するつもりだ」という誤ったメッセージになってしまうリスクがあります。

 このようなメッセージと奥様が考えてしまいますと、奥様との話し合いの道は実質的に閉ざされてしまいかねません。

 

(3)【デメリット3】離婚裁判を早めるリスク

 上記のような調停に代わる審判は、通常は、裁判所も慎重に対応することが多いため、あなたが調停に欠席し続けた場合、調停は不成立になる可能性が高いです。

 その場合に奥様があなたに直接コンタクトを取り始めればよいのですが、離婚裁判に突き進んでしまう可能性があります。

 離婚裁判は、残念ながらこれまでの夫婦生活での出来事に関する誹謗中傷合戦のような色彩がありますので、極力離婚裁判にならない方が、今後の夫婦関係のためには望ましいと思います。

 

(4)【デメリット4】結局相手の気持ちが分からずじまいになるリスク

 相手が記載した調停申立書には離婚したい理由として簡単な内容しか書かれないため、実際何時のどのような出来事を気にしているのかと言った事情が何も分からないと言うことも多くあります。

 調停に出席すれば詳しい事情を聴くこともできるのですが、欠席してしまいますと、その事情すら聴くことができません。

 

(5)【メリット?】相手の一方的なやり方に抗議できる?

 あなたとしては、事前に裁判所に調停に欠席すること、欠席する理由をキチンと伝えておくことで、相手が一方的に手続を進めていくことに対して抗議することは可能です。

 ただ、それならば、しっかりと調停の席であなたの気持ちを調停委員に伝えた方がより効果的とも思えます。

 弁護士の立場から申し上げますと、調停に欠席することについて明確なメリットはないように思えます。

 

 

5.仕事の都合でどうしても1回目の調停期日には行けない


 

 調停期日は奥様と裁判所の都合で設定されるため、あなたの仕事の都合等で出席できないというケースもあります。

 その様な場合には、なるべく早めに裁判所に連絡をして、1回目の調停に出られないことを伝えて下さい。あなたの仕事の都合で出席できない場合、そのことで裁判所から責められると言うことは全くありませんので、その点の不安は持たずに連絡してみて下さい。

 

合わせて、答弁書等についても極力事前に裁判所に提出するようにして下さい。

 なお、奥様が既に弁護士を就けているような場合には、こちらも弁護士を就けて対応した方が望ましいので、早めに弁護士に相談して答弁書の書き方等を相談した方が良いでしょう。

 

 

6.まとめ


・まだ相手が弁護士を就けていない場合、調停外の話し合いを目指すという方法もなくはない。

・相手からの一方的な調停に納得いかないという心情は理解できるが、調停に欠席し続けると様々なデメリットがある。

・【デメリット1】条件が揃うと裁判所が調停に代わる審判を出してしまうリスクがある。

・【デメリット2】あなたの方から話し合い拒否という誤ったメッセージを送ってしまうリスクがある。

・【デメリット3】離婚裁判への手続きを早めてしまうリスクがある。

・【デメリット4】相手の気持ちが分からずじまいになるリスクがある

・1回目の調停に欠席することは問題ないので早めに裁判所に連絡した方が良い。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

東京家庭裁判所入り口・女性刺殺事件の報を受けて

2019.03.20更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

本日、東京家庭裁判所入り口付近にて女性が刺殺されるという痛ましい事件が発生してしまいました。被害女性の方及びご遺族の方々には心よりご冥福をお祈りいたします。

 

1.現場に居合わせた身として、離婚事件の専門家としてどの様に思うか


 

 実は、私は本日東京家庭裁判所に事件の関係で向かっておりまして、偶然事件現場に遭遇しております。被害女性のご遺族の方々のご心境等を考えますと、私の方からは、当時の様子等についてこの場でお話しすることはできないのですが、現場に居合わせた身としまして、今回の様な事件が発生したことについては遺憾という他申し上げられないという気持ちです(なお、私は、今回の事件の加害男性や被害男性の代理人弁護士ではございませんし、その他の直接の事件関係者でもございません)。

 私は、モラハラ・DVを含めた離婚事件に力を入れております関係で、今回の事件について若干のコメントをさせて頂こうかと思います。

 

(1)私としては3重にショック

 1)やはり、今回被害者の方がお亡くなりになった、尊い命が失われたと言うことについて非常に大きなショックを受けております。

 2)次にショックを受けたのは、裁判所という公的な場で今回の様な凶行が行われたと言うことです。軽度のモラハラ加害者であれば、裁判所では恐縮するという人物も多いのですが、今後は「裁判所であっても何が起こるか分からない」という気持ちをさらに強めつつ事件処理にあたっていく必要があると感じております。

