【弁護士が本音で話す!】離婚弁護士へのセカンドオピニオンの実際
2016.12.26更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。
神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。
1.セカンドオピニオンって?
セカンドオピニオン、医療分野ではよく聞く言葉ですが、弁護士の業界では、それほど普及していない言葉だと思います。
おそらくセカンドオピニオンを積極的に活用しようと考えている弁護士はほとんどいないと思いますが、これは弁護士職務基本規程での制限があるからです。
つまり、弁護士職務基本規程では、「他の弁護士が担当している事件に対して不当に介入してはならない」と定められているため、現在進行中の事件に対して意見を話しづらいのです。
2.セカンドオピニオンはいけないことなの?
上記のように説明すると、「そもそもセカンドオピニオンは、弁護士業界ではタブーなんだ」と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、特にタブーではありません。活用方法によっては、ご相談者様の安心にもつながると思いますので、上手に活用していただければと思います。
要するに、セカンドオピニオンの相談を受けた弁護士が、その情報を不当に利用しなければよいという話です。
3.セカンドオピニオンをもらうポイント
以下、セカンドオピニオンを得るにあたってのポイントをご説明します。
(1)誰にセカンドオピニオンをもらうか
もちろんセカンドオピニオンをもらうにあたっては、その分野に強い弁護士に相談するに越したことはありません。ただ、上記の通り、セカンドオピニオンがファーストオピニオンへの不当介入にあたってはいけないため、見ず知らずの弁護士に相談すると、ファーストオピニオンに肯定的な答えしか返ってこないことが多いです。
そのため、可能であれば、友人や知人のツテで「知り合い」と言えるような弁護士に相談してみるのが一番かと思います。
弁護士を探される際に、皆さん「知り合いの弁護士なんかいない」とか「弁護士が直接の友人ではない」とおっしゃる方が多いのですが、大学の時の同期、高校の時の同期のツテなどを辿ると、「弁護士の知り合いが一人もいない」と言うことはほとんどないと思います。
ちなみに、弁護士によっては、企業法務しか担当しない弁護士だとか、交通事故しか取り扱わない弁護士等特定の分野のみに特化している弁護士もいます。そのため、少なくともセカンドオピニオンを求める際には、最低限、その分野を取り扱っている弁護士に相談して下さい。
(2)いつセカンドオピニオンをもらうのか
セカンドオピニオンをもらう時期は難しい問題です。ただ、私の個人的な意見としては、現在進行中の事件の進め方に疑問を持った場合、早めにご相談されることをオススメしています。
例えば、私のところにセカンドオピニオンを求めに来る相談者の方の中には、1回目の判決が出てしまった後に相談に来られる方もいらっしゃいますが、控訴の期間は2週間に限定されていますので、極めて限られた時間でセカンドオピニオンを得なければならず、せわしなくなってしまいます。
上記のように、セカンドオピニオンを求める弁護士はできれば友人・知人とツテのある弁護士が望ましいので、その様な弁護士を探すのにも時間がかかるでしょう。また、後述の通り、セカンドオピニオンをもらう際には、いくつか準備しておいた方がよい点がありますから、多少時間的余裕をもってセカンドオピニオンを求めて下さい。
(3)セカンドオピニオンの目的意識をキチンと持つ
私のところには、離婚事件の進め方についてセカンドオピニオンを求めてくる方は比較的多いのですが、ほとんどの方は、現在担当している弁護士への依頼を継続しています。
たまにセカンドオピニオンを求められる際に「今頼んでいる弁護士は役に立たないので、替わってくれる弁護士を探している」とおっしゃる方もいますが、セカンドオピニオンの目的は、現在の担当弁護士の方針が正しいのかどうかのチェックだと思います。そして、多少の行き違いがあるにせよ、ご相談者の方が工夫することで現在担当弁護士との関係が良好になったという事例は非常に多いです。
そのため、今の弁護士を替えるためにセカンドオピニオンをもらうという考え方はオススメしません。
4.セカンドオピニオン相談に行く前の準備
(1)資料の準備
