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【絶対に離婚したくない(8)】相手が弁護士を立てると、本人と直接話もできないのか?

2019.04.22更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。

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1.突如相手が弁護士を立てたという連絡


 

 相手配偶者が自宅を出て行って暫くしたところで、その弁護士を名乗る人物から手紙が届くということが実際に起こります。あなたにも、急にこのような手紙が届けば当然驚くことかと思います。

 

 ただ、相手が付けた弁護士は、別にあなたを驚かせようとしてやっているわけではなく、弁護士が間に入ったという挨拶も含めて書面を送っているということになります。もちろん、あなたが受け取った文面には挨拶どころか、相手が同居期間中どれだけ苦労してきたのか、といった話が記述されており、納得いかないと思われる部分もあるかと思います。ただ、弁護士が何か行動を起こす場合、急にあなたに電話連絡をしても、最近は振り込め詐欺等が横行している時代ですので、あらぬ誤解を招く危険性があります。そのため、まずは書面にて通知するという形が一般的に取られているのです。

 

 そして、このような弁護士からの書面には通常「今後は当職が窓口になったので、奥様への直接のご連絡はお控え下さい」といった文章が含まれることが多いです。

 

 

2.相手と直接会って話をすることは不可能なのか?


 

 たまに、私のところにご相談に来られる方の中には「『直接会うな』なんてけしからん。そんなことを向こうが決める権限はないから、私は本人に直接連絡を取り続けます」とおっしゃる方もいます。

 それでは、相手弁護士の言うことを聞かずに、相手に連絡を取り続けた場合、どのようなデメリット等があるのでしょうか。

 

(1)【デメリット1】相手を頑なにしてしまうリスク

 弁護士は、相手本人に対して、「もし電話がかかってきても電話に出ないで下さい」とアドバイスしていることが多いです。

 それにも関わらず、あなたが相手へと電話やメールを送り続けてしまいますと、相手からしてみると「直接話をしたくないという私の気持ちを考慮していない」とか「弁護士を立てているのに直接連絡してくるなんて信じられない」と思われるリスクがあります。

 そうしますと、相手はより気持ちが頑なになってしまい離婚の決意を固めてしまうリスクがあります。

 

(2)【デメリット2】相手に有利な証拠として利用されてしまうリスク

 また、あまり頻繁に電話等をかけてしまうと、相手の弁護士から「ストーカーまがいの行動はやめて欲しい」といった文書が届くケースもあります。

 このような場合、相手の弁護士は、あなたからの着信数やメール、LINEメッセージの内容等を入手して、必要に応じて、あなたに不利な証拠として提出してくることがあります。

 要するに、同居しているときから執着心や嫉妬心が強かった、そのため、弁護士を立てたのに頻繁に直接連絡を取ってきており、異常であると言ってくる可能性があるのです。

 そうなってしまいますと、あなたからの頻繁な電話等の着信履歴は、相手の主張の裏付けとなってしまうのです。

 

(3)【デメリット3】相手本人から「怖い」と主張してくる発端になるリスク

 あまりあなたの方から頻繁に相手本人に対して電話連絡等をしてしまいますと、「ストーカーのようだ」という言い分が出されるリスクが出てきます。

 それとともに、電話連絡だけではなく、こちらの居場所を探ろうとしているのではないか等々恐怖を覚えているという言い分を生み出す危険性があります。

 

(4)【デメリット4】ストーカー規制法で対応されるリスク

 ストーカー規制法は、夫婦間でも適用されます。また、離婚に関連するトラブルが増加傾向であることは警察も認知していますので、ストーカー規制法違反の相談があった場合には、厳正に対処する傾向が強まっています。

 そのため、あまり相手本人への連絡頻度が高かったりすると、警察からストーカー規制法違反での警告を受けてしまうということもありますので、注意が必要です。

 

(5)以上のようなデメリットがありますので、相手に弁護士が立っているのに、本人に直接連絡を取ることは避けた方が良いと思います。

 

 

3.それでは、相手の弁護士に要求することは?