 3)最後にショックなのは、調停中ということです。調停は裁判所を間に入れた話し合いであって、いわゆる「裁判」とは異なります。調停中どの様なやりとりがあってこのような惨事が起きてしまったのか分かりませんが、このような話し合いの最中に事件が起きたことにはショックを禁じ得ません。

 

(2)東京家庭裁判所の保安検査について

 東京家庭裁判所正面にはセキュリティがひかれておりまして、いわゆる空港の入場時検査の様な手荷物検査、ゲート型金属探知器等があります。そのため、私が普段東京家庭裁判所を利用する際には、「裁判所建物内では凶器や危険物の処理が非常に難しい状況にある」という認識ではおりました。

 今回の事件は、このような検査手前の場所(「東京家庭裁判所建物内ではあるけれども保安検査のゲートの直前の場所」という意味です)が事件現場になっておりますので、上記の保安検査の不備等ではないのかと思います。

 

 今回のトラブル発生時に警備員の方々が適切に対応できていたのか等については、今後の報道等にて、事後的に検証されていく問題かと思います。

 

(3)特にDV離婚のケースでは常に調停時にトラブルが発生しないか神経を遣っている

 私はDV離婚のケースも取り扱いますので、被害女性の方と一緒に調停に臨む場面もあります。その場合に一番神経を遣いますのは、①家庭裁判所への出入りの際に加害男性から暴力その他の攻撃を受けないかという点と②家庭裁判所から出た後加害男性から尾行されないかという点になります。

 今回の様な事件が起きる前から、上記①②のトラブルが発生しない様、裁判所にも配慮を求め、裁判所にも対応してもらってきたのですが、今回の事件を受けて、他に対応できる点がないか慎重に考えていく必要があろうかと思っております。 

 

 

2.そもそも弁護士を立てているのに本人が裁判所に足を運ぶ必要があるのか?


 

 

 今回の東京家庭裁判所の刺殺事件において、加害者や被害者が弁護士を立てていたのかは分かりかねるのですが、私が対応している事件では基本的にご本人にも家庭裁判所にご足労願っております。それは以下の様な理由によるものです。

①これまでの夫婦関係の詳しい事情はご本人にしか分からないため、弁護士だけでは調停委員との受け答えに限界がある。

②これまでの夫婦関係の詳しい事情はご本人の口から話をしてもらった方が調停委員への印象力が大きい。

③調停を担当している調停委員の様子や調停の進め方などご本人にもしっかりと把握してもらった上で手続を進めたい(離婚するかどうかは人生に1度や2度しかない重要な出来事なので、その経過についてもしっかりと把握して欲しいと考えております)

④少なくとも離婚調停成立時にはご本人が出席していただかないと手続が完了しない。

⑤ご本人が調停に参加することで弁護士として新たな気付き等がある。

 

 ほとんどの弁護士は離婚調停に取り組むにあたって、ご本人にもご足労願っていると思いますが、私もそのような手続の進め方をさせていただいております。

 

 

3.今後どの様な配慮が必要になるか


 

 

 今回の事件を受けて、特にDV被害を受けてきた女性の方々は、より一層家庭裁判所に足を運ぶことに恐怖感をお持ちになったことと思います。

 そのため、まず、DVの明確な証拠が複数存在するケースでは、私の様な弁護士のみが調停の場に出席し、極力ご本人には裁判所まで足を運んでいただかないという方法が考えられます。

 この方法で、調停の道筋がつくようでしたら最後の調停期日のみご本人に出席していただいて調停を成立させるという方法が考えられます。他方、調停の道筋が到底就かなさそうという場合には、早めに調停手続に見切りをつけて、離婚裁判を起こすという方向での検討もできるかと思います。

 

 悩ましいのは、DVの明確な証拠が少ないというケースです。この場合、あまり早急に裁判に訴えることは敗訴のリスクがありますので、取り得ないということになります。このような場合に被害者の方の不安を軽減させながら、裁判所にご出席いただく方法が検討できないか慎重に裁判所とも協議していくほかないと思います。

 

 

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内縁解消調停が上手く行かなかった場合の裁判とは?

