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離婚する際には離婚届にサインするだけで良いと思っていませんか?(8)

2015.10.05更新

 

こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。

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1.離婚する際にはきちんと決めごとをすべき

 

 これまでのブログにて、離婚する際には離婚届にサインするだけではなく、きちんと離婚の際に決めるべき決めごとについてはご夫婦で話し合って決めてから離婚すべきことを掲載させていただきました。

 

 今回は、年金分割その他の事項について説明させていただきます。

 

2.年金分割

 

 年金分割とは、旦那様が加入していた厚生年金や共済年金についての婚姻期間中の保険料納付実績を分割する制度です。たまに、旦那様が65歳になった場合年金を200万円もらえる予定の場合、奥様がその半分である100万円をもらえる制度であると誤解されている方がいらっしゃいますが、そうではありません。

 

 あくまで、分割されるのは保険料納付実績ですし、分割対象期間は婚姻期間中のものに限定されますので、年金分割で得られる金額は、通常もっと少額になります。

 

 離婚協議書には、年金分割について「甲と乙との間の別紙記載の情報に係る年金分割についての請求すべき按分割合を0.5と定める」などと表現します。

 

 なお、年金分割にあたっては、社会保険事務所や国家公務員共済組合連合会に行き、年金分割のための情報提供通知書を取得しておく必要があります。

 

3.連絡先変更等の通知義務

 

 例えば、離婚協議書には「甲及び乙は、本件離婚後、第○条の養育費支払義務が終了するまで、住居所・勤務先・連絡先が変更になった場合並びに再婚した場合には、互いに、遅滞なく、相手方にその旨を通知しなければならない。」といった書き方をします

 

 離婚をしても養育費の支払いを受けるために、今後相手方と連絡を取る必要があるケースも出てきますが、その際に無断で引越しや携帯電話の番号を変更されますと連絡が取れなくなってしまいますので、そのことを防止するための定めになります。

 

4.清算条項

 

 離婚協議書には「甲及び乙は、本件離婚に関して、本協議書に定める他、互いに何らの債権債務のないことを確認する。」といった定め方をします。

 これは、離婚協議書に書いてあることが全てであり、それ以外のことを後から主張しないという内容の記載になります。

 

 この規定(法律用語としては「清算条項」という言い方をします)を入れますと、今後先方から何か協議書に書いていないことなどで別個の請求を受ける危険性はなくなりますが、他方で、こちらが記載しなければならない事項を書き漏らしていた場合に、今後請求できなくなってしまいますので、この清算条項を入れるかどうかは極めて慎重に検討して下さい。

 

5.医療保険

 

 この点は、通常、離婚協議書には書かないのですが、離婚する際にはご夫婦できちんと今後の手続について話し合っておく必要があります。

 

 即ち、通常婚姻中奥様は旦那様を世帯主とする健康保険に加入していることが多いと思いますが、離婚すると奥様はご自身の勤務先の健康保険に加入するか、定職に就いていない場合などには国民健康保険に加入する必要があります。

 

 また、お子様についても旦那様を世帯主とする健康保険に加入していると思われますので、離婚後奥様がお子様の親権者となる場合には、保険の切り替えが必要になります。

 

 このような保険の切り替えにおいて、旦那様の勤め先の健康保険から、国民健康保険に切り替える場合、旦那様の方で健康保険の資格喪失証明を取得した上でないと、奥様は健康保険の切り替えが出来ないのが通常です。

 

 ですので、離婚時には、保険の切り替えについてどのような書類が必要で、旦那様にきちんと書類作成を依頼しておくなど、今後の手続についてきちんと約束しておく必要があります。

 

6.荷物の引取 

 

 また、この点も通常離婚協議書には書かないのですが、荷物の引取については離婚時にきちんと話し合って決めておく必要があります。

 実際に荷物を引き取る際には、旦那様の方から「これは、こちらの費用負担で購入したものだから持っていくな」といった話が出されたり、逆に「これはもういらないから持っていってくれ」といったものが出てくることが多いので、どのものを引き取るのか等についてきちんと約束しておいた方がよいと思います。

 

 特にお子様の写真アルバムなどは、どちらに帰属させるかについて争いになることもありますので、きちんと話し合って決めておくようにして下さい。

 

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投稿者: 弁護士秦真太郎

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