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【絶対に夫に親権を渡したくない(27)】子供へのモラハラはどの程度考慮されるか | 雨宮眞也法律事務所

離婚問題

【絶対に夫に親権を渡したくない(27)】子供へのモラハラはどの程度考慮されるか

2023.01.09更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
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1.離婚の際に親権のことが一番心配


 夫婦喧嘩の中などで離婚や別居を口走ったとき、旦那側から「お前ひとりで出ていけ」とか「親権は絶対渡さないからな」と言われる経験をしたことがある方も多いと思います。
 そうでなくとも、旦那側の普段の様子から、簡単に親権を諦めないと強く予想されることもあります。
 旦那との普段の生活を顧みるとこれ以上一緒に生活できない、離婚は覚悟しているという場合でも、親権のことが非常に心配に感じるという方は多いと思います。
 今回は親権のことで、特に、「お子さんへのモラハラ」という点にスポットライトを当てて解説していきます。

 

2.子供へのモラハラって?


 モラハラについては 「言葉、態度、文書などによって継続的に相手の人格や尊厳を傷つける精神的な虐待行為」などと定義されたりしますが、これだけではピンと来ない方が多いと思います。具体的にお子様との関係での夫の発言や行動で「モラハラ」と評価し得るものとしては以下のようなものがあります(これが「モラハラ」の全て、というわけではなく、あくまで代表例とお考え下さい)。
なお、夫がお子様に直接手をあげるケースは、もはやDVに該当しますので、一旦モラハラとは分けて考えます(以下では、このようなDVにまでは達していないケースを想定して解説いたします)

(1)お子様に対して暴言を吐く
 お子様へのモラハラの典型例のようなケースですが、より詳しく見ますと以下のようなものがあります。なお、暴言やあなたやお子様ご本人に向けられるケースだけでなく、パパ友やママ友、お子様の友人等が集まる場所等で発言されると、より一層お子様は傷つくことになると思います。
①お子様を侮辱するような発言をする(「バカ」「アホ」だとかの単純なものから、お子様の容姿を侮辱するもの、お子様の学習能力や知識不足等を侮辱するものなどがあります)
②お子様に危害を加えるような発言をする(「一度殴られないと直らないのか?」、「むしゃくしゃしてお前を殺してしまいそうだ」等々)
③叱責する際などに敢えてお子様が傷つくようなことを言う(例えば「テストの点が悪かったから、おまえのこのゲームは捨てるからな」、「朝の勉強をさぼっていたから、週末はお出かけ禁止な」とか「遊びに行ってる暇があったら、ドリルを1ページでも進めとけよ」等)

 

(2)執拗な責め立て等
 これもお子様へのモラハラとしてはよく見られるケースですが、より詳しく見ますと以下のようなものがあります。
①些細な問題を執拗に責め立てる(「この前のテストで90点だった理由をしっかりと説明しろ」「昨日音楽の笛を学校へ持って行き忘れたことの反省文を書け」「この前の誕生日会で俺に恥をかかせたことについて、参加者に謝ってこい」等々)
②責め立てが何時間も延々と続く
③責め立てが夜中や早朝など時間を問わず長々と続く
④責め立ての際、正座や土下座を強要する

 

(3)物への八つ当たり等
 例えば、機嫌が悪いと物に当たり散らす。大きな物音を立てる(席を立つ際に椅子を乱暴にテーブルにぶつける、大きな音を立ててドアを閉める等)といったものです。
 特にお子様が大事にしているものとか、お子様のデスクや衣装ケースなどを傷つける行動は、お子様にもショックが大きいと思います。

 

(4)行動監視や強要
 例えば、以下のようなものがあります。
①お子様のスマートフォンにGPSアプリを入れて頻繁に位置情報を確認してくる
②門限その他家庭内のルールを作って、お子様に強要する(勉強の時間は何時からとか、入浴の時間は何時からなどと細かく決めた上で、1分でも過ぎると執拗に責め立ててくるとか)
③お子様が口にするお菓子等について夫の気分次第で種類や値段を制限してくる

 

3.お子様へのモラハラは、どこまで考慮されるか


 上記のようなモラハラは、頻繁であったり、執拗であったりすると、お子様はもちろん、あなた自身も非常に窮屈で、普段の生活において常に緊張を強いられるような大きな心理的負担を生じるケースも多いと思います。
 ただ、これらのモラハラがストレートに親権紛争に大きな影響を与えるのかと言いますと、残念ながら、影響は「大きくない」という印象です。
 裁判官や裁判所調査官は、第1次的には暴力行為があったかなかったか、そのことでお子様自身が怪我をしたことがあったかなかったかという点を気にかけ、これらがなかったということになると、虐待事案としては、大きな虐待はなかったと捉えがちなのです。

 

4.お子様への意思確認で生きてくる


 上記のようにご説明しますと、「それなら子供へのモラハラを主張しても意味ないんですね」とか「子どもへのモラハラの証拠は不要ですね」とおっしゃる方もいますが、そうではありません。
 モラハラそのものは、直接親権者指定に大きな影響はないとは言っても、全く無関係ではないからです。
 また、特に、お子様が夫側を嫌がっているとか、接点を持ちたくないと発言しているような場合には、その根拠として意味を持ってきます。
 要するに、親権紛争では、様々な要素が考慮されるのですが、お子様が一定の年齢に達している場合、「お子様の意思」も重要な判断要素の一つになります。
 お子様が夫側を嫌がっているとか、接点を持ちたくないと発言しているような場合、家庭裁判所調査官は、必ず理由を尋ねますので、その際に、モラハラ行為の存在が生きてくるのです。

 

 

5.モラハラ行為をこちらに有利に活かすには


 前述の通り、お子様の意思確認の段階で、モラハラ行為の存在はそれなりに意味を持ってくることになります。
 ただ、こちらが夫のお子様に対するモラハラ行為を主張しても、夫側が全否定してくるケースも往々にしてあります。
 そのため、モラハラ行為を親権紛争で活かしていくにあたっては、やはり、その証拠がどの程度あるのかという点が重要になってきます。
 録音が最たるものですが、夫側が壁や床、物を破壊したといった場合には、その写真も有効な証拠になります。

 

 

6.まとめ


・お子様へのモラハラには、①暴言、②執拗な責め立て、③物への八つ当たり、④行動監視や強要といったものがある。
・DVに至らないモラハラは、裁判官も重要視しないケースが多い。
・だからと言ってモラハラを指摘しなくて良いということではない。
・モラハラの存在は、お子様の意思確認の際に活きてくる。
・重要なのはモラハラの証拠集めである。

 

 

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