【絶対に離婚したくない(21)】(夫からの視点)子供との面会交流への力の入れ具合
2023.12.04更新
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。諦めるのはまだ早い、最後の最後まで離婚回避に尽力する弁護士の立場から詳しく解説していきます。
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1.面会交流のトピックスの重み
例えば、奥様が突如お子様を連れて別居を開始し、お子様と自由に会うこともできなくなったとした場合、あなたとしては今すぐにでもお子様の元気な姿を確認したいと思うかもしれません。
このようにあなたにとってお子様のことが非常に大事だとしても、奥様が離婚の調停を起こしたようなケースでは、面会交流は離婚の一つの条件としてしか議論されなくなってしまいます。
他方で、面会交流の議論にばかり時間を割いてしまうと離婚するかどうかという問題の議論が疎かになりかねません。
そこで、今回は、面会交流というトピックの取り扱い方等について解説します。
2.夫婦関係修復を目指す以上、一定の配慮をしながら進めていく
夫婦円満を目指すケースでも、面会交流を強く希望する場合には、面会交流調停を起こすことを私は推奨しています。
但し、夫婦円満を最終ゴールとする場合には一定の配慮が必要です。
(1)【配慮1】夫婦関係の問題を置き去りにしないこと
お子様に会いたいという気持ちが逸ることは致し方ないと思いますが、そのことばかりを話題にしてしまいますと奥様が置き去りになってしまいます。そうしますと、当然、奥様からも、夫婦円満の真剣度を疑われることになってしまいます。
そのため、まずは、奥様と子供達が自宅に戻ってきてもらうこと、元の生活に戻ってきてもらうことを強く希望していることをしっかりと伝え、奥様が今すぐ戻ることが難しいという場合には、まずお子様だけでも会わせて欲しいという伝え方をするのがベターです。
要するに、夫婦円満を第一目標にしていると言うことを言葉でしっかりと調停委員や奥様に向けて表明しておくことが重要です。
(2)【配慮2】調停を起こす前に奥様側の意向・事情を確認しておく
こちらから面会交流調停を起こす場合には、事前に奥様側の意向を確認した方が望ましいのは当然ですが、そのことに加え、仮に今会わせたくないという場合には、会わせたくない理由も確認しておくのがベターです。
そもそも、先方が面会交流について拒否姿勢ではない場合、敢えてこちらから調停を起こす必要性は薄まりますし、また、いきなり調停を起こすと相手も反発してくる危険性もありますので、これらの確認をしておいた方が良いです。
(3)【配慮3】面会交流頻度
ケースによっては毎週末面会交流するというケースもなくはないのですが、限られた例外的なケースです。一般的には面会交流頻度は月1回程度というのがオーソドックスですので、当初はこれ以上の頻回を求めない方が、相手の生活に配慮している姿勢を示すことができて良いことが多いです。
もちろん、奥様によっては、お子様をこちらに預ける方が自由な時間ができて都合がよいと考える方もいますので、そのような場合には、出来る限り面会交流に応じた方が良いと言うこともあります。
(4)【配慮4】できる限り、こちらから先に調停を仕掛けない
大事なお子様の話ですから、相手と話がうまくいかない場合、急いで面会交流調停を起こしたいと考えることも自然なことかと思います。
ただ、こちらから先に面会交流調停を起こしてしまいますと、奥様は、あなたから先制攻撃を受けたという風に捉えてしまう危険性があるのは事実です。
そのため、できる限り、奥様の方からの離婚調停を待ってから、その調停に被せる形で面会交流調停を起こす方が望ましいことが多いです。
3.面会交流の話題を取り上げるタイミング
奥様の側も、あなたとお子様との関係を案じている場合には、奥様の側から面会交流の話題が出ることもあります。
当然ながら、奥様側から面会交流の提案が出た場合には、あなたとしても、早くお子様達に会いたい旨を伝え、早期に面会交流の調整に入った方が良いかと思います。
しかし、実際には、奥様側から面会交流の話題が出ることは稀で、奥様の方が話題にしたい離婚や婚姻費用の話ばかり言ってくるということの方が多いと思います。
その場合には、すぐに面会交流の話題を出すのではなく、しばらく様子を見てから、面会交流の件に言及した方が良いというケースもあります。あまり急いで面会交流の話を始めると、奥様側から見ると、自分の離婚の要望が認められない中で、夫の要望を飲むことに強く抵抗してくることも多いからです。
そのため、ひとまずは夫婦関係の修復に全力を注ぎたいという場合には、まずは夫婦関係の話に焦点を絞って対応し、妻側が離婚調停を起こしてきたタイミングで、こちらから面会交流調停を起こすという対応をすることが多い気がします(調停になって初めて面会交流を話題にするという意味です)。
4.面会交流の場を関係修復の糸口にすることは?
お子様がまだ小さい年齢だというような場合には、奥様が面会交流に立ち会うというケースも多くあります。そうなった場合、面会交流の場が、奥様と直接顔を合わせる接点になるということもあります。
このような場を関係修復の糸口にしたいというお話が出ることもあります。
確かに、面会交流の様子を見て、奥様の方が離婚を取り下げるというケースもありますが、これは、あなたがお子様と自然に接し、その様子を見て奥様が心境を変化させるというケースの方が多いと思います。また、少なくともお互いが弁護士を立てているような場合には、あまり面会交流の場で奥様と込み入った話をすることは避けた方が良いです。
さらに、関係修復を狙っているというところが奥様に伝わってしまうと、奥様の目から見ると、「お子様をダシに使っている」と感じてしまい、夫婦関係は余計にこじれてしまうと思います。
そのため、少なくとも面会交流であからさまに夫婦修復を狙っているような行動や言動は避けた方が良いかと思います。
5.まとめ
・夫婦円満を目指す以上、以下の点に配慮した方が良い。
1)夫婦円満が第一目標であることをしっかりと調停の場で示すこと
2)事前に相手の意向をしっかりと確認すること
3)あまり頻回を求めないこと
・夫婦関係修復に全力を注ぐために、一旦面会交流の話題は封印するという対応を取ることもある
・面会交流の場を夫婦関係修復の糸口としてあからさまに利用することは避けた方が良い。
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