【改正民法施行!!今後モラハラ元夫は何をしてくるか!?】元夫が突然共同親権への親権者変更を申し立ててきた(1)―まず何をすべきか?
2026.07.27更新

※離婚後共同親権は改正民法で初めて明記された制度ですので、現時点で実務の対応が定着しているわけではありません。本記事は弁護士秦の私見に基づく解説ですので、そのような前提でお読み下さい※
こんにちは、東京・日本橋の弁護士秦(はた)です。これまで20年以上モラハラ離婚に携わってきた経験に基づき、本当に役に立つ詳しいブログ解説を目指して解説していきます。
神田駅から2駅、銀座駅から2駅、秋葉原駅から3駅の事務所です。夜間対応が充実しています。
(この記事は、弁護士秦のオリジナルの記事です。無断転載・無断複製を禁止します)
1.改正民法施行
離婚後共同親権等を主とした内容の民法改正は、法律そのものは令和6年5月17日に成立していたのですが、その施行(その法律が効力を発生すること)は令和8年とされていました。この改正は、離婚後単独親権のみとしていた民法の内容を大きく変更するものでしたので、その法律の内容を世間に広く周知し、また、実務的な対応を整備する観点から、法律の施行まで一定の期間を置くことになったのです。
最終的に民法改正の施行日は令和8年4月1日に設定され、この日から効力が発生することになりました。
2.離婚後共同親権って何なんだ?
(1)「離婚後共同親権」の法律的な意味合い
仮に、離婚後共同親権を選択したとしても、①夫婦が一緒に住まないといけないというわけではありませんし、②お子さんに半々で関わる制度というわけでもありません。
そもそも、離婚する際には、ご夫婦は別々に暮らすことを前提に、お子さんが夫婦のどちらと一緒に住むのかを決めると思います。そして、その様に決めると、お子さんの日常的なことは一緒に住んでいる親が決めるということになると思いますので、「共同親権」というのは、以下のような「お子さんにとって大事な事項を夫婦一緒に決める」という意味合いになります。
- お子さんの転居(引っ越し先の決定)
- 進路に影響する進学先の決定
- 心身に重大な影響を与える医療行為の決定
- 財産の管理(預金口座の開設等)
- 15歳未満のお子さんの氏の変更
- 15歳未満のお子さんの養子縁組の代諾
(2)緊急時は別扱い
前述のように、お子さんにとって重要な事項は、共同親権の場合には、夫婦で話し合って決める必要があるのですが、緊急の場合には、別扱いになります。
例えば、DVや虐待から避難する場合には、あなたの一存で避難及び避難先をどこにするかということを決めて良いということになります。また、お子さんが大きな怪我をしてすぐに医療処置が必要な場合にも、あなたの方で医療処置を受けさせて構いません。
3.今回の事案設定
今回は、以下のような事案を前提に解説していきます。
- 離婚そのものは暫く前に成立している
- 離婚のときの親権者については、妻であるあなたに指定されている
- その後もあなたがお子さんを育てている
- 元夫が突如、共同親権への親権者変更の手続きを取ってきた
4.まず最初に確認すべきなのは、その手続きが「調停」なのか「審判」なのかという点
元夫側から親権者変更の申立てがあったことについて、あなたの方としては、家庭裁判所からの封書が届いて確認するケースが多いかと思います。
その封書を開けると、1枚目か2枚目に何月何日に裁判所に来て下さいと言ったことが書かれているとともに、1枚目の一番上に事件番号が表記されていると思います。
その事件番号に「家イ」と入っていれば調停、「家」とだけ入っていれば審判になります。
調停というのは、家庭裁判所の中の調停室という部屋を利用するものの、あくまで当事者間の話し合いの手続です。これに対して、審判は、裁判所に一定の結論を求める手続きでして、裁判所が下した結論には一定の強制力が発生します。
このように調停と審判とでは、手続きの色彩が大きく異なりますので、まずは、元夫が申し立ててきた手続が「調停」なのか、「審判」なのかを確認することが大事です。
上記のように審判は、裁判所が一定の結論を下してしまう手続きになりますので、審判の方が調停よりも重要度が高いです。
そのため、「審判」の場合には、「調停」の場合よりも、後述のような弁護士への相談を、より早めに実施した方が良いです。
5.早めに弁護士に相談する
前述のように、今開始している手続が「審判」なのか、「調停」なのかの確認がで来ましたら、早めに弁護士に相談することをオススメします。
裁判所からは様々な書類が届くため、それを自分一人で読み込むことは難しいことが多いと思います。
もちろん、過去の離婚の件をお願いした弁護士がいるとか、正式な依頼はしていないけれども相談している弁護士がいるということでしたら、その弁護士に相談することでも良いかと思います。
まずは、弁護士に相談して、今どのような事態が起こっているのか、自分が何をすべきなのかについては、早めに確認するようにして下さい。
6.弁護士を雇うかどうかのポイント
前述のように弁護士に相談したからと言って「弁護士を雇わなければいけない」という話ではありません。
弁護士を雇うと弁護士費用が掛かってしまいますので、正式に依頼するかどうかは慎重に検討したいところです。
大きなポイントとしては、①現状の手続きが「審判」なのか「調停」なのか、②元夫が弁護士を立ててきているのか、③あなたにとってどの程度不利な事情があるのか、という点が検討要素になると思います。
それぞれについて解説していきますと、まず、「審判」なのか「調停」なのか、という点は前述で解説した通りでして、「審判」の方が手続きの重要性が高いので、弁護士を雇う必要性が上がってくるかと思います。
また、元夫が弁護士を立てている場合には、こちらも弁護士を立てるのが望ましいと言えるでしょう。
最後に、「あなたにとってどの程度不利な事情があるのか」の点は、前述の弁護士への相談の中で分かってくる事情だと思いますので、弁護士と話をしながら見極めるのが良いと思います。当然ながら、あなたにとって不利な事情が相当数ある場合には、弁護士を雇う必要性は上がってくることになります。
7.元夫がいきなり共同親権への親権者変更の「審判」を申し立ててきた場合
この点は、今後の実務の運用状況を見極めなければならないと思いますので、これは私の私見ですが、元夫がいきなり審判を申し立てても、裁判所の判断で、調停に戻される比率が高くなるように思えます。
よほど緊急で、あなたの親権行使に問題があるといった事情があるならともかく、そうでない場合には、まずは慎重に調停の場で話をさせたほうが良いと裁判官が考える可能性が高いからです。
そのため、いきなり「審判」が申し立てられたからと言って、必要以上に不安になる必要はないと思います。
8.まとめ
・家庭裁判所から親権者変更手続きの通知が届いた時には、まず、「調停」なのか「審判」なのかを確認した方が良い。
・弁護士に依頼するかどうかはともかく、早めに弁護士に相談した方が良い。
・弁護士を雇うかどうかは、①現状の手続きが「審判」なのか「調停」なのか、②元夫が弁護士を立ててきているのか、③あなたにとってどの程度不利な事情があるのか、という点が大きな検討要素になる。
・元夫がいきなり親権者変更審判を申し立てても、裁判所の判断で、調停に手続きが戻される可能性が高いと見込まれる。
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