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夫が突然監護者指定審判を起こしてきた(39)ー夫はこちらの家事不十分を指摘してきそうだが、大丈夫か? | 雨宮眞也法律事務所

離婚問題

夫が突然監護者指定審判を起こしてきた(39)ー夫はこちらの家事不十分を指摘してきそうだが、大丈夫か?

2023.01.09更新

弁護士秦
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
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1.そもそも「監護者」って何だ?


(1)監護権というワードは馴染みが薄い。
 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

 

(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

2.同居中、家事不十分を指摘されることは多かった


 特に夫が潔癖症だとか、異常に几帳面という場合には、一緒に生活しているときに、家事不十分を指摘されるケースは多くあります。例えば以下のようなものです。

・お前が作る食事は薄味過ぎて食べられない。

・お前が作る食事は栄養バランスが偏ってる。

・子供にお菓子ばかり与えるな、普段の食事が食べられなくなる。

・どうして合成調味料・化学調味料を使って食事を作るんだ。

・家中埃だらけで汚い。

・週末オレが掃除しなければ、ゴミ屋敷になっていたぞ。

・(掃除が行き届いていないので)ルンバの方がお前よりも役に立っている。

・専業主婦なんだから毎日洗濯くらいしろ。

・(子供が少し服を汚しただけなのに)どうして汚い服を着させているんだ、子供が可哀想だろう。

・大したことをしていないのに、どうして毎日子供を寝かしつける時間が遅いんだ

このような発言そのものがモラハラ気質を含んでいるのですが、様々に言われるので、あなたも自信を無くしてしまっているというケースも多いと思います。

 

 

3.毎日の家事・育児をしていれば特に問題がない


 夫側からの指摘では、「家事が雑」「あまりに不器用」など、あなたの家事の仕方等について不満を述べられることも多いのですが、よほど特殊な家事の仕方をしているのでなければ、特に、そのように指摘されたからと言って、こちらが不利になるということはありません。
 また、お子様が病気にかかってしまい、その看病があったとか、事情があって一時的に家事や育児が行き届かなくなることもあると思います。そのようなケースでも、事情があってのものであって、一時的なものであれば、そのことであなたが不利になるケースはほとんどありません。

 さらに、洗濯や掃除なども、毎日必ず実施しなければならないというものではありませんので、例えば、洗濯物が貯まりっぱなしで、それが何日も何日も続くといった特別な状況に至っていなければ、それほど気にする必要はありません。

 

 

4.より重要なのは、夫と妻とで比較した場合に、「どちらの方がより家事や育児に関わってきたのか」という視点


 たまに、監護者指定事件では、より分かりやすくするために、裁判官自身が「直近1年間でのお子様の育児の割合は夫と妻で何対何くらいの割合でしたか?」と質問してくることもあります。
夫側は、こちらの家事不十分をしきりに指摘してきますが、それよりも、夫と妻とでどのくらいの作業分担をしていたのか、どちらの方がお子様に関わっていたのかということの方が重要です。

 

 

5.家事不十分の証拠


 監護者指定事件では、よく、こちらの家事不十分の証拠として、リビングの散らかった状態の時の写真などが提出されることもあります。
 ただ、お子様が小さい年齢の時などには、どうしてもお子様の動きに気を取られて、片付けが後回しになってしまうこともありますし、そもそも、片付けなどは夫婦で分担すべきものであって、夫の側に対しても「写真を撮っている暇があったらあなたが片付けて下さい」というレベルの話と言えます。

 

6.家事を十分やった証拠


 

 よく私がご相談に乗っていると、「夫は私の家事が不十分だったと強く主張してくると思いますので、それに対抗するために、こちらがちゃんと家事をしてきた証拠を出せないものでしょうか?」と質問を受けることも多いです。

 日々の生活の中で毎日育児日記をつけて来たとか、お子様がまだ保育園に通っていて、その連絡帳を克明につけ続けてきたといった場合には、それらの育児日記や連絡帳は有力な証拠になります。

 ただ、それ以上に毎日家事をしっかりやってきたことの証拠を集めるということは難しいと思います(きちんと夕食を手作りしてきたということで毎日夕食の写真を撮影すると言っても、その写真全てを裁判所に提出するのはボリュームが多くなり過ぎてしまいますし、昼食や朝食の写真まですべて撮影するのかというとキリがないと思います)

 前述の通り、家事や育児については、あなたと夫のどちらの方が多く担当していたのかという視点の方が大事ですので、家事を十分やった証拠を必死に集めるという必要はないと思います。

 

 

7.まとめ


・同居中、几帳面な夫から様々な指摘がなされているケースは相当数ある。
・だからと言ってあまり自信を無くさなくても良い。
・より重要なのは、家事・育児で夫と妻を比較してどっちの方が分担してきたのかという視点(分担割合)である。
・自宅の散らかった写真などはあまり有力な証拠にはならない。

・逆に、こちらが家事をしっかりとやったという証拠を集めることも難しいことが多い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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