2019.03.11更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。

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1.内縁解消裁判という裁判はない


 

離婚の問題の場合、離婚調停が上手く行かなかった場合、離婚裁判を起こすことになります。そして、この離婚裁判の中で、養育費や財産分与、慰謝料の問題もセットで審理していくことが可能です。

これに対して、内縁の場合には「内縁解消の裁判」というものはありません。離婚の場合、相手が断固として離婚届にサインをしないければ、離婚することができませんから、どうしても離婚したい場合には、裁判所が言い渡す判決で離婚する他ありません。

 

これに対して、内縁の場合、最初から内縁関係は戸籍に登載されておりませんので、内縁解消届といった書類へのサインは必要ありません。そうすると、裁判所が内縁解消を命令しなくとも、同居を解消してしまえば事実上内縁は解消できてしまいますから、「内縁解消の裁判」というものはないのです。

そのため、内縁解消調停で解決しなかった問題は、それぞれ個別に審判や裁判を起こさなければならなくなります。

 

 

2.具体的にはどういう手続きを取るの?


 

先ほど説明しましたとおり、内縁解消の問題はそれぞれの問題について裁判や審判を起こす必要が出てきます。

具体的には、養育費や面会交流、財産分与、慰謝料といった問題が出てきますが、それぞれの事件を起こさなければならなくなるのです。離婚の場合には、「離婚裁判」という大本の手続が一つ出来上がりますので養育費や財産分与、慰謝料といった問題は、大本の手続である離婚裁判に付随する形で取り扱ってくれますので、この点が内縁解消と離婚の大きな手続の違いといえます。

 

より具体的に申しますと、養育費審判、面会交流審判、財産分与審判という3つの審判手続と、慰謝料訴訟という一つの裁判が乱立するような形になるのです。審判は同じ家庭裁判所で審理が行われますから、併合して手続を行うように求めることができますが、慰謝料の問題だけは裁判で行わねばならず、これは地方裁判所で審理を行う関係上、審判と一緒に審理してもらうということはできません。

 

 

3.審判・裁判と調停の違い


  調停と比較していくと裁判や審判がどのようなものか、概要を掴むことができると思いますので、まずは比較しながら概説いたします。

 

 審判・裁判と調停との間にはいくつもの違いがあるのですが、大きな違いとしては以下のような点が挙げられます。

①裁判は判決を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②裁判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われます。

③裁判には控訴という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできません。

④裁判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではありません。

⑤裁判では基本的に当事者本人が出席する必要がありませんが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要があります。

 

 それぞれについて具体的に説明して行きます。

(1)裁判は判決を目指す

 冒頭でも説明しましたとおり、裁判は判決を得ることを目的としており、判決が言い渡されて、その内容が確定すると、不満のある当事者も判決の内容に従わざるを得なくなります。

 調停の場合には、相手の提案に納得が行かない場合には、納得いかない旨を述べれば調停は成立しませんので、相手の言い分を強要されることはありませんので、この点が裁判と調停の一番大きな違いと言えます。

 

(2)裁判は原則公開法廷で行われる

 調停は調停室という会議室のような部屋で行われるのですが、裁判は原則として法廷(テレビドラマなどに出てくるのは通常この「法廷」になります)で行われます。但し、裁判の途中から弁論準備手続という手続に入ることも多く、弁論準備手続は基本的に非公開で行われます。

 

(3)判決に対しては控訴という不服申立ができる(審判に対して即時抗告)

 離婚裁判の結論として判決が言い渡された場合でも、その判決に不満がある当事者は、控訴をして、その判決内容を争うことができます。

 これに対して、調停が成立した場合、後で気持ちが変わったとしても調停の内容を覆すことはできません(不服申立手段がありません)。

 なお、離婚裁判の中で当事者間の話し合いが上手くいった場合には、「和解」が成立することがありますが、この和解に対しては不服申立ができません。

 

(4)裁判では書類のやり取りが中心になる

 裁判では、最終的には裁判官が判決を書くことになりますので、当事者の言い分が不正確にならないように、お互いの言い分は準備書面といった書面に書き起こして主張してゆくことになります。

 調停の場合には、特に調停委員が希望する場合を除いて、言い分は調停室内で口頭にて述べられますので、この点も裁判との違いになります。

 

 このように裁判では本人の言い分が裁判官にきちんと届くように書面をまとめることが非常に重要になりますので、裁判期日当日というよりも当日よりも前の準備書面の準備が重要になります。

 実際上も、裁判期日当日は、短い時には5分程度で終わってしまうこともあります(「事前に書類を提出したとおりです」と発言するだけで終わってしまうこともあるからです)。

 

(5)裁判には原則本人は出席しなくて良いし、通常は出席しない

 内縁関係解消調停の場合、仮に弁護士が代理人に就いたとしても、本人が調停手続に出席する必要があります(弁護士も同席します)。

 これに対して、裁判の場合、代理人が法廷に出席すれば良く、本人が出席する必要はありません。

 裁判の場合、上記の通り、書類のやり取りが中心になりますので、期日当日本人に事実確認をする必要がなく、御本人に出席していただく必要はなくなるのです。

 

 

4.裁判の具体的イメージは?


