不倫

毅然とした対応で合計450万円の高額不倫慰謝料を獲得したケース

2016.02.25更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.慰謝料っていくらが相場なの?


 

不倫のご相談を受ける際、ご依頼者様から「浮気の慰謝料って相場はいくらぐらいなのですか?」というご質問を受けることがあります。

 

これに対する回答は、「婚姻期間や不倫の態様、悪質性、不倫配偶者のご収入等によりますので、一概にいくらとは言えません」という回答になります。

 

ただ、私が取り扱った事件を見ておりますと、平均的には200万円前後の数字に落ち着くのではないかと思います。

 

突如不倫の事実が発覚した場合、このような金額では到底納得は行かないと思いますので、弁護士としてはその金額が最大限高額になる様尽力しますが、 この数字も一つの参考としてお考えいただければ幸いです。

 

 

 

2.私が担当した事件


 

・ご依頼者様 : 30代前半の男性(Jさんといいます)

・ご依頼内容 : 奥様が不倫していることが発覚、奥様との離婚と不倫慰謝料の請求、及び不倫男性への慰謝料請求をご依頼されました。

 

なお、この事件の相手方 : 20代後半の奥様、相手方2 : 40代前半の男性(不倫相手)、お子様 : いらっしゃらない、婚姻期間 : 5年程度、家庭環境 : ご依頼時同居、ご依頼後別居開始でした。

 

 

 

3.まずは不倫の証拠の整理


 

今回の事件では、Jさん曰く、奥様の浮気に感付いていることは奥様には伝えていないとのことです。そして、Jさんの方で奥様のSNSでの不倫相手とのやり取りなどの証拠は押さえているとのことでした。

 

ここで注意しなければいけないのは、一般の方が「これだけの証拠があれば浮気の証明としては十分だよね」と考えていても、いざ裁判では役に立たないことがあると言うことです。

 

そのため、まずは、私の方で、Jさんから提供されました膨大なSNSのやり取りのコピーを精査し、浮気の証拠として十分なものか検討しました。

 

弁護士の専門的見地からも、検討した内容で不倫の証拠として十分だと思いましたので、不倫の証拠は揃っているという前提で弁護活動を実施する方針に決定しました。

 

 

 

4.私の弁護活動


 

弁護士が相手に連絡を取る場合、通常は内容証明郵便という郵送方法で請求をします。今回も内容証明郵便を発送するところから開始しました。

 

この内容証明郵便には、

「結婚しているにもかかわらず他の男性と不倫関係に至っていること」、

「この不倫行為によってJさんが多大な精神的苦痛を受けたこと」、

「もう夫婦として円満な生活を営むことはできないので離婚したいこと」、

「この精神的苦痛に対する慰謝料として○○円の支払いを請求する」、といった内容を記載することになります。

 

ただ、奥様と不倫相手両方に請求したいという場合、同時に内容証明郵便を送るのか、それとも、奥様または不倫相手のいずれか片方だけに送るのかということは検討しなければなりません。

 

今回のケースでは、奥様に対してだけ内容証明郵便を送りました。上記の通り不倫の証拠は揃っていましたし、突然不倫相手に連絡を取ると態度を硬直化させる危険もありましたから、まずは奥様だけを対象にしたのです。 

 

 

5.奥様の弁解


 

早速奥様から電話連絡があり、私の事務所で直接会って話をすることになりました。

 

奥様は、不倫については自分から認め、謝罪の言葉を述べていました。しかし、夫婦関係が上手く行っていなかったことが原因であるかのような言いぶりが見受けられ、本当に反省しているのかは怪しい様子でした。

 

奥様が支払う慰謝料の額については大筋で話がまとまりそうだったのですが、不倫男性に金銭を支払わせることに話題が移ると、奥様は激しく抵抗してきました。

 

奥様曰く不倫男性には色々とアドバイスに乗ってもらっていて絶対に迷惑をかけたくないとの話でした。

 

 

 

6.その後の交渉経過


 