セカンドオピニオンを得る際には、弁護士からの質問に答えられるように資料をキチンと準備しておく必要があります。
ただ、「資料の準備」と言っても難しく考える必要はなく、①持っている資料を全て日付順に並び替える②もっている資料を全てセカンドオピニオンの場所に持っていく、と言うことさえ実行してもらえれば問題ありません。
(2)質問するポイントをまとめておくこと
セカンドオピニオンを求める際、ご相談者の方は「自分が一番質問したい点」についてはキチンと整理されています。
例えば、離婚であれば、親権を獲得できるのか、面会交流の回数は妥当なのか、慰謝料の金額が高くないか、財産分与の考え方が間違っていないのかなどなど、不安に思っている問題はよく理解されています。
逆に、今担当してもらっている弁護士のどこに不満があるのかという点は、あまり整理されていないと言うことが多いです。
通常、セカンドオピニオンを求める場合、現在担当している弁護士の弁護活動に疑問を感じていることが多いので、この点は多少掘り下げて質問を準備することをオススメします。例えば、「今担当している弁護士は押しが弱いように感じる」とか「弁護士からの返事が遅い」とか「弁護士が言うことを聞いてくれない」というクレームのような相談もありますが、具体的な場面を設定してもらえませんと、こちらも適確に回答できません。そのため、例えば「押しが弱いように感じる」ということでしたら、離婚調停のどの場面でのどのような行動について言っているのかということはキチンと整理しておいた方が良いです。
事細かく質問事項を準備する必要はありませんが、質問したいポイントを少なくとも5個ほど箇条書き程度でまとめておいた方が、より効果的です。
5.セカンドオピニオン相談実施時の注意点
(1)セカンドオピニオンを求めていることをキチンと説明すること
たまに私のところにご相談に来られる際に、相談の終わりかけになってから、実はセカンドオピニオンを求めるものだったという説明をされる方がいます。
セカンドオピニオンというと言いづらいという方もいらっしゃるのですが、むしろ、最初からセカンドオピニオンを求めていることを話してもらった方が、こちらとしても円滑に相談にお答えできます。
そのため、相談にあたっては、まず始めにセカンドオピニオンを求めるものであるということを説明していただければ有り難いです。
(2)メモを取ること
上記のように、セカンドオピニオンをもらった後は、その結果を今後に活用しなければなりません。
私のところに相談に来られる方の大半は相談時にメモも取らずに「大体分かりました」とおっしゃって帰られることが多いのですが、ご自身が質問したかった点についてはキチンと記憶していても、他の点は曖昧になってしまうということが多いように思われます。そのため、前述のようにまとめた質問時のポイントに沿って、セカンドオピニオンとしてどのようなことを言われたのかキチンとメモを取っておくことをオススメします。
(3)離婚の場合、背景も含め全体観を持って質問すること
セカンドオピニオンを求める際、「自分が聞きたいところだけ質問する」という方は多いですが、どのような家庭の問題なのか、当事者間で争いがないとしても、どのような点が争点になっているのかといった問題は非常に重要です。
また、相談者御本人様は関係がないと思っていても、ご質問されたい点に密接に関わっている事項が隠されていることもあります。
そのため、「自分の聞きたいところだけ質問したから、もう帰る」という考え方ではなく、一見関係がなさそうな部分についても、セカンドオピニオン弁護士からの質問には丁寧に受け答えして、より良いセカンドオピニオンの場となるように心がけて下さい。
(4)今後現在担当の弁護士とどのように接していくのかについてもキチンと質問する
セカンドオピニオンを求める際、セカンドオピニオン弁護士が「自分では担当できない」という答えを聞くと直ぐに離席される方がいらっしゃいますが、これではセカンドオピニオンの意味がありません。
現在担当している弁護士の方針に疑問や不安を持っているのですから、その様な不安を解消する方法についてもキチンとセカンドオピニオンをもらって下さい。
そして、その様なセカンドオピニオンの結果を現在担当している弁護士に上手にフィードバックして、より良い関係が築けるようにできればベストです。
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