  

 裁判というと、よくドラマでやる様な相手を証言台に立たせて尋問することをイメージする方も多いと思いますが、実際の裁判は少し違います。

 大きなイメージとしては、①お互いの言い分を言い尽くすステップ→②必要な証拠を出し尽くすステップ→③尋問手続→④判決という流れになります。この説明だけでは、今一ぼんやりとしか分からないと思いますので、より具体的にご説明します。

 

①お互いの言い分を言い尽くすステップ

 前述の通り、裁判は調停とは違って口頭で説明するのではなく書面を提出して説明していくことになります。要するに、養育費の金額が○円というのが正当だと考える根拠や慰謝料○円が正当だと考える根拠といった点を詳しく説明する書類を裁判所に提出するのです。

 このような説明書類はいったん説明すれば済む気もするのですが、このような説明書類に対しては相手も反論してきます。相手の反論に対して再反論し、また相手から反論がありと言ったやりとりを何度か繰り返していくことになります。

 

②必要な証拠を出し尽くすステップ

 上記の言い分を言い尽くすステップの中で通常は、裏付け証拠も一緒に提出していくことになります。例えば、相手からのモラハラがあった証拠として相手からのLINEを証拠で提出したり、と言った具合です。

 前述の言い分を再度振り返って、提出が漏れていた証拠などを発見することもありますので、最後に、証拠を出し尽くすステップが設けられるのが通常です。

 

③尋問のステップ 

 上記の様なやりとりを経て、ようやく尋問のステップに到着します。いわゆるドラマでよくやる証言台で相手から話を聞くステップです。

 このように尋問のステップは、かなり終盤で実施されるステップとお考えいただければよいと思います。

 なお、養育費や財産分与の審判などは金銭問題に的を絞った審判になりますので、通常は尋問は行われません。

 

④判決(決定)

 上記の様なすべてのステップが終わると、裁判所の方から判決が言い渡される期日が指定されます。お互いの言い分と証拠がすべて出そろったので、裁判官が、言い分や証拠をもとに判決文を書き上げるのです。前述の通り判決文には強制力がありますので、それには従う必要があります(但し、判決に不服がある場合には控訴することが可能です)。

 

 

5.ケースにもよるが弁護士としてはあまり裁判をオススメしない


 

 もちろんケースにもよりますので一概には言えないのですが、私が弁護士としての立場で申し上げさせてもらいますと、裁判はあまりオススメしません。大きな理由は以下の通りです。

 

①最終解決までに時間がかかる

 裁判の手続を進めますと細かな資料の提出を求められるなどして相当期間を要することが多いため、最終的な離婚までに時間がかかってしまいます。

 

②御本人にとって精神的負担が大きくなる

 ①の点にも増して、裁判になると御本人の精神的負担が大きくなります。

 といいますのは、裁判になりますとお互いが主張の出し惜しみをしなくなりますので、お互いに内縁生活でイヤだと思った点、傷ついた点、不十分であった点などを最大限主張してゆくことになるので、このような書面を見るたびに気持ちが滅入ってしまいます。

 

 相手の言い分が事実ならば多少はよいのですが、裁判になりますと誤解に基づく発言や当時のシチュエーションを無視した主張などがなされますので、余計に精神的な負担が大きくなります。

 もちろん当事者間の対立が激しく、相手が不合理な言い分に固執しているような場合などは裁判に手続を進める他ないでしょうが、そうでない場合には基本的に調停による決を目指す方が望ましいと思います。

 

 内縁関係解消調停が行き詰まるなどして、今後の進め方に不安があるような場合には早めに弁護士にご相談下さい。

 

 

6.内縁解消特有の問題


 