Jさんともよく相談して、不倫男性の負担ゼロでは納得できないとの前提で、交渉を繰り返しました。Jさんの心情を考えれば、奥様の行動は、不倫相手をかばっているようにしか見えず、納得できないのは当然だと思いました。

 

私もJさんから渡されました膨大な量のSNSの写しを拝見し、多少なりともJさんの心痛の一端を共有しておりましたので、毅然とした対応で臨むことにしました。

 

ただ、この交渉で不倫男性は慰謝料支払いを断固拒否し、支払うにしても50万円だということで徹底抗戦の構えでした。

 

これに対して、私の方からは、相手に対して、話がまとまらないと裁判になるという旨を何度かお話しさせていただきました。おそらく、不倫男性も妻子がおりましたので、自分の奥様に不倫が発覚するのを怖れていたのでしょう。強気の交渉を繰り返していたところ、最終的には不倫男性が150万円支払うことに納得しました。

 

最終的には、奥様が300万円、不倫男性が150万円を支払うという内容で合意が成立しました。

 

奥様が高額な収入を得ているわけではありませんでしたので、裁判になってもこれだけの慰謝料を獲得することは難しかったと思います。

 

その意味で交渉によって合計450万円の不倫慰謝料を獲得できたのは十分な成果ではないかと思います。

 

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

相手からの減額要求を断固拒否!300万円の不倫慰謝料を獲得したケース

2016.02.16更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

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 1.不倫発覚ーこのことにどう向き合うべきか


 

 

平穏な夫婦生活を送っていると思っていたのに、パートナーが不倫していることが発覚したという場合、相当なショックを受けられると思います。合わせて、自分の生活態度がいけなかったんじゃないか、とか、もう少し相手の行動に注意をしておくべきだったなどと自責の念に駆られる方も多いように思います。

 

このようなパートナーの不倫を目の当たりにして、どのように向き合うのか、離婚するのか離婚を避けるのかというのは大きな決断だと思います。

 

そして、その様な決断とともに、不倫の相手はどのような人物なのか、また、不倫相手に対しても相応の代償を払って欲しいと願うことは当然のことだと思います。

 

 

 

2.私が担当した事件


 

 

・ご依頼者様 : 30代後半の男性(Bさんと仮称させていただきます)

・ご依頼内容 : 奥様が不倫し、そのことが原因で奥様とは離婚の話がまとまったけれども、不倫相手の男性が許せないので、慰謝料請求をして欲しいというご依頼内容でした。

 

この事件のBさんの奥様 : 30代後半の女性、交渉の相手 : 20代後半の男性、お子様 : 小学校に通う息子様と娘様の合計2人、婚姻期間 : 10年程度、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

 

3.不倫の証拠の確認


 

 

Bさんのお話では、Bさんご自身で不倫相手とも一度会って話はしており、その席で不倫相手も不倫を認めていたということでした。

 

しかし、直接の話し合いで不倫を認めていたからといって、弁護士が通知を送ったときにも不倫を認めるとは限りません。責任逃れのために嘘を言う危険があるのです。

 

そのため、不倫慰謝料を請求する場合、私は、どのような事件であっても、不倫相手への請求の前には、必ず不倫の証拠固めをするように努めています。

 

今回のケースでは、Bさんが奥様に対して、不倫に至った経緯、不倫の日付や回数などについて詳しくノートに書かせており、その内容が十分詳細なものでしたので、不倫の証拠としては十分であると判断しました。

 

 

4.不倫相手への請求


 

 

不倫相手に対して慰謝料を請求して行く場合、請求の事実・内容をきちんと保存するために、内容証明郵便という郵送方法で請求するのが一般的です。

 

今回のケースでも、内容証明郵便にて、不倫相手に対して慰謝料を請求しました。慰謝料金額は、Bさんとも相談し、Bさんのお子さんにも気の毒な思いをさせた(奥様と離ればなれで生活することになってしまったため)ことを考慮し、600万円を請求することに決めました。

 

すると、不倫相手も弁護士を立ててきて、弁護士間での交渉が行われました。

 

 

 

5.弁護士間での交渉経過


 

 

