離婚問題

夫が突然監護者指定審判を起こしてきた(33)―弁護士へのセカンドオピニオンの活用法

2022.11.07更新

弁護士秦

こんにちは、東京・日本橋(神田至近)の弁護士秦(はた)です。「しっかり戦って、しっかりと勝つ」をモットーに詳しく解説していきます。
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1.そもそも「監護者」って何だ?


 

(1)監護権というワードは馴染みが薄い。
 離婚する以前の夫婦は共にお子様の共同親権者で、離婚の際には(単独)親権者を決めなければならないというように、「親権者」というワードはよく出てくるのですが、「監護者」については、親権者ほどメジャーなワードではなく、よく分かりにくいという質問を受けることもあります。
 端的に言いますと、監護権とは、親権の一部と理解すると分かりやすいと思います。

(2)親権の意味のおさらい
 そもそも、親権というと、離婚した後に子供を育てていくことができる権利と考える方が多いかと思いますが、実は親権には、このようにお子様を育てていく権利だけではなく、他にも権利が含まれています。
 具体的には、親権には大きく以下の権利が含まれると言われています。
1)身上監護権(お子様の身の回りの世話(監護)や教育(主として進学や進級等)を決定する権利(責任を伴います)を主として、居所指定や職業の許可といった権利を含む権利です。)
2)財産管理権(お子様の財産を管理する権限のことです)
3)身分行為の代理権(例えば、お子様が他の里親の方の養子になりたいと言ったときの代諾権等お子様の身分行為を代理する権限です)

(3)要するに監護権って?
 上記の通りご説明しました親権に含まれる3つの権利のうち、「身上監護権」だけを切り出したものが監護権とイメージすると分かりやすいと思います。

(4)監護者指定審判とは?
 離婚が正式に成立するまでは、お子様の親権は夫婦の共同親権になるのですが、このような共同親権の中でも監護権のみを切り出して、監護権を取得するものを夫婦どちらかに指定して欲しいという審判が監護者指定審判の手続きになります。
 「審判」というと聞き慣れないかもしれませんが、調停のように話し合いの手続きではなく、裁判官が強制的に監護者を指定する手続きになります。

 

2.セカンドオピニオンとは?


 私のところには、監護者指定事件で既に弁護士を雇っているけれども、他の弁護士にも意見を聴きたいということでご相談に来られる方が多くいます。
 このようなセカンドオピニオンには、①あなた自身の事件について、どの程度有利に手続きを進めているのか、結論はどうなりそうなのか、という点を尋ねてくるケースと、②あなたが提出したいと考えている証拠について、どの程度効き目がありそうなのかを尋ねてくるケースがあります。

 

 

3.セカンドオピニオンの限界


 セカンドオピニオンは、現在あなたが雇っている弁護士よりも、より客観的に状況を把握する利点があります(あなたが雇った弁護士は、あなたと一緒に事件を戦っているため、どうしてもあなたの味方としての立場が表れてしまっていて、客観的な状況把握がしにくくなっていることもあります)。
 また、あなたが今雇っている弁護士の方針に疑問や不安があった場合、セカンドオピニオンで、その弁護士の方針に誤りがないと聞くことができれば、大きな安心材料になります。
 そのため、セカンドオピニオンは、「今雇っている弁護士と違う意見を聴く」ということではなく「今雇っている弁護士と同じ意見を聴いて安心する」というメリットもあります。
 ただ、セカンドピニオンは、限られた時間内で、限られた資料の中で意見を述べるに過ぎませんので、時間的、資料的な制限があることは否めません。

 

 

4.あまりセカンドオピニオンを多用することはオススメしない


 たまに、今後の手続や結論への不安が強く、何人もの弁護士にセカンドオピニオンを繰り返しているという方もいます。
 前述のように、セカンドオピニオンは、、限られた時間内で、限られた資料の中で意見を述べるに過ぎませんので、時間的、資料的な制限がありますので、「弁護士によって少しずつ言うことが違う」と感じることも出てくるかと思います。
 そうなると「沢山の弁護士に話を聞いて、余計混乱した」とか「余計に不安が増してきた」ということにもなりかねません。
 そのため、セカンドオピニオンを求めるにしても、多くても2,3件程度にとどめておいたほうが良いと思います。

 

 

5.定期的アドバイザリーは?


 セカンドオピニオンからさらに進んで、今の弁護士を雇いながら、定期的なアドバイザリーをお願いしたいと依頼されることもあります。
 ただ、定期的アドバイザリーは、裁判所の法廷に足を運ばずに弁護士がアドバイザーになるというものですので、どうしても、裁判所が考えている方向性とずれてしまう側面が否定できません(実際に法廷に足を運ぶと、裁判官の発言や表情を直接見聞きできますので、アドバイザリーとして、そのような直接見聞きができないという点は大きなビハインドと言えます)。
 そのため、私自身は、そのような定期的アドバイザリーを引き受けることはしていません。
 他の弁護士も、「定期的アドバイザリーは引き受けない」という弁護士も多くいますので注意が必要です。

 

 

6.今雇っている弁護士を変えたほうが良いのか?


 セカンドオピニオンを受けていると、「今雇っている弁護士を変更したほうが良いのでしょうか?」という質問を受けることが多いです。
 ただ、私がお話を聞いていると、その弁護士が、そこまでおかしな弁護活動を行っているようには感じず、相談に来られた方も、引き続きその弁護士にお願いするということでお帰りになることが大半です。
 そのため、私が途中から交代して弁護につくことは、「ごく少数」という印象です。

 

 

7.セカンドオピニオンを受けるのが非常に遅いと感じることが多い


 監護者指定事件でセカンドオピニオンのご相談を受けるタイミングとしては、家庭裁判所調査官からこのように言われたとか、裁判官からこのように言われた、もしくは、調査報告書でこのように書かれてしまったというケースが多く、残念ながら、「そこまで手続きが進んでしまっていると、弁護士を交代して劇的に好転させることは難しいです」という状況のことが多いです。要するにセカンドオピニオンの相談が「遅過ぎる」ということです。
 特に、「知り合いの紹介で弁護士を雇ったんですが、監護者の事件は初めてみたいなんです」などと言われることも多いのですが、監護者指定事件は特に専門性が高い事件なので、最初の段階で対応を誤ってしまっている側面が否定できません。
 そのため、監護者指定事件では、最初から専門性が高い弁護士にお願いするということが特に重要と言えます。

 

 

8.まとめ


・セカンドオピニオンは客観的な意見を聴けることが多いが、時間的・資料的限界がある。
・あまりセカンドオピニオンを多用することはオススメしない。
・定期的アドバイザリーについては、そもそも、そのような契約形態は引き受けないという弁護士も多いので注意が必要である。
・今雇っている弁護士を交代させたほうが良いというケースは稀である。
・事件途中でセカンドオピニオンの相談をするのではなく、最初から弁護士をしっかりと選んだほうが良いケースが多い。

 

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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