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【モラハラ離婚で皆さんどうなさっているんでしょうか?⑭】Xデーまでの過ごし方

2025.01.27更新

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。

神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。

 

1.モラハラとは何だ?


 「モラハラ」最近よく耳にするようになった用語のため、モラハラとは何なのか分かったような分からないようなぼんやりとしたイメージでこの用語を使っている方も多いと思います。

 モラハラとは、一般的には「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと言われます。「暴言」が典型例ですが、「暴言」に限らず、精神的虐待と言える行為は広くモラハラ行為に含まれます。

 

 

2.Xデーまでの過ごし方


 Xデーつまり別居開始日までの過ごし方は、①別居についてモラハラ夫との合意を得ている場合と、②モラハラ夫に伝えず、もしくは、一度は反対された状態で別居する場合とで異なりますので、場合分けした上で解説していきます。

 なお、モラハラ夫のモラハラ等がひどい場合には、事前に何も伝えずに別居を始めることもやむを得ないとは思いますが、そうでない場合には、極力事前に夫側に話をすることを私は推奨しています。

 

 

3.【Xデーまでの過ごし方①】別居についてモラハラ夫側の同意を得ている場合


(1)モラハラ夫の気分が変わらないような配慮

 モラハラ夫は、意見が変わることも多いため、そのようにならない配慮が必要になることが多いです。

 具体的には、別居開始を早めることが可能なのでしたら、モラハラ夫の気が変わる前に別居を開始できると安心です。

 お子様の都合などで、別居開始を早めることが難しいという場合、モラハラ夫が意見を変えないよう必要以上に刺激しないよう注意する方が良いです。

 

(2)モラハラ夫の両親など説得してもらえる体制を確保しておく

 前述のように、モラハラ夫は、一度は別居に同意しても、時間が経つと意見を変えてくるリスクがあります。

 そのため、もし意見が変わっても、モラハラ夫の両親から説得してもらえるように予め準備しておくなどすると安心です。

 説得してくれる適任者がいないという場合には、この準備は難しいのですが、モラハラ夫の両親だけではなく、モラハラ夫の先輩や上司など、説得してくれそうな人物がいる場合には、予め話をしておくと安心です(ただ、モラハラ夫に事前に話をせずに先輩や上司に話をすると、余計にモラハラ夫が怒り始めることも多いので、進め方には慎重に留意してください)

 

(3)お子様への説明

 別居についてモラハラ夫の了解を得られている場合、お子様への説明についても、夫側と調整して話ができることが多いと思います。

 例えば、あなたの実家に別居するという場合には「おばあちゃんの体調があまり良くないから、一緒におばあちゃんを元気づけに行こうね」とか、夫側が一時自宅を離れるパターンの別居の場合「パパは暫くお仕事でおうちには帰れないからね」とかの説明をすることになります。

 

 

4.【Xデーまでの過ごし方②】別居についてモラハラ夫側の同意を得ていない場合


 「別居についてモラハラ夫側の同意を得ていない場合」というのは、そもそも別居のことを一言も伝えていないケースと、一旦別居の話をしたがモラハラ夫側から断られ、しばらくした後に再度話をせずに別居を実行するケースとがあります。

 

(1)絶対にこちらの動きを察知されないこと

 Xデーまでの過ごし方の中で一番重要になるのが、別居の準備をしていることを夫側に察知されないようにすることです。これを察知されてしまうと、別居を妨害されたり、別居準備を進めていることを厳しく批難されることになりかねません。

 私が担当したケースでも、別居準備中に夫側に察知されてしまい、なかなか別居できなかったというケースもありますので、細心の注意が必要です。

 夫側に別居準備のことを知られてしまった原因としては、①夫が奥様の携帯電話をこっそり盗み見ており、その中で発覚してしまったケース、②別居準備のために子どもの小学校転校の話等を現在の通学先小学校に相談していたところ、夫側が小学校に問い合わせて発覚したケース、③区役所に児童手当や保険切替の相談をしていたところ、夫側が区役所に問い合わせて発覚したケース等があります。

 別居準備中は別居先住所等の情報は最大限外部に知られないようにし、自身の携帯電話等も夫が勝手に見られないようにする等の注意を払って準備を進めていく必要があります。

 

(2)親族・友人等の支援体制を整えること

 別居後にモラハラ夫が、あなたの両親等の親族や親しい友人等に執拗に連絡を取るというケースもあります。

 そのため、少なくとも夫側が連絡をしそうな先については予め別居のことを話しておいた方が良いケースが多いです。合わせて、ご自身の状況等を相談できるようであれば相談すると心強いかと思います。

 このように支援の輪が広ければ心強いとは思いますが、情報が拡散し過ぎますと、どこかで夫側が別居先の情報等を察知してしまう危険性が増して行くことになりますので、支援の依頼先の範囲については慎重な検討が必要です。

 

(3)お子様への説明

 お子様のご年齢にもよりますが、お子様に別居のことを伝えると、お子様がモラハラ夫にそのことを話してしまうリスクがあります。

 そのようなリスクが高い場合には、別居直前までお子様には伝えられないというケースもあります。

 他方で、お子様自身がモラハラ夫と早く別居したいと考えているような場合には、お子様を安心させるために、多少早めに別居のことを伝えてしまうケースもあります。

 いずれにせよ、モラハラ夫側にこちらの別居計画が知られないように慎重にタイミングや伝え方を検討する必要があります。

 

(4)別居時の持ち物リスト

別居の際には持ち出し漏れ等がないよう、以下の関連記事を参照の上、荷物の整理をしてみて下さい。

関連記事>>「ついに別居を決意!これだけは持って出よう!」
 なお、モラハラ夫名義の財産としてどのような財産があるか全く分からない状況で別居を始めてしまいますと、離婚の際に十分な財産分与を貰えなくなってしまうというケースもありますので、別居前に、ある程度夫側の財産がどこにあるのかは把握しておく必要があります。

これはDVのケースですが、別居後程なくして旦那が奥様やお子様の荷物の大半を勝手に捨ててしまったというケースもありますので、ご留意下さい。

 

 

(5)置き手紙の活用

 別居の際には、自宅に置き手紙を残すことを私は推奨しています。古典的ですが、あなたが事故や事件に巻き込まれたわけではないことを伝えておく必要がありますし、執拗に居場所を探されないようする必要があるからです。

 置き手紙の内容は、旦那と一緒にやっていくことができないと考えたので別居を決断したこと、元気にしているので探さないで欲しい、といったことを簡単に記載しておけば構いません。

 私の依頼者の方からは「LINEやメールで伝えるのではダメですか?」と質問されることが多いのですが、置き手紙の方が無難なことが多いです。といいますのは、LINEやメールで伝えると、夫側に対して「LINEやメールが連絡手段として生きている」と伝えるようなものなので、その後、夫側からしつこくLINEやメールが来る危険性が増すからです。

 

 

5.まとめ


・Xデー(別居開始日)までの過ごし方は、事前に夫の同意を得ているかそうでないかで異なる。

・事前にモラハラ夫の同意を得ている場合の過ごし方

  • モラハラ夫の気が変わらないように、可能な限り早く別居をスタートしてしまう
  • もしモラハラ夫の気が変わっても説得してくれる人に事情を話しておく
  • お子様への説明方法などを夫と相談して決める

・事前にモラハラ夫の同意を得ていない場合の過ごし方

  • モラハラ夫に別居計画が知られないように注意する
  • 親族や友人の支援体制を整えておく
  • お子様への説明のタイミングや説明方法を慎重に検討する
  • 慎重に持ち出す荷物の準備も進めておく
  • 置手紙の準備をしておく

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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