不倫の問題で一番気を付けなければならないのは、不倫相手が不倫を認めるかどうかという点です。特に、こちら側で不倫の証拠を揃えていたとしても、不倫相手が、「その様な行為はあったが、既婚者だとは思わなかった」つまり、不倫という認識はなかったという主張を展開してくる危険性もあるのです。

 

今回のケースでは、不倫相手も当初から不倫を認めている様子で、不倫相手の弁護士も、不倫は認めた上で、金額に絞って交渉を持ちかけてきました。

 

しかし、不倫相手の弁護士の提示額は極めて低額であって、Bさんとしてはとても納得できないとのお話しでした。私としても、不倫相手の弁護士の提案に全く誠意を感じませんでしたので、Bさんにある提案をさせていただきました。

 

「 このまま600万円の慰謝料額に固執してしまうと、相手の金額と開きが多すぎるので、裁判で決着するしかなくなってしまう。」

「また、今回のケースで裁判で600万円を勝ち取ることは非常に難しいと見込まれる」

「そこで、相手に300万円の提案をし、合わせて、300万円以下では絶対に応じないという強い姿勢を示すのはどうだろうか」

 

Bさんも多少悩んでいる様子はありましたが、最終的には「先生がそうおっしゃるならお任せします」とのお話しを頂きました。

 

そして、裁判になった場合の期間や手順などについてもBさんにご説明しました。

 

早速不倫相手の弁護士に対して、Bさんの許せないという強い気持ちと、上記のような300万円以下での和解は絶対に出来ない旨を伝えました。

 

相手弁護士からは金額が高額すぎるという話がありましたが、私の方から、毅然とした態度で「300万円でも低いと思っている。」「これ以上は一銭たりとも減額できない」と突き返しました。

 

相手弁護士は裁判になっても良いのかといった話をしきりにしていましたが、私は、Bさんも覚悟の上ですときっぱりと伝えました。

 

 

 

6.相手弁護士からの返答


 

 

それから相手弁護士からの返答までに1か月ほど間が空きました。しかし、結局は300万円での支払で致し方無しとの返答でした。

 

Bさんに伝えたところ「裁判になってしまうのかと思っていましたので、安心しました」との返事でした。

 

あとは、相手弁護士と合意書の調印をし、300万円も一括で支払われて解決させることができました

 

 

 

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その不倫、簡単に許しちゃいけない!誓約書作成のケース

2016.01.15更新

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1.旦那様の不倫が発覚


 

 

旦那様の不倫が発覚し、旦那様本人も不倫を認めているという場合に、奥様としては、けじめとして離婚するのか、今後の生活のことなどを考えて、離婚しないという選択をするのかの決断を求められることになります。

 

結婚してから間がない、小さい子供がいるので今後の生活費の不安があるので離婚は難しい、旦那様が真摯に謝罪しているため今回に限って信用したい、様々な理由から、今回に限っては離婚を選択しないと言うこともあると思います。

 

では、その様な場合に、旦那様の口約束のみを信用してよいのでしょうか。

 

 

 

2.私が担当した事件


 

 

・ご依頼者様 : 40代前半の女性(Cさんとします)

・ご依頼内容 : 旦那が不倫をして、そのことを認めているが、許せないので離婚したいとのご相談でした。なお、不倫相手の女性も既婚者でしたのでダブル不倫のケースでした。

 

なお、この事件の相手方 : 40代前半の旦那様、お子様 : いらっしゃらない、婚姻期間 : 10年程度、家庭環境 : ご依頼時別居中というケースでした。

 

このケースは最終的には、旦那様が真摯に謝罪したことから、Cさんも離婚請求は取り下げて、旦那様から誓約書を取って事件が解決したのですが、当初は離婚事件として担当しました。

 

 

 

3.離婚の通知


 

 

上記の通り、最初は離婚事件として担当しましたので、私は、旦那様宛に、離婚を要求する内容証明郵便を送りました。もちろん、離婚の原因は、旦那様の不倫であることを明記致しました。

 

