離婚問題

【コロナ離婚特集1】コロナ離婚に踏み切る前に考えておくべきこと4選

2020.04.15更新

弁護士秦

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1.コロナ離婚に踏み切る前に考えるべきことは意外に多い


 離婚を考えた場合、通常まず一番に離婚後の生活、離婚後の育児環境のことが頭に思い浮かぶと思います。
 ただ、今後相手と離婚するかしないかという点で争っていくことも考えますと、他にも色々と考えておかなければならないことがあります。
 詳しくは後述しますが、考えなければならない点をすべて同時に検討しようとしてしまいますと、精神的な負担が大きくなってしまうと言うこともありますので、徐々に、かつ優先順位をつけて検討することもお考え下さい。

2.今後「やり直せない」かどうかは客観的に見極めた方がよい


 当たり前のことなのですが離婚する場合、離婚後、法律上相手は「他人」ということになります。裏を返すと離婚を切り出すと言うことは他人になって欲しいと切り出すことと同じなので、今後「やり直す」ということが無理だと言えるほどの状況でこそ、離婚を切り出すべきだと言えます。

 令和2年4月現在、コロナウイルスの問題が終息する時期が見通せない状況が続いておりますが、このコロナ問題が終息した後は良好な夫婦関係・家族関係を築くことが出来るというケースも多分にあると思いますので、1年後や2年後自分がどう考えているだろうかということに思いを巡らせて最終決断するのが良いと思います。

 コロナの関係でお子様が在宅しているため、落ち着いて考えられないといったときには、ご親族や親友等の意見を求めて、客観的に離婚が望ましいかを見極めるという方法も検討してみてください。

 

3.まずは、お子さんの幸せをよく考える


 お子さんの幸せのことを考えるとお父さんとお母さんが揃っている方が良いという結論しかないということになってしまいます。
 私が申し上げたいのは、このような一般論の話ではありません。
 分かりやすく言いますと、現状と離婚後の生活とでどちらの方がお子さんにとって幸せなのかという比較と、離婚後のお子さんのケアが可能なのかどうかと言う問題です。

 なお、令和2年4月現在はコロナウイルスの関係で緊急事態宣言が出ている真っただ中でして、このような状況では冷静に判断がつかないということでしたら、コロナ問題が多少落ち着いた時点で冷静に考えてみるということでもよいかもしれません。

①現状との比較
 分かりやすく言いますと、毎日喧嘩が絶えないという家庭の場合、お子さんにとっても悪影響になりますので、むしろ、離婚した方がお子さんにとっても望ましいと考えられます。
 ただ、この点も、現在旦那様が在宅勤務であるがゆえに夫婦喧嘩が絶えないという場合、通常出勤に戻った後のことにも想像を巡らせて比較したほうが良いかと思います。もちろん、今回のコロナウイルスの問題を機に、旦那様の勤め先が広く在宅勤務を認めるようになって今後も旦那様が自宅にいる機会が大幅に増えるという場合には、そのような前提での比較になろうかとは思います。

 いずれにせよ、あなたが離婚を切り出したいと思っているという場合、すでに夫婦関係がぎくしゃくしていることは間違いありませんから、現状のぎくしゃくした状況がお子さんに悪影響を与えていないかについてよく考え、離婚後の生活と現状を比較してみると良いでしょう。

②離婚後のお子さんのケア
 離婚後あなたがお子さんを育てていくという場合、しっかりとした生活環境・教育環境を整えていく必要があると思います。
 ただ、それだけではなく、お子さんと相手との接し方についても考えておく必要があると思います。
 一般的には、お子さんと父親とは定期的に面会させた方がお子さんの成長に良いと言われていますので、これまでの夫婦生活におけるお子さんとの接し方等を考慮して、離婚後の旦那様と奥様との接し方についても慎重に検討する必要があります。

4.相手が争ってきた場合の備えをする


①夫の財産の在処を把握しておく
 離婚の際には婚姻期間に増加した財産については財産分与という形で折半するのが通常です。
 しかし、離婚を切り出すと、夫側は財産を取られたくないために、財産の在処を隠してしまう場合があります。

 そのため、夫側が財産の在処を隠すことも想定して、どのような財産をどの程度持っているのかについては予め把握しておいた方が良いです。
 このようにしておくと、財産分与でいくらもらえそうなのかの見込みが立ちますので、離婚後の生活設計にも役立ちます。

②夫側の収入を把握しておく
 相手の収入は家庭裁判所の調停などになれば、隠匿していくことは非常に難しいのが実情です。
 ただ、相手の収入を早めに把握しておけば、離婚するまでに生活費としてどの程度のお金をもらうことができ、離婚後養育費としてどの程度のお金がもらえそうかという見込みを立てることができます。

 なお、同居中、夫側が口頭で話していた収入の金額と、実際にもらっていた給料の金額が違うと言うこともありますので、可能な限り源泉徴収票、給料明細書・賞与明細書等で相手の収入を把握しておくのが無難です。

③離婚原因の証拠の確保
 これは、こちらからの離婚理由の伝え方にもよるのですが、コロナの問題を主たる離婚理由として伝えてしまいますと、夫側から「コロナの問題は一過性の問題だ」とか「コロナの問題は暫く経てば落ち着く」といった反論が返ってくる可能性が高いです。そのため、通常離婚を切り出す場合にはコロナの問題が拡大する前から抱えていた不満や夫婦の不和についてしっかりと伝えていく必要があろうかと思います。

 そして、このようなコロナ以前の不満や不和については、相手からの言い逃れ等を封じる証拠(ラインやメール等)があれば、あらかじめ収集し、準備しておいた方がよいと思います。

5.今後の生活基盤の確保


 

 前述の今後の養育費の金額等とも関わってくるのですが、離婚した後の住まい、収入を得る手段については事前に目処を付けておく必要があります。 ただ、別居を開始し始めた時期は、夫側がどこまで離婚を争ってくるのか見通せない面もありますので、当面実家のお世話になるとか、パート勤務を開始するといった程度にとどめるケースも多くあります。

6.まとめ


・ 今後「やり直せない」かどうかは身近な人と相談するなどしつつ客観的に判断した方がよい。

・ 離婚に伴うお子様への影響を考える
・ 相手が離婚に反対してきた場合の備えをする。
・ 今後の生活基盤を確保する。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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