偽装DVへの5つの対処法
2017.07.10更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。なお、>>理不尽な離婚要求を受けた旦那様側の総合サイトはこちら<<になります。
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1.偽装DVとは
偽装DVとは、一般的には、実際に夫からの身体的暴力(いわゆる「殴る、蹴る」と言った直接身体に触れる暴力です)がないにも関わらず、暴力を受けたように偽ることを言います(広い意味では、実際に存在しないモラハラを偽装する場合等も含みますが、今回は、身体的暴力のケースに限って解説します)。
明確な離婚原因(不倫や暴力等)が実際にはない場合に、早く離婚したいがために、DVがあったと主張されるケースが多いです。
2.偽装DVはどう言う形で問題になるの?
偽装DVは、奥様の側がDV被害者の「フリ」をするケースが多いのですが、口頭でDV被害を訴えるだけということもあります。それだけならまだ良いのですが、怪我をした写真、精神疾患の診断書といった証拠が提出されるケースもあり、その様な場合には、対応を慎重に検討しなければならないこともあります。
それでは、どのような形で偽装DVが顕在化することが多いのでしょうか。私の経験上は以下のようなパターンがあります。
■突如奥様が自宅を出て、連絡が取れずにいたら、奥様から手紙が来て、暴力被害(偽装)の怪我の写真や離婚届が同封されていた。
■突如奥様が自宅を出て、連絡が取れずにいたら、奥様の友人(または親族)から連絡が来て、暴力(偽装)のことを非難され、至急離婚するよう詰め寄られた。
■突如奥様が自宅を出て、連絡が取れずにいたら、弁護士から通知が来た。
■突如奥様が自宅を出て、連絡が取れずにいたら、家庭裁判所から離婚調停の呼出状が来た。
奥様はDV被害が偽装であることを認識していますので、奥様ご自身が表に出てくることは少なく、誰かを間に入れて離婚を求めてくるケースが多いように思います。また、同居したままですと、旦那様の方から反論されるため、別居してから、DV被害を訴えるケースが多いように思います。
では、このような偽装DVのケースでは、旦那様側はどのように対処すればよいのでしょうか。
3.【対処方法1】まずは、離婚届不受理申請をする
奥様は、DVを偽装するような方ですので、最初は正攻法で、こちらに離婚を求めてきていても、離婚協議が思うように進まないと、こちらに無断で離婚届を役所に提出するリスクがあります(つまり、離婚届を偽造してしまうと言うことです)。
そのため、まずは、役所に行って離婚届の不受理申請をすることをオススメします。
一度離婚届が受理されてしまいますと、その後は奥様との連絡が一層取りにくくなる危険性がありますので、無断で離婚届を提出される事態は避けなければいけません。そのため、まずは、離婚届の不受理申請をしておいた方が良いでしょう。
4.【対処方法2】すぐに諦めない、相手の言いなりにならない
当たり前のようなことで実は大変重要なのですが、突如弁護士からDV加害者のレッテルを貼られ、写真といった証拠もあると言われてしまうと、つい気弱になってしまうことも多いと思います。
特に、偽装DVを主張する奥様の中には、同居生活中も旦那様に対して横柄な態度を取っている女性などもいて、その様な場合には、旦那様側が縮こまってしまうこともあります。
しかし、そのような気弱な態度を見せてしまいますと、相手のペースで物事が進んでいくことにもなりかねませんので、まずは、必要以上に気弱にならない様努めて下さい。離婚の問題は、あなたの人生にとっても重要な出来事ですし、養育費や財産分与、慰謝料等お金にも関わることですので、離婚した後に後悔することがないよう弱気にならずに臨みたいところです。
5.【対処方法3】真実の離婚理由を探る
偽装DVのケースでは、積極的に奥様が真実の離婚理由を主張してこないケースが圧倒的に多いです。そのため、可能であれば真実の離婚理由を探れるようであれば探った方が良いと思います。
もちろん、「本当はどういう理由で離婚を決意したんだ?」と聞いても、相手は、DVしか主張しないと思いますので、「DV以外にやり直せない理由があるのか?」という形で質問してみると良いと思います。
こちら側としては、奥様が突如別居して、意味も分からないうちに離婚を突きつけられていますので、奥様側の本当の離婚原因が分からないと、気持ちの整理も、離婚にどう向き合うべきかも判断がつかないと思います。そのため、真実の離婚理由を探ってみた方が良いと思います。
6.【対処方法4】相手の偽装の証拠を突き崩す
こちらについては、相手の証拠がどのようなものなのかに応じて対処方法が変わってくるのですが、相手は偽装DVの証拠を盾に離婚を強く迫ってきていますので、それが偽装であることを証明することに全力を注ぐ必要があります。
(1)怪我の写真に対して
一般的には、過去怪我をするエピソードが実際に存在して、その写真を、夫からの暴力が原因だと主張するケースが多いように思われます。例えば、本当は転んだ際にできた怪我を「旦那に蹴られてできた傷だ」と主張するなどのケースです。
相手が医師の処置を受けている場合には、カルテの開示を求めれば、通常カルテに怪我をした原因も記載しますので、そこで偽装であると分かることが多いと思います。
医師の処置を受けていない場合、真実の怪我の原因を証明する作業が必要になります。例えば、PTA活動をしていた際に奥様が怪我をしたという場合、周りで見ていた友人の証言を得ると言ったことが考えられます。また、メールやラインが残っていないかについても確認をして下さい。それなりに大きな怪我をした場合、「転んで怪我をしちゃったから今日の夕飯は作れない、どこかで食べてきて」と言った事務連絡のメール等をしているケースがあります。その様な証拠があれば、偽装だと証明できることもあります。
いずれにしましても、相手が暴力を受けたという日時を特定できませんと反論できませんので、まずは日時を明らかにしてもらうというのが必要な作業だと思います。
(2)精神疾患の診断書について
通常奥様が精神疾患を患っていても、その原因まで診断書等に記載されることは少ないと思います。そのため、精神疾患の診断書が提出されても、DVを原因とした被害という特定は難しいことが通常です。
仮に、奥様からの申告をもとに精神疾患の原因が明記されていた場合には、カルテの開示を求めるなどして対抗してゆくことになろうかと思います。
(3)普段の奥様の言動等
偽装DVのケースでは、旦那様からのDVが偽装であるだけではなく、逆に、本当は旦那様がモラハラの被害者であると言ったケースもあります。その様な場合には、これまでに奥様から送られてきたメールやラインにて普段の言動等をうかがい知ることができます。
そのメールやラインの内容によっては、旦那様と奥様との普段の関係性から、旦那様側から暴力をふるう可能性は低いとされることもあり得ます。
7.【対処方法5】弁護士に相談した方が良いケースが多い
偽装DVは奥様側も巧妙なケースが多いので、弁護士に依頼するかどうかは別として一度は直接弁護士に相談して対処方法を練った方が良いと思います。
上記の通りオーソドックスな偽装の証明方法を述べましたが、偽装内容や方法に応じて対処方法は異なってきますので、相手が証拠とするものの現物、こちらが反論として提出する予定の証拠の現物を直接弁護士に見せて相談をすると、今後の見込みがより明確になると思います。
7.まとめ
・勝手に相手が離婚届を提出しないよう離婚届不受理申請をしておいた方が良い。
・必要以上に気弱にならず冷静に対処するよう気を引き締めた方が良い。
・探れるようであれば真実の離婚理由を探る。
・偽装DVの証拠を突き崩す方法は相手が用意した証拠によっていくつか方法がある。
・実際に偽装DVに対抗するためには一度弁護士に相談してみた方が良い。
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