すると、直ぐに旦那様から返事があり、不倫についてはCさんにきちんと謝罪しており、よりを戻したいという内容でした。

 

これを受けて、私の方からCさんに連絡をしたところ、Cさんも旦那様からの謝罪はあったとのことで、一度復縁を考えてみたいとのことでした。

 

そこで、私の方から、Cさんと旦那様双方に、私の法律事務所までお越し頂くことをご提案しました。

 

その場で、旦那様は不倫の経緯を説明し、深く反省している旨のお話しがありました。私の側から見ても、旦那様の謝罪の姿勢は真摯に見受けられましたので、その旨をCさんに伝えて相談しましたところ、Cさんも復縁の方向で話を進めたいとおっしゃいました。

 

ただ、私の方からCさんには以下の話をさせていただきました。

 

①一度不倫をした男性は、少し時間が経つと同じことを繰り返すことが多く、私は、そのようなケースを何度も経験している

 

②私が見た限りでも、旦那様は真摯に反省している様子が見られるが、そのことと、その気持ちが長続きするかどうかは別問題である

 

それでも復縁を希望するかをCさんに再度確認し、Cさんは首を縦に振りましたので、復縁を前提として、旦那様から誓約書をもらう方向に方向転換しました。

 

 

 

4.不倫の誓約書の作成


 

 

ただ、上記のように旦那様が真摯に謝罪したと言っても、弁護士からの通知が来たことに驚いて、ことの重大さを自覚しただけということもあり得ますので、旦那様には不倫の誓約書を書いてもらうことにしました。

 

その際に、誓約書に盛り込んだ内容は概要以下の通りです。

 

①不倫開始時期及び経緯の説明

 

②不倫によって奥様を傷つけたことへの謝罪

 

③別居解消時期の明示

 

④旦那様の携帯電話の電話番号及びメールアドレスの変更

 

⑤旦那様の速やかな転職(同じ職場の女性と間の不倫だったため)

 

⑥旦那様の遵守事項

・今後の不倫相手との連絡禁止

・奥様の精神疾患への理解といたわり

(不倫をきっかけに奥様が精神疾患と診断されていたため)

・今後のコミュニケーションの積極化

・外泊時の連絡事項

 

⑦今後旦那様が不倫をすることがあれば、協議離婚に同意する旨の明示

 

上記のような誓約書の法律的な位置付けにつきましては、一つ一つの条項について直ちに法律的拘束力を生じるものではありません、これだけの誓約をしながら、今後、不倫をするようなことがあれば、慰謝料の増額事由にはなります。

 

 

 

5.旦那は誓約書を守るのか


 

 

今回の事件では、旦那様が誓約書の内容を守ってくれないということで、奥様から再相談を受けることはありませんでした。

 

しかし、私が担当したことのある事件では、残念ながら、一度は不倫発覚時に「もうしない」と約束したにもかかわらず、2度目の不倫があって離婚に発展するようなケースも多くあります。

 

もちろん、私としては、上記のような誓約が守られて円満な夫婦生活を送って欲しいと祈念するところではあります。

 

 

 

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不倫相手への慰謝料裁判

2016.01.08更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

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1.不倫相手への慰謝料請求     。

 

 旦那が不倫をしていることが発覚した場合、旦那とは離婚するにしても、それだけでは許せないという気持ちを持たれる方も多いと思います。

 

 特に、小さいお子さんがいる家庭の場合、旦那の不倫が原因で、家庭崩壊することには、やりきれない思いが募ることだと思います。

 

 その場合、不倫相手へ慰謝料を請求して行くということになります。

 

 なお、このようなケースで、「不倫相手に土下座させたい」「不倫相手に、今の職場から辞めさせたい」といった要望をおっしゃる奥様もいらっしゃいますが、法律的に不倫相手に謝罪や離職を強制させるという方法はないのが現実です。

 

 

2.私が担当した事件          。 

・ご依頼者様 : 20代後半の女性

・ご依頼内容 : 旦那が家を出て音信不通になったが、どうやら不倫相手の女性の家で生活している様なので、旦那との離婚、不倫女性への慰謝料請求がご依頼内容でした。

 

