離婚問題

夫が突然監護者指定審判を起こしてきた(42)ー最近夫の子供へのご機嫌取りがすごかったが、大丈夫か?

2023.02.06更新

弁護士秦
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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。
 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

2.夫のご機嫌取り


 特に夫側に何も伝えずに別居を開始したという場合には、あまり問題にならないことが多いのですが、別居の前に夫婦喧嘩などがあり、その中で、あなたの口から「別れたい」とか「離婚したい」という発言があると、それに夫側が準備するというケースは相当数あります。
 要するに、夫側としても離婚には応じるけれども、お子様の親権は渡したくないというケースです。
 そのような場合、夫側は、あなたに対しては「出ていくなら一人で出ていけ」とか「親権は譲らない」などと発言していることも多いと思います。

 そんな時に夫側がよくとる手段が、お子様へのご機嫌取りです。
 週末勝手にお子様を連れ出して、遊園地に連れて行ったりするなど、お子様の好きなところに連れて行って、お子様の歓心を買うのです。

 

 

3.監護者指定事件での夫側の作戦


 前述のように、実際には夫側が親権や監護権の紛争で有利になるようにお子様を利用しているのですが、監護者指定事件の中では「子どもがどうしてもパパと行きたいというから連れて行っていた」とか「妻は、『休日くらいゆっくりさせて』というのが口癖だったので、毎週末、こちらが子供の世話をしていた」といった主張をしてくるのです。
 果ては「子どもは妻とは出かけたがらなかった」といったことまで主張してくることがあります。
 また、夫側は監護権や親権を主張するために準備しているので、週末出かけた時の写真を大量に証拠提出してくるケースもあります。

 

 

4.対抗策は大きく二つ


 前述のように夫側が相当に準備してきている場合には、大量の写真が提出されるなど、印象操作をしようとしてくるため、注意が必要です。
 このようなケースでの対抗策は大きく二つあります。一つ目は、週末連れまわされることでお子様が振り回されてしまうという点、もう一つは、週末も含めた家事・育児はあなたが全面的に担ってきたというものです。

(1)お子様が連れまわされているという点
 具体的には、週末夜遅く帰ってくるので、翌日の宿題や課題が終わっていないといった問題点です。
 この点を指摘するLINEやメールを夫側に送っていたとか、小学校へ提出する連絡帳に記載していたといった場合には、重要な証拠になりますので、裁判所の目に触れる形にしていく必要があります。
 また、週末慌ただしいので、お子様が体調を崩してしまったといったことも、重要な証拠になります。
 要するに、連れまわされることで、お子様に悪影響が出ているという点を、証拠とセットで提出していくというのがポイントになります。

(2)普段の家事・育児
 前述のように週末夫がお子様を連れて出るという場合、少なくともその間は、夫は家の中のことをしていないことを意味します(外出中に自宅の掃除等を出来るはずがありません)。
 そのため、その間、あなたが平日の食事の下ごしらえをしたり、掃除・洗濯をしていた場合には、そのことをしっかりと裁判所に訴えていくことになります。

 

 

5.面会交流への対応


 夫にとってはご機嫌取りの側面があったとしても、お子様にとっては「父親との楽しい思い出」になっている側面は否定できないと思います。
 そのため、お子様がまた夫側と出掛けたいと希望するようであれば、極力、そのようなお子様の意思は尊重した方がプラスになります。
 いざ面会交流させるとなると様々に検討しなければならない点があるのですが、お子様が希望するのであれば、交流を実現する方向で検討したほうが良いと思います。

 

 

6.まとめ


・別居が近いと分かると夫側は必死に子供のご機嫌取りをしてくることがある。
・夫が写真を大量に提出してくるなどした場合には、こちらも対抗策を練る必要がある。
・具体的には、①そのことでお子様が振り回されっていたということ、②家事や育児はあなたが全面的に担っていたということを指摘していく必要がある。
・お子様の意向によっては、面会交流にも対応していく必要がある。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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