 内縁解消に伴う財産分与や慰謝料の紛争では、ほとんどのケースで、相手がそもそも最初から内縁関係は成立していないといった言い分が述べられます。そのため、こちらから内縁が成立しているという根拠を証拠と共に主張していかなければならないケースがほとんどです。

 また、仮に内縁が成立していたとしてもお互い納得の上で一旦解消しているから今更慰謝料は払わないという主張が展開されることもあります。その様な場合にはしっかりと内縁解消には至っていないといった事情を証拠と共に主張していかなければならないケースもあります。

 特に内縁の成立については慎重に判断しようと考える裁判官も多いため、難所の一つと言えます。

 

 

7.まとめ


・内縁解消裁判というカテゴリーの裁判は存在しない。

・結局内縁解消時の問題に関してはそれぞれの問題について個別に審判や裁判を起こす必要がある。

・裁判と調停を比較するとより手続を理解しやすいと思うが、具体的には大きく以下のような違いがある。

①裁判は判決を目指すものであるのに対して、調停は当事者間の合意を目指す。

②裁判は原則公開法廷で行われますが、調停は非公開で行われる。

③裁判には控訴という不服申立ができますが、成立した調停に対する不服申立はできない。

④裁判は書類の提出をメインで行い、調停のような口頭での説明がメインではない。

⑤裁判では基本的に当事者本人が出席する必要はないが、調停では基本的に当事者本人が出席する必要がある。

・大きな裁判の流れとしては以下のようなステップで審理が進んでいく

①お互いの言い分を言い尽くすステップ→②必要な証拠を出し尽くすステップ→③尋問手続→④判決

・裁判には時間と心理的負担がかかるため極力避けた方が望ましい。

・内縁解消に伴う裁判の場合、相手が内縁を否定してくることがほとんどなので、その証明が必要になることが多い。

 

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内縁解消調停って何だ?

2019.03.04更新

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1.内縁関係解消調停って何だ?


 

 内縁関係解消調停とは、一般的には、内縁夫婦が当人同士でお話し合うことが難しい時に、家庭裁判所の調停委員を間に入れて内縁解消時の条件等について話し合いをする手続などと言われたりします。

 しかし、この説明だけでは漠然としていてイメージを掴むことは難しいと思いますので、できる限り具体的に内縁関係解消調停というものがどのようなものなのかをご説明します。

 

 

2.そもそもこの調停は何を目指す調停なのか?


 

 通常この調停を起こす場合、内縁関係は成立しているけれども、相手が急に態度を豹変させたとか、連絡が取れなくなってしまったという場合に、内縁解消自体には合意しつつ、金銭面を含めた条件について話し合いをする手続になります。

 調停の席での話し合いが順調に進めば、内縁解消の条件等を調えることができます。

 ただ、相手が頑なに内縁関係の継続を希望するような場合、調停では解決しないという場合はあります。

 

 

3.調停を申し立てる前にすべきこと


 

(1)相手に最後通告を送る

 いきなり調停を起こしますと、裁判所からの封書が来て相手は驚いてしまうと思います。そのため、相手には最低1回は内縁関係解消調停を起こす旨の最後通告はしておいた方が良いと思います。

 このような最後通告を行うことによって、相手が話し合いに応じてくる可能性もありますので、極力事前に通告をしておいて下さい。

 

(2)相手が内縁関係を否定してきた場合に備えて証拠の準備

 相手が調停の場で、内縁関係の存在そのものを否定してくる可能性もあります。そのため、内縁関係を証明できる証拠があれば、事前に証拠集めをして、調停の場でも調停委員に見せられるように準備しておいた方が良いと思います。

 

 

4.調停委員ってどんな人?


 

 内縁関係解消調停は、裁判官1名と調停委員2名(男性1名、女性1名)の合計3名が間に入って執り行われます。と言っても、裁判官は複数の事件を担当していますので、実際に調停室で直接話をするのは基本的に調停委員2名と言うことになります。

 

 では、この調停委員というのはどういう人なのかと言うことですが、原則として40歳以上70歳未満の人で、社会生活上の豊富な知識経験や専門的知識を有する裁判所職員になります。弁護士、大学教授や裁判所書記官OBなどが調停委員になるなどしています。

 

 

5.内縁関係解消調停ってどこで行うの?