なお、この事件の旦那様 : 20代後半、裁判の相手 : 20代後半の不倫女性、お子様 : 保育園に通う娘様がお二人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 

3.不倫の証拠固め           。

 

 旦那様に離婚の通知を送るにしても、不倫相手に慰謝料請求の通知を送るにしても、通知を受け取ると相手は身構えて、不倫の証拠を隠す傾向にあります。そのため、通知を送る前に、不倫の証拠固めをしておく必要があります。

 

 このケースでは、旦那様が既に別居生活を開始しており、不倫の客観的証拠はほとんどない状況でした。ただ、旦那様の別居先を突き止めることに成功し、そこに不倫女性も同居していましたので、これを不倫の客観的証拠として手続を進めて行くことにしました。

 

 

4.旦那様と不倫女性に対する通知  。

 

 不倫相手に対して慰謝料を請求して行く場合、請求の事実・内容をきちんと保存するために、内容証明郵便という郵送方法で請求するのが一般的です。

 

 今回のケースでも、内容証明郵便にて、不倫相手に対して慰謝料を請求しました。

 しかし、不倫相手は、内容証明郵便に対して一切返事すらして来ない有様でした。

 

 

 

5.相手の反応               。

 

 不倫女性からの返事を待ちましたが、一向に返事が来ませんでした。

 

 不倫女性と同時に旦那様へ離婚を要求する通知を送ったのですが、その返事もありませんでしたので、お互いが通じて、返事をしない姿勢なのだと理解しました。

 

 そのため、旦那様に対しては、離婚調停を申し立て、不倫女性に対しては、慰謝料を請求する裁判を起こしました。

 

 

6.旦那様に対する手続きと不倫女性への手続きは別々になる

 

 今回のケースでもそうですが、旦那様に対する手続きと不倫女性に対する手続きは別々の手続きにすることが一般的です。

 

 旦那様に対しては、離婚を請求してゆくことになりますので、離婚調停や離婚裁判という手続きを踏みます。慰謝料の問題についても、その離婚というメインテーマの手続きに含めて手続きを進めます。

 

 これに対して、不倫女性に対しては、慰謝料を請求するだけですから、慰謝料を請求する裁判手続きを踏んでゆくことになります。

 

 

7.不倫女性の裁判対応        。

 

 不倫女性は、不倫について特に争うこともなかったため、裁判自体は早期に決着することになりました。

 

 しかし、慰謝料の金額については、250万円とする内容の判決が下りましたこちらからの請求額はもっと高額でしたので、金額については一部削られてしまった形になります。一般的に不倫相手に対する慰謝料額は、夫に対する慰謝料額よりも低額になることが多いと言う事情もありますので、250万円という金額はそれなりの金額なのではないかと思います。

 

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不倫相手のみから慰謝料を取ったケース

2016.01.01更新

 

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1.不倫相手への慰謝料請求

 

 平穏な夫婦生活を送っていたと思っていたのに、パートナーが不倫していることが発覚したという場合、大変なショックを受けると思います。

 その様な場合に、敢えて離婚という選択をせずに、パートナーの改心を信用するという選択肢もあり得るかもしれません。

 

 他方で、パートナーを信用することができなくなり、離婚を決断することもあると思います。

 その様な場合に、パートナーには慰謝料請求しないが、不倫相手には慰謝料請求するということは認められるのでしょうか。私が担当した実際の事例で解説します。

 

 

2.私が担当した事件        .

・ご依頼者様 : 30代後半の男性

・ご依頼内容 : 奥様が男性と不倫し、そのことが原因で旦那様の方から奥様との離婚と、不倫相手への慰謝料請求の事件のご依頼を受けました。このケースでは不倫相手の男性も既婚者でしたので、いわゆるダブル不倫のケースでした。

 

なお、この事件の相手方 : 30代後半の奥様、お子様 : 小学校に通う息子様と娘様の合計2人、・婚姻期間  : 10年程度、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 奥様との離婚にあたっては、奥様が定職に就いていなかったという事情もあって、旦那様が奥様への慰謝料は求めないとのご意向をお持ちでした。そのため、奥様との離婚にあたっては、慰謝料は請求せずに離婚協議を調えました。

 このようにしてご夫婦の協議離婚成立後に、不倫相手の男性への慰謝料請求に着手しました。

 

 

3.そもそも、パートナーに慰謝料請求しないのに不倫相手には慰謝料請求するということは問題ないのか?