 

 次に考えられるのは、相手の弁護士に対して「しっかりと本人と向き合って話ができていないので、直接会って話をする機会をセッティングして欲しい。弁護士さん立会でも構わないので、お願いしたい」という要望を伝える方法です。

 残念ながら、相手の弁護士に対して、相手本人と一対一で話をしたいと伝えても、断られる可能性が非常に高いです。

 そのため、「弁護士さん立会でも構わない」ということを伝えた方が良いと思います。

 それでも、断られてしまうリスクは高いのですが、 何も伝えないよりは、あなたが直接話したいと考えていることは相手に伝わりますので、このようなアプローチはした方が良いと思います。

 

 

4.こちらも弁護士を立てれば、相手と直接会いやすくなるか?


 

 それでは、あなた自身も弁護士を立てれば、相手と直接会って話をする道筋は付けやすくなるのでしょうか。

 この点は、正直に言いますと「あまり確率は上がらないと思います」という返答になります。

 

 もちろん、私も弁護士なので、相手の弁護士に対しては直接相手本人と会って話をしたい旨伝えますが、無理強いさせることは難しいというのが現状です。

 そのため弁護士を立てたから、相手本人と直接会う確率が上がるということにはなりません。

 

 

5.どうして弁護士は会わせたくないのか?


 

 前述のように、相手が弁護士を立てると、その後、相手本人と直接会って話をすることは、かなり難易度が高いというのが事実です。

 ただ、あなたとしては、「急に出て行かれて、これでは気持ちの整理が全くできない」とか「夫婦なのに、一言も離婚や別居の相談もなくて、こんなのはおかしくないですか」「これだけ会いたくないって、何か向こうに後ろ暗いこと(実は浮気しているとか)があるんじゃないか?」などと色々と考えてしまうかと思います。

 そもそも、どうして相手の弁護士は、本人と会わせないようにするのでしょうか。

(1)【理由1】直接やり取りするなら弁護士がいる意味がない

 離婚のケースでは、夫婦間で直接やり取りをしたくないので、弁護士に間に入ってもらうというケースがかなり多いです。

 それなのに、簡単に直接のやり取りを認めてしまいますと、依頼者としては「これでは弁護士を頼む意味がないじゃないか」と感じてしまうと思います。

(2)【理由2】直接やり取りすると混乱する危険性がある

 直接のやり取りを認めてしまいますと、本人の言っていることと弁護士が言っていることとが、違ったニュアンス等で伝わってしまうこともあります。

 そうしますと、本人はこう言っているのに、弁護士は違うことを言っている、というように話し合いが混乱してしまうリスクがあります。

(3)【理由3】弁護士としてはトラブルを避けたい

 一対一で会う席を設けると、その際に暴力沙汰になるなど、依頼者の身に危険が及ぶリスク等が生じるケースもあります。

 いずれにせよ、トラブルが生じる危険性を冒す理由がない、ということで「会わせない」というスタンスの弁護士が多いのも事実です。

 

 

6.まとめ


・相手が弁護士を立てているのに、本人に直接連絡を取ることには以下のようなデメリットがある。

 ①相手を頑なにしてしまうリスク

 ②相手に有利な証拠として利用されてしまうリスク

 ③相手から「怖い」と言われる発端になるリスク

 ④執拗な連絡を取ってしまうと、ストーカー規制法違反で警告を受けるリスク等がある。

・そのため、相手の代理人弁護士宛てに連絡を取って、直接会うことを要望した方が良い。

・相手の弁護士も一定の理由があって断っているケースが多い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

【弁護士が解説】突如妻から離婚要求―黒幕は、妻が雇った弁護士か?

2019.04.15更新

弁護士秦 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>妻からの理不尽な離婚要求に対する旦那側の総合サイトはこちら<になります。

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1.私のところに相談に来られる旦那様からのご発言の中にも…


 

 私のところにご相談に来られる旦那様は、皆様お考えは異なるものですし、言い分や事情等も異なる部分が多くあります。

 ただ、ご相談を聞いておりますと、旦那様側から「心優しい妻がこんな事を言ってくるとは思えない。妻が付けた弁護士がいけないんだ」とか「妻が付けた弁護士が全てをぶち壊した」という意見や、更には「妻の弁護士は金目当てで離婚を唆しているので許せない」というお話しが出ることもあります。

 