 

 内縁関係解消調停は家庭裁判所の建物内の一室で行われます。調停委員に、こちらの自宅などに出向いてもらって話し合いをするということはできません。

 

 テレビのドラマなどを見ていますと、いわゆる裁判所の法廷の場面が映し出されていますが、調停が行われるのは一般的な法廷ではなく、イメージとしては会議室のような場所で行われます。

 会議室と言っても何十人も座れるような広い会議室ではなく、6人掛け(いわゆる誕生日席2席を加えると8名が座れる程度)のテーブルが入って多少余裕がある程度の部屋とイメージしていただければ分かりやすいと思います。

 

 

6.内縁関係解消調停って何時行うの?


 

 調停が開催される期日は完全事前予約制なので、予め日時を決定しておき、その日に裁判所に足を運ぶという方式になります。

 調停が行われるのは平日の日中ということになりますので、土日祝日や夜間に調停を行うことはできません。そのため、平日お仕事をされている方は、調停の日はお仕事を休むか早退するなどして出席することになります。

 

 この調停期日は一方的に裁判所から決められることはなく、基本的にはご本人の都合を聞いて日時が決定されます(但し、第1回調停期日については、相手方の都合は聞かずに日時が決定されます)。

 

 ただ、担当調停委員によって担当曜日が決まっているのが一般的ですので、その曜日の中から日時を選択するという形式が一般的です。つまり、担当曜日が月曜日と木曜日というように決まっているという場合、月曜日か木曜日の中から期日を選択して行くことになります(逆に言うと水曜日を希望しても水曜日に調停を開催することは難しいということになります)。

 

 

7.1回の調停はどのくらいの時間がかかるの?


 

 1回の調停は2時間程度で終わります。ただ、話し合いの状況に応じて2時間よりも長くなったり短くなったりすることもありますので、2時間というのは一つの目安だと考えて下さい。

 

 

8.当日の調停の流れは?


 

 調停の流れは裁判所や調停委員によって差があるので画一的ではないのですが、一般的には以下のような流れで進むケースが多いです。

①内縁夫婦はそれぞれ別々の待合室で待機

        ↓

②調停委員に事件番号(またはお名前)を呼ばれるので、調停委員の案内で調停室に入室

        ↓ 

③内縁夫婦双方が揃った調停室にて調停委員から調停手続の概要を説明(第2回目の場合、前回の調停での話し合いのおさらい及びその日の調停での目標等の確認)

        ↓

④申立人のみが調停室に残って調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑤申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑥相手方が調停室を退室し、入れ替わりで申立人が調停室に入室、申立人のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(相手方は待合室で待機)

        ↓

⑦申立人が調停室を退室し、入れ替わりで相手方が調停室に入室、相手方のみが調停委員と話し合い(30分程度が目安)(申立人は待合室で待機)

        ↓

⑧内縁夫婦双方が揃った調停室にて調停委員と次の調停の日時を決定し、同時に次回までの宿題などの確認をする。

 

 なお、上記の③と⑧については、調停委員によっては内縁夫婦別々で確認を行うということもあります。

 

 

9.調停室内に入れるのは誰?


 

 よく自分一人で調停室に入っても上手に話ができるか不安があるので、ご自身のお姉様やお母様も同席させて欲しいとおっしゃる方もいます。

 しかし、調停の手続は非公開の手続(御本人以外の方の傍聴などが認められていないということです)ですので御本人以外が入室することはできません。

 なお、弁護士に事件を依頼した場合には、弁護士も調停室に同席することができますので、その点では安心です。

 

 

10.調停が開催される頻度は


 

 調停の期日の間隔は1か月程度になります。ただ、夏期や年末年始は調停を行わない時期がある関係で、この時期の調停の間隔は1か月以上空くことが多いです。

 

 

11.そもそも相手は調停に来るか?


 

 調停はあくまで裁判所を利用した話し合いの場になりますので、相手が法律的な出席義務を課されることはありません。

そうすると、相手が欠席するのではないかと不安に思われる方もいますが、家庭裁判所から封書が届きますので、相手も出席してくることの方が多いと思います。そのため、最初から「相手が出てこないかもしれない」と考えて調停を起こさないのではなく、相手も来る可能性が高いものとして調停は活用して行ければと思います。

 

 

12.調停が成立した場合の拘束力は?