 

  一般的に不倫慰謝料を請求する場合、直接のパートナーの方が、不倫相手よりも責任が重く捉えられることが多いと言えます。そのため、奥様と不倫男性の両方に慰謝料請求する場合、裁判などでも、奥様の方がより高額の慰謝料の支払を命じられるケースが多いです(ただし、不倫の経緯等の事情にもよります)。

 

  そうするとより責任が重いはずの奥様に慰謝料を請求しないと言うことは、奥様の不倫を許したと言うことになって、不倫男性への慰謝料請求はできなくなってしまうのでしょうか。

 

  結論から申しますと、不倫相手だけを相手に慰謝料請求することも可能です。ただし、奥様への慰謝料請求を行っていないことから、不倫相手への慰謝料請求額も減額される傾向にあるといえます。

 

 

4.不倫の証拠の確認       .

 

 慰謝料を請求する場合、不倫相手が不倫の事実を否定する可能性があることを十分考慮しなければいけません。そのため、不倫相手への請求の前には、必ず不倫の証拠を収集しておく必要があります。

 今回のケースでは、不倫をした奥様が不倫を自ら認め、不倫の詳しい経緯について説明及び謝罪がありましたので、このような説明・謝罪の言葉をきちんと録音し、これを不倫の証拠としました。

 

 

5.不倫相手への請求       .

 

 不倫相手に対して慰謝料を請求して行く場合、請求の事実・内容をきちんと保存するために、内容証明郵便という郵送方法で請求するのが一般的です。

 

 今回のケースでも、内容証明郵便にて、不倫相手に対して慰謝料を請求しました。

 

 すると、不倫相手も弁護士を立ててきて、弁護士間での交渉が行われました。

 

 このケースでは、不倫相手の弁護士から、大した資力がないので、100万円しか支払えないといった話がなされましたが、その様な金額では、依頼者様も到底納得できませんでした。

 

 そこで、依頼者様には、裁判になった場合のリスクや手続についても十分に説明し、最悪裁判になってもよいとの承諾を得ました。その上で、300万円よりも譲歩することは一切できない、300万円を支払わなければ、即刻裁判を起こす旨を不倫相手の弁護士に伝えました。

 

 当初、不倫相手の弁護士は、300万円は高額すぎるといった話をしていましたが、最終的には、300万円の支払いで合意することができました。

 不倫相手に対して通知を送ってから、4か月程度経過後の合意成立でした。

 

 このケースは、奥様へは慰謝料請求しない中で、不倫相手から300万円を得ることができましたので、一定のスピード解決事例なのではないかと思います。

 

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相手からの慰謝料請求に対して支払ゼロのケース(婚姻破綻後の不倫)

2015.12.11更新

 

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1.私の担当した事件


 

 

・ご依頼者様 : 20代後半の女性(Dさんとします)

・ご依頼内容 : 旦那様からの暴言に耐えられないので離婚したいということで、離婚問題のご相談を受けていたのですが、Dさんが他の男性とのお子様を妊娠してしまい、出産することになってしまいましたので、そのお子様との親子関係不存在の事件も担当することになりました。

なお、この事件の相手方 : 20代後半の旦那様、お子様 : 高校に通う息子様、中学校に通う娘様、小学校に通う娘様の合計3人、家庭環境 : ご依頼時別居中でした。

 

 この事件の親子関係不存在の問題は既に別のブログにてご説明済みですので、今回は、慰謝料の支払いを免れたという意味で離婚事件の切り口でご説明いたします。

 

 

2.婚姻関係破綻後の不倫では慰謝料は発生しない


 

 そもそも、不倫によって慰謝料が発生するのは、不倫によって夫婦の関係が悪化または破綻し、そのことで精神的に強いショックを受けるからです。

 

 このように夫婦の関係悪化・破綻が慰謝料の発生原因なのですから、既に(不倫以外の理由で)婚姻関係が破綻している場合には、事後の不倫によっても慰謝料は発生しないのです。

 

 ここでの婚姻関係の破綻とは、ご夫婦の関係が修復不可能なほどにうまく行かなくなることを意味します。そして、このような婚姻関係の破綻後の不倫については慰謝料が発生しないのです。

 

 

3.婚姻関係の破綻と認められるためには?