 それでは、妻側の弁護士が黒幕と言うことはあり得るのでしょうか。

 私も、奥様側から離婚の弁護をすることもございますので、そのような経験も踏まえて解説していきます。

 

 

2.「弁護士は敷居が高い」ことから分かること


 

 私の弁護士経験は13年以上(平成31年4月時点)ですが、弁護士をしておりますと、一般の方々は「弁護士は敷居が高い」と考えている様に感じる場面が多くあります。

 例えば、私の友人がリフォームでトラブルを抱えた際にも、その友人は私に相談せず、自分で問題解決の努力をしていました。私が聞いたのはトラブルが解決した後のことでした。

 

 また、初めてご相談にいらっしゃるお客様でも、「こんな事でお手を煩わせてしまって申し訳ないのですが…」という形で恐縮されている方も多くいらっしゃいます。

 弁護士費用は安い金額ではありませんし、ビジネスでのお付き合いなら別として、あなた自身のプライベートで弁護士に相談する場面というのは、人生で1回や2回ということも多いでしょうから、まだまだ「弁護士は敷居が高い」と考えている方は多いのではないでしょうか。

 

 どうしてこのようなお話しをさせて頂くのかと言いますのは、弁護士に相談する奥様の側の心境も「弁護士は敷居が高い」と思いつつ、その弁護士に頼らざるを得ないと考えて相談している可能性が高いということです。

 このような高い敷居を乗り越えて相談をしているので、奥様も覚悟を決めて相談しているのではないか、という話です。

 

 私が、女性側から相談を受ける際、離婚するか悩んでいるという方も多くいますが、最初から弁護士に頼むつもりで相談に来られている方は、かなり離婚の覚悟を強く決めて相談に来ている方が多い印象を受けます。

 

 

3.女性が相談する場所は無数にあるということ


 

 奥様が訴える事情の内容にもよりますが、今は「旦那のモラハラで苦しんでいます」と言えば相談する場所はいくつもあります。

 インターネット上の相談サイトだけでも沢山ありますし、女性相談センターや子育て支援センター等電話や対面で親身に相談に乗ってくれる機関もあります。

 

 本当に悩んでいる奥様はこのような色々な相談窓口に相談をし、最終的に行き着くところが弁護士のところになります。なぜなら、弁護士は法律手続きを踏むという決断をしたときにどうしても頼らざるを得ない場所だからです。

 

 そのため、あなたにとっては、「突如妻の弁護士から手紙が来た」とか「突如家内の弁護士が調停を申し立ててきた」と感じるかもしれませんが、奥様はそれより何ヶ月も前から色々な場所に相談しているというケースもあるのです。

 

 

4.弁護士がけしかけると言うよりも、復縁のリスク面を話すことはある


 

 私が女性側から相談を受ける際には、上述の通り離婚の相当な覚悟を決めて相談を受けることが多いように感じます。

 そのため、弁護士が奥様に対して「離婚を唆す」とか「弁護士が黒幕である」というケースはほとんどないのではないかと思います。

 

 ただ、奥様から「やっぱりヨリを戻すのはどうでしょうか?」と質問されたときには、これまで一緒に生活してきた中で離婚を決断したような出来事が今後起きないかしっかりと見極めた方が良い旨アドバイスすることはあると思います。この時にも、奥様が当初から話をしていた離婚原因というものが、ありふれた夫婦の間で一般的に起こるような話であれば、私も、ヨリを戻すことも検討してみて下さいと話をしますが、そうでなければ、上記のようなアドバイスをすることが多いように思います。

 

 また、私が奥様から相談を最初に受けた時点で、奥様が悩んでいる様子がある場合、私はそのような事件は担当せず、奥様に対して「まだ悩んでいるようでしたら時間をかけて結論を出した方が良いですし、旦那さんともあなたの口から話をした方が良いと思いますよ」というアドバイスをすることが多いです。そのため、私の場合は、そのような事件は最初から担当しないことの方が多いと思います。

 

 

5.まとめ


・弁護士は敷居が高いと思われている方が多い。

・女性側の相談場所は無数にある。

・そんな中で弁護士に頼んでいると言うことは相当離婚の決意を固めている可能性が高い。

・弁護士がけしかけると言うよりも、復縁のリスク面を話すことはある

 

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