 

 よく「調停が成立すると判決と同様の拘束力がある」と言われたりします。

そのため、例えば養育費をいくらだとか、財産分与をいくらと定めたのに、相手が約束を破った場合、強制執行をして強制的に取り立てることができるようになります。強制執行とは裁判所の手を借りて、相手の預金や給料からお金を取り立てることをいいます。

 そのため、調停での結論には強い効力が認められています。

 

 

13.まとめ


・内縁関係円満調整調停は、内縁夫婦の関係が円満な形を取り戻すことを目指す手続である。

・調停委員は40歳以上70歳以下の学識経験者等が就任する。

・内縁関係円満調整調停は、裁判所建物の中の会議室のような場所で行われる。

・調停は平日の午前または日中に行われる。

・1回の調停は合計2時間程度で終わる。

・2時間の調停では最初に手続の説明、その後交互に調停委員が本人から話を聞くなどし、最後に次回までの宿題等の確認を行うという手順で進むことが多い。

・調停室には本人しか入れない(弁護士が就いている場合は弁護士も入れる)

・調停は1か月に1回程度の頻度で開催される。

・相手は調停の席に出席する義務はないが、大体の人は出席してくることが多い。

・調停が成立した場合には判決と同じ効力が認められる。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

内縁解消時に踏むべき全手順

2019.02.18更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「本当に分かりやすい詳しいブログ解説」を目指して解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

  

1.大ざっぱに言うと内縁解消の問題には3つのステップがある


 

大ざっぱに言いますと、内縁解消の問題には3つのステップがあります。

 

①話し合いのステップ

      ↓

②内縁関係解消調停のステップ

      ↓

③各種裁判のステップ

 

一般的には皆さんどのような手順で手続を進めるのが多いのかを含めて、以下で詳しくご説明致します。

 

 

2.話し合いのステップ      


 

(1)まずは本人同士の話し合い 

最終的には内縁生活の精算を含めたお金のやり取り等を含めて全て話し合いで解決することをゴールとする手続です。

このような話し合いがまとまればよいのですが、話し合いがまとまらない場合には、「当人同士の話し合い」以外の方法を模索する必要があります。

  

(2)本人同士の話し合いがまとまらないとすぐに調停なのか?

 本人同士の話し合いがまとまらない場合、ご両親等の身内の方を交えて話をしたり、友人等に間に入ってもらって話をするというケースもあります。身内や友人を間に入れれば、感情的な議論を避ける効果がありますので、間に入ってくれるような的確な人物がいないか検討してみて下さい。

 上記のような的確な第三者が居ないという場合には、弁護士が間に入って話し合いをするケースもあります。弁護士を間に入れると、すぐに調停手続になると誤解されている方も多くいますが、弁護士が間に入ることで話し合いがまとまるケースもありますので、弁護士としては話し合いによる解決を目指すケースの方が多いと思います。

 

 (3)協議書は作った方が良い?

内縁解消の際には養育費や財産分与、慰謝料といったお金に関わる問題についても話し合いをしますので、その様な話し合いの結果は、「協議書」といった書面にまとめ、内縁夫婦双方の署名押印をして下さい。特に養育費などは、お子様が少なくとも成人するまで支払う必要があるお金になりますの で、きちんと協議書に金額を明記しておくと安心です。

 

 (4)内縁関係かどうかで対立することがかなり多い

 以上が一般的な内縁解消の話し合いの進め方になりますが、そもそも、お金の話を持ち出すと、相手が「あなたとの関係は内縁と呼べるような関係ではなかった」といったことを言い始める人も多いのが実情です。

 このような議論に発展する場合には、細かな内縁解消の条件についてまで話が進みませんので、いよいよ調停も視野に入れなくてはならなくなりますし、調停準備にあたっては内縁を証明できる資料がどこまであるのかの整理も必要になってきます。

 

(5)最後通告はしておいた方が良い

  身内の方や友人等が間に入っても内縁解消条件の話し合いがまとまらないケースや、間に入ってくれる的確な人物が居ないという場合には、本格的に弁護士を雇うことや調停を申し立てることを考えなければならなくなります。

 

 ただ、その場合にも、可能であれば「このまま話し合いが進まなければ弁護士を雇うことになるよ」という最後通告はしておいた方が良いと思います。このような最後通告をしますと、相手も諦めて譲歩してくる可能性もあるからです。

 

 また、相手が一時的に感情的になっていると思われる場合には、一旦相手が冷静になるように1,2か月期間を置くことで順調に話し合いができたというケースもありますので、一定期間間を置くという方法も検討の余地があります。

 

 

3.内縁解消調停のステップ      


 

 (1)話し合いの次の手続は内縁解消調停

上記のような話し合いのステップが全て上手く行かなかった場合、次のステップは内縁解消調停ということになります。

内縁解消調停となりますと、話し合いをベースにする手続とは言っても、裁判所において行われる手続になりますので、本格的に、弁護士に依頼するかを検討しなければならないタイミングでもあります。