 

 離婚の裁判などでも婚姻関係の破綻時期が問題になることは多々あり、家庭内別居の開始時を破綻時と見るべきだと主張されることもあります。

 

 ただ、家庭内別居というのは物理的にはご夫婦が同じ建物の中に居住していると言う状況にありますので、「家庭内別居」であることの証明は困難なことが多いです。

 

 そのため通常は別居開始時もしくはその数か月前程度が破綻時と捉えられることが多いです。

 

 

4.この事件で問題になったこと


 

 上記の私が担当した事件で問題になったのは、旦那様の方が執拗に、Dさんと関係を持った男性の情報を知りたがっていたと言うのもあるのですが、その点のみならず、①別居前からDさんの男性関係は不審に思っていたとの点、②別居の経緯でした。

 

 この事件は、相手にも弁護士が就き、弁護士同士で話し合いをしていたのですが、交渉が決裂してしまい、当方から家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。

 そのため、上記の①、②の点について、どうやって調停委員の理解を得るのかという点が大きな課題になりました。 

 

 まず、①の別居前の男性関係については、このような離婚トラブルになり始めてから初めて旦那様が言い始めたことでしたので、そのことを率直に調停委員に伝えました。調停委員が旦那様に確認したところ、旦那様も別居前はあまり不倫のことをDさんに確認していなかったとのことでしたので、旦那様の言い分にはあまり信憑性がないという話の流れを作ることができました。

 

 次に、②の別居の経緯について、旦那様側は、奥様が駆け落ちしたような言い方をしていましたので、旦那様側からの暴力が原因であるという事実を指摘して、この点も大きなトピックにはせずに済みました。

 

 

5.最終的には別居後の男性関係と認められた


 

 上記のようなやり取りを調停にて繰り返し、最終的には慰謝料の支払いをしない形での調停成立にこぎ着けることができました。

 

 不倫・浮気の問題はデリケートな問題でもありますので、きちんと作戦を練ったうえで調停に臨みませんと、相手の感情を逆撫でし、手続きがうまく進まなくなってしまうケースが多い様に思われます。

 

 そのため、婚姻破綻後の不倫・浮気かどうかが争われると言った事件では、早いうちに弁護士に依頼して手続きを進めることをおすすめします。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

スピーディに不倫慰謝料を取ったケース

2015.06.01更新

 

 こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

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1.ふとしたことから旦那の不倫が発覚

 

 円満な夫婦生活を送っていたつもりでも、ふとしたことから旦那様に対して不審を持ち、調査してみたところ、不倫していることが分かったということもあります。不倫の事実が発覚した時、言葉には言い尽くせない悔しさや悲しさが襲ってくると思いますが、その様な場合にも、できる限り冷静に対処する必要があります。不倫の際の慰謝料の取り方などについては、ブログ「旦那から不倫慰謝料を取りたい」を参照して頂ければと思います。

 

2.スピーディに不倫慰謝料を取ったケース

・ご依頼者様 : 30代前半の女性

・ご依頼内容 : 旦那様が職場の部下である女性と不倫をしているので、旦那様とは離婚し、できる限り高額の慰謝料の支払いを受けたい、また、不倫相手の女性にも相応の金銭負担をさせたいというご依頼でした。このケースでは、不倫相手の女性も既婚者でしたので、いわゆるダブル不倫のケースでした。

 

なお、この事件の交渉相手 : 30代前半の旦那様、お子様 : いらっしゃらない、家庭環境 : ご依頼時同居、私が離婚交渉中に別居開始でした。

 

 この事件では、私が、奥様の代理人として、旦那様と交渉をし、結果、半年ほどで、旦那様から300万円、不倫相手から150万円を受け取ることができました。

 

 半年という交渉期間は、一概に短いとは言えないようにも見えますが、合計450万円の慰謝料を得られましたし、不倫相手を交渉のテーブルに載せることができたこと等も踏まえると十分スピード解決だったのではないかと思います。

 

 

3.不倫の証拠の精査

 

 依頼者は、離婚の決意を固めており、できる限り高額の慰謝料を早めに受け取りたいとの希望を持っていました。

 しかし、依頼者が不倫の証拠を持っていると考えていても、裁判の証拠としては不十分ということもありますので、まずは、依頼者が持っているという不倫の証拠を精査しました。この証拠の精査が不十分なまま、旦那様へ請求をかけると、不倫を否認されて、交渉の長期化や裁判を視野に入れた活動が必要になってしまいますので、十分な証拠精査は、不可欠な行程になります

 

 今回のケースでは、偶然旦那様がミクシィを利用しており、不倫の様子等について詳しい日記を付けていましたが、その日記データを依頼者が入手しておりました。日記データが大量にありましたので、不倫の証明には十分だったのですが、その一つ一つに目を通すのには、それなりの時間がかかりましたし、奥様にとっては、この日記の内容がかなりの心痛だったのではないかと感じました。

 

 

4.旦那への請求

 

 不倫の証拠が十分であることの確認が取れましたので、旦那様に対して、内容証明郵便にて慰謝料を請求しました。

 

 旦那様は、私の法律事務所までやってきて素直に不倫を認めましたので、不倫したかどうかは争点にならずに済みました。

 

 しかし、旦那様は、奥様(依頼者)が思っているほどお金を持っていないということで、慰謝料を出し渋っていました。また、不倫相手に迷惑をかけたくないということで、不倫相手に慰謝料を出させることには断固反対の姿勢でした

 旦那様が有する財産については、奥様がよく把握されていましたので、その様な切り口から旦那様を強く説得しました。

 

 このようにして旦那様ご自身が支払う慰謝料の額(300万円)については大筋まとまったのですが、不倫相手に対する慰謝料については話し合いが平行線のまま月日が流れました。不倫相手の住所は分かっていましたので、不倫相手に対して直接請求することも考えたのですが、旦那様がその様な手法に断固反対しており、交渉環境が破壊されると考えて直接の連絡は取りませんでした。

 

 依頼者と相談し、裁判になる可能性も覚悟してもらって、強く旦那様を説得したところ、不倫相手が50万円だったら支払う、といった話が浮上しましたので、その後も説得を続けてたところ、最終的には不倫相手が150万円を支払うという形で合意が成立しました。

 

 

5.不倫慰謝料の事件で思うこと

 

 このケースでも思ったのですが、不倫の証拠集めと整理という作業は、依頼者にとってかなりの心痛だろうということです。実際、この事件でも、依頼者は、私のところに相談に来る前1ヶ月ほどは精神的に不安定になってしまいカウンセリングを2度ほど利用したとのことでした。

 

 昨今の情報化にともない、奥様が、旦那様と不倫相手との間のメールやLINE、SNSのやり取りなどを膨大に入手してご相談に来られるケースも増えてきています。このような場合には、裁判になった場合の勝訴率を格段に上げることができる反面、膨大なデータをまずは依頼者本人が確認しなければなりません。しかし、その様な不倫のやり取りは、通常仲睦まじい内容であり、場合によっては奥様に対する誹謗中傷が含まれることも往々にしてあります。その様なデータの確認をすることは依頼者にとってかなりの心痛がかかる作業だったと思います。

 

 私は弁護士としての立場でしかお話しが出来ないのですが、できる限り、依頼者の方の上記のような心痛にも思いを致し、できる限り長い時間を取って依頼者の方と向き合って、できる限り不満を吐き出して帰ってもらうよう努力して活動致しました

 

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