 

内縁解消調停は、1か月に1回程度の頻度で裁判所の調停委員が間に入って話し合いが行われることになります。調停手続では原則として内縁夫婦本人同士が直接顔を合わせることはありませんので、その点は安心して手続を進められると思います(但し、最初の手続の説明や最後の調停条項の読み上げなど一時的に内縁ご夫婦同席となるケースもありますので、この点はご注意下さい)

 

なお、内縁解消の問題はほとんどが金銭問題のみになりますので、慰謝料請求訴訟等すぐに訴訟を起こすことができるのですが、内縁解消調停の枠組みの方が内縁解消に伴う条件を全て話し合うことができますので、通常は内縁解消調停を起こし、調停が上手く行かなかったときに訴訟という手順を取ります。

 

(2)内縁解消調停が不成立になった場合、すぐに裁判か?

  ちなみに、内縁解消調停手続で折り合いがつかなかった場合、すぐに裁判を起こすべきかについては慎重に検討する必要があります。

 裁判は互いに相手を中傷し合う場になりますので、心理的負担が大きいとともに、手続の終了まで時間がかかることが多いため、裁判をしないで済む場合には、 しない方が良いからです。

 

  そのため、どのタイミングで裁判を起こすのかについては、慎重な検討が必要になります。

 

 (3)分離合意の可能性の模索

 内縁解消の条件としては、主に、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割といった問題を話し合うのですが、慰謝料の問題は意見が食い違っているけれども、養育費や財産分与については意見の食い違いがほとんどないというケースもあります。その様な場合には、養育費や財産分与についてだけ調停を成立させ、慰謝料の問題だけを別の手続にするという方法を取ることもあります。

 後述するように、内縁解消の金銭問題は、それぞれの問題について審判や裁判の手続きが必要になりますので、その全てについて審判や裁判を起こすと、手続が分岐して手数が多くかかってしまいますし、最終的な解決までに時間がかかってしまう虞があるからです。

 

 

4.裁判のステップ      


 

上記の「内縁解消調停」も上手く行かない場合には、裁判の手続きに進むことになります。

 

  なお、離婚の場合には「離婚裁判」というものがありますが、内縁の場合には「内縁解消の裁判」というものはありません。離婚の場合、相手が断固として離婚届にサインをしないければ、離婚することができませんから、どうしても離婚したい場合には、裁判所が言い渡す判決で離婚する他ありません。

 これに対して、内縁の場合、最初から内縁関係は戸籍に登載されておりませんので、内縁解消届といった書類へのサインは必要ありません。そうすると、裁判所が内縁解消を命令しなくとも、同居を解消してしまえば事実上内縁は解消できてしまいますから、「内縁解消の裁判」というものはないのです。

 

 従って、裁判に移行するという場合には、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割といったそれぞれの問題について、それぞれ裁判・審判の手続を行う必要が出てきます。

裁判と調停との大きな差は、①調停委員会ではなく、裁判官が間に入る、②話し合いではなく判決(決定)という命令を得るために主張を戦わせて行くことになるという点です。なお、裁判においては、裁判期日で詳しく事情を聴かれることはあまり多くないので、ご依頼者様ご本人が出席する必要は基本的にありません。

 

このように裁判は、内縁解消の手続きの中でも最終ステップに位置付けられる手続になり、裁判官から最終結論が示されることになります。分かりやすく俗な言い方をさせていただきますと「白黒つける」手続になります。

 

ただ、内縁ご夫婦の問題になりますので、裁判官も最終的な判決言い渡しではなく、和解による解決を促してくることが多く、実際にも和解で解決するケースも少なくありません。

 

 

6.まとめ


 ・内縁解消の手続きには、①話し合い、②内縁解消調停、③審判や裁判という3つのステップがある。

・当人同士の話し合いが上手く行かなかったからと言って、すぐに調停ではなく、身内や友人を間に入れる方法や弁護士を間に入れて合意を目指すという方法もある。

・内縁解消調停に進む決意をした場合や、弁護士を雇う決意をした場合でも、最後に相手に最後通告はした方が良いことが多い。

・話し合いのステップが全て上手く行かなかった場合には、内縁解消調停の申立を考える必要がある。

・内縁解消調停で上手く折り合いがつかなかった場合でも、裁判を起こすタイミングは慎重に検討する必要がある。

 

 

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